police
QoS ポリシングをクラスマップに適用するには、クラス コンフィギュレーション モードで police コマンドを使用します。レート制限を削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
police { output | input } conform-rate [ conform-burst ] [ conform-action [ drop | transmit ] [ exceed-action [ drop | transmit ]]]
no police
構文の説明
conform-rate |
このトラフィッククラスのレート制限を 8000 ~ 2000000000 ビット/秒の範囲で設定します。ASA 仮想 および Firepower 4100/9300 の場合、範囲は 8000 ~ 100000000000 です。たとえば、トラフィックを 5 Mbps に制限するには、5000000 と入力します。 |
conform-burst |
適合レート値にスロットリングするまでに、持続したバーストで許可された最大瞬間バイト数を 1000 ~ 512000000 バイトの範囲で指定します。ASA 仮想 および Firepower 4100/9300 の場合、範囲は 1000 ~ 25600000000 です。 このパラメータを省略した場合、デフォルト値は conform-rate のバイト数の 1/32 です(つまり、conform-rate が 100,000 の場合、conform-burst のデフォルト値は 100,000/32 = 3,125 です)。conform-rate の単位はビット/秒で、conform-burst の単位はバイト数です。 |
conform-action [drop | transmit ] |
トラフィックがポリシングレートとバーストサイズを下回った場合に実行するアクションを設定します。トラフィックを drop または transmit できます。デフォルトでは、トラフィックは送信されます。 |
exceed-action [drop | transmit ] |
トラフィックがポリシングレートとバーストサイズを上回った場合に実行するアクションを設定します。ポリシングレートとバーストサイズを上回ったパケットを drop または transmit できます。デフォルトでは、超過パケットはドロップされます。 |
input |
入力方向のトラフィック フローのポリシングをイネーブルにします。 |
output |
出力方向のトラフィック フローのポリシングをイネーブルにします。 |
コマンド デフォルト
デフォルトの動作や変数はありません。
コマンド モード
次の表に、コマンドを入力できるモードを示します。
コマンドモード |
ファイアウォールモード |
セキュリティコンテキスト |
|||
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ルーテッド |
トランスペアレント |
シングル |
マルチ |
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コンテキスト |
システム |
||||
クラス コンフィギュレーション |
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— |
|
— |
— |
コマンド履歴
リリース |
変更内容 |
---|---|
7.0(1) |
このコマンドが追加されました。 |
7.2(1) |
input オプションが追加されました。着信方向のトラフィックのポリシングがサポートされます。 |
使用上のガイドライン
ポリシングは、設定した最大レート(ビット/秒単位)を超えるトラフィックが発生しないようにして、1 つのトラフィック フローが全体のリソースを占有しないようにする方法です。トラフィックが最大レートを超えると、ASA は超過した分のトラフィックをドロップします。また、ポリシングでは、許可されるトラフィックの最大単一バーストも設定されます。
ポリシングをイネーブルにするには、Modular Policy Framework を使用して次のように設定します。
1.class-map:ポリシングを実行するトラフィックを指定します。
2.policy-map:各クラスマップに関連付けるアクションを指定します。
-
a.class:アクションを実行するクラスマップを指定します。
-
b.police:クラスマップのポリシングを有効にします。
3.service-policy:ポリシーマップをインターフェイスごとに、またはグローバルに割り当てます。
ASA で必要な場合は、個々の QoS 機能を単独で設定できます。ただし、普通は、たとえば一部のトラフィックを優先させて、他のトラフィックによって帯域幅の問題が発生しないようにするために、複数の QoS 機能を ASA に設定します。
次に、インターフェイスごとにサポートされる機能の組み合わせを示します。
-
標準プライオリティキューイング(特定のトラフィックの場合)+ ポリシング(その他のトラフィックの場合)
同じトラフィックのセットに対して、プライオリティ キューイングとポリシングを両方設定することはできません。
-
トラフィックシェーピング(1 つのインターフェイス上のすべてのトラフィックの場合)+ 階層型プライオリティキューイング(トラフィックのサブセットの場合)。
通常、トラフィックシェーピングをイネーブルにした場合、同じトラフィックに対してはポリシングをイネーブルにしません。ただし、このような設定は ASA では制限されていません。
次のガイドラインを参照してください。
-
QoS は単方向に適用されます。ポリシーマップを適用するインターフェイスに出入りする(input または output を指定したかによって異なる)トラフィックだけが影響を受けます。
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確立済みのトラフィックが存在するインターフェイスに対して、サービス ポリシーが適用または削除されると、トラフィック ストリームに対して QoS ポリシーは適用または削除されません。そのような接続の QoS ポリシーを適用または削除するには、接続をクリアして再確立する必要があります。clear conn コマンドを参照してください。
-
to-the-box トラフィックはサポートされません。
-
VPN トンネル バイパス インターフェイスとの間のトラフィックはサポートされません。
-
トンネル グループ クラス マップを照合する場合、出力ポリシングのみがサポートされます。
例
次に、出力方向の police コマンドの例を示します。このコマンドは、適合レートを 100,000 ビット/秒、バースト値を 20,000 バイトに設定します。
ciscoasa(config)# policy-map localpolicy1
ciscoasa(config-pmap)# class-map firstclass
ciscoasa(config-cmap)# class localclass
ciscoasa(config-pmap-c)# police output 100000 20000
ciscoasa(config-cmap-c)# class class-default
ciscoasa(config-pmap-c)#
次に、内部 Web サーバーを宛先とするトラフィックにレート制限を実行する例を示します。
ciscoasa# access-list http_traffic permit tcp any 10.1.1.0 255.255.255.0 eq 80
ciscoasa# class-map http_traffic
ciscoasa(config-cmap)# match access-list http_traffic
ciscoasa(config-cmap)# policy-map outside_policy
ciscoasa(config-pmap)# class http_traffic
ciscoasa(config-pmap-c)# police input 56000
ciscoasa(config-pmap-c)# service-policy outside_policy interface outside
ciscoasa(config)#