サイレント機能の設定チェックリスト
サイレント(DND)機能は、次のオプションを提供します。
• [コール拒否(Call Reject)]:このオプションでは、着信コールに関する情報がユーザに何も表示されないように設定します。[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] パラメータをどのように設定するかに応じて、電話機はビープ音を再生するか、またはコールを点滅で表示するようになります。
• [呼出音オフ(Ringer Off)]:このオプションでは、呼び出し音はオフになりますが、着信コールの情報がデバイスに表示されるため、ユーザはコールを受信することが可能です。
DND が有効の場合、通常優先順位の新しい着信コールはすべて、デバイスの DND 設定に従います。Cisco Emergency Responder(CER)コールや Multi-Level Precedence & Preemption(MLPP)を使用したコールなど、高優先順位のコールが着信した場合は、デバイスで呼び出し音が鳴ります。また、DND を有効にすると、自動応答機能が無効になります。
表 20-1 に、サイレント機能を設定する際のチェックリストを示します。サイレント機能の詳細については、「サイレント機能の概要」および 「関連項目」を参照してください。
サイレント機能の概要
DND が有効の場合、通常優先順位の新しい着信コールはすべて、デバイスの DND 設定に従います。Cisco Emergency Responder(CER)コールや Multi-Level Precedence & Preemption(MLPP)を使用したコールなど、高優先順位のコールが着信した場合は、デバイスで呼び出し音が鳴ります。また、DND を有効にすると、自動応答機能が無効になります。
ユーザは、次のいずれかの方法で、DND の有効と無効を切り替えることができます。
• ソフトキー
• 機能回線キー
• Cisco Unified CM のユーザ オプションのウィンドウ
また、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、電話機ごとに DND の有効と無効を切り替えることもできます。
DND を有効にすると、Cisco Unified IP Phone に「サイレントはアクティブです」と表示されます。また、DND がアクティブになると、DND 回線ボタン アイコンが中空の円になり、ランプがオレンジ色に点灯します。
着信呼警告の設定
DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] または [コール拒否(Call Reject)] が有効の場合、着信呼警告がユーザにどのように表示されるかは、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] の設定によって決まります。次のリストに、利用可能なオプションを示します。
• [なし(None)]:このオプションを指定すると、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウの [DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] 設定がこのデバイスで使用されるようになります。
• [無効(Disable)]:このオプションは、コールについてのビープ音と点滅による通知を両方とも無効にします。ただし、DND のオプションが [呼出音オフ(Ringer Off)] の場合、着信コールの情報は表示されます。DND のオプションが [コール拒否(Call Reject)] の場合、警告は何も表示されず、デバイスには何の情報も送られません。
• [ビープ音のみ(Beep Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機ではビープ音だけが再生されます。
• [フラッシュのみ(Flash Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機では点滅による警告が表示されます。
[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] は、デバイスごとに設定できます。また、グループごとに設定する場合は、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウで設定することもできます。デバイス レベルで設定しない場合は、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] の設定が使用されます。
サイレントのアーキテクチャの概要
この項では、SIP デバイスと SCCP デバイスの両方を対象に、DND のアーキテクチャの概要について説明します。次のトピックについて取り上げます。
• 「SIP デバイスの DND ステータス通知」
• 「SCCP デバイスの DND ステータス通知」
SIP デバイスの DND ステータス通知
Cisco Unified Communications Manager は、SIP デバイスまたは Cisco Unified Communications Manager デバイスが開始するサイレントをサポートしています。DND ステータスの変更信号が SIP デバイスから Cisco Unified Communications Manager に送信されるときは、SIP PUBLISH メソッド(RFC3909)が使用されます。DND ステータスの変更信号が Cisco Unified Communications Manager から SIP デバイスに送信されるときは、dndupdate Remote-cc REFER 要求が使用されます。また、 Cisco Unified Communications Manager では、デバイスのサイレント ステータスを、デバイスのビジー ステータスおよびアイドル ステータスと一緒に発行することもできます。
SCCP デバイスの DND ステータス通知
Cisco Skinny Client Control Protocol(SCCP)は、SCCP デバイスまたは Cisco Unified Communications Manager デバイスが開始するサイレント要求をサポートしています。DND ステータスの変更信号が SCCP デバイスから Cisco Unified Communications Manager に送信されるときは、SCCP メッセージが使用されます。
サイレント機能のシステム要件
次の項では、サイレントのソフトウェア要件とハードウェア要件について説明します。
• 「ソフトウェア要件」
• 「ハードウェア要件」
ソフトウェア要件
サイレント機能が動作するには、次のソフトウェア コンポーネントが必要です。
• Cisco Unified Communications Manager リリース 7.0(1) 以降
ハードウェア要件
次の Cisco Unified IP Phone は、サイレント機能をサポートしています。
• SCCP および SIP を実行する Cisco Unified IP Phone:7906G、7911G、7931G、7941G-GE、7942G、7945G、7961G-GE、7962G、7965G、7970G、7971G-GE、7975
• SCCP を実行する Cisco Unified IP Phone:7940、7960
(注) SIP を実行している Cisco Unified IP Phone 7940 および 7960 は、サイレントに関する独自の下位互換性を実装しています。この設定は、[SIPプロファイル(SIP Profile)] ウィンドウで行います。
インタラクションおよび制限事項
インタラクションおよび制限事項については、次の各項を参照してください。
• 「インタラクション」
• 「制限事項」
不在転送
Cisco Unified IP Phone では、サイレント(DND)機能がアクティブであることを示すテキスト メッセージの方が、新しいボイスメール メッセージが存在することを示すテキスト メッセージよりも優先されます。これにより、ユーザは DND がアクティブになったことを把握できます。ただし、不在転送機能がアクティブであることを示すテキスト メッセージは DND よりも優先されます。
パーク復帰
ローカルでパークされたコールについては、DND(両方のオプション)よりもパーク復帰が優先されます。DND が有効になっている電話機 A がコールをパークしている場合、電話機 A に対するパーク復帰は通常どおりに処理され、電話機 A で呼び出し音が鳴ります。
リモートでパークされたコールについては、パーク復帰よりも DND が優先されます。
• DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] がアクティブになっている電話機 A が電話機 A' と回線を共有している場合、電話機 A' がコールをパークしているときは、電話機 A でパーク復帰が行われても、呼び出し音は鳴りません。この場合は、DND 設定に従います。
• 電話機 A が DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにしている場合、パーク復帰コールは電話機 A に表示されません。
ピックアップ
ローカルで開始されたピックアップ要求については、DND(両方のオプション)よりもピックアップが優先されます。DND が有効になっている電話機 A が何らかのピックアップを開始した場合、ピックアップ コールは通常どおりに表示され、電話機 A で呼び出し音が鳴ります。
リモートで開始されたピックアップ要求については、ピックアップよりも DND が優先されます。
• DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] がアクティブになっている電話機 A が電話機 A' と回線を共有している場合、電話機 A' がピックアップを開始したときは、電話機 A に対するピックアップ コールによって呼び出し音が鳴ることはありません。この場合は、DND 設定に従います。
• 電話機 A が DND の [コール拒否(Call Reject)] モードにある場合、ピックアップ コールは電話機 A に表示されません。
保留復帰とインターコム
保留復帰とインターコムは、DND(両方のオプション)よりも優先されます。したがって、コールは通常どおりに表示されます。
MLPP と CER
MLPP(SCCP を実行している電話機)および CER コールは、DND(両方のオプション)よりも優先されます。MLPP コールと CER コールは通常どおりに表示され、電話機で呼び出し音が鳴ります。
折返し
発信側に関しては、折返しは DND よりも優先されます。アクティブなデバイスが DND モード(両方のオプション)にある場合でも、折返し通知(音声と表示の両方)はユーザに表示されます。
受信側に関しては、折返しよりも DND が優先されます。
• 受信側が DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] モードにある場合、受信側がオフフックにしてからオンフックにした後に、折返しを使用可能とする画面が送信されます。
• 受信側が DND の [コール拒否(Call Reject)] モードにあって使用可能である(オフフック後にオンフックになっている)とき、アクティブなデバイスが同じクラスタにある場合、そのアクティブなデバイスに対して「<DirectoryNumber> は使用可能になりましたが、DND-R にあります。」という新しい画面が送信されます。折返し通知は、受信側が DND の [コール拒否(Call Reject)] を無効にした後でのみ送信されます。
ピックアップ通知
DND のオプションが [呼出音オフ(Ringer Off)] の場合、ビジュアル通知だけがデバイスに表示されます。
DND のオプションが [コール拒否(Call Reject)] の場合、デバイスに通知は表示されません。
ハント リスト
ハント リスト内のデバイスが DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] をアクティブにしている場合でも、そのハント リストにコールが発信されると、そのコールはユーザに表示されます。ただし、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] を設定した場合は、この設定が適用されます。
ハント リスト内のデバイスが DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにしている場合、そのハント リストに発信されたコールは次のメンバに送られ、このデバイスには送信されません。
エクステンション モビリティ
エクステンション モビリティでは、デバイス プロファイルの設定には、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] と DND ステータスが含まれます。ユーザがログインし、DND を有効にすると、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] と DND ステータスの設定が保存されます。これらの設定は、ユーザが再度ログインしたときに使用されます。
(注) エクステンション モビリティにログインしているユーザが [DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] と DND ステータスの設定を変更しても、実際のデバイス設定には影響しません。
制限事項
使用中の電話機またはデバイスのタイプに応じて、DND の使用は一部制限されます。
• SCCP または SIP のいずれかを実行している電話機モデルおよびデバイスのうち、次のものは両方の DND オプションをサポートします。
– Cisco Unified IP Phone 7906G
– Cisco Unified IP Phone 7911G
– Cisco Unified IP Phone 拡張モジュール 7914
– Cisco Unified IP Phone 7931G
– Cisco Unified IP Phone 7941G および 7941G-GE
– Cisco Unified IP Phone 7942G
– Cisco Unified IP Phone 7945G
– Cisco Unified IP Phone 7961G および 7961G-GE
– Cisco Unified IP Phone 7962G
– Cisco Unified IP Phone 7965G
– Cisco Unified IP Phone 7970G
– Cisco Unified IP Phone 7971G および 7971G-GE
– Cisco Unified IP Phone 7975G
• SCCP を実行している電話機モデルおよびデバイスのうち、次のものは DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] オプションだけをサポートします。
– Cisco Unified IP Phone 7940
– Cisco Unified IP Phone 7960
– Cisco IP Communicator
(注) SIP を実行する Cisco Unified IP Phone 7940 および 7960 は、サイレントに関する独自の下位互換性を実装しています。
• 次の電話機モデルおよびデバイスは、DND の [コール拒否(Call Reject)] オプションだけをサポートします。
– モバイル デバイス(デュアル モード)
– リモート接続先プロファイル
– Cisco Unified Mobile Communicator
サイレント機能のインストールとアクティブ化
サイレントは、Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアに標準で搭載されているシステム機能です。この機能は、特にインストールする必要はありません。
サイレント機能の設定
この項では、サイレント機能の設定手順について説明します。
• 「サイレントのサービス パラメータの設定」
• 「DND のソフトキーの設定」
• 「DND の機能キーの設定」
• 「DND に関するデバイス パラメータの設定」
• 「共通の電話プロファイルへの DND の追加」
ヒント サイレント機能を設定する前に、「サイレント機能の設定チェックリスト」を参照してください。
サイレントのサービス パラメータの設定
Cisco Unified Communications Manager には、サイレントに関するシステム全体のサービス パラメータである BLF Status Depicts DND が用意されています。このパラメータは、BLF(Busy Lamp Field)ステータスの計算において DND ステータスを考慮するかどうかを指定します。パラメータは [True] または [False] に設定できます。
• BLF Status Depicts DND に [True] を指定し、DND がデバイスでアクティブになった場合は、デバイスの BLF ステータス インジケータまたはライン アピアランスに DND の状態が反映されます。
• BLF Status Depicts DND に [False] を指定し、DND がデバイスでアクティブになった場合は、デバイスの BLF ステータス インジケータまたはライン アピアランスに実際のデバイス状態が反映されます。
BLF Status Depicts DND をクラスタに対して有効または無効にした場合、クラスタの設定は、DND をサポートするクラスタ内の電話機すべてに適用されます。
(注) このサービス パラメータを設定するには、[システム(System)] > [サービスパラメータ(Service Parameters)] に移動し、設定するサーバの [Cisco CallManager] サービスを選択します。[Clusterwide Parameters (System - Presence)] ペインで、[BLF Status Depicts DND] に目的の状態を指定します。
DND のソフトキーの設定
デフォルトのソフトキー テンプレートでは、DND のソフトキーは使用可能になりません。DND のソフトキーを追加するには、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [ソフトキーテンプレート(Softkey Template)] に移動し、[ソフトキーテンプレートの設定(Softkey Template Configuration)] ウィンドウでソフトキー テンプレートにソフトキーを追加し、テンプレートをデバイスに関連付けます。
DND のソフトキーは次の状態で使用可能になることに注意してください。
• 接続時
• 接続時(会議打診)
• 接続時(転送打診)
• オフフック
• オフフック(機能使用時)
• 保留
• リモートで使用中
• オンフック
• 呼び出し
• リングアウト
• 先頭桁入力後
DND の機能キーの設定
DND の機能キーを設定するには、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [電話ボタンテンプレート(Phone Button Template)] に移動し、[電話ボタンテンプレートの設定(Phone Button Template Configuration)] ウィンドウで [Do Not Disturb] を追加します。
DND に関するデバイス パラメータの設定
DND を特定の Cisco Unified IP Phone に対して設定するには、[デバイス(Device)] > [電話(Phone)] に移動し、設定する電話機を選択します。[電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウの [サイレント(Do Not Disturb)] ペインで、 表 20-2 に示されているパラメータを設定します。
表 20-2 DND のデバイス パラメータ
|
|
[サイレント(Do Not Disturb)] |
電話機でサイレントを有効にするには、このチェックボックスをオンにします。 |
[DNDオプション(DND Option)] |
電話機で DND を有効にした場合、DND 機能が着信コールをどのように処理するかをこのパラメータで指定できます。 • [コール拒否(Call Reject)]:このオプションでは、着信コールに関する情報がユーザに何も表示されないように設定します。[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] パラメータをどのように設定するかに応じて、電話機はビープ音を再生するか、またはコールを点滅で表示するようになります。 • [呼出音オフ(Ringer Off)]:このオプションでは、呼び出し音はオフになりますが、着信コールの情報がデバイスに表示されるため、ユーザはコールを受信することが可能です。 • [共通の電話プロファイル設定を使用(Use Common Phone Profile Setting)]:このオプションを指定すると、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウの [DNDオプション(DND Option)] 設定がこのデバイスで使用されるようになります。 (注) SCCP を実行している 7940 および 7960 電話機の場合は、[呼出音オフ(Ringer Off)] オプションだけを選択できます。モバイル デバイスおよびデュアル モード フォンの場合は、[コール拒否(Call Reject)] オプションだけを選択できます。モバイル デバイスまたはデュアル モード フォンで DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにしている場合、デバイスにはコール情報は何も表示されません。 |
[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] |
このパラメータは、DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] オプションまたは [コール拒否(Call Reject)] オプションを有効にした場合に、電話機でコールがどのように表示されるかを指定します。 ドロップダウン リストから、次のいずれかのオプションを選択します。 • [なし(None)]:このオプションを指定すると、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウの [DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] 設定がこのデバイスで使用されるようになります。 • [無効(Disable)]:このオプションは、コールについてのビープ音と点滅による通知を両方とも無効にします。ただし、DND のオプションが [呼出音オフ(Ringer Off)] の場合、着信コールの情報は表示されます。DND のオプションが [コール拒否(Call Reject)] の場合、警告は何も表示されず、デバイスには何の情報も送られません。 • [ビープ音のみ(Beep Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機ではビープ音だけが再生されます。 • [フラッシュのみ(Flash Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機では点滅による警告が表示されます。 |
共通の電話プロファイルへの DND の追加
DND を共通の電話プロファイルに追加するには、[デバイス(Device)] > [デバイスの設定(Device Settings)] > [共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] に移動し、変更する電話プロファイルを選択します。[共通の電話プロファイルの設定(Common Phone Profile Configuration)] ウィンドウで、 表 20-3 に示されている DND のパラメータを設定します。
表 20-3 共通の電話プロファイルにおける DND のパラメータ
|
|
[DNDオプション(DND Option)] |
電話機で DND を有効にした場合、DND 機能が着信コールをどのように処理するかをこのパラメータで指定できます。 • [コール拒否(Call Reject)]:このオプションでは、着信コールに関する情報がユーザに何も表示されないように設定します。[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] パラメータをどのように設定するかに応じて、電話機はビープ音を再生するか、またはコールを点滅で表示するようになります。 • [呼出音オフ(Ringer Off)]:このオプションでは、呼び出し音はオフになりますが、着信コールの情報がデバイスに表示されるため、ユーザはコールを受信することが可能です。 (注) モバイル デバイスおよびデュアル モード フォンの場合は、[コール拒否(Call Reject)] オプションだけを選択できます。モバイル デバイスまたはデュアル モード フォンで DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにしている場合、デバイスにはコール情報は何も表示されません。 |
[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] |
このパラメータは、DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] オプションまたは [コール拒否(Call Reject)] オプションを有効にした場合に、電話機でコールがどのように表示されるかを指定します。 ドロップダウン リストから、次のいずれかのオプションを選択します。 • [なし(None)]:このオプションを指定すると、[共通の電話プロファイル(Common Phone Profile)] ウィンドウの [DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] 設定がこのデバイスで使用されるようになります。 • [無効(Disable)]:このオプションは、コールについてのビープ音と点滅による通知を両方とも無効にします。ただし、DND のオプションが [呼出音オフ(Ringer Off)] の場合、着信コールの情報は表示されます。DND のオプションが [コール拒否(Call Reject)] の場合、警告は何も表示されず、デバイスには何の情報も送られません。 • [ビープ音のみ(Beep Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機ではビープ音だけが再生されます。 • [フラッシュのみ(Flash Only)]:このオプションの場合、コールが着信すると、電話機では点滅による警告が表示されます。 |
サイレント機能の使用方法
この項では、サイレントの使用手順や、サイレントに関するさまざまなコール シナリオでの使用例について説明します。
• 「サイレント機能の使用方法」
• 「サイレントの使用例」
サイレント機能の使用方法
サイレントは、次のいずれかの方法でアクティブにすることができます。
• ソフトキー
• 機能回線キー
• Cisco Unified CM のユーザ オプションのウィンドウ
DND をアクティブにすると、電話機のステータス行に「サイレントはアクティブです」と表示されます。次に、DND 回線ボタン アイコンが中空の円になり、ランプがオレンジ色に点灯します。
DND をアクティブにしても、電話機で着信コールの通知を受信することができます。この動作は、Cisco Unified Communications Manager の管理ページにある [DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] で指定されたとおりに行われます。ただし、高優先順位のコール(Cisco Emergency Responder コールや MLPP コールなど)が着信した場合を除き、電話機で呼び出し音が鳴ることはありません。
また、電話機で呼び出し音が鳴っているときに DND を有効にすると、呼び出し音は停止します。
DND の呼出音オフ オプション
次の例では、DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] オプションを使用します。
非シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
図 20-1 は、非シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている電話機に対して通常優先順位のコールを発信する場合の DND に関連する手順を示しています。
1. 電話機 B が DND をアクティブにします。電話機 B に「サイレントはアクティブです」と表示されます。
2. 電話機 A が電話機 B にダイヤルします。
3. 電話機 B でビープ音が鳴り、電話機 A が呼び出し音を受信します。
図 20-1 非シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
図 20-2 は、シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている電話機に対して通常優先順位のコールを発信する場合の DND に関連する手順を示しています。
1. 電話機 B が DND をアクティブにします。電話機 B に「サイレントはアクティブです」と表示されます。
2. 電話機 A が電話機 B のシェアドラインにダイヤルします。
3. 電話機 B でビープ音が鳴ります。一方、回線を共有している電話機 B' では通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
4. 電話機 A が呼び出し音を受信します。
図 20-2 シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の高優先順位のコール
図 20-3 は、シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている電話機に対して高優先順位のコールを発信する場合の DND に関連する手順を示しています。
1. 電話機 B が DND をアクティブにします。電話機 B に「サイレントはアクティブです」と表示されます。
2. 電話機 A が電話機 B のシェアドラインにダイヤルします。
3. 電話機 B でビープ音が鳴ります。一方、回線を共有している電話機 B' では通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
4. 電話機 A が呼び出し音を受信します。
5. 電話機 B が応答し、コールをパークします。
6. パーク復帰が行われ、電話機 B で通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
図 20-3 シェアドラインで DND の [呼出音オフ(Ringer Off)] が有効になっている場合の高優先順位のコール
非シェアドラインで DND および無応答時転送が有効になっている場合の通常コール
次の手順は、DND と Call Forward No Answer(CFNA; 無応答時転送)の両方がアクティブになっている電話機に対して発信するコールのコール フローを示しています。
1. 電話機 B が、電話機 C にコールを転送するように無応答時転送を設定します。
2. 電話機 B が DND をアクティブにします。
3. 電話機 A が電話機 B にコールします。
4. 電話機 B でビープ音が鳴りますが、コールには応答しません。
5. コールが電話機 C に転送され、電話機 C で通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
DND のコール拒否オプション
次の例では、DND の [コール拒否(Call Reject)] オプションを使用します。
非シェアドラインで DND の [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
次の手順は、非シェアドラインで [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合のコールのコール フローを示しています。
1. 電話機 B は、DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにし、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] を [ビープ音のみ(Beep Only)] に設定しています。
2. 電話機 A が電話機 B にコールします。
3. Cisco Unified Communications Manager は、ユーザが話中という理由でコールを拒否します。
4. 電話機 B はビープ音だけを受信します。
シェアドラインで DND の [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合の通常優先順位のコール
次の手順は、シェアドラインで [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合のコールのコール フローを示しています。
1. 電話機 B は、DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにし、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] を [ビープ音のみ(Beep Only)] に設定しています。
2. 電話機 A が電話機 B にコールします。
3. Cisco Unified Communications Manager は、ユーザが話中という理由でコールを拒否します。
4. 電話機 B はビープ音だけを受信します。
5. DND モードにない電話機 B' で通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
シェアドラインで DND の [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合の高優先順位のコール
次の手順は、シェアドラインで DND の [コール拒否(Call Reject)] が有効になっている場合の高優先順位コールのコール フローを示しています。
1. 電話機 A は、DND の [コール拒否(Call Reject)] をアクティブにし、[DND着信呼警告(DND Incoming Call Alert)] を [ビープ音のみ(Beep Only)] に設定しています。
2. 電話機 A が電話機 B にコールします。
3. Cisco Unified Communications Manager が電話機 B にコールを送達します。
4. 電話機 B がコールに応答します。
5. 電話機 A がコールをパークします。
6. DND モードにない電話機 A' で通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
7. パーク復帰が行われ、電話機 A で通常どおりに呼び出し音が鳴ります。
サイレント機能のトラブルシューティング
この項では、SIP および SCCP の両方の Cisco Unified IP Phone に関するトラブルシューティングについて説明します。
• 「基本的な DND に関するトラブルシューティング」
• 「SIP を実行している電話機のトラブルシューティング」
• 「SCCP を実行している電話機のトラブルシューティング」
• 「DND のエラーに関するトラブルシューティング」
基本的な DND に関するトラブルシューティング
DND が期待どおりに動作しない場合は、次の例に示すように、SCCP ステーション コードによって管理される設定が、ユーザの考えと一致しているかどうかを確認します。
DND の切り替えによる DND ステータスの確認
ソフトキーまたは回線ボタンを使用して DND ステータスを切り替えると、回線制御に送信される LmFeatureInd メッセージに新しいステータスが表示されます (新しいステータスは、以前のステータスとは反対のものになっています)。後で、以前のステータスに切り替えることもできます。
LmFeatureInd SDL トレースには、次の 3 つのフィールドがあります。
• feature :値が 4 の場合は DND を示します。
• featureState :値が 0 の場合は オン を示し、値が 1 の場合は オフ を示します。
• dndOption :値が 0 の場合は不明、値が 1 の場合は呼出音オフ、値が 2 の場合はコール拒否を示します。
電話機のリセットによるすべての DND 設定の確認
電話機をリセットすると、すべての DND 設定が詳細な SDI トレースに出力されます。次に例を示します。
StationD: (xxxxxxx) DND settings from TSP:
status=a,option=b,ringSetting=d
変数の意味は、次のとおりです。
• a は 0(DND オフ)または 1(DND オン)
• b は 1(DND の呼出音オフ オプション。1 は 呼出音オフ を示す)
• d は 1(呼出音オフ)、2(フラッシュのみ)、または 5(ビープ音のみ)
SIP を実行している電話機のトラブルシューティング
SIP を実行している電話機をトラブルシューティングするには、次の情報を使用します。
• デバッグ:sip-dnd、sip-messages、dnd-settings
• 表示:config、dnd-settings
• スニファ トレース
SCCP を実行している電話機のトラブルシューティング
SCCP を実行している電話機をトラブルシューティングするには、次の情報を使用します。
• デバッグ:jvm all info
• スニファ トレース
DND のエラーに関するトラブルシューティング
表 20-4 は、DND のトラブルシューティングに関する症状とアクションを示しています。
表 20-4 DND のトラブルシューティングに関する症状とアクション
|
|
DND の機能キーが表示されない |
• Cisco Unified Communications Manager のバージョンをチェックし、6.0 以降になっていることを確認します。 • この電話機のボタン テンプレートに DND の機能キーが含まれていることを確認します。 • スニファ トレースをキャプチャし、電話機が正しいボタン テンプレートを取得することを確認します。 • 電話機が 8.3(1) 以降のロードを実行していることを確認します。 |
DND のソフトキーが表示されない |
• Cisco Unified Communications Manager のバージョンをチェックし、6.0 以降になっていることを確認します。 • この電話機のソフトキー テンプレートに DND が含まれていることを確認します。 • スニファ トレースをキャプチャし、電話機が正しいソフトキー テンプレートを取得することを確認します。 • 電話機が 8.3(1) 以降のロードを実行していることを確認します。 |
BLF 短縮ダイヤルに DND ステータスが表示されない |
• Cisco Unified Communications Manager のバージョンをチェックし、6.0 以降になっていることを確認します。 • エンタープライズ パラメータで BLF DND が有効に設定されていることを確認します。 • スニファ トレースをキャプチャし、電話機が正しい通知メッセージを取得することを確認します。 • 電話機が 8.3(1) 以降のロードを実行していることを確認します。 |