この設定例では、モデムやその他のデータ通信装置(DCE)デバイスを使用せずに2台のルータを直接接続する方法を示します。AUX ポートまたはコンソール ポートでモデムを設定する方法の詳細については、「モデム - ルータ間接続ガイド」または「アクセスダイヤル テクノロジー サポート」を参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
この設定では、ヌルモデム ケーブル(ロールオーバー ケーブル)を使用した非同期 AUX ポートによって、2 台の Cisco ルータが Back-To-Back 接続されています。 2 台のルータの AUX ポートがリンク上でポイントツーポイント プロトコル(PPP)を使用して、ロールオーバー ケーブルで直接接続されています。AUX ポートは Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)デバイスです。DTE デバイスを DTE デバイスに接続するにはヌルモデム ケーブル(ロールオーバー ケーブル)が必要です。
フラットサテン ロールオーバー(ヌルモデム)ケーブル(部品番号 CAB-500RJ=)は通常、すべての Cisco ルータに付属しており、RJ-45 コンソール接続に対応します。AUX ポートが DB-25 の場合は、ヌルモデム ケーブル(ロールオーバー ケーブル)とともに "terminal" のラベルが付いた RJ-45-to-DB-25 アダプタを使用します。
注:EIA/TIA-232(旧RS-232)の制限により、ケーブルの長さが50フィート未満であることを確認してください。
ケーブル接続の詳細については、「RJ-45 コンソールおよび AUX ポートのケーブル接続ガイド」と「RJ-45 ケーブル」を参照してください。
DB-25 AUX ポートを備えたルータ(Cisco 4500、7200、7500 など)の場合、DB-25-to-DB-25 ヌルモデム ケーブルが必要です。このケーブルは、ほとんどの電化製品販売店で購入できます。
注:信号のペアが正しくないため、ロール型RJ-45-to-RJ-45フラットサテンケーブル(部品番号CAB-25AS-MMOD)を両端に使用することはできません。
DB-25-to-DB-25 ヌルモデム ケーブルに表 1 に示すピン接続があるかどうかを確認してください。
表1:DB-25-to-DB-25ヌルモデムケーブルピン接続DB-25 | DB-25 | ||
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RxD | 0 | 3 | TXD |
TxD | 3 | 0 | RxD |
CTS | 4 | 5 | RTS |
RTS | 5 | 4 | CTS |
DTR | 6 | 20 | CD |
DSR | 8 | ||
CD | 20 | 6 | DTR |
8 | DSR | ||
GND | 7 | 7 | GND |
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
このドキュメントでは、次の構成を使用します。
ルータ 1
ルータ 2
注:この接続は、固定(「固定」)接続のAUXポートのIPアドレスで設定されています。
ルータ 1 |
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version 11.1 service udp-small-servers service tcp-small-servers ! hostname Router1 ! interface Ethernet0 no ip address shutdown ! interface Serial0 no ip address shutdown ! interface Serial1 no ip address shutdown ! interface Async1 !--- The async interface that corresponds to the AUX port. !--- Use the show line command to determine which async interface corresponds !--- to the AUX port. ip address 192.168.10.1 255.255.255.0 !--- The IP address on the AUX ports of both routers are in the same subnet. encapsulation ppp !--- Set PPP as the encapsulation. async default routing !--- This allows routing protocols on the link. async mode dedicated ! no ip classless ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Async1 !--- The default route points to the Async1 (AUX port) interface. logging buffered ! line con 0 exec-timeout 0 0 line aux 0 !--- Line configuration for the AUX port. modem InOut transport input all !--- This allows all protocols to use the line. rxspeed 38400 !--- Set the Rx speed (identical to the TX speed of the other router). txspeed 38400 !--- Set the Tx speed (identical to the RX speed of the other router). flowcontrol hardware line vty 0 4 login ! end |
ルータ 2 |
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version 11.1 service udp-small-servers service tcp-small-servers ! hostname Router2 ! interface Ethernet0 ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 ! interface Serial0 no ip address shutdown ! interface Serial1 no ip address shutdown ! interface Async1 !--- The async interface that corresponds to the AUX port. !--- Use the show line command to determine which async interface corresponds !--- to the AUX Port. ip address 192.168.10.2 255.255.255.0 !--- The IP address on the AUX ports of both routers are in the same subnet. encapsulation ppp !--- Set PPP as encapsulation. async default routing !--- This allows routing protocols on the link. async mode dedicated ! no ip classless ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Ethernet0 !--- This default route points to interface Ethernet0. logging buffered ! line con 0 exec-timeout 0 0 line aux 0 !--- Line configuration for the AUX port. modem InOut transport input all !--- This allows all protocols to use the line. rxspeed 38400 !--- set the Rx speed (identical to the TX speed of the other router). txspeed 38400 !--- set the Tx speed (identical to the RX speed of the other router). flowcontrol hardware line vty 0 4 login ! end |
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
debug コマンドを発行する前に、『debug コマンドに関する重要な情報』を参照してください。
次のステップを実行します。
AUX ポートの非同期インターフェイスを判別するには、show line コマンドを使用します。
ほとんどのルータには、interface async 1 として AUX ポートがありますが、アクセス サーバには TTY 回線の後に AUX ポート インターフェイスがあります。たとえば、ルータに16の非同期/モデム回線がある場合、AUXポートは回線17です。この場合、AUXポートはinterface async 17で設定する必要があります。show lineの出力に基づいてAUXポートを設定します。AUX ポートの設定がルータの interface Async1 上にあることを確認する例を次に示します。
Router1#show line Tty Typ Tx/Rx A Modem Roty AccO AccI Uses Noise Overruns * 0 CTY - - - - - 0 0 0/0 A 1 AUX 38400/38400 - inout - - - 0 0 0/0 2 VTY - - - - - 0 0 0/0 3 VTY - - - - - 0 0 0/0 4 VTY - - - - - 0 0 0/0 5 VTY - - - - - 0 0 0/0 6 VTY - - - - - 0 0 0/0
show line aux 0 コマンドを実行します。
すべての信号が動作していることを確認します(Clear To Send(CTS)、Request To Send(RTS; 送信要求)、Data Terminal Ready(DTR; データ端末レディ)、および Carrier Detect(CD; キャリア検知)など)。
これらの信号の横に何も表示されていなければ、信号は動作しています。信号の隣に "No" が表示されている場合(No-CTS など)は、信号が停止していることを示します。信号が停止している場合は、それぞれの側の設定を確認してください。AUX ポートの非同期インターフェイスと回線が(上のように)設定されていることを確認します。
注:show lineコマンドの出力にDSRがアップ状態でない(noDSR)と表示される場合は、DB-25-to-DB-25ヌルモデムケーブルの両端に、ピン6と8がピン20に物理的に接続されていることを確認してください。正しいピン割り当てについては、表 1 を参照してください。
Router1#show line aux 0 Tty Typ Tx/Rx A Modem Roty AccO AccI Uses Noise Overruns A 1 AUX 38400/38400 - inout - - - 0 0 0/0 Line 1, Location: "", Type: "" Length: 24 lines, Width: 80 columns Baud rate (TX/RX) is 38400/38400, no parity, 2 stopbits, 8 databits Status: Ready, Active, Async Interface Active Capabilities: Hardware Flowcontrol In, Hardware Flowcontrol Out Modem Callout, Modem RI is CD, Line is permanent async interface Modem state: Ready Special Chars: Escape Hold Stop Start Disconnect Activation ^^x none - - none Timeouts: Idle EXEC Idle Session Modem Answer Session Dispatch 00:10:00 never none not set Modem type is unknown. Session limit is not set. Time since activation: 00:00:30 Editing is enabled. History is enabled, history size is 10. Full user help is disabled Allowed transports are pad v120 telnet. Preferred is telnet. No output characters are padded No special data dispatching characters Line is running PPP for address 192.168.10.2. 0 output packets queued, 1 input packets. Async Escape map is 00000000000000000101000000000000 Modem hardware state: CTS* DSR* DTR RTS
構成設定が正しいと思われる場合は、ルータ間のロールオーバー ケーブルを交換します。
接続をリセットするには、非同期インターフェイスで shutdown コマンドと no shutdown コマンドを使用します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
リンクが正しく起動したことを確認するには、次の debug コマンドを使用します。
注:debugコマンドを発行する前に、『debugコマンドの重要な情報』を参照してください。
debug ppp negotiation:Link Control Protocol(LCP)、認証、および Network Control Protocol(NCP)のネゴシエーション進行時の、PPP トラフィックや交換に関する情報を表示します。PPP ネゴシエーションが正常に行われると、最初に LCP 状態が開放され、次に認証、最後に NCP をネゴシエートします。CONFREQ が送信されたにもかかわらず、CONFACK を受信しない場合は、ケーブルが正しく接続されているかどうか、回線が正しく設定されているどうかをチェックしてください(interface async x コマンドを発行)。
debug ppp authentication:Challenge Handshake Authentication Protocol(CHAP)パケット交換や Password Authentication Protocol(PAP)交換を含む、PPP の認証プロトコル メッセージを表示します(認証が設定されている場合)。この設定では認証は設定されていません。したがって、この debug コマンドは必要ではありません。
debug ppp error :PPP 接続のネゴシエーションと操作に関するプロトコル エラーとエラー統計情報を表示します。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
04-Feb-2010 |
初版 |