トレースについて
Cisco Unified Serviceability には、音声アプリケーションに関する問題のトラブルシューティングを支援するトレース ツールが用意されています。Cisco Unified Serviceability は、SDI(System Diagnostic Interface)トレース、SDL(Signaling Distribution Layer)トレース(Cisco CallManager サービスと Cisco CTIManager サービス用)、および Log4J トレース(Java アプリケーション用)をサポートしています。
トレースする情報のレベルと、各トレース ファイルに含める情報のタイプを指定するには、[Trace Configuration] ウィンドウを使用します。サービスが Cisco CallManager や Cisco CTIManager などのコール処理アプリケーションの場合は、電話機やゲートウェイなどのデバイスに対してトレースを設定できます。
[Alarm Configuration] ウィンドウで、SDI トレース ログ ファイルまたは SDL トレース ログ ファイルなどさまざまな場所にアラームを送信できます。必要に応じて、Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool で、アラートに対してトレースを設定できます。
さまざまなサービスのトレース ファイルにどの情報を記録するかを設定した後、Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool(RTMT)の Trace and Log Central オプションを使用して、トレース ファイルを収集、表示できます。
トレースの設定
クラスタ内の任意の Cisco Unified Communications Manager ノード上で使用可能な任意の機能サービスまたはネットワーク サービスに対して、トレース パラメータを設定できます。[Trace Configuration] ウィンドウを使用して、問題をトラブルシューティングするためにトレースするパラメータを指定します。
トレースする情報のレベル(デバッグ レベル)、トレース対象の情報(トレース フィールド)、およびトレース ファイルに関する情報(サービスごとのファイル数、ファイル サイズ、データをトレース ファイルに保存する時間など)を設定できます。1 つのサービスに対してトレースを設定することも、そのサービスに対するトレース設定をクラスタ内のすべてのサーバに適用することもできます。
サービスが Cisco CallManager や Cisco CTIManager などのコール処理アプリケーションの場合は、電話機やゲートウェイなどのデバイスに対してトレースを設定できます。たとえば、555 で始まる電話番号をもつ、使用可能なすべての電話機にトレースを絞り込むことができます。
独自にトレース フィールドを選択するのではなく、トラブルシューティング トレースの事前設定値を使用する場合は、[Troubleshooting Trace] ウィンドウを使用できます。トラブルシューティング トレースの詳細については、「トラブルシューティング トレース設定」を参照してください。
さまざまなサービスのトレース ファイルにどの情報を記録するかを設定した後、RTMT の Trace and Log Central オプションを使用してトレース ファイルを収集できます。トレースの収集の詳細については、「トレース収集」を参照してください。
トラブルシューティング トレース設定
[Troubleshooting Trace Settings] ウィンドウでは、トラブルシューティング トレースの事前設定値を設定する対象の Cisco Unified Serviceability のサービスを選択できます。このウィンドウでは、クラスタ内の異なる Cisco Unified Communications Manager ノード上のサービスを選択でき、選択したサービスのトレース設定は事前設定値に変更されます。選択できる対象は、単一のノードでアクティブな特定のサービス、単一のノードでアクティブなすべてのサービス、クラスタ内のすべてのノードでアクティブな特定のサービス、またはクラスタ内のすべてのノードでアクティブなすべてのサービスです。このウィンドウでは、アクティブでないサービスの横に N/A と表示されます。
(注) Cisco Unified Communications Manager の機能サービスまたはネットワーク サービスに対するトラブルシューティング トレースの事前設定値には、SDL、SDI、および Log4j などのトレース設定があります。トラブルシューティング トレース設定を適用する前に、元のトレース設定がバックアップされます。トラブルシューティング トレース設定をリセットすると、元のトレース設定が復元されます。
トラブルシューティング トレース設定をサービスに適用した後で、[Troubleshooting Trace Settings] ウィンドウを開くと、トラブルシューティングを設定したサービスのチェックボックスがオンになった状態で表示されます。[Troubleshooting Trace Settings] ウィンドウで、トレース設定を元の設定にリセットできます。
トラブルシューティング トレース設定をサービスに適用した後、[Trace Configuration] ウィンドウには、該当するサービスに対してトラブルシューティング トレースが設定されているというメッセージが表示されます。このサービスの設定をリセットするには、[Related Links] ドロップダウン リスト ボックスから [Troubleshooting Trace Settings] オプションを選択します。該当するサービスに対して、[Trace Configuration] ウィンドウには、Maximum No. of Files などいくつかのトレース出力設定パラメータを除いて、すべての設定が読み取り専用として表示されます。トラブルシューティング トレース設定を適用した後でも、これらのパラメータは変更できます。
トレース収集
さまざまなサービス トレースや他のログ ファイルを収集、表示、zip 圧縮するには、Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool のオプションの 1 つである Trace and Log Central を使用します。Trace and Log Central オプションを使用すると、SDL トレースや SDI トレース、アプリケーション ログ、システム ログ(イベント表示アプリケーション ログ、セキュリティ ログ、システム ログなど)、およびクラッシュ ダンプ ファイルを収集できます。
ヒント CSA ログを収集するには、RTMT の [Select System Logs] タブの [Cisco Security Agent] チェックボックスをオンにします。ログインおよびログアウトしているユーザの情報が含まれるユーザ ログにアクセスするには、[Select System Logs] タブの [Security Logs] チェックボックスをオンにします。
ヒント 収集したトレース ファイルを表示する場合、NotePad は使用しないでください。
(注) 暗号化をサポートするデバイスの場合、SRTP 鍵関連情報はトレース ファイルに表示されません。
トレース収集の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
トレース設定およびトレース収集チェックリスト
表6-1 は、Cisco Unified Serviceability の機能サービスおよびネットワーク サービスに対してトレースを設定および収集するための手順の概要を示しています。
表6-1 トレース設定およびトレース収集チェックリスト
|
|
ステップ 1 |
Cisco Unified Communications Manager の管理ページで [システム] >[エンタープライズパラメータ] を選択し、トレース可能なデバイスの最大数を設定します。[Max Number of Device Level Trace] フィールドに値を入力します。デフォルトは 12 です。 |
Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド |
ステップ 2 |
トレースを収集するサービスに対してトレース設定値を設定します。1 台のサーバ、またはクラスタ内のすべてのサーバ上のサービスに対して、トレースを設定できます。 トレース設定値を設定するには、デバッグ レベルとトレース フィールドを選択して、トレース ログにどの情報を記録するかを選択します。Cisco CallManager サービスまたは Cisco CTIManager サービスに対してトレースを設定する場合は、特定のデバイスに対してトレースを設定することもできます。 サービスに対して事前設定されたトレースを実行する場合は、そのサービスに対してトラブルシューティング トレースを設定します。 |
• 「トレースについて」 • 「トレースの設定」 • 「トラブルシューティング トレース設定値の設定」 |
ステップ 3 |
ローカル PC に Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool をインストールします。 |
Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド |
ステップ 4 |
モニタ対象のトレース ファイル内に指定の検索文字列があるときにアラームを生成する場合は、RTMT で LogFileSearchStringFound アラートを有効にします。 LogFileSearchStringFound アラームは LpmTctCatalog にあります(Cisco Unified Serviceability で、 [Alarm] > [Definitions] を選択します。[Find alarms where] ドロップダウン リスト ボックスで [System Alarm Catalog] を選択し、[Equals] ドロップダウン リスト ボックスで [LpmTctCatalog] を選択します)。 |
• Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド • 「アラーム定義の表示およびユーザ指定の記述の追加」 |
ステップ 5 |
CriticalServiceDownand CodeYellow などのアラ―トのトレースを自動的に取り込む場合は、RTMT で特定のアラートに対応する [Set Alert/Properties] ダイアログボックスの [Enable Trace Download] チェックボックスをオンにします。 |
Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド |
ステップ 6 |
トレースを収集します。 |
Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド |
ステップ 7 |
適切なビューアでログ ファイルを表示します。 |
Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool アドミニストレーション ガイド |
ステップ 8 |
トラブルシューティング トレースを有効にした場合は、サービスのトレース設定をリセットして、元の設定を復元します。
(注) 長期間にわたってトラブルシューティング トレースを使用可能にすると、トレース ファイルのサイズが大きくなり、サービスのパフォーマンスが低下する可能性があります。
|
「トラブルシューティング トレース設定値の設定」 |