ドキュメント ID:10529
更新日:2005 年 12 月 12 日
このドキュメントは、Cisco 2600、3600、4000、および 4500 ルータ シリーズで ATM トラフィック シェーピングを設定する方法について説明しています。ATM トラフィック シェーピングのサポートにおける 4000/4500 ルータ シリーズと 2600/3600 ルータ シリーズとの主な違いは、4000/4500 プラットフォームは 3 種類のサービス クラスだけをサポートするのに対して、2600/3600 ルータ シリーズはすべてのトラフィック タイプをサポートすることです。その他の違いは、このドキュメントの「機能と利点」のセクションで説明しています。
4000/4500ルータシリーズでサポートされるサービスクラスは次のとおりです。
Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)
Non-Real Time Variable Rit Rate(VBR-nrt; 非リアルタイム可変ビット レート)
Unspecified Bit Rate Plus(UBR+)
Cisco 2600/3600 ルータ シリーズは、UBR、VBR-nrt、および UBR+ の他に、real time Variable Bit Rate(VBR-rt; リアルタイム可変ビット レート)、Constant Bit Rate(CBR; 固定ビット レート)、および Available Bit Rate(ABR; 使用可能ビット レート)をサポートします。
次の表は、ATM トラフィック シェーピングをサポートする 2600/3600 ルータ シリーズの Network Module(NM; ネットワーク モジュール)と、4000/4500 ルータ シリーズの Network Processor Module(NPM; ネットワーク プロセッサ モジュール)を示しています。
2600 および 3600 ルータ シリーズの NM | 4000 および 4500 ルータ シリーズの NPM |
---|---|
NM-1A-E3 | NP-1A-E3 |
NM-1A-T3 | NP-1A-DS3 |
NM-1A-OC3 | NP-1A-SM |
NP-1A-MM | |
NP-1A-SM-LR |
これらのモジュールがCisco 2600および3600ルータでどのように動作するかについての背景情報は、このドキュメントの「関連情報」セクションを参照してください。4000および4500ルータのNPMに関する情報については、「関連情報」のセクションも参照してください。
このドキュメントを読むには、ATM トラフィック シェーピングと各種サービス クラスを理解している必要があります。機能の詳細については、次のリソースを参照してください。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco 2600/3600および4000/4500シリーズルータ
Cisco IOS?ソフトウェア(「機能と利点」セクションで指定されたバージョン)
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Cisco 2600/3600 および 4000/4500 ルータ シリーズの ATM ネットワーク モジュールには、次の共通機能があります。
IOS の「Plus」フィーチャ セット、またはサービス プロバイダーの「p」フィーチャ セットが必要です。登録ユーザであり、ログインしている場合は、詳細情報を表示できます。
Cisco IOSソフトウェアの最小サポートは、カードごとに異なります。登録ユーザは、Software Advisor(登録ユーザ専用)ツールを使用して、カードをサポートするIOSバージョンを検索できます。
Virtual Circuit(VC; 仮想回線)単位のトラフィック シェーピングをサポートします。
Generic Traffic Shaping(GTS; ジェネリック トラフィック シェーピング)はサポートされていません。
2600/3600 シリーズ ルータのネットワーク モジュールに固有の ATM 機能は、次のとおりです。
UBR、VBR-rt、VBR-nrt、CBR、ABR、および UBR+ サービス クラスのハードウェア サポートを提供します。
トラフィック シェーピングは 32 Kbps 刻みで増分可能で、インターフェイスの総帯域幅までサポートします。
Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)を設定していて、そのサイズが 200 セルより大きい場合は、200 セルに切り捨てられます。MBS を設定していない場合は、次のようになります。
ピーク レートが 4 MB 未満の場合、Maximum Burst Size(MBS; 最大バースト サイズ)は 32 セルです。
ピーク レートが 4 MB を超える場合、MBS は 200 セルです。
4000/4500 シリーズ ルータでのネットワーク プロセッサ モジュール固有の ATM 機能には、次のものがあります。
VBR-nrt、UBR、UBR+ サービス クラスだけのハードウェア サポートを提供します。
NP-1A-SM-LRモジュールには、Cisco IOSソフトウェアリリース11.2(9)P以降が必要です。完全なトラフィックシェーピングには、Cisco IOSソフトウェアリリース11.1(17)、11.2(12)P、または11.3(2)T以降が必要です。
Q1'98のCisco IOSソフトウェアリリース11.1(17)、11.2(12)P、および11.3(2)Tのトラフィックシェーピング。ユーザ定義可能なピークレートキューを最大4つ使用して、各仮想接続(VC)のピークレートとサイズ制限を制限)。
MBS 値が設定されていない場合は、デフォルトで 95 セルになります。
注:Cisco 3620ルータがこのカードに提供するサポートは、シャーシのハードウェアリビジョンによって異なります。詳細については、この Field Notice をチェックしてください。この Field Notice はシスコ Bug ID CSCdk69671 を参照しています。
注:NP-1A-SM-LRモジュールは、Cisco 4500、4700、4500-M、および4700-Mルータでのみサポートされます。Cisco 4000 または 4000-M ではサポートされていません。
2600/3600 ルータ シリーズのこれらの ATM ネットワーク モジュールは、次のサービス クラスをサポートします。
4000 および 4500 ルータ シリーズでサポートされるのは、上から 3 つのサービス クラスだけです。
次に、各サービス クラスの設定について説明します。これらのサービス クラスは、Permanent Virtual Connection(PVC; 相手先固定接続)サブモードのもとで、Command Line Interface(CLI; コマンドライン インターフェイス)コマンドを使用して設定できます。2600/3600 ルータ シリーズと 4000/4500 ルータ シリーズの CLI 構文は同じです。
次のセクションでは、いくつかの例を示します。
このトラフィック カテゴリの優先順位は最も低くなっています。すべての UBR 接続は、ハードウェアによってラウンドロビン方式でスケジュールされます。
vpd2004(config)#interface a5/0 vpd2004(config-if)#pvc 0/100 vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr ?* <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr 1112 vpd2004(config-if)#end
注: *ピークセルレート(PCR)を指定しない場合、OC-3ネットワークモジュールではデフォルトで155 Kbpsに設定されます。E3 および T3 ネットワーク モジュールの場合、T3 および E3 カードのライン レートが基準になります。
このトラフィックカテゴリのプライオリティはVBR-nrtよりも高く、CBRよりも低くなります。ハードウェアはデュアル漏出バケット アルゴリズムを使用して、このトラフィックタイプをスケジューリングします。
vpd2004(config)#interface a5/0 vpd2004(config-if)#pvc 0/102 vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr ? <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-rt ? <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-rt 2005 ? <64-100> Average Cell Rate in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-rt 2005 1002 ? <1-64000> Burst cell size in number of cells <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-rt 2005 1002 32 ? <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#end
このトラフィックタイプのプライオリティはUBRよりも高く、VBR-rtよりも低くなります。ハードウェアはデュアル漏出バケット アルゴリズムを使用して、このトラフィックタイプをスケジューリングします。
vpd2004(config)#interface a5/0 vpd2004(config-if)#pvc 0/103 vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-nrt ? <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 2005 ? <64-180> Sustainable Cell Rate(SCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 2005 1002 ? <1-64000> Maximum Burst Size(MBS) in Cells <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#vbr-nrt 2005 1002 32 vpd2004(config-if-atm-vc)#end
VBR に対して推奨される PCR 値は、次のとおりです。
PCR 値(Kbps)
11999、117024、114122、11291、108532、105840、103216、100656、98 160、95726、93352、91037、88779、86578、8431、82337、80295、78304、76 362、74469、72622、70821、69065、67353、65683、64054、62466、60917、59 406、57933、56497、55096、53730、52397、51098、49831、48596、47391、46 216、45070、43952、42863、41800、40763、39752、38767、37805、3688、35 954、35063、34193、3345、32519、31712、30926、30159、29412、28682、27 971、27278、26601、25942、25299、24672、24060、23463、22882、22314、21 761、2122、20695、20182、19682、19194、18718、18254、17802、17361、16 930、16510、16101、15702、15313、14934、14563、14203、13851、13507、13 172、12846、12527、12217、11914、11619、11331、11051、10777、10510、10 249、9995、9748、9506、9270、9040、8817、8598、8385、8178、7975、777、758 5、7397、7214、7035、6861、6691、6525、6364、6206、6052、5902、5756、5613、5 474、5339、5206、5077、4951、4782、4619、4461、4308、4161、4019、3882、374 9、3621、3497、3378、3262、3151、3043、2939、2839、2742、2648、2557、2470、2 386、2304、2226、2150、2076、2005、1937、1871、1807、1746、1686、1629、157 3、1519、1467、1417、1369、1322、1277、1234、1192、1151、1112、1074、1038、1 003、969、936、904、873、843、814、787、760、734、709、685、662、639、618、597、57 7、557、538、520、502、485、468、453、437、423、408、395、382、369 357、345、332 2、311、301、290、281、271、262、253、245、237、229、221、214、207、200、193、187、 81、175、169、163、158、153、147、143、138、133、129、125、117、113、109、106 103、99、96、93、90、87、84、81、79、76、74、72、69、67、65、または63 Kbps
これは優先順位が最も高いトラフィック タイプです。
vpd2004(config)#interface a5/0 vpd2004(config-if)#pvc 0/104 vpd2004(config-if-atm-vc)#cbr ? <64-155000> Peak Cell Rate in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#cbr 2005 ? <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#cbr 2005 vpd2004(config-if-atm-vc)#end
このトラフィック タイプは、VBR-nrt と同じ優先順位でスケジューリングされます。
vpd2004(config-if)#pvc 0/105 vpd2004(config-if-atm-vc)#abr ? <64-155000> Peak Cell Rate(PCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#abr 76 ? <0-100> Minimum Cell Rate(MCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#abr 76 0 ? <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#abr 76 0 vpd2004(config-if-atm-vc)#end
ABR トラフィック タイプは、14 通りの PCR と、0 の Minimum Cell Rate(MCR; 最小セルレート)をサポートします。サポートされる 14 通りの PCR を次に示します。
PCR 値(Kbps)
14877、12487、996、7497、4397、2559、1597、999、399、191、153、76、38、または6 Kbps。
UBR+ はシスコシステムズが開発した特別な ATM サービス クラスです。UBR+ は、トラフィックが輻輳していない状況では UBR のデフォルトと同じように動作しますが、トラフィックが輻輳した状況では MCR を保証します。ただし、トラフィックが多い場合、UBR+はMCRを保証します。
vpd2004(config)#interface a5/0 vpd2004(config-if)#pvc 0/106 vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr+ 2005 ? <0-1000> Minimum Guaranteed Cell Rate(MCR) in Kbps vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr+ 2005 1002 ? <0-1000> vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr+ 2005 1002 ? <cr> vpd2004(config-if-atm-vc)#ubr+ 2005 1002 vpd2004(config-if-atm-vc)#end
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ドキュメントの表記法の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
12-Dec-2005 |
初版 |