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Cisco MDS 9000 ファミリのすべてのスイッチは、VSAN 単位およびファブリック全体での Distributed Device Alias Service(デバイス エイリアス)をサポートしています。デバイス エイリアス配信により、エイリアス名を手動で再度入力することなく、VSAN 間で HBA(ホスト バス アダプタ)を移動できます。
Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチで機能(ゾーン分割、QoS、ポート セキュリティなど)を設定するために、デバイスの port WWN(pWWN)を指定する必要がある場合は、これらの機能を設定するたびに、正しいデバイス名を割り当てる必要があります。デバイス名が正しくないと、予期しない結果が生じることがあります。この問題を回避するには、わかりやすいポート WWN 名を定義し、必要に応じて、この名前をすべての設定コマンドで使用します。この章では、これらのわかりやすい名前を デバイス エイリアス と表します。
デバイス エイリアスは、基本モードと拡張モードの 2 つをサポートしています。
• デバイス エイリアスは、基本モードで 3.0 スイッチ上のアプリケーションなどのすべてのアプリケーション機能を実行します。デバイス エイリアスを使用して基本モードを設定すると、アプリケーションは即座に pWWN に拡張します。この処理は、モードが拡張モードに変更されるまで続行されます。
• デバイス エイリアスが拡張モードで実行されると、すべてのアプリケーションはネイティブ フォーマットでデバイス エイリアス設定を受け付けます。デバイス エイリアス名は設定に格納され、デバイス エイリアス フォーマットで配信されます(pWWN には拡張されません)。アプリケーションは、デバイス エイリアス データベースの変更を追跡し、変更を適用するための処理を行います。
ネイティブ デバイス エイリアス設定は、interop モードの VSAN では受け付けられません。IVR ゾーンセットのアクティブ化は、注入対象の対応する不明瞭なゾーンがネイティブ デバイス エイリアス メンバーでない場合、interop モードの VSAN で失敗します。
デバイス エイリアス モードが基本モードから拡張モードに変更されると、アプリケーションはこの変更について通知されます。アプリケーションでは、ネイティブ フォーマットでデバイス エイリアスベース設定を受け付け始めます。
(注) デバイス エイリアスは以前に基本モードで実行されていたため、アプリケーションには前のネイティブ デバイス エイリアス設定はありません。
アプリケーションはネイティブ フォーマットの既存のデバイス エイリアス設定をチェックします。デバイス エイリアスがネイティブ フォーマットである場合、アプリケーションは要求を拒否し、デバイス エイリアス モードを基本に変更できません。
すべてのネイティブのデバイス エイリアス設定(ローカル スイッチとリモート スイッチの両方を含む)が明示的に削除されるか、またはモードを基本モードに戻す前にすべてのデバイス エイリアス メンバーが対応する pWWN に置き換えられる必要があります。
プロセスは force オプションを使用して自動化することができます。アプリケーションですべてのデバイス エイリアス メンバーを対応する pWWN に自動的に置き換えられるようにするには、no device-alias mode enhanced force コマンドを使用します。デバイス エイリアス メンバーがデバイス エイリアス データベース内に対応する pWWN マッピングを持っていない場合、設定は削除されます。
デバイス エイリアス配信が有効になっていると、モードの変更があった場合は常に、デバイス エイリアスがネットワーク内の他のスイッチに配信されます。すべてのスイッチが Release 3.1 にアップグレードされない限り、基本から拡張にモードを変更できません。ファブリック全体が Release 3.1 にアップグレードされない限り、デバイス エイリアスの機能拡張は適用されません。
(注) すべてのスイッチが Release 3.1 にアップグレードされたときは、自動的に拡張モードに変換できません。必ずしも拡張モードに変更する必要はなく、基本モードで作業を続けることができます。
異なるデバイス エイリアス モードで稼動している 2 つのファブリックを連結しても、デバイス エイリアスはマージされません。マージ プロセス中に、モードの自動変換は発生しません。この問題は解決する必要があります。
(注) Release 3.0 スイッチは基本モードで動作します。
アプリケーション レベルでは、マージはアプリケーションとファブリックの間で行われます。たとえば、ゾーン マージは E ポートが稼動しているときに発生し、IVR/PSM/DPVM マージは CFS が原因で発生します。このマージは、デバイス エイリアス マージに全面的に依存するわけではありません。
拡張されたファブリック上で実行されるアプリケーションは、ネイティブのデバイス エイリアス設定がある場合、マージに失敗します。他のファブリックがネイティブのデバイス エイリアスベース設定をサポートできるが、基本モードで実行されている場合でも、アプリケーションはマージに失敗します。この問題は解決する必要があります。デバイス エイリアス マージの問題が解決されたら、各アプリケーションをそれに応じて修正する必要があります。
2 つのファブリックが異なるモードで実行され、デバイス エイリアス マージがファブリック間で失敗する場合、1 つのモードまたはもう 1 つのモードを選択することにより、矛盾を解決できます。拡張モードを選択する場合、すべてのスイッチが少なくとも Release 3.1 バージョンで実行されていることを確認します。そうでない場合には、拡張モードを有効にできません。基本モードを選択した場合、拡張ファブリック上で実行されているアプリケーションはデバイス エイリアス マージに準拠している必要があります。
ネイティブのデバイス エイリアス設定がない場合、アプリケーション マージは成功しますが、モードの不一致のため、デバイス エイリアス マージは失敗します。
ネイティブのデバイス エイリアス設定が Release 3.1 スイッチからのアプリケーション上で試行されると、一部のアプリケーションでのデバイス エイリアス モードの不一致のために、コミットが拒否されます。
(注) デバイス エイリアスが特定のスイッチ上で基本モードで実行されている場合、アプリケーションは SNMP 経由のネイティブのデバイス エイリアス設定を受け付けないようにする必要があります。
(注) 拡張モードが有効になると Confcheck が追加され、拡張モードが無効になると Confcheck は削除されます。ネイティブ フォーマットのデバイス エイリアス設定がある場合、アプリケーションは confcheck を追加する必要があります。設定が削除されたら、アプリケーションは confcheck を削除する必要があります。
• デバイス エイリアスの情報は、VSAN 設定に依存しません。
• デバイス エイリアスの設定および配信は、ゾーン サーバおよびゾーン サーバ データベースに依存しません。
• データを失うことなく、レガシー ゾーン エイリアス設定をインポートできます。
• デバイス エイリアス アプリケーションでは、Cisco Fabric Services(CFS)インフラストラクチャを使用して、データベースを効率的に管理および配信することができます。デバイス エイリアスでは調整済み配信モードが使用され、配信範囲はファブリック全体に及びます(『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照)。
• デバイス エイリアスを使用してゾーン、IVR ゾーン、または QoS 機能を設定した場合に、これらの設定を表示すると、自動的にそれぞれの pWWN とともにデバイス エイリアスが表示されます。
• デバイス エイリアスの割り当て先にできるのは、pWWN だけです。
• pWWN とそれがマッピングされるデバイス エイリアスとの間のマッピングは、1 対 1 の関係になる必要があります。pWWN は 1 つのデバイス エイリアスにだけマッピングでき、デバイス エイリアスは 1 つの pWWN にだけマッピングできます。
表 6-1 に、ゾーンベース エイリアスとデバイス エイリアスの設定の違いを示します。
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VSAN 番号を指定しなくても、デバイス エイリアスを定義できます。また、制限なしに、1 つ以上の VSAN 内で同じ定義を使用することもできます。 |
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デバイス エイリアスはゾーン分割に限定されません。デバイス エイリアスの設定は、FCNS、ゾーン、fcping、traceroute、および IVR アプリケーションに使用できます。 |
デバイス エイリアス機能は 2 つのデータベースを使用して、デバイス エイリアス設定の許可および実装を行います。
• 有効データベース:ファブリックで現在使用されているデータベースです。
• 保留データベース:デバイス エイリアス設定に関する以降の変更内容は、保留データベースに格納されます。
この期間中はファブリックがロック状態になっているため、デバイス エイリアス設定を変更する場合は、変更をコミットするか、または破棄する必要があります。
• 「変更の破棄」
デフォルトでは、デバイス エイリアス配信がイネーブルです。デバイス エイリアス機能は、調整済み配信メカニズムを使用して、変更をファブリック内のすべてのスイッチに配信します。
変更をコミットせずに配信をディセーブルにすると、コミット タスクは失敗します。
Fabric Manager を使用してデバイス エイリアス配信をイネーブルにする手順は、次のとおりです。
[Information] ペインにデバイス エイリアスの設定が表示されます(図 6-1 を参照)。
図 6-1 Fabric Manager 内のデバイス エイリアス
ステップ 2 スイッチ エイリアスをイネーブルにするには、[Global] ドロップダウン メニューから [enable] を選択します。
ステップ 3 新しくイネーブルにしたスイッチの [Config Action] ドロップダウン メニューから [commit] を選択します。
ステップ 4 これらの変更をコミットして配信する場合は、[Apply Changes] をクリックします。保存されていない変更を破棄する場合は、[Undo Changes] をクリックします。
最初のデバイス エイリアス タスクを実行すると、どのデバイス エイリアス タスクであるかに関係なく、デバイス エイリアス機能に対してファブリックが自動的にロックされます。ファブリックがロックされると、次のような状況になります。
• 有効データベースのコピーが取得され、保留データベースとして使用されます。この時点からの変更は、保留データベースに対して行われます。保留データベースへの変更をコミットするかまたは破棄( abort )するまで、保留データベースは有効のままです。
ファブリックをロックし、Fabric Manager を使用して保留データベースでデバイス エイリアスを作成する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインにデバイス エイリアスの設定が表示されます。
ステップ 2 [Configuration] タブをクリックし、[Create Row] アイコンをクリックします。
[Device Alias Creation] ダイアログボックスが表示されます(図 6-2 を参照)。
図 6-2 [Create Device Alias] ダイアログボックス
ステップ 3 ドロップダウン メニューからスイッチを選択します。
ステップ 4 [Alias] フィールドおよび [pWWN] フィールドに入力します。
ステップ 5 このエイリアスを作成するには、[Create] をクリックします。保存されていない変更を破棄するには、[Close] をクリックします。
保留データベースに対する変更をコミットすると、次のイベントが発生します。
1. 有効データベースの内容が、保留データベースの内容で上書きされます。
Fabric Manager を使用して変更をデバイス エイリアス データベースにコミットする手順は、次のとおりです。
[Information] ペインにデバイス エイリアスの設定が表示されます。[CFS] タブがデフォルト タブです。
ステップ 2 スイッチ エイリアスをイネーブルにするには、[Global] ドロップダウン メニューから [enable] を選択します。
ステップ 3 新しくイネーブルにしたスイッチの [Config Action] ドロップダウン メニューから [commit] を選択します。
ステップ 4 これらの変更をコミットして配信する場合は、[Apply Changes] をクリックします。保存されていない変更を破棄する場合は、[Undo Changes] をクリックします。
保留データベースに対する変更を破棄すると、次のイベントが発生します。
Fabric Manager を使用してデバイス エイリアス セッションを破棄する手順は、次のとおりです。
[Information] ペインにデバイス エイリアスの設定が表示されます。[CFS] タブがデフォルト タブです。
ステップ 2 [Config Action] ドロップダウン メニューから [abort] を選択します。
ステップ 3 [Apply Changes] をクリックして、セッションを破棄します。
この機能を使用して、データを失うことなくレガシー ゾーン エイリアス設定をインポートできるのは、この設定が次の制限事項を満たす場合です。
• ゾーン エイリアスの名前および定義は、既存のデバイス エイリアス名のものと同じであってはならない。
名前の競合がある場合、ゾーン エイリアスはインポートされません。
ヒント ご使用の設定の要件に応じて、必要なゾーン エイリアスをデバイス エイリアス データベースにコピーしてください。
インポート処理が完了したあとに、 commit 処理を実行すると、変更されたエイリアス データベースが物理ファブリック内のその他のすべてのスイッチに配信されます。この時点で、ファブリック内の他のスイッチに設定を配信する必要がない場合は、 abort 処理を実行して、マージ変更内容をすべて破棄できます。
Fabric Manager Client では、Fabric Manager Server を再起動する必要なしに、Fabric Manager で使用するエイリアス(FC エイリアスまたはグローバル デバイス エイリアス)を変更できます。
Fabric Manager で FC エイリアスとグローバル デバイス エイリアスのどちらを使用するかを変更する手順は、次のとおりです。
[Admin] ダイアログボックスが表示されます(図 6-3 を参照)。
図 6-3 [Server Admin] ダイアログボックス
ステップ 2 グローバル デバイス エイリアスを使用する場合は、Fabric Manager Server で監視するファブリックごとに [Device Alias] チェックボックスをオンにします。FC エイリアスを使用する場合は、チェックボックスをオフにします。
ステップ 3 [Apply] をクリックして変更内容を保存するか、または [Close] をクリックして変更内容を保存せずにダイアログボックスを終了します。
(デバッグの目的で)デバイス エイリアス統計情報を消去する方法については、『 Cisco MDS 9000 Family CLI Configuration Guide 』を参照してください。
CFS マージのサポートの詳細については、『 Cisco MDS 9000 Family NX-OS System Management Configuration Guide 』を参照してください。
2 つのデバイス エイリアス データベースをマージする場合は、以下の注意事項に従ってください。
• 名前が異なる 2 つのデバイス エイリアスが同じ pWWN にマッピングされていないことを確認します。
• 異なる 2 つの pWWN が同一のデバイス エイリアスにマッピングされていないことを確認します。
• 両方のデータベースのデバイス エイリアスの総数が、8,191 個(8K)を超えていないことを確認してください。たとえば、データベース N に 6,000 個のデバイス エイリアスがあり、データベース M に 2,192 個のデバイス エイリアスがある場合、このマージ操作は失敗します。
エンド デバイスがスイッチにログインされていない場合、デバイス エイリアスはブランクになります。デバイスがログアウトされているときに FC ポートに接続することになっているデバイスを判別するために、デバイスのログイン中にインターフェイスの説明にデバイス エイリアスを入力できます。
インターフェイスの説明をデバイス エイリアスに入力する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Physical Attributes] ペインで、[End Devices] を展開します。
ステップ 2 右側のペインで、[General] タブをクリックします。
ステップ 4 [Alias] -> [Description] ボタンをクリックします。
図 6-4 デバイス エイリアスを [Interface Description] にコピーします。
表 6-2 に、デバイス エイリアスのパラメータの デフォルト設定を示します。
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