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ポートチャネルは、複数の物理インターフェイスを 1 つの論理インターフェイスに集約し、より精度の高い集約帯域幅、ロード バランシング、およびリンク冗長性を提供する機能です(図 8-1 を参照)。ポートチャネルはスイッチング モジュール間のインターフェイスに接続することができるため、スイッチング モジュールで障害が発生してもポートチャネルのリンクがダウンすることはありません。
Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのポートチャネルは柔軟に設定できます。上記は、3 つの構成可能なポートチャネル設定を示しています。
• ポートチャネル A は、接続の両端が同一のスイッチング モジュール上にある、2 つのインターフェイスの 2 つのリンクを集約します。
• ポートチャネル B も 2 つのリンクを集約しますが、各リンクは別々のスイッチング モジュールに接続されています。スイッチング モジュールがダウンしても、トラフィックは影響されません。
• ポートチャネル C は 3 つのリンクを集約します。そのうち 2 つのリンクは両端が同一のスイッチング モジュール上にあり、1 つのリンクはスイッチ 2 で別のスイッチング モジュールに接続されています。
E ポートチャネルは、複数の E ポートを 1 つの論理インターフェイスに集約し、より精度の高い集約帯域幅、ロード バランシング、およびリンク冗長性を提供する機能です。ポートチャネルはスイッチング モジュール間のインターフェイスに接続することができるため、スイッチング モジュールで障害が発生してもポートチャネルのリンクがダウンすることはありません。
• ISL(E ポート)または EISL(TE ポート)を介したポイントツーポイント接続を行う。複数のリンクを 1 つのポートチャネルに結合できます。
• チャネル内で機能するすべてのリンクにトラフィックを分散し、ISL 上の集約帯域幅を増加させる。
• 複数のリンクでロード バランスを行い、最適な帯域利用率を維持する。ロード バランシングは、送信元 ID、宛先 ID、および Exchange ID(OX ID)に基づきます。
• ISL でのハイ アベイラビリティを実現する。1 つのリンクに障害が発生した場合、そのリンクで伝送されていたトラフィックは残りのリンクに切り替えられます。ポートチャネルでリンクが 1 つダウンしても、上位プロトコルはこのことを認識しません。上位プロトコルから見ると、帯域幅は低下していますがリンクは引き続き存在しています。ルーティング テーブルはリンク障害の影響を受けません。ポートチャネルには、最大 16 の物理リンクを加えることができます。また、複数のモジュールにポートチャネルを分散して、アベイラビリティを高めることができます。
(注) ポートチャネルと FSPF リンクのフェールオーバーのシナリオについては、『Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fabric Configuration Guide』を参照してください。
F ポートチャネルも、同じファイバ チャネル ノードに接続された F ポートのセットを組み合せ、F ポートと NP ポート間で 1 つのリンクとして動作する論理インターフェイスです。F ポートチャネルでは、E ポートチャネルと同様の帯域利用率およびアベイラビリティをサポートします。F ポートチャネルは主に MDS コアと NPV スイッチの接続に使用され、最適な帯域利用率および VSAN のアップリンク間での透過型フェールオーバーを実現します。
F ポートチャネルのトランクでは、TF ポートと F ポートチャネルの機能性および利点が組み合せられます。この論理リンクは Cisco EPP(ELS)上で Cisco PTP および PCP の各プロトコルを使用します。
(注) Cisco MDS 9124 スイッチまたは 9134 スイッチをコア スイッチとして使用する場合は、非トランキング F ポートチャネルだけがサポートされます。NPIV がイネーブルの場合、このプラットフォームではトランキングがサポートされません。
トランキングは、ストレージ業界で一般的に使用されている用語です。ただし、Cisco NX-OS ソフトウェアおよび Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでは、トランキングとポートチャネルを次のように実装します。
• ポートチャネルでは、複数の物理リンクを 1 つの集約論理リンクに組み合せることができます。
• トランキングでは、EISL 形式のフレームを送信しているリンクで複数の VSAN トラフィックを伝送(トランク)できます。たとえば、E ポートでトランキングを動作させると、その E ポートは TE ポートになります。TE ポートは、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチ特有のものです。業界標準の E ポートは他のベンダーのスイッチにリンクでき、非トランキング インターフェイスと呼ばれます(図 8-2 および図 8-3 を参照)。トランキングしたインターフェイスの詳細については、「トランキングの設定」を参照してください。
ポートチャネルとトランキングは、ISL で別々に使用されます。
• ポートチャネル:次のポートの組み合せの間でインターフェイスをチャネリングできます。
• トランキング:トランキングでは、スイッチ間で複数の VSAN のトラフィックが伝送されます。
『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fabric Configuration Guide 』を参照してください。
次の 2 つのメカニズムでロード バランシング機能がサポートされます。
• フロー ベース:送信元から宛先へのすべてのフレームが、特定フロー用の同一リンクを流れます。つまり、最初のフローのやり取りに選択されたリンクが、その後すべてのやり取りに使用されます。
• やり取りベース:やり取りの最初のフレームがリンクを選択し、やり取りのその後のフレームは同じリンクを流れます。しかし後続のやり取りでは別のリンクが使用されることがあります。これにより、やり取りごとにフレームの順序を維持しながら、より細かいロード バランシングが可能になります。
図 8-4 に、送信元 ID 1(SID1)と宛先 ID1(DID1)を基準とするロード バランシングの動作を示します。インターフェイスでフローの最初のフレームを受信してそのフレームを転送するときは、リンク 1 が選択されます。そのフローの各後続フレームは同一リンクで送信されます。SID1 および DID1 のフレームではリンク 2 が使用されません。
図 8-4 SID1 および DID1 を基準としたロード バランシング
図 8-5 に、やり取りベースのロード バランシングの動作を示します。インターフェイスでやり取りの最初のフレームを受信してそのフレームを転送するときは、ハッシュ アルゴリズムによってリンク 1 が選択されます。そのやり取りの残りすべてのフレームは、同じリンクで送信されます。やり取り 1 の場合、フレームでリンク 2 が使用されることはありません。次のやり取りの場合は、リンク 2 がハッシュ アルゴリズムで選択されます。やり取り 2 のすべてのフレームではリンク 2 が使用されます。
図 8-5 SID1、DID1、やり取りを基準としたロード バランシング
ロード バランシング機能と順序どおりの配信機能の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fabric Configuration Guide 』を参照してください。
チャネル グループのモード パラメータで各ポートチャネルを設定し、このチャネル グループのすべてのメンバー ポートでポートチャネル プロトコル動作を決めることができます。チャネル グループ モードに設定可能な値は次のとおりです。
• ON(デフォルト):メンバー ポートはポートチャネルの一部として動作するか、非アクティブになります。このモードでは、ポートチャネル プロトコルが始まりません。しかし、ポートチャネル プロトコル フレームをピア ポートから受信した場合、ソフトウェアはネゴシエーション不能ステータスを示します。このモードには、チャネル グループ モードが暗黙的に ON になっているリリース 2.0(1b) よりも前のリリースで、既存のポートチャネルの実装と下位互換性があります。Cisco MDS SAN-OS リリース 1.3 以前で使用可能なポートチャネル モードは ON モードだけです。ON モードで設定されたポートチャネルでは、ポートチャネル設定でポートの追加または削除を行う場合、片側のポートチャネル メンバー ポートのイネーブル化およびディセーブル化を明示的に行う必要があります。ローカルとリモートのポートが相互に接続されていることを物理的に確認します。
• ACTIVE:ピア ポートのチャネル グループ モードに関係なく、メンバー ポートはピア ポートとポートチャネル プロトコル ネゴシエーションを始めます。ピア ポートがチャネル グループ内で設定されていて、ポートチャネル プロトコルをサポートしないか、ネゴシエーション不能ステータスで応答した場合は、デフォルトで ON モードの動作となります。ACTIVE ポートチャネル モードでは、片側でポートチャネル メンバー ポートのイネーブル化およびディセーブル化を明示的に行わなくても、自動回復が可能です。
表 8-1 に、ON モードと ACTIVE モードの比較を示します。
Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチは、スイッチごとに次の数のポートチャネルをサポートします。
• 第 1 世代のスイッチング モジュールだけを含むスイッチは、F ポートチャネルおよび TF ポートチャネルをサポートしません。
• 第 1 世代スイッチング モジュールを含むか、第 1 世代および第 2 世代のスイッチング モジュールを含むスイッチでは、最大で 128 のポートチャネルがサポートされます。第 2 世代のポートだけをポートチャネルに組み込むことができます。
• 第 2 世代のスイッチング モジュールを含むか、第 2 世代および第 3 世代のスイッチング モジュールを含むスイッチでは、ポートチャネルごとに最大で 16 インターフェイスで 256 のポートチャネルがサポートされます。
ここでは、次の第 1 世代ハードウェアのポートチャネルにポートチャネル メンバーを作成および追加する場合の制約事項について説明します。
• 32 ポートの 2 Gbps または 1 Gbps スイッチング モジュール
第 1 世代ハードウェアのホスト最適化ポートを設定する場合は、ポートチャネルに関する次の注意事項が適用されます。
• 32 ポート スイッチング モジュールで write erase コマンドを実行し、 no system default switchport shutdown コマンドを含むテキスト ファイルからスイッチに保存済み設定をコピーする場合、手動設定せずに E ポートをアップさせるには、テキスト ファイルをスイッチに再度コピーする必要があります。
• Cisco MDS 9100 シリーズの任意の(またはすべての)フル回線レート ポートをポートチャネルに組み込むことができます。
• Cisco MDS 9100 シリーズのホスト最適化ポートは、32 ポート スイッチング モジュールと同じポートチャネルのルールに従います。各 4 ポート グループの最初のポートだけがポートチャネルに組み込まれます。
– 各 4 ポートのグループの最初のポートだけを E ポートとして設定できます(ポート 1 ~ 4 の最初のポート、ポート 5 ~ 8 の 5 のポートなど)。そのグループの最初のポートがポート チャネルとして設定された場合は、各グループのその他 3 つのポート(ポート 2 ~ 4、6 ~ 8 など)は使用できず、シャットダウン ステートのままになります。
– その他 3 つのポートのいずれかがシャットダウン ステート以外で設定されている場合は、最初のポートをポートチャネルとして設定できません。その他 3 つのポートは、引き続きシャットダウン ステート以外になります。
F ポートチャネルおよび TF ポートチャネルには、次の注意事項と制約事項が適用されます。
• 複数の FCIP インターフェイスを WA でグループ化する場合は、ポートチャネル インターフェイスが ACTIVE モードである必要があります。
• ON モードはサポートされません。サポートされるのは ACTIVE-ACTIVE モードだけです。デフォルトでは、NPV スイッチのモードは ACTIVE です。
• MDS スイッチの F ポートチャネル経由でログインしたデバイスは、IVR の非 NAT 設定でサポートされません。このデバイスをサポートするのは IVR NAT 設定だけです。
• ポート セキュリティ ルールは、物理 pWWN だけで単一リンク レベルで実行されます。
• FC-SP では、ポートチャネルのメンバーごとに最初の物理 FLOGI だけを認証します。
• FLOGI ペイロードは VF ビットだけを伝送して FLOGI 交換後にプロトコルの使用をトリガーするため、このビットは上書きされます。NPV スイッチの場合は、コアに Cisco WWN が設定されているので PCP プロトコルの開始を試行します。
• F ポートチャネル経由でログインする N ポートのネーム サーバ登録では、ポートチャネル インターフェイスの fWWN を使用します。
• ポートチャネルのポート VSAN は DPVM を使用して設定できません。
• Dynamic Port VSAN Management(DPVM)データベースの問い合せは各メンバーの最初の物理 FLOGI についてだけ行われるため、ポート VSAN は自動的に設定されます。
• DPVM では FC_ID を VSAN にバインドしませんが、pWWN を VSAN にバインドします。問い合せが行われるのは物理 FLOGI についてだけです。
ポートチャネルはデフォルト値で作成されます。その他の物理インターフェイスと同じように、このデフォルト設定を変更できます。
図 8-6 に、有効なポートチャネル設定の例を示します。
図 8-7 に、無効な設定例を示します。1、2、3、4 の順序でリンクがアップする場合、ファブリックの設定が誤っているので、リンク 3 および 4 は動作上のダウンになります。
ここでは、ポートチャネルの設定方法および変更方法について説明します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
• スイッチング モジュール間でポートチャネルを設定し、スイッチング モジュールのリブートまたはアップグレードの際の冗長性を実装してください。
• 1 つのポートチャネルをさまざまなセットのスイッチに接続しないでください。ポートチャネルでは、同一セットのスイッチ間におけるポイントツーポイント接続が必要です。
(注) 第 1 世代スイッチング モジュールを含むか、第 1 世代および第 2 世代のスイッチング モジュールを含むスイッチでは、最大で 128 のポートチャネルを設定できます。第 2 世代スイッチング モジュールを含むか、第 2 世代および第 3 世代のスイッチング モジュールを含むスイッチでは、最大で 256 のポートチャネルを設定できます。
ポートチャネルの設定を誤った場合は、誤設定メッセージを受信することがあります。このメッセージを受信した場合、エラーが検出されたため、ポートチャネルの物理リンクはディセーブルになります。
ポートチャネルのエラーは、次の要件を満たしていない場合に検出されます。
• ポートチャネルの両端のスイッチが、同じ数のインターフェイスに接続されている。
• 各インターフェイスが、反対側で対応するインターフェイスに接続されている(無効な設定の例については、図 8-7 を参照してください)。
• ポートチャネルの設定後、ポートチャネルのリンクを変更することはできない。ポートチャネルの設定後にリンクを変更する場合は、ポートチャネル内のインターフェイスにリンクを再接続してリンクを再びイネーブルにします。
Fabric Manager で PortChannel ウィザードを使用してポートチャネルを作成する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ツールバーで [PortChannel Wizard] アイコンをクリックします(図 8-8 を参照)。
図 8-8 [PortChannel Wizard] アイコン
PortChannel ウィザードの最初の画面が表示されます。
ステップ 2 スイッチのペアを選択します。図 8-9 に、スイッチ ペアのリストを示します。
ステップ 4 ISL を選択します。図 8-10 に ISL のリストを示します。
ステップ 5 (任意)ポートチャネルを動的に作成し、ISL プロパティの Admin、Trunk、Speed、および VSAN アトリビュートを同一にする場合は、[Dynamically form Port Channel Group from selected ISLs] チェックボックスをオンにします。
ステップ 7 選択した ISL からポートチャネルを動的に形成した場合は、Port Channel ウィザードの最後の画面が表示されます(図 8-11 を参照)。[VSAN List]、[Trunk Mode]、[Speed] を設定して、ステップ 11 に進みます。
ステップ 8 ポートチャネルを動的に形成しなかった場合は、Port Channel ウィザードの 3 番めの画面が表示されます(図 8-12 を参照)。
(注) 動的な VSAN の作成は NPV スイッチではサポートされません。
ステップ 9 必要に応じて、各スイッチのチャネル ID または説明を変更します。
ステップ 10 画面下部に表示されるアトリビュートを確認し、必要に応じて設定します。
図 8-12 には次の属性が示されています。
• VSAN List:ISL が属する VSAN のリスト。
• Trunk Mode:ポートチャネル内のリンク上でトランキングをイネーブルにすることができます。TE ポート間にリンクが存在する場合は、[trunking] を選択します。E ポート間にリンクが存在する場合は、[nontrunking] を選択します。不明な場合は、[auto] を選択します。
• Force Admin, Trunk, Speed, and VSAN attributes to be identical :チャネル内のすべての物理ポートで同じパラメータ設定が使用されるようにします。これらの設定が同じでない場合、ポートはポートチャネルに属することができません。
• Speed:ポートの速度値は [auto]、[1Gb]、[2Gb]、[4Gb]、[8Gb]、[autoMax2G]、および [autoMax4G] のいずれかです。
ポートチャネルが作成されます。[Fabric] ペインに新しいポートチャネルが表示されるまでに、数分間かかることがあります。
CLI および Device Manager のデフォルトでは、NPIV コア スイッチには ON モードのポートチャネルが作成され、NPV スイッチには ACTIVE モードのポートチャネルが作成されます。Fabric Manager ではすべてのポートチャネルが ACTIVE モードで作成されます。ポートチャネルは ACTIVE モードで作成することを推奨します。F ポートチャネルは ACTIVE モードだけでサポートされます。
Fabric Manager を使用して ACTIVE モードを設定する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインに設定済みのポートチャネルが表示されます。
ステップ 2 [Protocols] タブをクリックし、[Mode] ドロップダウン メニューからポートチャネルに適したモードを選択します。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、変更内容を保存します。
ポートチャネルを削除すると、対応するチャネル メンバシップも削除されます。削除したポートチャネルのすべてのインターフェイスは、個別の物理リンクに変換されます。ポートチャネルの削除後、使用するモード(ACTIVE および ON)に関係なく、片側のポートは正常にダウンします。これは、インターフェイスがダウンしてもフレームが失われないことを示します(「正常なシャットダウン」を参照)。
あるポートのポートチャネルを削除すると、削除したポートチャネル内の各ポートは互換性のあるパラメータ設定(速度、モード、ポート VSAN、許可されている VSAN、ポート セキュリティ)を維持します。この設定は必要に応じて明示的に変更できます。
• デフォルトの ON モードを使用してスイッチ間で状態の矛盾を避けて、スイッチ間の一貫性を維持する場合、ポートはシャットダウンします。このポートは明示的に再びイネーブルにする必要があります。
Fabric Manager で PortChannel ウィザードを使用してポートチャネルを削除する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ツールバーで [PortChannel Wizard] アイコンをクリックします(図 8-13 を参照)。
図 8-13 [PortChannel Wizard] アイコン
PortChannel ウィザードの最初の画面が表示されます。
ステップ 2 削除する既存のポートチャネルを選択して、[Next] を選択します。このポートチャネルに現在関連している ISL のリストが表示されます。
ステップ 3 [Next] をクリックします。関連 ISL およびこのポートチャネルに使用可能な ISL の編集可能リストが表示されます。
ステップ 4 各関連 ISL をクリックして左矢印をクリックします。ポートチャネルからすべての ISL が削除されます。
ステップ 5 このポートチャネルを削除するには、[Delete Port Channel If Empty] チェックボックスをオンにします。
ステップ 6 この変更を保存する場合は、[Finish] をクリックします。変更を廃棄する場合は、[Cancel] をクリックします。
既存ポートチャネルで物理インターフェイス(またはある範囲のインターフェイス)の追加または削除を行うことができます。設定で互換性があるパラメータはポートチャネルにマッピングされます。ポートチャネルにインターフェイスを追加すると、ポートチャネルのチャネル サイズおよび帯域幅が増加します。ポートチャネルからインターフェイスを削除すると、ポートチャネルのチャネル サイズおよび帯域幅は減少します。
ここでは、ポートチャネルのインターフェイス設定について説明します。説明する内容は、次のとおりです。
(注) 第 2 世代スイッチング モジュールでのポートチャネルのサポートについては、「ポートチャネル」を参照してください。
既存のポートチャネルに物理インターフェイス(またはある範囲のインターフェイス)を追加できます。設定で互換性があるパラメータはポートチャネルにマッピングされます。ポートチャネルにインターフェイスを追加すると、ポートチャネルのチャネル サイズおよび帯域幅が増加します。
次の設定がポートとポートチャネルで同じ場合にかぎり、スタティックなポートチャネルのメンバーとしてポートを設定できます。
メンバーの追加後、使用するモード(ACTIVE および ON)に関係なく、片側のポートは正常にダウンします。これは、インターフェイスがダウンしてもフレームが失われないことを示します(「第 1 世代ポートチャネルの制約事項」および「正常なシャットダウン」を参照)。
互換性チェックにより、チャネルのすべての物理ポートで同じパラメータ設定が使用されていることを確認します。同じパラメータ設定が使用されていないと、ポートチャネルの一部にはなれません。互換性チェックは、ポートチャネルにポートを追加する前に実行します。
このチェックにより、次のパラメータおよび設定がポートチャネルの両端で一致することを確認します。
• 機能パラメータ(インターフェイスのタイプ、両端のギガビット イーサネット、両端のファイバ チャネル)。
• 管理上の互換性パラメータ(速度、モード、レート モード、ポート VSAN、許可 VSAN リスト、およびポート セキュリティ)。
(注) 共有レート モードのポートでもポートチャネルまたはトランキング ポートチャネルを形成できます。
• 動作パラメータ(リモート スイッチ WWN およびトランキング モード)
リモート スイッチの機能パラメータおよび管理上のパラメータに、ローカル スイッチの機能パラメータと管理パラメータとの互換性がない場合、ポートを追加する手順はエラーになります。互換性チェックに問題がない場合、インターフェイスは動作し、対応する互換性パラメータ設定がこのインターフェイスに適用されます。
動作パラメータに互換性がない場合、互換性チェックはエラーになり、インターフェイスは設定モードに基づいて一時停止状態か分離状態になります。
(注) デフォルトでは、通常、CLI を使用してポートチャネルにインターフェイスを追加しますが、Fabric Manager では特に指定されないかぎり、インターフェイスを強制的に追加します。
Fabric Manager を使用してインターフェイスまたはある範囲のインターフェイスをポートチャネルに追加する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインに設定済みのポートチャネルが表示されます(図 8-14 を参照)。
ステップ 2 [Channels] タブをクリックし、編集するスイッチおよびポートチャネルを探します。
ステップ 3 [Members Admin] をポートチャネルに追加するインターフェイスまたはインターフェイスのリストに設定します。
ステップ 4 変更を保存する場合は [Apply Changes] をクリックします。変更を廃棄する場合は [Undo Changes] をクリックします。
ポートチャネルにより、ポート設定の上書きを強制することができます。この場合、インターフェイスはポートチャネルに追加されます。
• デフォルトの ON モードを使用してスイッチ間で状態の矛盾を避けて、スイッチ間の一貫性を維持する場合、ポートはシャットダウンします。このポートは明示的に再びイネーブルにする必要があります。
• ACTIVE モードを使用する場合、ポートチャネル ポートは追加から自動的に回復します。
(注) インターフェイス内からポートチャネルを作成するときは、force オプションを使用できません。
メンバーの強制追加後、使用するモード(ACTIVE および ON)に関係なく、片側のポートは正常にダウンします。これは、インターフェイスがダウンしてもフレームが失われないことを示します(「第 1 世代ポートチャネルの制約事項」を参照)。
Fabric Manager を使用してポートチャネルにポートを強制追加する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [ISL] を展開して、[Physical Attributes] ペインで [Port Channels] を選択します。[Information] ペインに設定済みのポートチャネルが表示されます。
ステップ 2 [Channels] タブをクリックし、編集するスイッチおよびポートチャネルを探します。
ステップ 3 [Members Admin] をポートチャネルに追加するインターフェイスまたはインターフェイスのリストに設定します。
ステップ 4 このインターフェイスの追加を強制するには、[Force] チェックボックスをオンにします。
ステップ 5 [Apply Changes] アイコンをクリックし、変更内容を保存します。
物理インターフェイスをポートチャネルから削除すると、チャネルのメンバシップは自動的に更新されます。削除したインターフェイスが最後の動作インターフェイスである場合、ポートチャネルのステータスはダウン状態に変更されます。ポートチャネルからインターフェイスを削除すると、ポートチャネルのチャネル サイズおよび帯域幅は減少します。
• デフォルトの ON モードを使用してスイッチ間で状態の矛盾を避けて、スイッチ間の一貫性を維持する場合、ポートはシャットダウンします。このポートは明示的に再びイネーブルにする必要があります。
• ACTIVE モードを使用する場合、ポートチャネル ポートは削除から自動的に回復します。
メンバーの削除後、使用するモード(ACTIVE および ON)に関係なく、片側のポートは正常にダウンします。これは、インターフェイスがダウンしてもフレームが失われないことを示します(「第 1 世代ポートチャネルの制約事項」および「正常なシャットダウン」を参照)。
Fabric Manager を使用して物理インターフェイスまたはある範囲の物理インターフェイスをポートチャネルから削除する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインに設定済みのポートチャネルが表示されます。
ステップ 2 [Channels] タブをクリックし、編集するスイッチおよびポートチャネルを探します。
ステップ 3 [Members the Admin] カラムで、削除するインターフェイスまたはインターフェイスのリストを削除します。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックし、変更内容を保存します。
Cisco SAN-OS の前バージョンでは、ポートチャネルで同期をサポートするために管理作業がさらに必要となっていました。Cisco NX-OS ソフトウェアには、強力なエラー検出機能および同期機能があります。チャネル グループを手動で設定できますが、自動的に作成することもできます。どちらの場合でも、チャネル グループの機能と設定パラメータは同じです。関連ポートチャネル インターフェイスに適用される設定を変更すると、その変更はチャネル グループのすべてのメンバーに伝わります。
ポートチャネル設定をやり取りするプロトコルは、すべての Cisco MDS スイッチで使用できます。この追加機能により、非互換 ISL でのポートチャネル管理が簡単になります。さらに自動作成モードでは、互換性があるパラメータを含む ISL により、手動操作なしでチャネル グループが自動的に作成されます。
ポートチャネル プロトコルにより、Cisco MDS スイッチにおけるポートチャネル機能モデルが拡張されます。Exchange Peer Parameter(EPP)サービスが使用されて、ISL のピア ポート間でやり取りが行われます。各スイッチは、ピア ポートから受信した情報、およびローカル設定と動作値を使用し、それがポートチャネルの一部であるかどうかを判断します。このプロトコルでは、一連のポートが確実に同一ポートチャネルの一部になります。一連のポートが同一ポートチャネルの一部となるのは、互換性があるパートナーがすべてのポートに存在する場合だけです。
ポートチャネル プロトコルでは、次の 2 つのプロトコルが使用されます。
• 始動プロトコル:誤った設定が自動的に検出され、訂正できるようになります。このプロトコルでは両側でポートチャネルが同期されるので、特定フローのすべてのフレーム(送信元 FC ID、宛先 FC ID、OX_ID によって識別)は両方向で同一の物理リンクによって伝送されます。これにより、書き込みアクセラレーションのようなアプリケーションが、FCIP リンクでポートチャネル用に動作するようになります。
• 自動作成プロトコル:互換性があるポートがポートチャネルに自動的に集約されます。
ここでは、ポートチャネル プロトコルの設定方法について説明します。説明する内容は、次のとおりです。
(注) HP c-Class BladeSystem 用 Cisco ファブリック スイッチおよび IBM BladeSystem 用 Cisco ファブリック スイッチの内部ポートでは、チャネル グループがサポートされません。
リンク A1-B1 が最初にアップすると仮定すると(図 8-15 を参照)、そのリンクは個別リンクとして動作します。次のリンク A2-B2 がアップすると、ポートチャネル プロトコルはこのリンクにリンク A1-B1 との互換性があるかどうかを識別し、それぞれのスイッチにチャネル グループ 10 および 20 を自動的に作成します。リンク A3-B3 がチャネル グループ(ポートチャネル)に参加できるということは、それぞれのポートに互換性の設定があるということです。リンク A4-B4 が個別リンクとして動作するということは、このチャネル グループのその他のメンバー ポートとの互換性が、2 つのエンド ポート設定にないということです。
チャネル グループ番号は動的に選択され、片側でチャネル グループを形成するポートの管理上の設定は、新しく作成されるチャネル グループに適用可能となります。動的に選択されるチャネル グループ番号は、スイッチでポートが初期化される順序に基づくので、同一セットのポートチャネルでも、リブートすると異なることがあります。
表 8-2 に、ユーザ設定チャネル グループと自動設定チャネル グループの違いを示します。
(注) MDS NX-OS リリース 4.1(1b) 以降では自動作成がサポートされていません。
• 自動作成機能をイネーブルにした場合、ポートはポートチャネルの一部として設定できません。この 2 つの設定は相互に排他的です。
• 自動作成は、ポートチャネルをネゴシエーションするため、ローカル ポートとピア ポートの両方でイネーブルにする必要があります。
– 互換性のある自動作成ポートチャネルにポートが集約されます。
– 互換性がある別のポートにポートが集約され、新しいポートチャネルが形成されます。
• 新しく作成されたポートチャネルは、可用性に基づいて大きいものから順に最大のポートチャネル(第 1 世代スイッチまたは第 1 世代スイッチと第 2 世代スイッチの組み合せの場合は 128、第 2 世代スイッチの場合は 256)から割り当てられます。128 または 256 の番号すべてが使用されている場合、集約は行われません。
• メンバシップの変更または自動作成されたポートチャネルの削除はできません。
• 自動作成をディセーブルにすると、すべてのメンバー ポートは自動作成ポートチャネルから削除されます。
• 最後のメンバーが自動作成ポートチャネルから削除されると、チャネルは自動的に削除され、番号は解放されて再利用されます。
• 自動作成ポートチャネルは、リブート後に維持されません。自動作成ポートチャネルは、持続ポートチャネルと同一になるように手動で設定できます。ポートチャネルを持続させた場合、自動作成機能はすべてのメンバー ポートでディセーブルになります。
• 自動作成機能のイネーブル化とディセーブル化は、ポートごとに、またはスイッチのすべてのポートで実行できます。この設定をイネーブルにすると、チャネル グループ モードはアクティブになります。このタスクのデフォルトはディセーブルです。
• チャネル グループの自動作成がインターフェイスでイネーブルになっている場合は、自動作成をディセーブルにしてから、ソフトウェアの前バージョンにダウングレードしたり、手動設定チャネル グループでインターフェイスを設定したりする必要があります。
ヒント Cisco MDS 9000 ファミリの任意のスイッチで自動作成をイネーブルにする場合は、スイッチ間の最低 1 つの相互接続ポートで自動作成を設定しないことを推奨します。2 つのスイッチ間のすべてのポートを自動作成機能で同時に設定すると、自動作成ポートチャネルにポートが追加されるとき、ポートが自動的にディセーブルになって再度イネーブルになるので、この 2 つのスイッチ間でトラフィックが中断することがあります。
ポートチャネルの自動作成を設定するには、PortChannel ウィザードで [Dynamically form Port Channel Group from selected ISLs] オプションをオンにします。詳細については、「ウィザードを使用したポートチャネルの設定」を参照してください。
ユーザ設定チャネル グループは、自動作成チャネル グループに変換できません。しかし、自動作成チャネル グループを手動チャネル グループに変換することはできます。このタスクは、実行すると元に戻すことはできません。チャネル グループ番号は変化しませんが、メンバー ポートは手動設定チャネル グループのプロパティに従って動作し、チャネル グループの自動作成はすべてのメンバー ポートで暗黙的にディセーブルになります。
ヒント 持続をイネーブルにする場合は、ポートチャネルの両側でイネーブルにしてください。
Fabric Manager を使用して自動作成チャネル グループをユーザ設定チャネル グループに変換する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [ISL] を展開して、[Physical Attributes] ペインで [Port Channels] を選択します。[Protocol] タブをクリックします。
図 8-16 に示すスイッチ プロトコルが表示されます。
ステップ 2 手動設定チャネル グループに変換するチャネルごとに、[Persist] チェックボックスをオンにします。
ステップ 3 [Apply Changes] アイコンをクリックし、変更内容を保存します。
ポートチャネル設定を確認するには、Fabric Manager の [Information] ペインを使用します(図 8-17 を参照)。
図 8-17 Fabric Manager のポートチャネルの概要
表 8-3 に、ポートチャネルのデフォルト設定を示します。
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