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ATA 190 は、データ ネットワーク上での音声通信機能を提供します。この機能を提供するために、ATA 190 は、他の主要な Cisco Unified IP Telephony およびネットワーク コンポーネントに依存して相互作用します。これらのコンポーネントには、Cisco Unified Communications Manager、DNS サーバ、DHCP サーバ、TFTP サーバ、メディア リソースなどがあります。
この章では、ATA 190、Cisco Unified Communications Manager、DNS サーバ、DHCP サーバ、TFTP サーバ、およびスイッチの間で行われる相互作用を中心に説明します。また、ATA 190 の電源供給オプションについても説明します。
音声および IP 通信に関する関連情報については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/index.html
この章では、ATA 190 と Voice over IP(VoIP)ネットワークの他の主要コンポーネントとの間で行われる相互作用の概要について説明します。次の項で構成されています。
• 「他の Cisco Unified IP Communications 製品とのやり取りの概要」
• 「Cisco Unified Communications Manager データベースへの ATA 190 の追加」
ATA 190 を IP テレフォニー ネットワークで機能させるには、ATA 190 を Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーク デバイスに接続する必要があります。また、コールを送受信する前に、ATA 190 を Cisco Unified Communications Manager システムに登録する必要があります。
ここでは、「ATA 190 と Cisco Unified Communications Manager の相互作用の概要」について説明します。
Cisco Unified Communications Manager は、業界標準のオープンなコール処理システムです。Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアは、従来の PBX 機能を企業の IP ネットワークに統合して、ATA 190 に接続された電話機間でコールを確立および切断します。Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランなどの機能で必要になる IP テレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。また、Cisco Unified Communications Manager には、次の機能もあります。
• 認証および暗号化(テレフォニー システム用に設定されている場合)
• TFTP サービスを介した設定ファイルと CTL ファイル
• コールの保存。この機能により、プライマリ Communications Manager と電話機間でシグナリングが消失してもメディア セッションが継続されます。
この章で説明している IP デバイスと連動するように Cisco Unified Communications Manager を設定する方法については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』、『Cisco Unified Communications Manager システム ガイド』、および『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』を参照してください。
ATA 190 は、外部電源によって電力供給されます。外部電源は、独立型の電源を通じて提供されます。
ATA 190 への電力供給の詳細については、次の各項で説明します。
• 「停電」
ATA 190 の外部電源には、次の電源タイプおよびガイドラインが適用されます。
電話機で緊急サービスにアクセスできるかどうかは、電源が供給されている電話機に依存します。電源障害がある場合、電源が復旧するまで、利用および緊急コール サービス ダイヤルは機能しません。電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、利用および緊急コール サービスへのダイヤルを行う必要があります。
電話機の設定ファイルは TFTP サーバに保存されており、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータを定義しています。通常は、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified Communications Manager で行うたびに、その変更内容が電話機の設定ファイルに自動的に反映されます。システムをリセットまたは再起動する必要がある場合、両方のポートを同時にリセットまたは再起動する必要があります。
設定ファイルには、電話機がどのイメージ ロードを実行するかも記述されています。このイメージのロードが、電話機に現在ロードされているイメージと異なる場合、その電話機は、TFTP サーバと交信して、必要なロード ファイルを要求します (これらのファイルは、ファイルの発信元の正当性を保証するためにデジタル署名されています)。
また、設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated に設定されており、電話機の CTL ファイルに Cisco Unified Communications Manager に対する有効な証明書が存在する場合、電話機は Cisco Unified Communications Manager との TLS 接続を確立します。それ以外の場合、電話機は TCP 接続を確立します。セッション開始プロトコル(SIP)電話機の場合、TLS 接続には、設定ファイルの転送プロトコルが TLS に設定されていることも必要です(Cisco Unified Communications Manager の SIP セキュリティ プロファイルの転送タイプに対応)。
(注) 設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated または Encrypted に設定されているにもかかわらず、電話機が CTL ファイルをまだ受信していない場合、電話機は確実に登録できるようにファイルの取得を 4 回試みます。
(注) ただし、Cisco Extension Mobility Cross Cluster の場合は例外で、電話機は Cisco Unified Communications Manager との TLS 接続を許可し、CTL ファイルがなくてもセキュア シグナリングを可能にします。
Cisco Unified CM の管理でセキュリティ関連の設定値を設定した場合は、電話機の設定ファイルに機密情報が含まれます。設定ファイルのプライバシーを確保するため、ファイルを暗号化するように設定する必要があります。詳細については、『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「 Configuring Encrypted Phone Configuration Files(電話機の暗号化設定ファイルの設定) 」を参照してください。
電話機は、Cisco Unified Communications Manager および TFTP に割り当てられた証明書が格納された有効な信頼リスト ファイルを受け取っていない場合のみ、XmlDefault.cnf.xml という名前のデフォルト設定ファイルにアクセスします。
自動登録が有効になっておらず、電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースに追加されていない場合、その電話機は Cisco Unified Communications Manager への登録を試行しません。自動登録を有効にするか、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加するまでは、「IP を設定中(Configuring IP)」というメッセージが電話機に継続的に表示されます。
電話機が登録済みの場合、電話機は ATA< mac_address >.cnf.xml( mac_address は電話機の MAC アドレス)という名前の設定ファイルにアクセスします。
SIP 電話機の場合、TFTP サーバによって次の SIP 設定ファイルが生成されます。
– 署名も暗号化もされないファイル:ATA<mac>.cnf.xml
– 署名されているファイル:ATA<mac>.cnf.xml.sgn
– 署名され、暗号化されているファイル:ATA<mac>.cnf.xml.enc.sgn
– 2 番目のダイヤル トーンでは「 , 」がサポートされません。「 , 」は無視されます。
– 「 + 」ダイヤル パターンはサポートされません。「 + 」が含まれるダイヤル パターンは無視されまます。
– 1 つのダイヤル パターンに含めることのできるルール セットは最大 100 です。
これらのファイル名は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウにある [MAC アドレス(MAC address)] フィールドと [説明(description)] フィールドから生成されます。電話機は、MAC アドレスによって一意に識別されます。詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
電話機と TFTP サーバの相互対話については、『 Cisco Unified Communications Manager システム ガイド 』の「 Cisco TFTP 」の項を参照してください。
ATA 190 を VoIP ネットワークに接続すると、 表 2-1 で説明している標準起動プロセスが開始されます。ネットワークの設定によっては、プロセスの一部のステップが ATA 190 で実行されない場合もあります。
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「ATA 190 への電力供給」を参照してください。 |
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Cisco Unified IP Phone には、ファームウェア イメージとユーザ定義プリファレンスを保存する、不揮発性のフラッシュ メモリがあります。起動時に、電話機はブートストラップ ローダーを実行して、フラッシュ メモリに保存されている電話イメージをロードします。このイメージを使用して、電話機は自身のソフトウェアとハードウェアを初期化します。 |
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Cisco Unified IP Phone が DHCP を使用して IP アドレスを取得する場合、デバイスは DHCP サーバにクエリーを送って IP アドレスを取得します。ネットワークで DHCP を使用しない場合は、個々のデバイスに対してスタティック IP アドレスをローカルに割り当てる必要があります。 |
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TFTP サーバに、CTL ファイルが保管されています。このファイルには、デバイスと Cisco Unified Communications Manager の間の安全な接続を確立するために必要な証明書が含まれています。 |
『Cisco Unified Communications Manager セキュリティ ガイド』の「 Configuring the Cisco CTL Client(Cisco CTL クライアントの設定) 」の章を参照してください。 |
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TFTP サーバに存在する設定ファイルは、Cisco Unified Communications Manager に接続するためのパラメータや、ATA 190 に関するその他の情報を定義しています。 |
「電話機の設定ファイルについて」を参照してください。 |
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Cisco Unified Communications Manager との交信。 設定ファイルは、ATA 190 が Cisco Unified Communications Manager とどのように通信するかを定義し、デバイスにロード ID を提供します。デバイスは、このファイルを TFTP サーバから取得すると、リスト内で優先順位が最も高い Cisco Unified Communications Manager への接続を確立しようとします。(暗号化または認証された)セキュアなシグナリング用にデバイスのセキュリティ プロファイルが設定され、Cisco Unified Communications Manager がセキュア モードに設定されている場合、デバイスは TLS 接続を実行します。それ以外の場合は、非セキュア TCP 接続を実行します。 |
「電話機の設定ファイルについて」を参照してください。 |
ATA 190 をインストールする前に、デバイスを Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法を選択する必要があります。この方法については、次の各項で説明します。
• 「Cisco Unified Communications Manager 管理ページを使用した ATA 190 の追加」
表 2-2 は、ATA 190 を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法の概要を示しています。
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ATA 190 の設置を開める前に自動登録を有効にする方法には、次の利点があります。
• ATA 190 から最初に MAC アドレスを収集することなく、デバイスを追加できます。
• 電話機を IP テレフォニー ネットワークに物理的に接続すると、自動的に ATA 190 が Cisco Unified Communications Manager データベースに追加されます。自動登録中に、Cisco Unified Communications Manager は連続する電話番号の中から次に使用可能なものを電話機に割り当てます。
• デバイスを Cisco Unified Communications Manager データベースにすばやく登録し、電話番号などの設定を Cisco Unified Communications Manager から変更できます。
• 自動登録されたデバイスを新しい場所に移動し、電話番号を変更することなく、別のデバイス プールにそれらを割り当てることができます。
(注) ATA 190 は Unified CM に 2 台のデバイスを自動登録します。
自動登録は、デフォルトでは無効になっています。場合によっては自動登録を使用したくないことがあります(たとえば特定の電話番号を電話に割り当てる、または、『 Cisco Unified Communications Manager Security Guide 』に説明されているように、Cisco Unified Communications Manager による安全な接続の使用を計画している場合)。自動登録を有効する方法については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Enabling Auto-Registration(自動登録の有効化)」を参照してください。
(注) Cisco CTL クライアントを通じてクラスタを混合モードに設定すると、自動登録は自動的に無効になります。Cisco CTL クライアントを介してクラスタを非セキュア モードに設定すると、自動登録は自動的に有効になりません。
「Cisco Unified Communications Manager 管理ページを使用した ATA 190 の追加」
Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して、ATA 190 を個別に Cisco Unified Communications Manager データベースに追加できます。追加するには、まず各デバイスの MAC アドレスを入手する必要があります。
MAC アドレスの確認方法については、「ATA 190 の MAC アドレスの判別」を参照してください。
MAC アドレスを収集した後に、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで [デバイス(Device)] > [電話(Phone)] を選択し、[新規追加(Add New)] をクリックして追加を開始します。
(注) 最初のデバイスで使用される MAC アドレスが、2 番目のデバイスではシフトされて使われます(たとえば、MAC アドレスが AABBCCDDEEFF から BBCCDDEEFF01 にシフトされます)。Unified CM の管理ページから、2 台のデバイスを追加できます。
詳細な手順および Cisco Unified Communications Manager の概念については、 『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』 および 『Cisco Unified Communications Manager System Guide』 を参照してください。
このマニュアルで説明されているいくつかの手順では、CATA 190 の MAC アドレスを判別する必要があります。次のいずれかの方法で、デバイスの MAC アドレスを判別できます。
• デバイスの Web ページを表示し、[デバイス情報(Device Information)]ハイパーリンクをクリックします。