パフォーマンス モニタリングの概要
Cisco Unified Communications Manager は、パフォーマンス カウンタ(PerfMon カウンタと呼ばれる)を直接更新します。カウンタには、システムやシステム上のデバイスに関する簡潔で有用な情報(登録済み電話機の数、アクティブ コールの数、利用可能な会議ブリッジ リソースの数など)が含まれています。
Cisco CallManager オブジェクトには、Cisco Unified Communications Manager パフォーマンス カウンタのほとんどが含まれており、これらのカウンタにはインスタンスが 1 つだけあります。他のオブジェクトに属するインスタンスベースのカウンタでは、インスタンスがゼロまたは複数の場合があります。たとえば、Cisco Unified Communications Manager に 2 台の電話機が登録されている場合、Cisco phones オブジェクトに属するカウンタごとに 2 つのインスタンスが存在します。
RTMT を使用してオブジェクトのカウンタを選択することにより、システムのコンポーネントのパフォーマンスと、システムで稼働しているアプリケーションのコンポーネントのパフォーマンスを監視できます。各オブジェクトのカウンタは、フォルダが展開されたときに表示されます。
perfmon カウンタのログをローカル コンピュータに記録し、RTMT で Performance Log Viewer を使用して、収集した perfmon CSV ログ ファイルや、Realtime Information Server Data Collection(RISDC)perfmon のログを表示できます。
この章は、次の項で構成されています。
• 「パフォーマンス モニタリングのための RTMT の使用方法」
• 「トラブルシューティング用 perfmon データ ロギング」
パフォーマンス モニタリングのための RTMT の使用方法
RTMT は、Cisco Unified Communications Manager の管理機能およびサービスアビリティ ソフトウェアと連動しています。RTMT は、Cisco Unified Communications Manager のコンポーネントすべてのパフォーマンス情報を表示します。トラブルシューティングを要するパフォーマンスには、アラートで通知します。また、定期的にパフォーマンス カウンタをポーリングして、そのカウンタのデータを表示します。perfmon カウンタを図または表形式で表示する例については、「カウンタの説明の表示」を参照してください。
perfmon モニタリングにより、次のタスクを実行できます。
• クラスタ内のすべての Cisco Unified Communications Manager ノード、TFTP サーバ、データベース サーバも含めてパフォーマンス カウンタを監視する。
• 定義済みのオブジェクトを継続的に監視し、電子メール メッセージの形式で通知を受信する。
• カウンタのしきい値設定をアラート通知と関連付ける。電子メールまたはポップアップ メッセージで管理者に通知する。
• 監視されているカウンタ、しきい値設定、アラート通知など、カスタマイズしたトラブルシューティング タスクの設定を保存し、復元する。
• パフォーマンスを比較する目的で、最大 6 つの perfmon カウンタを 1 つの図で表示する。
RTMT は、パフォーマンス カウンタを図または表形式で表示します。図形式は、小さな情報ウィンドウのように見えます。作成したカテゴリ タブごとに、最大 6 つの図が RTMT パフォーマンス モニタリング ペインに表示されます。特定のカウンタを表示するには、パフォーマンス モニタリング ペインでカウンタをダブルクリックします。図形式の表示がデフォルトです。したがって、パフォーマンス カウンタを表形式で表示するには、カテゴリを作成するときにそのように設定します。
メニューバーの [Performance] メニューの [Remove Chart/TableEntry] メニュー項目を使用して、カウンタ図(表エントリ)を削除できます。
ヒント 既定の各モニタリング ウィンドウのポーリング レートは一定で、デフォルト値は 30 秒です。AMC(Alert Manager and Collector)サービス パラメータの収集レートが変化すると、既定のウィンドウ内のポーリング レートも更新されます。また、バックエンド サーバの時間ではなく、RTMT クライアント アプリケーションのローカル タイムが、各図のタイム スタンプの基準となります。
サービス パラメータの詳細については、『Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
RTMT パフォーマンス モニタリング ペインの設定オプションについては、次の項を参照してください。
• 「カテゴリ タブ」
• 「サンプル レート」
• 「パフォーマンス モニタリングのための RTMT の使用方法」
• 「カウンタのズーム」
カテゴリ タブ
カテゴリは、監視されているパフォーマンス カウンタのグループで構成されます。RTMT モニタリング ペインのタブに、カテゴリ名が表示されています。このタブで監視されているすべてのパフォーマンス カウンタがカテゴリに属します。タブ内のパフォーマンス カウンタは同じレートでポーリングされ、各カテゴリが独自のポーリング レートを持つように設定されています。
RTMT モニタリング ペインでカスタム カテゴリを作成して、特定のパフォーマンス、システム、またはデバイスの問題を解決するのに役立つ情報を表示できます。特定のオブジェクトでパフォーマンスの問題が発生した場合は、カスタム カテゴリを作成して、そのオブジェクト内のカウンタのパフォーマンスを監視します。特定のデバイスで問題が発生した場合は、カスタム カテゴリを作成して、システム内のそのデバイスを監視します。また、これらのカスタム カテゴリのカウンタとゲートウェイを対象とするアラート通知を作成することもできます。カスタム カテゴリを作成するには、新しいカテゴリ タブを追加します。タブが作成されたら、そのタブ内でパフォーマンス カウンタ、デバイス、およびアラートを指定し、プロファイルを使用してカスタム カテゴリを保存します。
サンプル レート
(注) このアプリケーションは、カウンタ、デバイス、およびゲートウェイ ポートをポーリングしてステータス情報を収集します。RTMT モニタリング ペインで、作成したカテゴリ タブごとに、パフォーマンス カウンタ、デバイス、およびゲートウェイ ポートのポーリング間隔を設定します。ポーリング レートの頻度が高いと、サーバのパフォーマンスに影響します。図表示でパフォーマンス カウンタを監視する場合の最短ポーリング レートは 5 秒、表表示でパフォーマンス カウンタを監視する場合の最短ポーリング レートは 1 秒です。デフォルト値は両方とも 10 秒です。
監視するカウンタの追加
システム パフォーマンスの問題を解決するには、perfmon オブジェクトに関連付けられているカウンタを RTMT パフォーマンス モニタリング ペインに追加します。このペインに、カウンタ用の図が表示されます。カウンタを追加する前に、「カテゴリ タブ」を参照してください。
カテゴリ タブには、最大 6 つの perfmon カウンタ図を含めることができます。
カウンタのアラート通知
アプリケーションは、アラート通知機能を使用してシステムの問題を通知します。システム カウンタのアラート通知を有効にするには、次の設定を実行します。
• RTMT パフォーマンス モニタリング ペインで、システム perfmon カウンタを選択します。
• アラート通知の電子メールまたはメッセージ ポップアップ ウィンドウを設定します。
• アラートのしきい値を決めます(たとえば、進行中のコール数が 100 コールのしきい値を上回る場合、または 50 コールのしきい値を下回る場合に、アラートがアクティブになるなど)。
• アラート通知の頻度を決めます(1 回のみ、または毎時間など)。
• アラートが有効になるタイミングのスケジュールを決めます(毎日、または 1 日の特定の時刻など)。
カウンタのズーム
パフォーマンス モニタを詳しく見るには、カウンタ図を強調表示し、[System] > [Performance] > [Zoom Chart] を選択して、RTMT パフォーマンス モニタリング ペインでモニタ カウンタをズームします。
カウンタのプロパティ
カウンタのプロパティを使用して、カウンタの説明を表示し、データ サンプリング パラメータを設定できます。
[Counter Property] ウィンドウには、カウンタのデータ サンプルを設定するオプションが表示されます。RTMT パフォーマンス モニタリング ペインに表示されるパフォーマンス カウンタには、データのサンプルの時間の経過を表す緑色のドットが表示されます。収集するデータ サンプルの数と、図に表示するデータ ポイントの数を設定できます。データ サンプルが設定されたら、[View All Data] または [View Current Data] メニュー オプションを使用して、perfmon カウンタが収集したすべてのデータを表示することにより、情報を表示します。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
トラブルシューティング用 perfmon データ ロギング
トラブルシューティング用 perfmon データ ロギング機能は、Cisco TAC によるシステムの問題の特定を支援します。トラブルシューティング用 perfmon データ ロギングを有効にしたら、Cisco Unified Communications Manager および選択したノードのオペレーティング システム パフォーマンス統計情報の収集を開始します。収集される統計情報には、システム診断に使用できる包括的な情報が含まれています。
システムには、トラブルシューティング用 perfmon データ ロギングによってシステムの状態に関する包括的な情報を提供する perfmon カウンタから統計情報が収集されるように自動的に設定されています。トラブルシューティング用 Perfmon データ ロギングが有効であっても、システムの CPU 使用率の上昇は 5 パーセント未満で、使用メモリの量もわずかに増加するだけであり、毎日ログ ファイルに記述される情報は約 50 MB です。
トラブルシューティング用 perfmon データ ロギング機能を使用して、次の管理タスクを実行できます。
• トラブルシューティング用 perfmon データ ロギングのためのトレース フィルタを有効または無効にする。
• 各サーバで、定義済みのシステムおよび Cisco Unified Communications Manager パフォーマンス オブジェクトとカウンタを監視する。
• パフォーマンス データを、CSV ファイル形式でサーバの var/log/active/cm/log/ris/csv ディレクトリのアクティブ ログ パーティションに記録する。ログ ファイルは、
PerfMon_172.19.240.80_06_15_2005_11_25.csv のように、PerfMon_<ノード>_<月>_<日>_<年>_
<時>_<分>.csv という命名規則に従います。ポーリング レートを指定します。このレートは、パフォーマンス データが収集および記録されるレートです。ポーリング レートは、最短 5 秒まで設定できます。デフォルトのポーリング レートは 15 秒です。
• Microsoft Windows パフォーマンス ツールまたは Real-Time Monitoring Tool の Performance Log Viewer を使用して、グラフ形式でログ ファイルを表示する。
• ディスクに保存されるログ ファイルの最大数を指定する。ログ ファイルがこの制限を超えると、最も古いログ ファイルが自動的に削除されます。デフォルトは 50 ファイルです。
• ファイルの最大サイズに基づいて、ログ ファイルのロールオーバー基準を MB 単位で指定する。デフォルト値は 2 MB です。
• Real-Time Monitoring Tool またはコマンドライン インターフェイスの Trace and Log Central 機能を使用して、Cisco RIS Data Collector PerfMonLog ログ ファイルを収集する。
トラブルシューティング用 Perfmon データ ロギングの設定方法の詳細については、「トラブルシューティング用 Perfmon データ ロギングの設定」を参照してください。
トラブルシューティング用 perfmon データロギング機能は、次の perfmon オブジェクト内にある次のカウンタから情報を収集します。
次のカウンタに関する説明については、付録 「Cisco Unified Communications Manager のパフォーマンス オブジェクトとパフォーマンス カウンタ」 を参照してください。
• Cisco CallManager オブジェクト
–Communications ManagerHeartBeat
–CallsActive
–CallsAttempted
–CallsCompleted
–InitializationState
–RegisteredHardwarePhones
–RegisteredMGCPGateway
• Cisco CallManager System Performance オブジェクト
–AverageExpectedDelay
–CallsRejectedDueToThrottling
–CodeRedEntryExit
–CodeYellowEntryExit
–QueueSignalsPresent 1-High
–QueueSignalsPresent 2-Normal
–QueueSignalsPresent 3-Low
–QueueSignalsPresent 4-Lowest
–QueueSignalsProcessed 1-High
–QueueSignalsProcessed 2-Normal
–QueueSignalsProcessed 3-Low
–QueueSignalsProcessed 4-Lowest
–QueueSignalsProcessed Total
–SkinnyDevicesThrottled
–ThrottlingSampleActivity
–TotalCodeYellowEntry
• Cisco SIP Stack オブジェクト
–CCBsAllocated
–SCBsAllocated
–SIPHandlerSDLQueueSignalsPresent
• Cisco TFTP
–BuildAbortCount
–BuildCount
–BuildDeviceCount
–BuildDialruleCount
–BuildDuration
–BuildSignCount
–BuildSoftkeyCount
–BuildUnitCount
–ChangeNotifications
–DeviceChangeNotifications
–DialruleChangeNotifications
–EncryptCount
–GKFoundCount
–GKNotFoundCount
–HeartBeat
–HttpConnectRequests
–HttpRequests
–HttpRequestsAborted
–HttpRequestsNotFound
–HttpRequestsOverflow
–HttpRequestsProcessed
–HttpServedFromDisk
–LDFoundCount
–LDNotFoundCount
–MaxServingCount
–Requests
–RequestsAborted
–RequestsInProgress
–RequestsNotFound
–RequestsOverflow
–RequestsProcessed
–SegmentsAcknowledged
–SegmentsFromDisk
–SegmentsSent
–SEPFoundCount
–SEPNotFoundCount
–SIPFoundCount
–SIPNotFoundCount
–SoftkeyChangeNotifications
–UnitChangeNotifications
• Process オブジェクト
–PID
–STime
–% CPU Time
–Page Fault Count
–Process Status
–VmData
–VmRSS
–VmSize
–Thread Count
• Memory オブジェクト
–Used Kbytes
–Free Kbytes
–Total Kbytes
–Shared Kbytes
–Buffers Kbytes
–Cached Kbytes
–Free Swap Kbytes
–Total Swap Kbytes
–Used Swap Kbytes
–Pages Input
–Pages Output
–Pages
–Used VM Kbytes
–Total VM Kbytes
–% Page Usage
–% VM Used
–% Mem Used
• Processor オブジェクト
–Irq Percentage
–Softirq Percentage
–IOwait Percentage
–User Percentage
–Nice Percentage
–System Percentage
–Idle Percentage
–% CPU Time
• Thread オブジェクト(トラブルシューティング用 Perfmon データ ロギング機能で記録されるのは Cisco Unified Communications Manager のスレッドだけです)
–% CPU Time
• Partition オブジェクト
–Used Mbytes
–Total Mbytes
–% Used
–Await Read Time
–Await Write Time
–Await Time
–% CPU Time
–Read Bytes Per Sec
–Write Bytes Per Sec
–Queue Length
• IP オブジェクト
–In Receives
–In HdrErrors
–In UnknownProtos
–In Discards
–In Delivers
–Out Requests
–Out Discards
–Reasm Reqds
–Reasm Oks
–Reasm Fails
–Frag OKs
–Frag Fails
–Frag Creates
–InOut Requests
• TCP オブジェクト
–Active Opens
–Passive Opens
–Attempt Fails
–Estab Resets
–Curr Estab
–In Segs
–Out Segs
–Retrans Segs
–InOut Segs
• Network Interface オブジェクト
–Rx Bytes
–Rx Packets
–Rx Errors
–Rx Dropped
–Rx Multicast
–Tx Bytes
–Tx Packets
–Tx Errors
–Tx Dropped
–Total Bytes
–Total Packets
–Tx QueueLen
• System オブジェクト
–Allocated FDs
–Freed FDs
–Being Used FDs
–Max FDs
–Total Processes
–Total Threads
–Total CPU Time