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Fibre Connection(FICON)インターフェイスの機能は、開放型システムとメイン フレーム ストレージ ネットワーク環境の両方をサポートすることによって、Cisco MDS 9000 ファミリを拡張します。Control Unit Port(CUP)のサポートを含めた結果、FICON プロセッサからスイッチの帯域内管理ができるようになり、MDS オファリングが格段に拡張されています。
ファブリック バインディング機能は、無許可のスイッチがファブリックに接続したり、現在のファブリック操作を中断するのを防止するのに役立ちます(『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照)。Registered Link Incident Report(RLIR)アプリケーションを使用することにより、スイッチ ポートから登録済み Nx ポートに LIR を送信できます。
(注) Cisco Fabric Manager リリース 3.x では、SAN-OS リリース2.(x)を実行している Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでの FICON の管理はサポートされていません。
• 32 ポート ファイバ チャネル スイッチング モジュール
• HP c-Class BladeSystem 用の Cisco ファブリック スイッチ
• IBM BladeSystem 用の Cisco ファブリック スイッチ
Cisco MDS 9000 ファミリは、単一のハイ アベイラビリティ プラットフォーム内で Fibre Channel Protocol(FCP)、FICON、iSCSI、および FCIP 機能をサポートします。このソリューションによって、購買を簡略化し、導入/管理コストを削減できるとともに、メインフレーム システムと開放型システムから共有されているストレージ ネットワークの複雑化を解消できます(図 11-1 を参照)。
FCP と FICON は別個の FC4 プロトコルであり、トラフィックは互いに独立しています。これらのプロトコルを使用しているデバイス間の切り離しには、VSAN を使用する必要があります。
• FICON 機能を実装できるスイッチは、次のとおりです。
– Cisco MDS 9500 シリーズのあらゆるスイッチ
– Cisco MDS 9200 シリーズのあらゆるスイッチ(例:Cisco MDS 9222i マルチサービス モジュラ スイッチ)
– Cisco MDS 9134 マルチレイヤ ファブリック スイッチ
– MDS 9000 ファミリの 18/4 ポート マルチサービス モジュール
• FICON パラメータを設定するには、MAINFRAME_PKG のライセンスが必要です。FCIP が使用されている WAN 回線を介して FICON 設定を展開するには、使用しているモジュールに対応した所定の SAN_EXTN_OVER_IP ライセンスが必要です。詳細については、『 Cisco NX-OS Family Licensing Guide 』を参照してください。
ここでは、Cisco MDS スイッチのその他の FICON のメリットについて説明します。また、次のトピックを取り上げます。
別々の物理ファブリックを実装すると、高度なスイッチ管理が必要になるため、実装コストがかさむのが一般的です。ファブリック設定によっては、各アイランド内のポートのプロビジョニングが過剰になることがあります。
Cisco MDS 固有の VSAN テクノロジーを導入すると、過剰なプロビジョニング コストの節減、および管理対象スイッチ数の軽減につながるため、これらの物理ファブリック間の効率を向上できます。また、VSAN を使用すると、中断せずに未使用ポートを移動し、共通の冗長物理インフラストラクチャを提供できます(図 11-2 を参照)。
VSAN を使用すると、SAN のグローバル統合が可能になり、単一の物理ネットワーク上の既存の SAN アイランドを仮想 SAN アイランドに変換できます。これにより、ハードウェアレベルでセキュリティが適用され、アプリケーションどうしまたは部門どうしが切り離されて単一のネットワーク上で共存できるようになります。また、仮想再配線が可能になり、ストレージ インフラストラクチャが強化されます。機器に経費をかけたり機器の物理的再配置を破壊したりせずに、部門間またはアプリケーション間でアセットを移動できます。
(注) どの Cisco MDS スイッチにも VSAN を設定できます。ただし、FICON をイネーブルにできる VSAN は 8 つ以下に限られます。設定可能な VSAN の数は、プラットフォームごとに異なります。
(注) メインフレーム ユーザであれば、VSAN を MDS SAN ファブリック内の FICON LPAR と同様のものと考えればわかりやすいでしょう。スイッチ リソースは、互いに切り離された FICON LPAR(VSAN)にパーティション化できます。このパーティション化の操作は、zSeries または DS8000 上でリソースをパーティション化する操作とほぼ同じです。各 VSAN は、固有のファブリック サービス(たとえば、ファブリック サーバやネーム サーバ)、FICON コントロール ユニット ポート、ドメイン ID、Fabric Shortest Path First(FSPF)ルーティング、動作モード、IP アドレス、およびセキュリティ プロファイルのセットで構成されています。
FICON LPAR は複数のライン カードにわたって設置でき、そのサイズが動的に調整されます。たとえば、10 ポート付き FICON LPAR 1 つを 10 のラインカードにわたって設置することもできます。FICON LPAR には、カスケード設定の複数のスイッチのポートを含めることもできます。Cisco MDS 9000 スイッチング アーキテクチャには一貫した妥当性があるため、「すべてのポートが同等に作成」されます。
FICON LPAR へのポートの追加は、無中断プロセスです。FICON アドレス指定の制限を受けるため、FICON LPAR の最大ポート数は 255 です。
Cisco MDS 9000 ファミリのマルチレイヤ アーキテクチャは、プロトコルを認識しないスイッチ ファブリックを介して一貫したフィーチャ セットを可能にしています。Cisco MDS 9500 シリーズおよび 9200 シリーズ スイッチは、ファイバ チャネル、FICON、および Fibre Channel over IP(FCIP)を 1 つのシステムに透過的に統合します。FICON over FCIP 機能を使用すると、遠く離れた場所にあるメインフレーム リソースにも、コスト効率よくアクセスできます。Cisco MDS 9000 ファミリのプラットフォームでは、ビジネス継続ストラテジをシンプルにするユビキタス IP インフラストラクチャを使用して、IBM PPRC や XRC などのストレージ レプリケーション サービスを、メトロを介してグローバルな距離にまで展開できます。
『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS IP Services Configuration Guide 』を参照してください。
FICON の Cisco MDS 実装では、効率的利用がサポートされているため、安定した大規模 SAN 環境の構築に要する Inter-Switch Link (ISL; スイッチ間リンク)のアベイラビリティが向上しています。Cisco MDS スイッチ内での ISL のアベイラビリティおよびパフォーマンスは、ポートチャネルによって強化されます。
ポートチャネルの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Interfaces Configuration Guide 』を参照してください。
Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 対応スイッチは、きわめて複雑な混在環境にも簡単に導入できるようになっています。各サービスに必要な VSAN を簡単に作成して、複数の論理 FICON、Z-Series Linux/FCP、および Open-Systems Fibre Channel Protocol(FCP)ファブリックを 1 つの物理ファブリックにオーバーレイできます。VSAN にはハードウェア隔離サービスとプロトコル固有のファブリック サービスの両方が用意されているため、ゾーンベースの混在方式のような複雑さがなく、不安定になるおそれもありません。
Cisco MDS 9000 ファミリのどのスイッチにおいても、FICON 機能はデフォルトでディセーブルになっています。FICON 機能がディセーブルのときは、FC ID をシームレスに割り当てることが可能です。Cisco NX-OS ソフトウェアは混在環境に対応しています。FCP プロトコルと FICON プロトコルの混在に関する問題は、VSAN を実装すれば、Cisco MDS スイッチによって対処されます。
Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタは、FCP プロトコルと FICON プロトコルの混在をポートレベルでサポートしています。これらのプロトコルが同一スイッチ内に混在している場合は、VSAN を使用して FCP ポートと FICON ポートを切り離せます。
ヒント 混在環境を作成する際は、すべての FICON デバイスを(デフォルト VSAN 以外の)1 つの VSAN に配置し、FCP スイッチ ポートを(デフォルト VSAN 以外の)別個の VSAN に隔離してください。このようにして FCP と FICON を切り離すことにより、接続しているすべてのデバイスに対して正常な通信が保証されます。
Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 機能としては、次のものがあります。
• 柔軟性と投資の保護:Cisco MDS 9500 シリーズおよび 9200 シリーズ間で共通のスイッチング モジュールとサービス モジュールは、Cisco MDS 9000 ファミリによって共有されます。
『 Cisco MDS 9500 Series Hardware Installation Guide 』および『 Cisco MDS 9200 Series Hardware Installation Guide 』を参照してください。
• ハイ アベイラビリティ FICON 対応ディレクタ:Cisco MDS 9500 シリーズは、すべての主要コンポーネントに対して稼動中のソフトウェア アップグレード、ステートフルなプロセス再起動/フェールオーバー、および十分な冗長性を可能にしたことで、ディレクタ クラスのアベイラビリティの新標準に準拠しています。4/2/1 Gbps、10 Gbps の自動検知 FICON ポートまたは FCP ポートの任意の組み合せを最大 528 個まで 1 つのシャーシに搭載できます。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS High Availability and Redundancy Configuration Guide 』を参照してください。
• インフラストラクチャの保護:共通ソフトウェア リリースによって、すべての Cisco MDS 9000 プラットフォーム間でインフラストラクチャを保護できます。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Software Upgrade and Downgrade Guide 』を参照してください。
• VSAN テクノロジー:Cisco MDS 9000 ファミリには、ハードウェアレベルで適用される VSAN テクノロジーが採用されています。VSAN テクノロジーは、単一物理ファブリック内の隔離環境に対応しているため、物理インフラストラクチャを安全に共有しながら、FICON 混在のサポートを強化できます。を参照してください。
• ポートレベルでの設定:BB_credits、ビーコン モード、およびポート セキュリティをポートごとに設定できます。バッファ間クレジット、ビーコン LED、およびトランキングについては、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Interfaces Configuration Guide 』を参照してください。
• エイリアス名の設定:スイッチおよび接続されているノード デバイスに、WWN でなくユーザフレンドリなエイリアスを設定できます。を参照してください。
• 包括的なセキュリティ フレームワーク:Cisco MDS 9000 ファミリは、RADIUS および TACACS+ 認証、Simple Network Management Protocol Version 3(SNMPv3; 簡易ネットワーク管理プロトコル バージョン 3)、ロールベース アクセス コントロール、Secure Shell Protocol(SSH; セキュア シェル プロトコル)、Secure File Transfer Protocol(SFTP; セキュア ファイル転送プロトコル)、VSAN、ハードウェアベースのゾーン分割、ACL、ファブリック バインディング、Fibre Channel Security Protocol(FC-SP)、LUN ゾーン分割、読み取り専用ゾーン、および VSAN ベースのアクセス コントロールをサポートしています。RADIUS、TACACS+、FC-SP、および DHCHAP の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• トラフィックの暗号化:FCIP を介した IP セキュリティがサポートされています。FCIP を介して伝送された FICON およびファイバ チャネル トラフィックを暗号化できます。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• ローカル アカウンティング ログ:ローカル アカウンティング ログを表示して、FICON イベントを検出できます。MSCHAP 認証およびローカル AAA サービスの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• 統合型ストレージ管理:Cisco MDS 9000 FICON 対応スイッチは、IBM CUP 規格に適合しており、IBM S/A OS/390 I/O 操作コンソールを使用した帯域内管理が可能です。を参照してください。
• ポート アドレスベースの設定:ポート名、ブロック ステートまたはブロック解除ステート、および接続制限属性を設定します。「FICON ポートの設定」を参照してください。
– 個別のファイバ チャネル ポート(例:ポート名、ポート番号、ファイバ チャネル アドレス、動作ステート、ポート タイプ、ログイン データなど)
「FICON フロー ロードバランスの計算」を参照してください。
• コンフィギュレーション ファイル:コンフィギュレーション ファイルを保存し、適用します。「FICON コンフィギュレーション ファイル」を参照してください。
• FICON および開放型システム管理サーバ機能(インストール済みの場合)。「VSAN による、FICON と FCP の混在への対応」を参照してください。
• 拡張カスケード サポート:「CUP 帯域内管理」を参照してください。
• 日時:スイッチの日時設定を行います。「ホストでタイムスタンプを制御できるようにする」を参照してください。
• SNMP トラップの受け取り側およびコミュニティ名を設定します(「FICON パラメータの SNMP 制御の設定」 を参照)。
• コール ホームの設定:ディレクタ名、場所、説明、および担当者を設定します。『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
• 優先するドメイン ID、FC ID の永続性、および主要スイッチの優先度の設定:ドメイン パラメータの設定の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
• 高度な SPAN 診断:Cisco MDS 9000 ファミリは、業界初のインテリジェント診断、プロトコル デコーディング、ネットワーク分析ツール、および統合型コール ホーム機能の搭載によって、信頼性の向上、問題解決の迅速化、およびサービス コストの削減を実現しています。SPAN を使用したネットワーク トラフィックのモニタリングの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
• R_A_TOV、E_D_TOV の設定:を参照してください。
• ディレクタレベルのメンテナンス作業:障害分析をサポートするために、ディレクタのメンテナンス作業(たとえば、ファームウェア レベルのメンテナンス、ディレクタ ログへのアクセス、データ収集など)を実行します。システム プロセスおよびログのモニタリングの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
Cisco MDS NX-OS ソフトウェアを使用して、FICON ネットワーク内で複数のスイッチの共存が可能になります。複数のスイッチを設定するには、該当スイッチ内でファブリック バインディングをイネーブルにし、設定する必要があります(、および『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照)。
FICON VSAN を稼動状態にするには、次の前提条件を満たしているかどうか確認してください。
• ゾーン分割機能を使用していない場合は、デフォルト ゾーンを許可するように設定します。を参照してください。
• VSAN 上で順序どおりの配信をイネーブルにします。を参照してください。
• VSAN 上でファブリック バインディングをイネーブルにします(必要に応じて設定します)。を参照してください。ファブリック バインディングの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Security Configuration Guide 』を参照してください。
• スイッチ内に衝突する永続 FC ID が存在していないことを確認します。ドメイン パラメータの設定の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
• 設定済みドメイン ID と要求したドメイン ID が一致していることを確認します。ドメイン パラメータの設定の詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
• ゾーン分割を使用している場合は、ゾーンに CUP (エリア FE)を追加します。「CUP 帯域内管理」を参照してください。
FICON 機能に関しては、Cisco MDS スイッチ内のポートが、静的に定義された 8 ビット値( ポート番号 )で識別されます。ポート番号は、最大 255 個まで使用できます。使用できるポート番号設定方式には、次のものがあります。
• 「インストレーション ポートおよび非インストレーション ポート」
(注) FICON ポート番号を予約する前に、スイッチ上で FICON をイネーブルにしておく必要があります(「VSAN の FICON をイネーブルにする操作の概要」 を参照)。
Cisco MDS NX-OS ソフトウェアは、シャーシ内のモジュールとスロットに基づいて、デフォルトの FICON ポート番号を割り当てます。スイッチ内の最初のポートは、常にゼロ(0)で開始します(図 11-3 を参照)。
図 11-3 Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチのデフォルトの FICON ポート番号設定
デフォルトの FICON ポート番号は、前面パネル上のポートの位置に基づいて、モジュールが属しているスロットに固有の値が割り当てられます。Cisco MDS 9513 ディレクタの場合、各スロットに16 個のポート番号が割り当てられています。それ以外の Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチではいずれも、各スロットに 32 個のポート番号が割り当てられています。これらのデフォルト番号は、シャーシ内にモジュールが物理的に存在するかどうか、ポートのステータス(アップまたはダウン)、またはモジュールのポート数(4、12、16、24、または 48)に関係なく割り当てられます。モジュールのポートの数の方が、スロットに割り当てられたポート番号の個数よりも少ない場合、超過分のポート番号は使用されません。モジュールのポート数が、スロットに割り当てられたポート番号の個数よりも多い場合、ポート番号を手動で割り当てない限り、超過分のポートは FICON に使用できません。
(注) 超過分のポートを利用するには、「スロットへの FICON ポート番号の割り当て」の手順に従って 、手動でさらに他のポート番号をスロットに割り当てます。ただし、この手順を実行する前に、Cisco MDS 9000 スイッチのデフォルトのポート番号の割り当て( 表 11-3)を確認し、「予約済み FICON ポート番号設定方式の概要」セクション、「FICON ポート番号設定に関するガイドライン」セクション、および「スロットへの FICON ポート番号の割り当て」セクションを読んで、FICON ポートの番号設定を十分に理解しておくことをお勧めします。
(注) FICON ポート番号にマッピングされるのは、ファイバ チャネル、ポートチャネル、および FCIP ポートだけです。それ以外のタイプのインターフェイスでは、対応するポート番号が生成されません。
表 11-3 は、Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタ用のデフォルトのポート番号の割り当ての一覧です。
デフォルトでは、ポート番号はポート アドレスと同じです。ポート アドレスはスワッピングできます(「ポート スワッピング」 を参照)。
実装ポートとは、デフォルトでシャーシ内のスロットに割り当てられるすべてのポート アドレスです( 表 11-3 を参照)。非実装ポートとは、デフォルトでシャーシ内のスロットに割り当てられないすべてのポート アドレスです( 表 11-3 を参照)。
250 個のポート番号のいずれかを使用して、スイッチ上のすべてのポートへの割り当てができます。 表 11-3 に示すように、スイッチの物理ポート数が 250 個を超えた場合、デフォルト番号設定方式では超過分のポートにポート番号を設定できません。スイッチの物理ポート数が 250 個を超えた場合は、FICON VSAN に存在しないポートにはポート番号を割り当てないでおく、あるいは同一の FICON VSAN で使用されていない重複ポート番号を割り当てるなどの方法で対処できます。たとえば、FICON VSAN 10 のインターフェイス fc1/1、および FICON VSAN 20 のインターフェイス fc10/1 に、ポート番号 1 を設定できます。
(注) 1 つの VSAN に設定できるポート数は、最大 250 個です。
(注) アクティブになっているポートの FICON ポート番号は変更されません。最初に shutdown コマンドを使用して、インターフェイスをディセーブルにする必要があります。
(注) スロットにモジュールが設置されていない場合でも、ポート番号を設定できます。
インストレーション ポートとは、必要なすべてのハードウェアが搭載されているポートです。次の条件のいずれか 1 つが適用される場合、VSAN 内の指定のポート番号を実装ポートにできます。ただし、インストレーション ポートにはできません。
• モジュールが存在しない場合(たとえば、モジュール 1 が Cisco MDS 9509 ディレクタのスロット1 に物理的に存在していない場合)、ポート番号 0 ~ 31 は非インストレーション ポートと見なされます。
• Small Form-factor Pluggable(SFP)ポートが存在しない場合(たとえば、Cisco MDS 9509 ディレクタのスロット 2 に 16 ポート モジュールが挿入されている場合)、ポート 48 ~ 63 は非インストレーション ポートと見なされます。
• スロット 1 には、ポート 0 ~ 31、またはポート 0 ~ 15 が割り当てられています。VSAN 2 内に存在する物理ポートは、ポート番号 4 の 物理ポート fc1/5 だけです。残りの物理ポートは VSAN 2 内に存在していません。FICON 対応 VSAN では常に、ポート番号 0 ~ 249 は実装ポートと見なされます。つまり、VSAN 2 に存在しているのは、ポート番号 0 ~ 249 と、1 つの物理ポート fc1/4 です。対応する物理ポート 0 ~ 3、および 5 ~ 249 は VSAN 2 内に存在しません。これらのポート番号は VSAN 2 内に物理ポートが存在しないため、FICON VSAN ポート アドレスを表示したときにインストレーション ポート(例:ポート 0 ~ 3、5 ~ 249 など)としては表示されません。
もう 1 つのシナリオは、VSAN 1 ~ 5 が FICON に対応していて、トランキング対応インターフェイス fc1/1 に VSAN 3 ~ 10 が設定してある場合です。この場合、VSAN 1 と VSAN 2 ではポート アドレス 0 が非インストレーション ポートになります。
• 該当のポートがポートチャネルの一部であると想定した場合(たとえば、インターフェイス fc 1/1 がポートチャネル 5 に属している場合)、すべての FICON VSAN でポート アドレス 0 が非インストレーション ポートになります。 表 11-3 を参照してください。
FICON ポート番号には、次のガイドラインが適用されます。
• スーパーバイザ モジュールには、ポート番号割り当てがありません。
• ポート番号は TE ポートに応じて変更されません。TE ポートは複数の VSAN で使用されるため、TE ポート用にシャーシ規模の一意のポート番号を予約しておく必要があります。
• 各ポートチャネルを FICON ポート番号に明示的に関連付ける必要があります。
• 物理ポートチャネルのポート番号が非インストレーション ポートと一致したとき、その物理ポートには、関連するポートチャネルの設定が適用されます。
• 各 FCIP トンネルを FICON ポート番号に明示的に関連付ける必要があります。ポートチャネルまたは FCIP トンネルに対してポート番号が割り当てられていない場合、関連付けられているポートは起動しません。
「FCIP およびポートチャネルのポート番号の概要」を参照してください。
Device Manager を使用して FICON ポート番号を割り当てる手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] をクリックして、[Port Numbers] を選択します。
FICON ポート番号が表示されます(図 11-4 を参照)。
ステップ 2 [Reserved Port Numbers] フィールドにシャーシ スロット ポート番号を入力します。
FCIP およびポートチャネルは、ポート番号に明示的にバインドしておかないと、FICON 対応 VSAN で使用できません。
「FICON ポートの設定」および「FICON およびポートチャネル インターフェイス用の FICON ポート番号の予約」を参照してください。
デフォルト ポート番号が使用可能な場合(表 11-1 を参照)、あるいはファイバ チャネル インターフェイス用に予約されていないポート番号のプールからポート番号を予約する場合( 「FICON ポート番号の設定」 を参照)、デフォルト ポート番号を使用できます。
FCIP やポートチャネルなどの論理インターフェイスを使用する予定がある場合は、使用する論理インターフェイス用にポート番号を予約しておく必要があります。
Device Manager を使用して FCIP およびポートチャネル インターフェイス用に FICON ポート番号を予約する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [Port Numbers] をクリックします。
[FICON port numbers] ダイアログボックスが表示されます(図 11-4 を参照)。
ステップ 2 [Logical] タブをクリックして、スロット用に予約されているポート番号を表示します(図 11-5 を参照)。
ステップ 3 シャーシ スロットのポート番号を入力します。このポート番号は、あるシャーシ スロット用に予約されているポート番号です。シャーシ内のスロットごとに、最大 64 個のポート番号を予約できます。
FICON には予測可能なスタティック FC ID 割り当て方式が必要です。FICON がイネーブルのときは、接続先ポートのポート アドレスに応じた FC ID がデバイスに割り当てられます。ポートアドレスは、ファブリック アドレスの中央バイトを構成しています。また、ファブリック内のデバイスはすべて、ファブリック アドレスの最終バイトが同一である必要があります。最終バイト値はデフォルトでは 0 ですが、他の値を設定することも可能です(「FC ID の最終バイトの割り当て」 を参照)。
(注) FICON 対応 VSAN では、固定的 FC ID を設定できません
Cisco MDS スイッチ用に、ダイナミック FC ID 割り当て方式が用意されています。VSAN 上で FICON をイネーブルまたはディセーブルにすると、すべてのポートがシャット ダウンし、ダイナミック FC ID からスタティック FC ID に、あるいはその逆方向にスイッチングされます(図 11-6 を参照)。
図 11-6 FICON 用スタティック FC ID の割り当て
Cisco MDS 9000 ファミリのどのスイッチにおいても FICON はデフォルトでディセーブルになります。Device Manager を使用すると、VSAN 単位で FICON をイネーブルにできます。
• 「VSAN の FICON をイネーブルにする操作の概要」
• 「ホストでスイッチをオフラインに移行できるようにするには」
• 「ホストで FICON ポート パラメータを変更できるようにするには」
スイッチ上のどの VSAN においても FICON はデフォルトでディセーブルになります。
VSAN 単位で FICON をイネーブルにするには、次の方法があります。
「FICON の概要」を参照してください。
Cisco MDS スイッチで FICON FICON 機能をイネーブルにすると、次の制約が適用されます。
• FICON 対応 VSAN では、順序どおりの配信をディセーブルにできません。
• FICON 対応 VSAN では、ファブリック バインディングまたはスタティック ドメイン ID 設定をディセーブルにできません。
• ロードバランシング方式が Source ID(SID)-Destination ID(DID)に変更されます。SID--DID--OXID に戻すことはできません。
• IPL コンフィギュレーション ファイルが自動的に作成されます。
「FICON コンフィギュレーション ファイルの概要」を参照してください。
ヒント 同一の FICON 対応スイッチにログオンしている複数ユーザは、Device Manager を使用して、FICON の自動保存を起動できます。Device Manager は FICON 対応スイッチであれば機種に関係なく定期自動保存を実行するため、結果として FICON キー カウンタが増加します。キー カウンタの増加から、実際には発生しなかった変更を特定できます。こうした変更を回避するために、FICON 対応スイッチを Device Manager の 1 インスタンスだけに監視させる設定を推奨します。
ここでは、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチの特定の VSAN で FICON をセットアップする方法を、手順を追って説明します。
Fabric Manager を使用して FICON 対応 VSAN を作成する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Create VSAN] アイコンをクリックします(図 11-7 を参照)。
[Create VSAN] ダイアログボックスが表示されます(図 11-8 を参照)。
図 11-8 [Create VSAN] ダイアログボックス
ステップ 5 この VSAN 用にロードバランシングのタイプ、INTEROP 値、および管理ステートを選択します。
ステップ 6 [FICON] チェックボックスをオンにします。
(注) FICON 対応 VSAN では、INTEROP モードをイネーブルにできません。
ステップ 7 必要に応じて、選択したスイッチのファブリック バインディングをイネーブルにするオプションをオンにします。
ステップ 8 この VSAN 内のすべてのポートを禁止する場合は、[All Ports Prohibited] オプションをオンにします。
ステップ 9 [Create] をクリックして、VSAN を作成します。
ステップ 10 [Tools] > [Device Manager] を選択して、FICON VSAN でスイッチごとに Device Manager を開きます。
ステップ 11 [FC] > [VSANs] をクリックします。
[VSAN] ダイアログボックスが表示されます(図 11-9 を参照)。
図 11-9 Device Manager の [VSAN] ダイアログボックス
ステップ 13 FICON VSAN にする VSAN をクリックし、[FICON] ドロップダウン メニューから [Add] を選択します。
ステップ 14 [Apply] をクリックして、変更内容を保存します。
(注) ここでは、VSAN 上で手動で FICON をイネーブルにする手順について説明します。自動セットアップを使用して(推奨)、所定の VSAN 上で FICON をイネーブルにしてある場合は、「実行コンフィギュレーションの自動保存」に進んでください。
Fabric Manager を使用して VSAN 上で FICON を手動でイネーブルにする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます。
ステップ 2 VSAN 内で、FICON をイネーブルにするスイッチを選択します。
ステップ 3 [Command] ドロップダウン メニューで [enable] をクリックします。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
Fabric Manager を使用して FICON VSAN を削除する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインに VSAN テーブルが表示されます(図 11-10 を参照)。
ステップ 2 削除する VSAN の行内の任意の場所をクリックします。
ステップ 3 [Delete Row] をクリックして、VSAN を削除します。
(注) VSAN を削除すると、関連付けられている FICON コンフィギュレーション ファイルも削除されます。ファイルを元に戻すことはできません。
Fabric Manager を使用して FICON 対応 VSAN を一時停止する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインに、すべての VSAN が一覧表示されます。
ステップ 3 VSAN 用の [Admin] ドロップダウン メニューを [suspended] に設定します。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
(注) このコマンドは、このコマンドの発行が許可されているホストから発行できます(「ホストでスイッチをオフラインに移行できるようにするには」 を参照)。
FICON ストリングは、Extended Binary-Coded Decimal Interchange Code(EBCDIC; 拡張 2 進化 10 進コード)フォーマットで符号化されます。コード ページ オプションの詳細については、メインフレームのマニュアルを参照してください。
Cisco MDS スイッチでは、 international-5 、 france 、 brazil 、 germany 、 italy 、 japan 、 spain-latinamerica 、 uk 、および us-canada (デフォルト)の EBCDIC フォーマット オプションがサポートされています。
ヒント この設定は任意指定です。どの EBCDIC フォーマットを使用したらよいかわからない場合は、[us-canada](デフォルト)オプションをそのまま使用することをお勧めします。
Device Manager を使用して [code-page] オプションを変更する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSAN] 設定ダイアログボックスが表示されます(図 11-11 を参照)。デフォルトのタブは、[VSANs] タブです。
図 11-11 Device Manager の [FICON VSANs] タブ
ステップ 2 設定する FICON VSAN の [CodePage] ドロップダウン メニューで、オプションを選択します(US-Canada の設定については、図 11-11を参照してください)。
ステップ 3 [Apply] をクリックして、変更内容を保存します。
Fabric Manager を使用して FC ID の最終バイトを割り当てる手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [All VSANs] > [Domain Manager] を選択します。
ステップ 2 [Persistent FC ID] タブをクリックします。
[Persistent FcIds] タブが表示されます(図 11-12 を参照)。
ステップ 3 [Mask] 列で [single] を選択し、FC ID 全体を一括して割り当てます。[single] オプションを選択した場合、FC ID を ###### フォーマットで入力できます。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
デフォルトでは、ホストでスイッチをオフライン状態に移行できます。デフォルト設定のままスイッチをオフラインにするには、ホストから "Set offline" コマンド(x'FD')を Control Unit Port(CUP)に送信します。
ホスト(メインフレーム)で Fabric Manager を使用して、スイッチをオフライン状態に移行できるようにする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインの [Control] タブに、スイッチが一覧表示されます。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます(図 11-13 を参照)。
図 11-13 Fabric Manager の FICON VSANs
ステップ 3 [Host Can Offline Sw] チェックボックスをオンにして、メインフレームでスイッチをオフライン状態に移行できるようにします。
ステップ 4 [Host Can Sync Time] チェックボックスをオンにして、メインフレームでスイッチのシステム時刻を設定できるようにします。
ステップ 5 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
デフォルトでメインフレーム ユーザに許可されるのはスイッチのクエリーだけであり、Cisco MDS スイッチの FICON パラメータ設定は許可されません。
Fabric Manager を使用して、ホスト(メインフレーム)で Cisco MDS スイッチの FICON パラメータ設定を許可する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインの [Control] タブに、スイッチが一覧表示されます。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます(図 11-13 を参照)。
ステップ 3 [Port Control By Host] チェックボックスをオンにして、メインフレームでスイッチを制御できるようにします。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
デフォルトでは、各 VSAN のクロックはスイッチ ハードウェアと同一のクロックになります。Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチにおいて各 VSAN は、仮想ディレクタとなっています。仮想ディレクタごとに、表示されるクロックと時刻が異なることがあります。VSAN ごとの別々のクロックを保守するために、VSAN 固有のクロックとハードウェアベースのディレクタ クロックとの差分が Cisco NX-OS ソフトウェアによって保守されています。ホスト(メインフレーム)で時刻が設定されると、クロック間の差異が Cisco NX-OS ソフトウェアにより更新されます。ホストがクロックを読み取ると、VSAN クロックと現在のディレクタ ハードウェア クロックとの差分が計算され、値がメインフレームに提示されます。
Fabric Manager を使用して、ホスト(メインフレーム)での VSAN タイム スタンプ制御を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインの [Control] タブに、スイッチが一覧表示されます。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます(図 11-13 を参照)。
ステップ 3 [Host Can Sync Time] チェックボックスをオンにして、メインフレームでスイッチのシステム時刻を設定できるようにします。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
デフォルトでは、SNMP ユーザは Cisco MDS 9000 ファミリの Fabric Manager で FICON パラメータを設定できます。
(注) Cisco MDS スイッチで SNMP をディセーブルにすると、Fabric Manager を使って FICON パラメータを設定できなくなります。
Fabric Manager を使用して FICON パラメータの SNMP 制御を設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインの [Control] タブに、スイッチが一覧表示されます。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます(図 11-13 を参照)。
ステップ 3 [Port Control By SNMP] チェックボックスをオンにして、SNMP ユーザがスイッチで FICON を設定できるようにします。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
[Device Manager] ダイアログボックスで FICON 情報を表示するときは、[Refresh] ボタンをクリックし、ディスプレイを手動でリフレッシュして最新の更新内容を表示する必要があります。このリフレッシュ手順は、FICON の設定に CLI または Device Manager のどちらを使用するかに関係なく必要です。
FICON 情報の自動リフレッシュ機能は用意されていません。FICON 情報を頻繁にリフレッシュした場合、パフォーマンスに影響するためです。
FICON では、現在実行されているセッションのデバイス従属関係を制御することによって、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチ上で複数のメインフレーム、CLI、および SNMP セッション間のアクセスをシリアル化する必要があります。他のセッションに設定変更の実行を許可するには、所定の従属関係を使用可能にする必要があります。
Cisco MDS NX-OS には、スタートアップ コンフィギュレーションに加えられた設定変更を自動保存するオプションが用意されています。この自動保存によって、スイッチのリブート後も、新しい設定が消去されずに済みます。[Active=Saved] オプションは、どの FICON VSAN 上でもイネーブルにできます。
表 11-2 は、さまざまなシナリオで [Active = Saved] オプションをイネーブルにし、実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに暗黙的にコピー ( copy running start )した結果を示したものです。
[Active=Saved] オプションがファブリック内のどの FICON 対応 VSAN でもイネーブルになっている場合は、次の保存方式が適用されます( 表 11-2 の番号 1 および 2 を参照)。
• 設定変更はすべて(FICON 固有のものかどうかに関係なく)、永続ストレージに自動的に保存され(暗黙的に copy running start が実行され)、さらにスタートアップ コンフィギュレーション内に保管されます。
• FICON 固有の設定変更は、ただちに IPL ファイルに保存されます(「FICON コンフィギュレーション ファイル」 を参照)。
[Active=Saved] オプション がイネーブルになっていない場合、FICON 固有の設定は IPL ファイルに自動保存されず、暗黙的な copy running startup コマンドが発行されないので、実行 コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに明示的に保存しておく必要があります( 表 11-2 の3 を参照)。
ステップ 1 [VSAN] > [FICON] を選択します。
[Information] ペインの [Control] タブに、スイッチが一覧表示されます。
[Information] ペインに FICON VSAN 設定情報が表示されます(図 11-13 を参照)。
ステップ 3 [Active=Saved] チェックボックスをオンにします。これにより、FICON の設定変更時に毎回、実行コンフィギュレーションがスタートアップ コンフィギュレーションに自動保存されます。
ステップ 4 [Apply Changes] アイコンをクリックして、変更内容を保存します。
Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチでは、ポート アドレス単位で FICON の設定を実行できます。
ポートが非インストレーション ポートの場合でも、Cisco MDS スイッチではポート アドレスベースの設定が可能です。この設定がポートに適用されるのは、ポートがインストレーション ポートになった場合です。
• 「ポートの禁止」
ポートをブロックした場合、ポートは運用停止状態のままになります。ポートのブロックを解除すると、ポートの初期化が試行されます。ブロックされているポート上では、データおよび制御トラフィックが許可されません。
物理ファイバ チャネル ポートをブロックした場合は引き続き、ブロックされたポート上に Off-Line State(OLS) プリミティブ シーケンスが転送されます。
シャットダウンしているポートは、ブロック解除しても初期化されません。
(注) shutdown/no shutdown ポート状態は、block/no block ポート状態に依存しません。
Device Manager を使用して、VSAN のポート アドレスをブロックまたはブロック解除する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
ステップ 2 VSAN ID を選択して、[Port Configuration] をクリックします。
選択した VSAN の [FICON Port Configuration] ダイアログボックスが表示されます(図 11-14 を参照)。
図 11-14 [FICON Port Configuration] ダイアログボックス
ステップ 3 ブロックするポート用の [Blocked] チェックボックスをオンにします。
ステップ 4 [Apply] をクリックして、変更内容を保存します。
Device Manager を使用して、使用可能および使用禁止の ESCON 形式ポートを表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [ESCON Style] チェックボックスをオンにして、使用可能または使用禁止の ESCON 形式ポートを表示します。
図 11-15 で、A は使用可能ポート、P は使用禁止ポートです。
赤色で強調表示されたポート アドレスは、E/TE ポート インターフェイスまたは複数インターフェイスを示しています。
ステップ 2 [Apply] をクリックして、変更内容を保存します。
実装ポート間の相互通信を禁止するには、複数ポート間の禁止を設定します。複数ポート間の禁止により、指定されたポート間の相互通信は禁止されます。
ヒント ポートチャネル インターフェイスまたは FCIP インターフェイスは、使用禁止には設定きません。
非実装ポートは、常に使用禁止になります。また、禁止設定は常に対称的に適用されます。ポート 0 に対してポート 15 との通信を禁止すると、ポート 15 に対しても自動的にポート 0 との通信が禁止されます。
(注) インターフェイスがすでに E モードまたは TE モードに設定されている場合は、対象のポートを使用禁止にしようとしても、禁止設定が拒否されます。同様に、非稼動状態のポートは、使用禁止にしてしまうと E モードまたは TE モードで起動できません。
Device Manager を使用して、VSAN のポート アドレスを禁止する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
ステップ 2 VASAN ID を選択して、[Port Configuration] をクリックします。
[FICON Port Configuration] ダイアログボックスが表示されます(図 11-14 を参照)。
ステップ 3 選択した FICON VSAN 用に、ポート禁止設定を設定します。
ステップ 4 [Apply] をクリックして、変更内容を保存します。
(注) 最新の FICON 情報を表示するには、[Refresh] ボタンをクリックする必要があります。「実行コンフィギュレーションの自動保存」を参照してください。
Device Manager でポート アドレス名を割り当てる手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
ステップ 2 VSAN ID を選択して、[Port Configuration] をクリックします。
[FICON Port Configuration] ダイアログボックスが表示されます(図 11-14 を参照)。
ステップ 4 [Apply] をクリックして、設定情報を保存します
Registered Link Incident Report(RLIR)アプリケーションを使用することにより、スイッチ ポートから登録済み Nx ポートに Link Incident Record(LIR)を送信できます。RLIR はアベイラビリティに優れたアプリケーションです。
Cisco MDS 9000 ファミリの FICON 対応スイッチでは、RLIR Extended Link Service(ELS)から検出された LIR が、Established Registration List(ERL)に登録済みのメンバーに送信されます。
マルチスイッチ トポロジの場合、Distribute Registered Link Incident Record(DRLIR)の Inter-Link Service(ILS)が RLIR ELS とともに、到達可能なすべてのリモート ドメインに送信されます。スイッチは DRLIR ILS を受信すると、RLIR ELS を抽出して ERL のメンバーに送信します。
RLIR ELS の受信に関与する Nx ポートは、Link Incident Record Registration(LIRR)ELS 要求をスイッチ上の管理サーバに送信します。RLIR は VSAN 単位で処理されます。
ンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに コピー すると、RLIR データが永続的ストレージに書き込まれます。
Device Manager を使用して RLIR 情報を表示する手順は、次のとおりです。
[Show RLIR ERL] ダイアログボックスが表示されます(図 11-16 を参照)。
図 11-16 [Show RLIR ELR] ダイアログボックス
ステップ 2 [Close] をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。
各 FICON 対応 VSAN 上で、最大 16 個の FICON コンフィギュレーション ファイルを(永続ストレージに)保存できます。ファイル フォーマットの所有権は IBM に帰属します。これらのファイルは、帯域内 CUP プロトコルを使用して IBM ホストから読み取りおよび書き込みできます。また、これらの FICON コンフィギュレーション ファイルを処理するには、Cisco MDS CLI または Fabric Manager アプリケーションを使用します。
(注) 名前が同じ複数の FICON コンフィギュレーション ファイルは、それぞれ別個の VSAN に属している限り、同一のスイッチに配置できます。たとえば、VSAN 1 と VSAN 3 の両方で、XYZ という名前のコンフィギュレーション ファイルを作成することもできます。
VSAN で FICON 機能がイネーブルになっているときは常に、IPL という名前のスタートアップ FICON コンフィギュレーション ファイルが使用されます。この IPL ファイルは、VSAN で FICON をイネーブルにするとただちに、デフォルトのコンフィギュレーションで作成されます。
FICON コンフィギュレーション ファイルには、次のコンフィギュレーションが実装ポート アドレスごとに格納されています。
(注) Cisco MDS スイッチで使用される標準コンフィギュレーション ファイルには、VSAN の FICON 対応属性、ポートチャネル インターフェイスと FCIP インターフェイスに対するポート番号のマッピング、ポート番号とポートアドレスのマッピング、ポートおよびトランクで許可されている各ポートの VSAN 設定、順序保証、スタティック ドメイン ID の設定、ファブリック バインディング設定などが格納されています。
Cisco MDS スイッチで使用される標準コンフィギュレーション ファイルの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fundamentals Configuration Guide 』を参照してください。
• 「保存済みコンフィギュレーション ファイルの実行コンフィギュレーションへの適用」
• 「FICON コンフィギュレーション ファイルのコピー」
コンフィギュレーション ファイルに同時にアクセスできるのは、常に 1 人のユーザだけです。
• このファイルにユーザ 1 がアクセスしている間、ユーザ 2 はアクセスできません。
• このファイルへのアクセスを試みたユーザ 2 に対しては、エラーが出されます。
• ユーザ 1 が非アクティブ状態のまま 15 秒が過ぎると、ファイルは自動的に閉じられ、許可されている他のユーザが使用できるようになります。
スイッチへのアクセスを許可されているホスト、SNMP、または CLI ユーザはいずれも、FICON コンフィギュレーション ファイルにアクセスできます。Cisco NX-OS ソフトウェアのロック メカニズムによって、同時アクセスは 1 人のユーザだけに許可されます。このロックは、新規に作成されたファイル、および以前に保存されたファイルに適用されます。どのファイルにアクセスする際にも、あらかじめファイルをロックし、ファイル キーを取得する必要があります。ロック要求が発生するたびに毎回、新しいファイル キーがロック メカニズムによって使用されます。15 秒間のロック タイムアウト期限が切れると、キーは廃棄されます。ロック タイムアウト値は変更できません。
Device Manager を使用して、保存済みコンフィギュレーション ファイルを実行コンフィギュレーションに適用する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON Files] ダイアログボックスが表示されます(図 11-17 を参照)。
図 11-17 [FICON VSANs] ダイアログボックス
ステップ 3 適用するファイルをハイライト表示し、[Apply File] をクリックして、該当のコンフィギュレーションを実行コンフィギュレーションに適用します。
コンフィギュレーション ファイル サブモードでは、FICON コンフィギュレーション ファイルの作成および編集が許可されます。指定したファイルが存在しない場合は、作成されます。保存可能なファイル数は最大 16 個です。各ファイル名には、最大 8 文字の英数字を使用できます。
(注) 最新の FICON 情報を表示するには、[Refresh] ボタンをクリックする必要があります。「実行コンフィギュレーションの自動保存」を参照してください。
Device Manager を使用して、特定の FICON コンフィギュレーション ファイルの内容を編集する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSANs] ダイアログボックスが表示されます(図 11-17 を参照)。
ステップ 3 VSAN ID を選択し、[Open] をクリックして、FICON コンフィギュレーション ファイルを編集します。
ステップ 4 VSAN ID を選択し、[Delete] をクリックして、FICON コンフィギュレーション ファイルを削除します。
ステップ 5 [Apply] をクリックして、変更された FICON コンフィギュレーション ファイルを適用します。
Fabric Manager でコンフィギュレーション ファイル開いて表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSAN] を選択します。
[Information] ペインに FICON 設定テーブルが表示されます。
Device Manager を使用して既存の FICON コンフィギュレーション ファイルをコピーする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSANs] ダイアログボックスが表示されます(図 11-17 を参照)。
ステップ 3 [Create] をクリックして、FICON コンフィギュレーション ファイルを作成します。
[Create FICON VSAN File] ダイアログボックスが表示されます(図 11-18 を参照)。
図 11-18 Device Manager の [Create FICON VSANs Files] ダイアログボックス
a. 設定する FICON VSAN 用に VSAN ID を選択します。
c. [Create] をクリックして、ファイルを作成します。
ステップ 4 [Copy] をクリックして、ファイルを新しいファイルにコピーします。
ステップ 5 [Apply] をクリックして、FICON コンフィギュレーション ファイルを適用します。
FICON ポート スワッピング機能は、メンテナンス専用に提供されています。
FICON ポート スワッピング機能を実行すると、 old-port-number および new port-number に関連付けられているすべての設定(例:VSAN 設定)がスワッピングされます。
Cisco MDS スイッチは、実在しないポートに対してもポート スワッピングを実行できますが、その際は次のような制約が伴います。
• スワッピング対象は、FICON 固有の設定(禁止、ブロック、およびポート アドレスのマッピング)だけです。
• 他のシステム設定はいずれも、既存のポートでだけ維持されます。
• 無制限の加入過多率がイネーブルになっているモジュール内のポートを、加入過多率が制限されているモジュール内のポートとスワッピングすると、帯域幅が劣化することがあります。
ヒント どの FICON VSAN 上でも [Active=Saved] チェックボックス がオンになっているときは、スワッピングされた設定が自動的にスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます。このチェックボックスがオフになっているときは、ポートをスワッピングした後すぐに、実行コンフィギュレーションを明示的に保存しておく必要があります。
いったんポートをスワッピングし終えると、次の処理が自動的に実行されます。
ポートを稼動状態にする際は、対象のポートを明示的にシャットダウンしてから、トラフィックを再開する必要があります。
(注) 最新の FICON 情報を表示するには、[Refresh] ボタンをクリックする必要があります。「実行コンフィギュレーションの自動保存」を参照してください。
FICON ポート スワッピング機能を使用する際は必ず、次のガイドラインに従ってください。
• 論理ポート(ポートチャネル、FCIP リンク)に対しては、ポート スワッピングがサポートされません。 old-port-number と new-port-number はいずれも、論理ポートとして設定できません。
• ポートチャネルに属する物理ポート間では、ポート スワッピングがサポートされません。 old-port-number と new-port-number はいずれも、ポートチャネルに属する物理ポートとしては設定できません。
• ポート スワッピングを実行する前に、Cisco NX-OS ソフトウェアは互換性チェックを実行します。2 つのポート設定に互換性がないと、ポート スワッピングが拒否され、該当する理由コードが出力されます。たとえば、BB_credits に 25 が割り当てられているポートと、BB_credits(設定不能なパラメータ)に許可されている最大値が 12 の OSM ポートとをスワッピングしようとした場合、ポート スワッピング操作は拒否されます。
• ポート スワッピングを実行する前に、Cisco NX-OS ソフトウェアは互換性チェックを実行して、拡張 BB_credits 設定を検証します。
• ポートに(一部の非互換パラメータ用の)デフォルト値がある場合、ポート スワッピング操作が許可され、ポートはそのデフォルト値を保持します。
• ポート スワッピングには、ポート トラッキング情報が取り込まれません。ポート トラッキング情報は、個別に設定する必要があります(『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS Quality of Service Configuration Guide 』を参照)。
(注) 32 ポート モジュールに関するガイドラインは、ポート スワッピング設定にも適用されます。
Device Manager を使用してポートをスワッピングする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 CTRL キーを押しながら、2 つのファイバ チャネル ポートをマウスでクリックして選択します。
ステップ 2 [FICON] > [Swap Selected Ports] を選択します(図 11-19 を参照)。
図 11-19 [FICON] > [Swap Selected Ports]
テープ デバイスには順次性があるため、FCIP リンクを介したテープ デバイスに対して I/O 操作が実行されるたびに、FCIP リンクに遅延が発生します。FCIP リンクを介したラウンドトリップ時間が増えると、スループットは著しく減少するため、結果としてバックアップ時間は長くなります。また、各 I/O 操作を終えてから次の I/O に達するまで、テープ デバイスはアイドル状態になります。I/O 操作が仮想テープを対象する場合を除き、テープ ヘッドの走査開始と停止によってテープ寿命が縮まります。
Cisco MDS NX-OS ソフトウェアは、次のリンクを介した FICON テープ書き込み操作に対してアクセラレーションを提供します。
• メインフレーム ドライブとネイティブ テープ ドライブ(IBM と Sun/STK の両方)の間のリンク
• Virtual Storage Management(VSM)とテープ ドライブ(Sun/STK)の間のバックエンド リンク
FCIP を介した FICON テープ アクセラレーションにより、次のようなメリットがあります。
• アイドル時間が短縮される結果、テープ デバイスが効率的に利用されます。
• FCP テープ アクセラレーションと似ていますが、競合は発生しません。
(注) FCIP を介した FICON テープ読み込みアクセラレーションはサポートされていません。
図 11-20 ~図 11-23 に、サポートされている設定を示します。
図 11-20 IBM/StorageTek(STK)ライブラリに直接アクセスするホスト
図 11-21 スタンドアロン IBM-Virtual Tape Server(VTS)/STK-Virtual Shared Memory(VSM)にアクセスするホスト
図 11-22 ピアツーピア Virtual Tape Server(VTS)にアクセスするホスト
図 11-23 ピアツーピア Virtual Tape Server(VTS)にアクセスするホスト
(注) FCIP テープ アクセラレーションの詳細については、『Cisco MDS 9000 Family NX-OS IP Services Configuration Guide』を参照してください。
FICON テープ アクセラレーションの設定に関しては、次のような考慮事項があります。
• 標準 FICON 設定だけでなく、FICON テープ アクセラレーションも、FCIP インターフェイスの両端でイネーブルにしておく必要があります。一端だけで FICON テープ アクセラレーションをイネーブルにした場合、アクセラレーションは発生しません。
• FICON テープ アクセラレーションは、VSAN 単位でイネーブルになります。
• 複数の ISL が同一の VSAN 内に存在する(ポートチャネルまたは FSPF でロード バランスされている)場合、FICON テープ アクセラレーション機能は無効になります。
• 同じ FCIP インターフェイス上で、ファイバ チャネル書き込みアクセラレーションと FICON テープ アクセラレーションの両方をイネーブルに設定できます。
• FICON テープ アクセラレーションをイネーブルまたはディセーブルにすると、FCIP インターフェイス上のトラフィックが中断されます。
Fabric Manager で FCIP を介した FICON テープ アクセラレーションを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ISL を展開し、[Physical Attributes] ペインで [FCIP] を選択します。
ステップ 2 [Information] ペインで、[Tunnels] タブをクリックします。
使用可能なスイッチが一覧表示されます(図 11-24 を参照)。
図 11-24 Fabric Manager の [FCIP Tunnels] タブ
ステップ 3 [Create Row] アイコンをクリックして、FCIP トンネルを作成します。
[Create FCIP Tunnel] ダイアログボックスが表示されます(図 11-25 を参照)。
図 11-25 [Create FCIP Tunnel] ダイアログボックス
ステップ 4 オプションを使用して、トンネルを設定します(図 11-25 を参照)。
ステップ 5 [TapeAccelerator] チェックボックスをオンにし、この FCIP トンネルを介した FICON テープ アクセラレーションをイネーブルにします。
IBM z/OS Global Mirror eXtended Remote Copy(XRC)は、MSM-18+4 モジュールでサポートされています。XRC を正しく機能させるには、FCIP トンネル インターフェイスの両端で XRC アクセラレーションをイネーブルにする必要があります。XRC アクセラレーションはデフォルトではディセーブルです。
(注) XRC アクセラレーションと FICON テープ アクセラレーションは、同一の FCIP トンネル インターフェイス上ではイネーブルにできないため、同一の VSAN 上には存在できません。
Fabric Manager を使用して FCIP トンネル インターフェイス上で XRC アクセラレーションを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ISL を展開し、[Physical Attributes] ペインで [FCIP] を選択します。
ステップ 2 [Information] ペインで、[Tunnels(Advanced)] タブをクリックします。
ステップ 3 [XRC Emulator] 列のチェックボックスをオンして、FCIP トンネルを介した XRC アクセラレーションをイネーブルにします。
Device Manager を使用して FCIP トンネル インターフェイス上で XRC アクセラレーションを設定する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Device Manager ウィンドウで、[IP] をクリックし、メニューから [FCIP] を選択します。
ステップ 2 [Information] ペインで、[Tunnels(Advanced)] タブをクリックします。
ステップ 3 [XRC Emulator] 列のチェックボックスをオンして、FCIP トンネルを介した XRC アクセラレーションをイネーブルにします。
Fabric Manager を使用して XRC アクセラレーションの統計情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ISL を展開し、[Physical Attributes] ペインで [FCIP] を選択します。
ステップ 2 [Information] ペインで、[XRC Statistics] タブをクリックします。
Device Manager を使用して XRC アクセラレーションの統計情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Device Manager ウィンドウで、[IP] をクリックし、メニューから [FCIP] を選択します。
ステップ 2 [Information] ペインで、[XRC Statistics] タブをクリックします。
Control Unit Port(CUP)プロトコルを介して、アクセス制御の設定が行われ、メインフレーム コンピュータから統合型ストレージ管理機能が提供されます。Cisco MDS 9000 FICON 対応スイッチは、IBM CUP 規格に適合しており、IBM S/A OS/390 I/O 操作コンソールを使用した帯域内管理が可能です。
CUP は Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチおよびディレクタによってサポートされます。CUP 機能を使用することにより、メインフレームで Cisco MDS スイッチを管理できます。
ホスト通信用に、制御(例:ポートのブロック/ブロック解除)、モニタリング、エラー レポートなどの機能が用意されています。
ステップ 1 Fabric Manager で、[Zone] > [Edit Full Zoneset] を選択し、[Edit] > [Edit Default Zone Attributes] を選択して、所定の VSAN に許可するデフォルト ゾーンを設定します (図 11-26 を参照)。
ステップ 2 Device Manager で、[FC] > [Name Server...] を選択し、所定の VSAN の FICON:CUP WWN を取得します。図 11-27を参照してください。
(注) このファブリック内に複数の FICON:CUP WWN
が存在する場合は、所定のゾーンに FICON:CUP
の pWWNs をすべて追加する必要があります。
ステップ 3 Fabric Manager で、[Zone] > [Edit Full Zoneset] を選択し、FICON:CUP の pWWN をゾーン データベースに追加します (図 11-28 を参照)。
図 11-28 FICON:CUP WWN をゾーンに追加するには
FICON フロー ロードバランス計算機能を使用することにより、対象の FICON フローに合った最適なロードバランスを設定できます。この計算機能は、ファブリック内のスイッチ検出またはフロー検出に依存しません。Fabric Manager の [Tools] メニューから選択できます。
Fabric Manager で FICON フロー ロードバランス計算機能を使用する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Tools] > [Other] > [Flow Load Balance Calculator] を選択します。
フロー ロードバランス計算機能が表示されます(図 11-29 を参照)。
ステップ 2 [Add] をクリックして、送信元および宛先(複数可)のフローを入力します。
ステップ 3 2 バイトの 16 進数(ドメイン ID およびエリア ID)を使用して、送信元および宛先を入力します。これらの ID をコピーして貼り付け、必要に応じて編集できます。
ステップ 4 2 つのスイッチ(例:ドメイン ID 0a と 0b)間の ISL 数を入力(または選択)します。
ステップ 5 削除する行を選択して、[Remove] をクリックします。
ステップ 6 ロード バランスを計算するモジュールを選択します。
ステップ 7 [Calculate] をクリックして、推奨トポロジを表示します。
(注) フローまたは ISL を変更する場合は、[Calculate] をクリックして、新しい推奨設定を表示する必要があります。
Device Manager を使用して、既存の FICON 設定の変更を示すアラートを受信する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSAN] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 [User Alert Mode] チェックボックスをオンにします。これにより、FICON 設定が変更された場合に、アラートが受信されるようになります。
ステップ 3 [Apply] をクリックして、この変更内容を適用します。
Device Manager を使用して FICON ポート アドレス情報を表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSAN] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 VSAN ID を選択して、[Port Configuration] をクリックします。
[FICON Port Configuration] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 3 [Close] をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。
Device Manager を使用して IPL ファイル情報を表示する手順は、次のとおりです。
[FICON VSAN] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 3 表示するファイルを選択して、[Open] をクリックします。
ディレクトリ履歴バッファの [Key Counter] 列に、Cisco MDS スイッチに保持されている 32 ビット値が表示されます。この値は、該当する VSAN のいずれかのポートの状態が変わったときに増加します。キー カウンタ(32 ビット値)は、FICON 関連の設定が変更されたときに増加します。チャネル プログラムの起動時に、この値がホスト プログラムによって増加し、複数のポートに対して操作が実行されることがあります。ディレクトリ履歴バッファには、キー カウンタ値ごとに、変更されたポート アドレス設定のログが記録されます。
ディレクトリ履歴バッファは、前回キー カウンタに値が格納された後にポート状態が変わったかどうかを判別するためのメカニズムを備えています。
Device Manager を使用してディレクトリ履歴バッファを表示する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [FICON] > [VSANs] を選択します。
[FICON VSAN] ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 2 [Director History] ボタンをクリックします。
ステップ 3 [Close] をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。
表 11-3 に、FICON 機能のデフォルト設定を示します。
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