概要
このドキュメントでは、オンライン課金システムの Final Unit Indication (FUI)リダイレクト機能を使用して、クォータを使い果たした携帯電話加入者のために自動 URL リダイレクトを設定するする方法について説明します。
前提条件
要件
このドキュメントで説明する設定を開始する前に、次の項目に関する知識があることが推奨されます。
- Gateway General Packet Radio Service (GPRS) Support Node (GGSN) Enhanced Charging System (ECS)
- Gy OCS
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
- Cisco 5000 および 5500 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ(ASR)バージョン 14.0 以降
- FUI リダイレクト機能をサポートするすべての OCS
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
設定
加入者がクォータを使い果たした場合、顧客は URL リダイレクト機能を有効にする必要があります。つまり、加入者がクォータを使い果たした場合、自分のアカウントに課金できる、事前に設定された URL にリダイレクトされる必要があります。
OCS は、Credit Control Answer-Update (CCA-U)メッセージの中で Diameter Attribute Value Pair (AVP)のいずれかによって FUI リダイレクト情報を送信します。加入者がクォータを使い果たす前に、これが最後に割り当てられたユニットであることを OCS が GGSN に示すと、FUI (OCS で機能が有効になっている場合)リダイレクト情報が正常に受信されます。
以下の項で説明したように、OCS から受信した FUI リダイレクト パラメータを処理するには、GGSN (ASR 5x00)を適切に設定する必要があります。
ネットワーク図
設定
注:この設定例では、デフォルトで、すべてのトラフィックがIP-ANYルール定義にヒットし、コンテンツID(または評価グループ(RG))値1が、すべてのトラフィックに適用されます。
クォータが枯渇すると、OCS は次の形式のリダイレクト URL を提供します。
http://x.x.x.x:yy/
ユーザがリダイレクトされた URL にトラフィックを送信し始めると、そのトラフィックが redirect1 ルール定義に到達し、content-ID 値 10 がリダイレクトされたトラフィックに適用されます。
注:ユーザが、リダイレクトされた Web サイトにアクセスし、アカウントに再課金できるためには、この特定の content-ID (RG-10)が OCS 側で使用されていない必要があります。
以下が一例です。
active-charging service ECS
ruledef IP-ANY
ip any-match = TRUE
ruledef redirect1
http url starts-with http://x.x.x.x:yy/
charging-action default
content-id 1
cca charging credit
charging-action redirect1
content-id 10
cca charging credit
rulebase DCCA
action priority 100 ruledef redirect1 charging-action redirect1
action priority 65000 ruledef IP-ANY charging-action default
注:この例では、最低限の設定のみ説明しています。実際の本番環境のネットワーク構成には、ソリューションごとに追加のパラメータが設定されている場合があります。
ヒント:リダイレクトされた URL は、http://redirect.com のような正規のドメイン名にもできます。この特定のシナリオについては、次のセクションを参照してください。
正規ドメイン名としての Redirect-Server-Address AVP 値
リダイレクト URL (http://redirect.com)にドメイン名を使用する必要がある場合、加入者はドメイン名を解決するためにまずは DNS クエリを送信します。この場合、加入者が DNS 解決できる必要があります。加入者が DNS 解決できるようにするには、次の 2 つのオプションのいずれかを使用します。
- クォータ サーバに対するパススルーなしにすべての DNS トラフィックを許可します。
- DNS トラフィックに異なる content-ID を使用し、(クォータを使い果たされている場合でも) DNS 解決が成功するようにいくらかのクォータを OCS が付与する必要があります。
確認
次の show コマンドを入力し、設定がきちんと機能することを確認します。
show active-charging sessions full imsi xxxx
show subscriber full imsi xxxx
クォータを使い果たす前の show active-charging sessions full imsi xxxx コマンドの短縮された出力例は次のとおりです。
リダイレクトされた URL を使用すると、出力が次のように表示されます。
注:これら例は、あくまでも出力のサンプルなので、実際の統計情報は異なる場合があります。
show subscribers full imsi xxxx コマンドの出力の中で、input pkts dropped は 0 になる必要があります。
このドロップされたパケットの値がゼロ以外の場合は、クォータを使い果たした後に URL リダイレクトが正常に行われずにパケットがドロップされてたことを示します。
トラブルシュート
CLI に次のコマンドを入力して、設定をトラブルシューティングします。
monitor subscriber imsi xxxx
show subscribers full imsi xxxx
show active-charging sessions full imsi xxxx
FUI リダイレクト パラメータが必要な形式で OCS から受信されたかどうかを検証するには、クォータを使い果たした後に monitor subscriber imsi xxxx トレースを Option A、19、34、および Verbosity 5 で使用します。
注:Option 34 は、Active Charging Service (ACS)に対してデータが出入りしたかどうかを検証するのに重要です。
OCS から受信した CCA-U メッセージに含まれているのが予想されるパラメータは次のとおりです。
- DIAMETER_LIMITED_SUCCESS (2002) メッセージはコマンド レベルで受信されます。
- DIAMETER_SUCCESS (2001) メッセージは MSCC レベルで受信されます。
- 適切なリダイレクト URL パラメータとともに Final-Unit-Indication AVP が表示されます。
以下が一例です。
INBOUND>>>>> 15:59:52:587 Eventid:81991(5)
Diameter message from 1.1.1.1:3868 to 2.2.2.2:47552
Base Header Information:
Version: 0x01 (1)
Message Length: 0x000170 (368)
Command Flags: 0x40 (64) PXY
Command Code: 0x000110 (272) Credit-Control-Answer
Application ID: 0x00000004 (4) Credit-Control
Hop2Hop-ID: 0xadb045fa (2914010618)
End2End-ID: 0x05620b50 (90311504)
AVP Information:
—<Output Clipped>—
[M] Result-Code
Code: 0x0000010c (268) Result-Code
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: DIAMETER_LIMITED_SUCCESS (2002) >>>> Command Level Result Code
[M] CC-Request-Type
Code: 0x000001a0 (416) CC-Request-Type
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: UPDATE_REQUEST (2)
—<Output Clipped>—
[M] CC-Request-Number
Code: 0x0000019f (415) CC-Request-Number
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: 1
—<Output Clipped>—
[M] Multiple-Services-Credit-Control
Code: 0x000001c8 (456) Multiple-Services-Credit-Control
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x0000a8 (168)
[M] Rating-Group
Code: 0x000001b0 (432) Rating-Group
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: 1
[M] Granted-Service-Unit
Code: 0x000001af (431) Granted-Service-Unit
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x000018 (24)
[M] CC-Total-Octets
Code: 0x000001a5 (421) CC-Total-Octets
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x000010 (16)
: 1206114
[M] Result-Code
Code: 0x0000010c (268) Result-Code
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: DIAMETER_SUCCESS (2001) >>>> MSCC Level Result Code
[M] Final-Unit-Indication
Code: 0x000001ae (430) Final-Unit-Indication
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x000044 (68)
[M] Final-Unit-Action
Code: 0x000001c1 (449) Final-Unit-Action
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: REDIRECT (1)
[M] Redirect-Server
Code: 0x000001b2 (434) Redirect-Server
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x000030 (48)
[M] Redirect-Address-Type
Code: 0x000001b1 (433) Redirect-Address-Type
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00000c (12)
: URL (2)
[M] Redirect-Server-Address
Code: 0x000001b3 (435) Redirect-Server-Address
Flags: 0x40 (64) [M]
Length: 0x00001c (28)
: http://x.x.x.x:yy
リダイレクトされたURLは、この例ではポート番号(http://x.x.x.x:yy)の有無にかかわらず、加入者にリチャージページにリダイレクトされるIPアドレスである必要があります。リダイレクトされたURLはhttp://x.x.x.xと表示されます。その場合も前述の例が当てはまります。