Quality Report Tool(QRT)の概要
Quality Report Tool(QRT)は、Cisco CallManager IP Phones に関する音声品質および一般問題のレポート ツールで、NT サービスとして IP Phone に適用されます。Cisco Extended Functions サービスは QRT 機能をサポートしています。Cisco Extended Functions サービスの詳細については、「Cisco Extended Functions サービス」を参照してください。
QRT には、ビューア アプリケーションのキー コンポーネントがあります。
QRT Viewer は、Cisco CallManager Serviceability の Tools メニューにあります。QRT Viewer を使用すると、生成された問題のレポートの、フィルタリング、フォーマット、および表示を実行できます。詳細については、『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の第 13章「QRT Viewer」を参照してください。
QRT は、Cisco CallManager インストレーションの一部としてインストールされます。QRT を使用して Cisco IP Phone を設定すると、ユーザが通話に関する問題のレポートを作成できます。ユーザは、QRT というラベルが付いた Cisco IP Phone ソフトキーを使用して、問題のレポートを生成します。HTTP Web サーバをサポートしている Cisco IP Phone であれば、QRT もサポートしています。QRT ソフトキーを利用可能にするには、IP Phone が、Connected、Connected Conference、Connected Transfer、または OnHook の状態である必要があります。
ユーザが IP Phone の QRT ソフトキーを押すと、問題カテゴリのリストが表示されます。ユーザは適切な問題カテゴリを選択することができ、ユーザのフィードバックは XML ファイルに記録されます。ログに実際に記録される情報は、ユーザの選択、および宛先デバイスが Cisco IP Phone であるかどうかによって異なります。
QRT の設定および使用方法については、『 Cisco CallManager 機能およびサービス ガイド 』を参照してください。
Cisco IP Phone ユーザの詳細については、『 Cisco IP Phone アドミニストレーション ガイド for Cisco CallManager 』を参照してください。
Phone Problem レポートに含まれる情報
QRT は各種の発信元から情報を収集し、選択された基準に基づいて情報を編集して IP Phone Problem レポートにまとめます。次の表は、QRT が収集する情報の各種の発信元と、IP Phone Problem レポートのフィールドを示しています。
表10-1 発信元デバイスから収集される情報
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• Source Device DN:複数回線の場合は、最初のプライマリ DN の情報だけがリストされます。 |
• Source Device Type |
• Source Stream1 Port Number |
• Source Codec(G.711 など) |
• Source Packets(12、45、78 など) |
• Source Rcvr Packets(12、45、78 など) |
• Source Rcvr Jitter(0 0 など) |
• Source Rcvr Packet Lost(0、21 0、21 など) |
• Source Sampling タイムスタンプ(暗黙的)(12:30、13:00、13:30、14:00 など) |
• Destination Device IP Address |
• Destination Stream1 Port Number |
(注) Packets、Jitter、Packet Lost など、収集されるサンプルの数は、サンプリング間隔とポーリング頻度によって決まります。QRT は、1 コールに 1 回だけストリーミング データを収集します。たとえば、A と B が通信し、両方が同じコールのレポートを送信した場合、最初のレポートにだけストリーミング データが含まれます。また、“Problems with last call” カテゴリでは、これらの値は、電話デバイスに格納されているストリーミング統計の、最後のスナップショットだけを反映している場合があります。問題カテゴリについては、『Cisco IP Phone アドミニストレーション ガイド for Cisco CallManager』を参照してください。
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表10-2 宛先デバイスから収集される情報
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• Destination Device DN:複数回線の場合は、最初のプライマリ DN の情報だけがリストされます。 |
• Destination Device Type |
• Destination Codec |
• Destination Packets |
• Destination Rcvr Packets |
• Destination Rcvr Jitter |
• Destination Rcvr Packet Lost |
• Destination Sampling タイムスタンプ(暗黙的) |
(注) Packets、Jitter、Packet Lost など、収集されるサンプルの数は、サンプリング間隔とポーリング頻度によって決まります。ストリーミング データは、1 コールに 1 回だけ収集されます。たとえば、A と B が通信し、両方が同じコールのレポートを送信した場合、最初のレポートにだけストリーミング データが含まれます。“Problems with last call” カテゴリでは、これらの値は、電話デバイスに格納されているストリーミング統計の、最後のスナップショットだけを反映している場合があります。問題カテゴリについては、『Cisco IP Phone アドミニストレーション ガイド for Cisco CallManager』を参照してください。
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(注) 宛先デバイスが同じクラスタ内の Cisco IP Phone(7960、7940 など)でもある場合は、QRT は直前の情報を収集します。宛先デバイスが IP Phone ではない場合は、この情報には、IP アドレス、デバイス名、およびデバイス タイプだけが含まれます。
表10-3 RIS から収集される情報
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• Source Device Owner:ユーザ名。この名前は、IP Phone に現在ログインしているユーザの名前を指定します。ログインしている特定のユーザがいない場合、このフィールドはヌルです。 |
• Source Device IP Address |
• Source Device Regd. CM |
• Source Device Type |
• Source Device Model |
• Source Device Product |
• Destination Device Name |
• Destination Device Type |
• Destination Device Model |
• Destination Device Product |
• Registered CM Name for Destination Device |
• Destination Device Owner:ユーザ名。この名前は、IP Phone に現在ログインしているユーザの名前を指定します。ログインしている特定のユーザがいない場合、このフィールドはヌルです。 |
表10-4 Cisco CallManager/CTIManager から収集される情報
Cisco CallManager/CtiManager の情報
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• Source Device Name(MAC) |
• Calling Party Number:この番号は、コールの発信側を指定します。転送されたコールの場合、転送された側が発信側になります。 |
• Original Called Party Number:この番号は、任意の番号変換が発生した場合の、当初の着信側を指定します。 |
• Final Called Party Number:転送されたコールの場合、この番号は、最後にコールを受信した側を指定します。転送されなかったコールの場合、このフィールドは、当初の着信側を指定します。 |
• Last Redirect Number:転送されたコールの場合、このフィールドは、最後にコールをリダイレクトした側を指定します。転送されなかったコールの場合、このフィールドは、最後にコールをリダイレクト(転送、会議など)した側を指定します。 |
• callManagerId(CAR のコールを区別) |
• callId(CAR のコールを区別) |
• CallState(Connected、On Hook など) |
(注) Cisco CallManager は、この情報の大部分を CDR にもダンプします。
表10-5 Cisco CallManager データベースから収集される情報
Cisco CallManager データベースの情報
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• Sampling Duration(Service Parameter):例、50 秒 |
• Sampling Frequency(Service Parameter):例、30 秒 |
• ClusterID(Enterprise Parameter) |
表10-6 エンド ユーザから収集される情報
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• Category |
• ReasonCode |
• TimeStamp(暗黙的) |
関連項目
• 『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』の「IP Phone Problem レポートの一覧表示」
• 『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』の「アラームの設定」
• 『Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド』の「トレースの設定」
デバイス管理
ユーザが QRT ソフトキーを押すと、QRT はそのデバイスを開き、フィードバック用の各種ウィンドウを表示します。ユーザとのインタラクションが終了すると、QRT はデバイスを閉じます。ユーザが QRT 画面でインタラクションを行っている間、Cisco Call Back や IPMA などの別のアプリケーションや、設定、ディレクトリ、メッセージなどのファンクション キーが、QRT 画面の上に表示される場合があります。その場合、デバイスは待機状態になるため、QRT でそのデバイスを閉じることはできません。
また、ユーザが QRT ウィンドウで操作中にデバイスから長時間離れ、"go home" や "coffee break" などのオプションを指定し忘れた場合、QRT は別個のスレッドを使用してデバイスをチェックし、管理されていないまたは失われたデバイスを閉じます。このアクションにより、デバイスが大量のリソースを消費して、CTI パフォーマンスが長期的に影響を受ける事態を回避できます。現在のデフォルト設定では、1 時間に 1 回チェックを実行し、開かれている時間が 1 時間を超えるデバイスを閉じるように指定されています。
関連項目
• 「Phone Problem レポートに含まれる情報」
• 『 Cisco CallManager Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の第13 章「QRT Viewer」