リアルタイム パフォーマンス モニタリング
リアルタイム パフォーマンス統計はファブリックのダイナミック トラブルシューティングや障害分離に便利です。リアルタイム パフォーマンス統計では、ファブリックの一部についてユーザによって定義された期間データを収集し、結果を Fabric Manager および Device Manager で表示します。
Device Manager のリアルタイム パフォーマンス モニタリング
Device Manager には、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのポートを簡単に監視できるツールが備えられています。このツールは設定された期間の統計を取得し、結果を表またはチャートで表示します。統計結果は、選択したポートのパフォーマンスをリアルタイムで表示し、パフォーマンス モニタリングおよびトラブルシューティングに利用できます。選択されたポートに対して、受信/送信トラフィック、エラー、クラス 2 トラフィック、および FICON データなどの任意の数の統計を監視することができます。ポーリングは 10 秒 ~ 1 時間の間隔で設定でき、選択したオプションの数だけ結果を表示できます。結果は絶対値、1 秒あたりの値、1 秒あたりの最小値と最大値などから選択できます。
Device Manager で、関連モジュールの 4 つのポートからなるホストで最適化されたグループの加入過多をチェックします。モジュールのポート グループを右クリックし、ポップアップ メニューから [Check Oversubscription] を選択します。
Device Manager では、[Summary View] タブと、設定可能なポート単位のモニタ オプションを使用してパフォーマンスを表示できます。
Device Manager でサマリー ビューを表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 メイン ディスプレイで [Summary] タブをクリックします。
Summary ビューにスイッチ上のすべてのアクティブ ポートと、使用できる設定オプションが表示されます(図 11-1 を参照)。
図 11-1 Device Manager の [Summary] タブ
ステップ 2 [Poll Interval] ドロップダウン リストから値を選択します。
ステップ 3 [Show Rx/Tx] ドロップダウン メニューを参照してデータの解釈方法を指定します。ポーリング インターバルごとに、スイッチのアクティブ ポートごとの受信および送信データの概要がテーブル内で更新されます。
ステップ 4 [Show Rx/Tx] ドロップダウン リストから値を選択します。[Util%] を選択すると、[Show Rx/Tx] > [%Util/sec] ドロップダウン リストのどちらの値も選択する必要があります。最初の値はイベント レポートの warning レベル、2 番目の値は critical しきい値レベルです。
ポートを選択し、[Monitor Selected Interface Traffic Util %] アイコンをクリックして、あるポートの利用率(パーセンテージ)を表示することもできます。
ステップ 5 [Save Configuration] アイコンをクリックします。
ポート単位で設定できるモニタ オプションにより、ポートの着信/発信トラフィック、エラー、クラス 2 トラフィック、その他のデータの統計を表示できます。一定時間のデータをグラフ表示することにより、ポートのパフォーマンスをリアルタイムで把握できます。
Device Manager を使用してポート モニタリングを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Device] タブをクリックします。
ステップ 2 モニタするポートを右クリックし、ドロップダウン メニューから [Monitor] を選択します。
[port real-time monitor] ダイアログボックスが表示されます(図 11-2 を参照)。
図 11-2 [port real-time monitor] ダイアログボックス
ステップ 3 [Interval] ドロップダウン リストから値を選択し、このテーブルのデータを更新する頻度を指定します。
ステップ 4 テーブルから統計値をクリックし、グラフ アイコンの 1 つをクリックして、一定時間の統計グラフをリアルタイム表示します。グラフ タイプの変更オプションを含む、グラフ ウィンドウが表示されます。
ヒント スイッチ上の任意のアクティブ ポートについて、複数の統計グラフを表示できます。
Fabric Manager のリアルタイム ISL 統計
Fabric Manager を設定して、ISL(スイッチ間リンク)統計情報をリアルタイムで収集できます。ISL 統計には、各 ISL の受信および送信の利用率、1 秒あたりのバイト数、エラーおよび廃棄数が含まれます。
Fabric Manager を使用して ISL 統計情報を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Performance] > [ISL in Real-Time] を選択します。
[Information] ペインに任意の ISL 統計情報が表示されます(図 11-3 を参照)。
図 11-3 リアルタイムの ISL パフォーマンス
ステップ 2 [Poll Interval] ドロップダウン リストから値を選択します。
ステップ 3 [Bandwidth utilization] しきい値ドロップダウン リストから、マイナーとメジャーの 2 つのしきい値を選択します。
表示されたテーブル内で、ファブリック内すべての設定済み ISL の統計情報がポーリング インターバルごとに更新されます。
ステップ 4 テーブル内の行を選択すると、その ISL がトポロジ マップにブルーでハイライト表示されます。
パフォーマンス履歴のモニタリング
Performance Manager はネットワーク デバイスの統計情報の履歴を収集し、Fabric Manager Client を使用してブラウザでこの情報をグラフィック表示します。最近の統計情報は詳細が、古い統計情報はサマリーが表示されます。Performance Manager は Cisco Traffic Analyzer などの外部ツールとも統合されています。
Performance Manager の概要については、「Performance Manager のアーキテクチャ」を参照してください。
Performance Manager でのフローの作成
Performance Manager には Flow Configuration Wizard があり、ホストとストレージの間のフローを双方向で作成できます。フローの作成に関する詳細については、「フロー統計」を参照してください。
Performance Manager での収集の作成
Performance Manager Configuration Wizard により、コンフィギュレーション ファイルを使用して収集を簡単に作成できます。収集は、ファブリック内の 1 つの VSAN、またはすべての VSAN に対して定義します。収集には、表 11-1 に示す SAN のエレメント タイプの統計情報を含めることができます。
表 11-1 Performance Manager の収集タイプ
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ISL |
ISL のリンク統計を収集 |
ホスト |
SAN ホストのリンク統計を収集 |
ストレージ |
ストレージ エレメントのリンク統計を収集 |
フロー |
Flow Configuration Wizard で定義したフローの統計を収集 |
パフォーマンスしきい値の使用方法
Performance Manager Configuration Wizard では、監視対象のトラフィックが、設定した利用率を超えた場合にイベントをトリガーする 2 つのしきい値を設定できます。イベント トリガーは、Fabric Manager Web クライアントの Events ブラウザ ページに通知される Critical または Warning のどちらかのイベントとして設定します。
絶対値しきい値またはベースラインしきい値のどちらかを選択し、収集に定義されたすべての送信または受信トラフィックに適用する必要があります。収集した統計に直接適用するしきい値を設定するには、Performance Manager Configuration Wizard の最後の画面で、[Use absolute values] オプション ボタンをクリックします。統計情報が、合計リンク容量のパーセンテージとして、しきい値に設定された利用率と比較されます。統計が、設定されたしきい値を超えていると、Fabric Manager Web クライアントの [Events] タブにイベントが表示されます。
たとえば、収集の絶対値しきい値として、利用率 60%(warning)および 80%(critical)を設定したとします。この場合、Performance Manager により、1 ギガビット リンク上のトラフィック量が 600 Mbps を超えていることが検出されると、warning イベントがトリガーされます。また、トラフィック量が 800 Mbps を超えると、critical イベントがトリガーされます。
ベースラインしきい値は、日数または週に対して定義します(1 日、1 週間、または 2 週間)。ベースラインでは、1 日、1 週間、または 2 週間単位で、その間の統計結果の平均値が計算されます。表 11-2 に、水曜日の午後 4 時に定義した収集のベースライン値の計算に使用される統計情報の例を示します。
表 11-2 水曜日の午後 4 時に開始された収集でのベースライン期間
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1 日 |
前日の午後 4 時からの統計 |
1 週間 |
1 週前の水曜日の午後 4 時からの統計 |
2 週間 |
2 週前の水曜日の午後 4 時からの統計 |
同じタイム ウィンドウ(毎日、毎週、または 2 週間おき)のリンクごとに、典型的なトラフィック パターンに適合するしきい値が、基準しきい値に基づいて作成されます。ベースラインしきい値は、計算された平均値を 100% とし、平均値のパーセンテージ(110 ~ 500%)として設定します。
たとえば、水曜日の午後 4 時に作成された収集で、1 週間のベースラインしきい値を平均値の 150%(warning)、および 200%(critical)に設定したとします。Performance Manager は、毎週水曜日の午後 4 時に、収集を開始して以降の水曜日ごとの午後 4 時に収集した統計情報を各リンクの平均値を再計算します。この値を新しい平均値として使用して、受信したトラフィックの統計値とこの値が比較され、リンク上のトラフィック量が平均値の 150% 以上であれば warning イベント、200% 以上であれば critical イベントが送信されます。
表 11-3 に、1 ギガビット リンクの収集で、2 つの異なる平均値に対して warning および critical イベントが送信されるトラフィック量を示します。
表 11-3 1 ギガビット リンクに対して生成されるイベントの例
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400 Mbps |
600 Mbps |
800 Mbps |
200 Mbps |
300 Mbps |
400 Mbps |
これらのしきい値を設定するには、Collections Configuration Wizard の最後の画面で、[Send events if traffic exceeds threshold] チェック ボックスをオンにします。
Performance Manager Configuratino Wizard の使用方法
「パフォーマンス収集の作成」を参照してください。
Fabric Manager を使用した統計の表示
Fabric Manager では、ISL またはエンド デバイスの履歴統計およびリアルタイム統計を収集するように設定できます。統計には、各 ISL またはエンド デバイスの受信および送信の利用率、1 秒あたりのバイト数、エラーおよび廃棄数が含まれます。
Fabric Manager を使用して ISL またはエンド デバイスの履歴統計およびリアルタイム統計を表示するには、次の手順に従います。
ステップ 1 [Fabric] ペインで ISL またはエンド デバイスを右クリックします。
コンテキスト メニューが表示されます(図 11-4 を参照)。
ステップ 2 [Show Statics] を選択します。
図 11-4 [Show Statics] メニュー
(注) [Show Statics] メニューはファブリックを Perfomance Manager の収集に追加している場合にだけアクティブになります。
Performance Manager レポートの表示
Performance Manager の統計データを表示するには、オンデマンドで作成され、Web ブラウザに表示される設定済みレポートを使用します。これらのレポートでは、日、週、月、年単位の結果のサマリーおよび詳細な統計情報を見ることができます。
Fabric Manager から Performance Manager レポートを表示するには、[Performance] > [Reports] を選択します。ブラウザのウィンドウが開き、デフォルトで Fabric Manager Web Client のイベント サマリー レポートが表示されます。Performance Manager レポートを表示するには、[Performance] タブをクリックします。Performance Manager は、収集開始から 10 分後にデータのレポートを開始します。
(注) Fabric Manager Web Server が実行されている必要があります。「Fabric Manager Web Client の起動」を参照してください。
パフォーマンス サマリー
Performance Summary ページには、ホスト、ISL、ストレージ、およびフローについて直前の 24 時間のスループットとリンク利用率がダッシュボード形式で表示されます。ホットスポットがハイライト表示されるので、ファブリックの帯域幅の消費の概要をすばやく確認できます。
レポートには、ネットワーク スループットの円グラフ、およびリンク利用率の円グラフが表示されます。左側のナビゲーション ツリーを使用すると、モニタ対象のファブリックまたは VSAN のサマリー レポートを表示できます。このサマリーには、すべてのホスト、ストレージ エレメント、ISL、およびフローのグラフが表示されます。円グラフには、6 つの定義済み範囲について測定されたスループットまたはリンク利用率が、エンティティ(リンク、ホスト、ストレージ、ISL、フロー)についてパーセンテージで表示されます。円グラフ上にマウスを移動すると、統計データ範囲のエンティティ数を確認できます。円グラフをダブルクリックすると、ホスト、ストレージ エレメント、ISL、またはフローの統計テーブルが表示されます。
パフォーマンス テーブルと詳細グラフ
すべてのホスト、ストレージ、ISL、またはフローについて、前日のトラフィック量を表示するには、[Host]、[Storage]、[ISL] または [Flow] をそれぞれクリックします。テーブルに、選択したエンティティがすべて一覧表示され、送受信トラフィック、エラー、および廃棄数が表示されます(該当する場合)。テーブルは、任意カラムのヘッダーによりソートできます。また、日、週、月、年の各単位で表示できます。各カテゴリの統計情報テーブルには、平均およびピーク スループット値、および詳細情報へのホットリンクが示されます。
テーブル内のリンクをクリックすると、詳細ページが開き、日、週、月、年単位のグラフが表示されます。ポートにフローが存在する場合には、データを送信したストレージ ポートが表示されます。詳細ページには、統計の収集によりエラーおよび廃棄が検出された場合かつ 0 ではない場合、これらのグラフも表示されます。
詳細レポート上のグラフをダブルクリックすると、ファイバ チャネルの Cisco Traffic Analyzer が起動します(設定されている場合)。Cisco Traffic Analyzer には、ファブリック内のホスト、ストレージ、デバイス、および VSAN に対応するエイリアスが渡されるので、簡単に識別できます。
ホスト最適化ポート グループのパフォーマンスの表示
ホスト最適化ポート グループのパフォーマンスをモニタするには、[Performance] > [End Devices] をクリックし、[Type] ドロップダウン リストから [Port Groups] を選択します。
Performance Manager イベントの表示
Performance Manager イベントは、Fabric Manager Web Server から表示できます。Fabric Manager Web Server の問題およびイベントを表示するには、任意のファブリックを選択して [Events] タブをクリックします。選択したファブリック内で発生した問題やイベントの詳しい内容が表示されます。
Performance Manager での Top10 レポートの生成
履歴の Top10 レポートを生成し、保存してあとから確認できます。このレポートには、データ収集のエンティティがリストされ、最もアクティブなエンティティが最初に表示されます。このレポートは 1 回限りのスタティックな情報で、収集データの平均値およびグラフが、レポート生成時のスナップショットとして作成されます。
ヒント レポート名にタイムスタンプを指定しておくと、特定の日付または週のレポートを簡単に検索できます。
Top10 レポートは、Performance Manager の他のモニタリング テーブルおよびグラフと異なり、その他のデータが継続的に収集されるわけではなく、カラムによるソートもできません。Top10 レポートは、レポート生成時のスナップショット データです。
(注) Top10 レポートの生成では、特定の時間範囲の既存データの分析が必要になるので、大型ファブリックの場合、数時間を要することがあります。
Top10 レポートの作成に関する詳細については、「カスタム レポート テンプレートの作成」を参照してください。
スクリプトを使用した Top10 レポートの生成
次のコマンドを使用して、Top10 レポートを手動で生成できます。
• UNIX の場合、次のスクリプトを実行します。
"/<user_directory>/.cisco_mds9000/bin/pm.sh display pm/pm.xml <output_directory>"
• Windows の場合、次のスクリプトを実行します。
"c:¥Program Files¥Cisco Systems¥MDS 9000¥bin¥pm.bat display pm¥pm.xml <output_directory>"
UNIX では、次の cron エントリを追加することによって、Fabric Manager Server ホスト上で 1 時間ごとに Top10 レポートを自動生成することができます。
0 * * * * /<user_directory>/.cisco_mds9000/bin/pm.sh display pm/pm.xml <output_directory>
crontab が自動的に実行されない場合、または Java に 例 11-1のような例外が表示される場合には、/<user_directory>/.cisco_mds9000/bin/pm.sh の JVMARGS コマンドに [-Djava.awt.headless=true] を追加する必要があります。
例 11-1 Java 例外の例
in thread "main" java.lang.InternalError Can't connect to X11 window server using '0.0' as the value of the DISPLAY variable.
収集データの XML ファイルへのエクスポート
Performance Manager で使用する RPD ファイルは、rrdtool というフリーウェア ツールにエクスポートできます。RPD ファイルは、Fabric Manager Server の pm/db に存在します。収集データを XML ファイルにエクスポートするには、オペレーティング システムのコマンドライン プロンプトに次のコマンドを入力します。
/bin/pm.bat xport xxx yyy
このコマンドで、xxx は RRD ファイル、yyy は生成する XML ファイルです。この XML ファイルは、次のコマンドを使用して rrdtool で読み込むことができるフォーマットになっています。
rrdtool restore filename.xml filename.rrd
XML ファイルをインポートするには、次のコマンドを使用します。
bin/pm.bat pm restore <xmlFile> <rrdFile>
このコマンドで読み込まれた XML エクスポート フォーマットは、次のコマンドを使用して rrdtool で書き出すことができます。
rrdtool xport filename.xml filename.rrd.
pm xport および pm restore コマンドは、Fabric Manager Server の bin¥PM.bat(Windows プラットフォームの場合)または bin/PM.sh(UNIX プラットフォームの場合)にあります。rrdtool の詳細については、次の Web サイトを参照してください。
http://www.rrdtool.org
読み取り可能フォーマットでの収集データのエクスポート
Cisco MDS SAN-OS Release 2.1(1a) では、Comma-Separated Format(CSV)形式で収集データをエクスポートできます。CSV 形式は、Microsoft Excel などの各種ツールにインポートできます。これらの読み取り可能な収集データは、Fabric Manager Web Server メニューからエクスポートするか、または Windows または UNIX のコマンドラインからバッチ モードでエクスポートできます。Fabric Manager Web Server を使用すると、ファイルを 1 つエクスポートできます。バッチ モードを使用すると、pm.xml ファイルの収集データをすべてエクスポートできます。
(注) Fabric Manager Web Server が実行されている必要があります。「Fabric Manager Web Client の起動」を参照してください。
Fabric Manager Web Server を使用して収集データを Microsoft Excel にエクスポートする手順は、次のとおりです。
ステップ 1
メイン ページで [Performance] タブをクリックします。
概要テーブルが表示されます。
ステップ 2 [Flows] サブタブをクリックします。
ステップ 3 エクスポートするエンティティの名前を右クリックし、[Export to Microsoft Excel] を選択します。
ポップアップ ウィンドウに、そのエンティティの Excel の図が表示されます。
コマンドラインのバッチ モードを使用して収集データをエクスポートする手順は、次のとおりです。
ステップ 1
ワークステーション上のインストレーション ディレクトリに移動し、さらに bin ディレクトリに移動します。
ステップ 2 Windows の場合、.¥pm.bat export C:¥Program Files¥Cisco Systems¥MDS 9000¥pm¥pm.xml <export directory> を入力します。ワークステーションの export directory に csv ファイル(export.csv)が作成されます。
ステップ 3 UNIX の場合、./pm.sh export /usr/local/cisco_mds9000/pm/pm.xml <export directory> を入力します。ワークステーションの export directory に csv ファイル(export.csv)が作成されます。
このエクスポート ファイルを Microsoft Excel で開くと、次の情報が表示されます。
• エクスポートしたエンティティのタイトル、および情報の発信元スイッチのアドレス
• このエンティティの接続リンク上の最大速度
• VSAN ID および最大速度
• タイムスタンプ、および送受信データのレート(バイト数/秒)
Cisco Traffic Analyzer と併用するための Performance Manager の設定
Performance Manager と Cisco Traffic Analyzer を併用することによって、ファブリック上のトラフィックをモニタおよび管理できます。Cisco Traffic Analyzer と Performance Manager を併用するには、次のコンポーネントが必要です。
• ファイバ チャネル トラフィックを転送する設定済みのファイバ チャネル Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)Destination(SD)ポート
• ファイバ チャネル トラフィックをイーサネット トラフィックに変換する Port Analyzer Adapter 2(PAA-2)
• PAA-2 からのトラフィックを分析する Cisco Traffic Analyzer ソフトウェア
Cisco Traffic Analyzer と併用するために Performance Manager を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 『 Cisco MDS 9000 Family Port Analyzer Adapter 2 Installation and Configuration Note 』の手順に従って、Cisco Traffic Analyzer を設定します。
ステップ 2 次に示す 3 つの情報を取得します。
• Performance Manager および Cisco Traffic Analyzer が稼動している管理ワークステーションの IP アドレス
• Cisco Traffic Analyzer がインストールされたディレクトリのパス
• Cisco Traffic Analyzer が使用するポート(デフォルトは 3000)
ステップ 3 Cisco Traffic Analyzer を起動します。
a. [Performance] > [Traffic Analyzer] > [Open] を選択します。
b. Cisco Traffic Analyzer の URL を次の形式で入力します。
http://<ip address>:<port number>
ip address は、Cisco Traffic Analyzer がインストールされている管理ワークステーションのアドレスです。
: port number は、Cisco Traffic Analyzer が使用するポートです(デフォルトは :3000)。
c. [OK] をクリックします。
d. [Performance] > [Traffic Analyzer] > [Start] を選択します。
e. Cisco Traffic Analyzer の場所を次の形式で入力します。
D: は、Cisco Traffic Analyzer がインストールされているディスク ドライブのドライブ名です。
directory は、ntop.bat ファイルが格納されているディレクトリです。
f. [OK] をクリックします。
ステップ 4 Flow Configuration Wizard を使用して、Performance Manager でモニタするフローを作成します。「Performance Manager でのフローの作成」 を参照してください。
ステップ 5 Performance Manager Configuration Wizard を使用して、Performance Manager で収集するデータを定義します。「Performance Manager での収集の作成」を参照してください。
a. 情報を収集する VSAN を選択するか、[All VSANs] を選択します。
b. 情報を収集する項目のタイプ(ホスト、ISL、ストレージ デバイス、およびフロー)を選択します。
c. Cisco Traffic Analyzer の URL を次の形式で入力します。
http://<ip address>/<directory>
このコマンドで
ip address は、Cisco Traffic Analyzer がインストールされている管理ワークステーションのアドレスです。directory は、Cisco Traffic Analyzer がインストールされているディレクトリのパスです。
d. [Next] をクリックします。
e. このセクションおよび次のセクションに記載されたデータを確認して、このデータが目的のデータであることを確認します。
f. [Finish] をクリックして、データ収集を開始します。
(注) JBOD または仮想ポートのデータは収集されません。データ収集中にデータ収集設定パラメータを変更した場合に、変更を有効にするには、収集プロセスを停止して再開する必要があります。
ステップ 6 [Performance] > [Reports] を選択して、レポートを生成します。Performance Manager Web Server が実行されている必要があります。「Fabric Manager Web Client の起動」を参照してください。Web Services が表示されます。[Custom] をクリックし、レポートのテンプレートを指定します。
(注) レポートのデータ収集が開始されるまでに、最低 5 分かかります。収集の最初の 5 分間は、Performance Manager でレポートを生成しないでください。
ステップ 7 ホストまたはストレージの詳細ページの最上部で [Cisco Traffic Analyzer] をクリックして Cisco Traffic Analyzer 情報を表示するか、または [Performance] > [Traffic Analyzer] > [Open] を選択します。ntop を開始していないと、Cisco Traffic Analyzer ページは開きません。
(注) SPAN セッションの取り込み手順、および Cisco Traffic Analyzer セッションを開始して表示する手順については、『Cisco MDS 9000 Family Port Analyzer Adapter 2 Installation and Configuration Note』を参照してください。
(注) Performance Manager データの表示手順および表示の意味については、「パフォーマンス履歴のモニタリング」を参照してください。
Cisco Traffic Analyzer データの表示手順および表示の意味については、『Cisco MDS 9000 Family Port Analyzer Adapter 2 Installation and Configuration Note』を参照してください。
より詳細な調査が必要な場合は、Cisco Traffic Analyzer は Fabric Manager のグラフのコンテキスト内で起動できます。ホスト、ストレージ デバイス、VSAN に対応するエイリアスが Cisco Traffic Analyzer に渡されるので、識別が容易になります。