この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、MSE 上でハイ アベイラビリティを設定する方法について説明します。モビリティ サービス エンジンは、複数のモビリティ アプリケーションをホストするプラットフォームです。アクティブな各 MSE は別の非アクティブ インスタンスによりバックアップされます。アクティブな MSE はプライマリ MSE、非アクティブな MSE はセカンダリ MSE と呼ばれます。
ハイ アベイラビリティ システムの主要なコンポーネントは、ヘルス モニタです。ヘルス モニタは、ハイ アベイラビリティ セットアップを設定、管理、モニタします。プライマリ MSE とセカンダリ MSE の間でハートビートが維持されます。ヘルス モニタは、データベースのセットアップ、ファイルのレプリケーション、アプリケーションのモニタリングを行います。プライマリ MSE で障害が発生し、セカンダリ MSE に切り替わると、プライマリ MSE の仮想アドレスが透過的に切り替わります。
• 「組み合わせ表」
ここでは、ハイ アベイラビリティ アーキテクチャの概要について説明します。
• アクティブな各プライマリ MSE は別の非アクティブ インスタンスによりバックアップされます。セカンダリ MSE の目的は、プライマリ MSE のアベイラビリティと状態をモニタすることです。セカンダリ MSE は、フェールオーバー手順の開始後にアクティブになります。
表 4-1 に、サーバ タイプの組み合わせに関する情報を示します。
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• NCS からヘルス モニタの IP と仮想 IP の両方にアクセスできる必要があります。
• ヘルス モニタ IP と仮想 IP は常に異なる IP でなければなりません。ヘルス モニタと仮想インターフェイスは、同じインターフェイス上にあっても別のインターフェイス上にあってもかまいません。
• 手動フェールオーバーと自動フェールオーバーのいずれかを使用できます。フェールオーバーは、一時的なものであると見なす必要があります。故障した MSE をできるだけ早く復旧して、フェールバックを再開する必要があります。故障した MSE の復旧に時間がかかるほど、セカンダリ MSE を共有する他の MSE をフェールオーバー サポートなしで稼働する時間が長くなります。
• 手動フェールバックと自動フェールバックのいずれかを使用できます。
• プライマリ MSE とセカンダリ MSE は、同じソフトウェア バージョンを実行する必要があります。
• WAN 上のハイ アベイラビリティはサポートされません。
• LAN 上のハイ アベイラビリティは、プライマリ MSE とセカンダリ MSE の両方が同じサブネット内にある場合に限りサポートされます。
• プライマリとセカンダリの MSE が通信するポートを開ける(ネットワーク ファイアウォール、アプリケーション ファイアウェイ、ゲートウェイなどでブロックしない)必要があります。
プライマリ MSE で障害が検出されると、次のイベントが発生します。
(注) 1 つのセカンダリ MSE が複数のプライマリ MSE をバックアップできます。
• セカンダリ MSE のヘルス モニタにより、プライマリ MSE が機能していないこと(ハードウェア障害、ネットワーク障害など)が確認されます。
• 自動フェールオーバーが有効に設定されている場合、セカンダリ MSE がただちに起動し、プライマリ MSE の該当するデータベースを使用します。自動フェールオーバーが無効にされている場合は、フェールオーバーを手動で開始するかどうかを確認する電子メールが管理者に送信されます。
• 手動フェールオーバーが設定されていると、電子メールが MSE アラーム用に設定されている場合にだけ電子メールが送信されます。手動フェールオーバーが設定されていて、呼び出されない場合、フェールバックの必要はありません。
• フェールバックが呼び出され、プライマリ MSE がすべての操作を実行するようになります。
• フェールオーバー操作の結果はヘルス モニタ UI でイベントとして示され、クリティカル アラームが管理者に送信されます。
セカンダリ MSE がすでにプライマリ MSE をフェールオーバーしている場合、プライマリ MSE が通常の状態に戻ると、フェールバックを呼び出すことができます。
フェールバックが発生するのは、セカンダリ MSE がプライマリ インスタンスに対して次のいずれかの状態である場合だけです。
• セカンダリ MSE が実際にプライマリ MSE をフェールオーバーしている。
• 手動でのフェールオーバーが設定されているが、管理者が呼び出さなかった。
• プライマリ MSE で障害が発生したが、エラーが検出されたか、またはセカンダリ MSE が別のプライマリ MSE をフェールオーバーしていることが原因で、セカンダリ MSE が引き継ぐことができない。
MSE HA システムをセットアップする場合、別途ライセンスは必要ありません。仮想アプライアンス セカンダリにはアクティベーション ライセンスは必要ありません。
MSE でハイ アベイラビリティを設定するには、次の 2 つの操作を行う必要があります。
• MSE ソフトウェアのインストール中に、コマンドライン クライアントを使用して特定の設定を行う必要があります。
• NCS UI からプライマリ MSE とセカンダリ MSE を組み合わせます。
(注) ハイ アベイラビリティ サポートを使用しない場合、および古いリリースからのアップグレードを実行している場合は、引き続き MSE の古い IP アドレスを使用してください。ハイ アベイラビリティをセットアップするには、ヘルス モニタの IP アドレスを設定する必要があります。したがって、ヘルス モニタが仮想 IP アドレスになります。
(注) デフォルトでは、すべての MSE がプライマリとして設定されます。
プライマリ MSE でハイ アベイラビリティを設定するには、次の手順に従います。
ステップ 1 プライマリとセカンダリの間のネットワーク接続が機能しており、すべての必要なポートが開いていることを確認します。
ステップ 2 正しいバージョンの MSE をプライマリ MSE 上にインストールします。
ステップ 3 他のプライマリ MSE 上およびセカンダリ MSE 上でロードされているリリース バージョンと同じ MSE リリース バージョンが、新しいプライマリ MSE 上にもロードされていることを確認します。
ステップ 4 プライマリ MSE で次のコマンドを入力します。
ホスト名は、ネットワーク上のデバイスを識別できる一意の名前にしてください。ホスト名は、文字で開始し、文字または数字で終了し、文字、数字、およびダッシュだけを含みます。
デバイスが属するネットワーク ドメインのドメイン名を入力します。ドメイン名は、文字で開始し、. com などの有効なドメイン名サフィックスで終了します。ドメイン名には、文字、数字、ダッシュ、ピリオドを使用できます。
ステップ 8 イーサネット インターフェイス パラメータを設定します。
ステップ 9 「eth1」インターフェイス パラメータの入力を求められた場合、Skip と入力して次の手順に進みます。2 つめの NIC は操作に必要ではありません。
セカンダリ MSE を設定するには、ステップ 10 ~ステップ 13 に従います。
ステップ 10 セカンダリ MSE のホスト名を設定します。
ステップ 13 イーサネット インターフェイス パラメータを設定します。
ステップ 14 プライマリ MSE とセカンダリ MSE の両方を設定したら、NCS UI を使用してプライマリ MSE とセカンダリ MSE の組み合わせを設定する必要があります。
ステップ 15 プライマリ MSE が適切に追加されたら、[Services] > [High Availability] の順に選択するか、または [Services] > [Mobility Services Engine] ページを選択してこのページでプライマリ MSE デバイスをクリックし、左側のサイドバーのメニューから [HA Configuration] > [Service High Availability] の順に選択します。
[HA Configuration] ページが表示されます。
ステップ 16 プライマリ MSE とペアにするセカンダリ デバイスの名前を入力します。
ステップ 17 セカンダリ IP アドレス(セカンダリ MSE のヘルス モニタ IP アドレス)を入力します。
ステップ 18 セカンダリのパスワードを入力します。これは、MSE 上で設定されている NCS 通信パスワードです。
ステップ 19 フェールオーバー タイプを指定します。[Failover Type] ドロップダウン リストから [Manual] または [Automatic] を選択できます。10 秒後にシステムがフェールオーバーします。セカンダリ サーバは、プライマリ サーバからの次のハートビートを最大 10 秒間待機します。10 秒以内にハートビートを受信しないと、失敗が宣言されます。
ステップ 20 [Failback Type] ドロップダウン リストから [Manual] または [Automatic] を選択して、フェールバック タイプを指定します。
ステップ 21 [Long Failover Wait] に秒単位で値を指定します。
10 秒後にシステムがフェールオーバーします。最大フェールオーバー待機時間は 2 秒です。
ステップ 23 プライマリ MSE からハートビートを受信しているかどうかを確認するには、[Services] > [Mobility Services Engine] の順に選択するか、[Device Name] をクリックして設定されているパラメータを表示します。
ステップ 24 左側のサイドバーのメニューから [HA Configuration] > [Service High Availability] の順に選択します。
プライマリ MSE からハートビートを受信しているかどうかを確認します。
ハイ アベイラビリティについて設定されているパラメータを表示するには、次の手順に従います。
ステップ 1 [Services] > [High Availability] の順に選択します。
ステップ 2 [Device Name] をクリックして、設定されているフィールドを表示します。
[HA Configuration] ページが表示されます。
ステップ 3 左側のサイドバー メニューから [Services High Availability] > [HA Configuration] の順に選択します。[HA Configuration] ページには次の情報が表示されます。
ハイ アベイラビリティ ステータスを表示するには、次の手順に従います。
ステップ 1 [Services] > [High Availability] の順に選択します。
ステップ 2 [Device Name] をクリックして、該当するステータスを表示します。
[HA Configuration] ページが表示されます。
ステップ 3 左側のサイドバーのメニューから [Services High Availability] > [HA Status] の順に選択します。[HA Configuration] ページには次の情報が表示されます。
• Current high Availability Status
– [Status]:プライマリ MSE インスタンスとセカンダリ MSE インスタンスが正しく同期されているかどうかを示します。
– [Heartbeats]:プライマリ MSE からハートビートを受信しているかどうかを示します。
– [Data Replication]:プライマリ データベースとセカンダリ データベース間でデータ レプリケーションが実行されているかどうかを示します。
– [Mean Heartbeat Response Time]:プライマリ MSE インスタンスとセカンダリ MSE インスタンス間での平均ハートビート応答時間を示します。
• [Event Log]:MSE により生成されるすべてのイベントを表示します。最新 20 イベントを表示できます。