このドキュメントは、IOS Voice GateWay(VGW)に在る音声 Digital Signal Processor(DSP; デジタル シグナル プロセッサ)ファームウェア(DSPware)のバージョン レベルの確認方法、IOS バイナリと互換性のある DSPware を使用しているかどうかの確認方法、およびデフォルトでバンドルされている DSPware を必要に応じて、またシスコシステムズ Technical Assistance Center(TAC)からの指示によって置き換える方法について説明しています。
このドキュメントの読者は、Cisco の IOS Voice GateWay に関する基本的な知識と、それらの操作と管理の経験が必要です。
このドキュメントは、動作可能な音声ルータの構成が手元にあり、基本的な TDM-to-IP 音声コールの発着信のシナリオが期待どおりに機能していることを前提にしています。このドキュメントでは、VGWにTexas Instruments(TI)C5510 DSPテクノロジーを使用する音声ネットワークモジュールにインストールされたBRI、PRI、アナログまたはデジタルE&M、アナログまたはデジタルFXO、アナログFAMA、DID、音声
Cisco IOS®ソフトウェアリリース12.3(11)T以降では、このドキュメントで説明するDSPware置き換え機能がサポートされています。デフォルト以外の DSPware がインストールされていて、それがアクティブな場合にユーザに自動的に知らせる補足機能は、IOS 12.4(15)T 以降で導入されています。このドキュメントは、必要に応じて特定の Cisco IOS ソフトウェア リリースに言及し、論点を明確にしています。
C5510 DSP をサポートする音声ルータのハードウェアには次のものがあります。
Cisco 1861、2600XM、2691、2800、3640、3660、3700、3800、IAD2430、VG202、VG204、VG224、AS5X-FC が搭載された AS5350XM/AS5400XM、VGD-FC が搭載された VGD 1T3、および UC500 プラットフォーム ファミリ
TI C5510 DSPテクノロジー(NM-HD-1V、NM-HD-2V、NM-HD-2VE、EVM-HD-8FXS/DID)を使用)をサポートするアナログFXO、FXS、DIDEM-HDA-8FXS、EM-HDA-3FXS/4FXO、EM-HDA-6FXO、VIC2-2FXO、VIC2-2FXS、VIC-4FXS/DID、VIC2-2 DID、VIC3-2FXS/DID、VIC3-2FXS-E/DID、VIC3-4FXS/DID、VIC3-2E/M、EM3-HDA-8FXS/DID
TI C5510 DSPテクノロジー(NM-HDV2、NM-HDV2-1T1E1、NM-HDV2-2T1E1、VWIC-1E1)を使用して、これらのプラットフォームでサポートされているデジタルFXO、FXS、BRI、BRI、BRI、PRI、PRI、音声カードMFT-1T1、VWIC-1MFT-E1、VWIC-2MFT-T1、VWIC-2MFT-E1、VWIC-2MFT-T1-DI、VWIC-2MFT-E1-DI、VWIC2-1X mft-T1/E1、VWIC2-2MFT-T1/E1、VIC2-2BRI-NT/TE、EM-4BRI-NT/TE
C5510 DSPカード製品:PVDM2-8、PVDM2-16、PVDM2-32、PVDM2-48、PVDM2-64、AS5X-PVDM2-64、VGD-PVDM2-64
特定のハードウェア部品が指定されている場合には、そのハードウェアをサポートするソフトウェアのバージョンが該当します。音声製品に関するハードウェアとソフトウェアの互換性マトリクスについては、次のドキュメントを参照してください。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
VoIP ネットワーク テクノロジーは、デジタル シグナル プロセッサ(DSP)を使用して、音声サンプルの処理および継続的なタイム ドメインとデジタル IP ドメインの間での音声の変換を行っています。Cisco IOS には、従来、Integrated Circuit(IC; 集積回路)製造業者である Texas Instruments(TI)社の音声プラットフォーム DSP、モデルとしては C542、C549、C5421、および最近では C5510 のバリエーションが使用されてきました。
DSPware は IOS にバンドルされるソフトウェアであり、標準に則した多数の音声コーデックを使用して音声サンプルをエンコードとデコードを行い、トランスコーディングと会議の機能を実行し、回線イベントを検出、認識できるようにシグナリング リソースをアナログと Channel Associated Signaling(CAS; 個別線信号方式)の音声ポートに提供する DSP の機能を指定してドライブする命令セットを含んでいるため、回線のイベントの検出と確認応答が可能です。ブート時には IOS から DSP に DSPware がダウンロードされ、このファームウェアに含まれる命令セットに基づいて DSP の初期化と動作準備が行われます。
IOSリリースプロセスでは、メジャーリリースの安定リリーストレインと、ユーザに新機能を導入するTトレインリリースの概念があります。メジャーリリースIOS 12.4の場合、安定性リリーストレインは12.4メインラインで、12.4Mと表記されることもあります。Tトレインリリースは、12.4(2)T、12.4(4)T、12.4(6)T、12.4(9)T、12.4(11)T、12.4(15)T、12.4(20)T、および現在12.4(2) 2)T.
12.4M の目的は、12.4(21) から 12.4(23) への差分更新のように、マイナー リリース間の違いが問題の修正のみで構成され、新機能が含まれない安定性の高い IOS トレインをお客様に提供することです。お客様が IOS 12.4M の各バージョンをアップグレードする場合、機能やコマンド構文といった面での新機能はなく、新機能の導入に伴う不安定さも加わらないと考えることができます。IOS トレインは、時間の経過とともに安定性を増していきます。
T トレイン リリースは IOS のバージョンですが、問題の差分修正に加え、適宜、お客様に配備する新機能が導入されます。これらの IOS トレインは、お客様に出荷する前に可能な限り厳密にテストされますが、お客様によって不安定さが発見される場合もあります。そのため、安定リリース トレインは T トレイン リリースよりも信頼性が高いと見なされる場合があります。ユーザは、特定の T トレイン リリースで導入される新機能が必要でない限り、メインラインの IOS リリースを使用することが推奨されます。IOS 製品およびリリース トレイン管理についての詳細は、ここにある Cisco Web サイトを参照してください。
DSPware も、安定リリースおよび新機能リリースと同様のモデルに従う場合があります。IOS と DSPware は連携して動作することによって多くの音声機能に必要な効果を実現しているため、DSPware は IOS から要求される機能をサポートし、IOS は DSPware から要求される機能をサポートする必要があります。メインライン リリースには IOS の新機能は導入されておらず、問題の修正のみが含まれているため、メインライン リリースに含まれる DSPware トレインも同じ戦略に従っており、差分修正のみを含んでいて新機能を含んではいません。たとえば、12.4M トレインに対応する DSPware のトレインは 4.4.x であり、IOS 12.4(21) には DSPware 4.4.29 がバンドルされ、IOS 12.4(23) には DSPware 4.4.30 がバンドルされています。一方、特別な DSPware のトレインが作成および保守管理されていて、IOS T トレイン リリースとその新機能をサポートしています。たとえば、IOS 12.4(15)T8 には DSPware 9.4.7 がバンドルされ、IOS 12.4(22)T には DSPware 23.8.0 がバンドルされています。
次の表は、12.3(11)T 以降の IOS リリース トレインに含まれると考えられる一般的な DSPware ファミリを、メインライン リリースと T トレイン リリースについて示しています。
IOS トレイン | C5510 DSPware ファミリ |
---|---|
12.3(11)T ~ 12.3(11)T12 | 4.4.3 ~ 4.4.7(08) |
12.3(14)T ~ 12.3(14)T7 | 4.4.7 ~ 4.4.7(08) |
12.4(1) ~ 12.4(23) | 4.4.8(01) ~ 4.4.30 |
12.4(2)T ~ 12.4(2)T6 | 5.4.0 ~ 5.4.3 |
12.4(4)T ~ 12.4(4)T8 | 6.3.1 ~ 6.3.6 |
12.4(6)T ~ 12.4(6)T11 | 7.4.1 ~ 7.4.6 |
12.4(9)T ~ 12.4(9)T7 | 8.4.0 ~ 8.4.7 |
12.4(11)T ~ 12.4(11)T4 | 9.2.1 ~ 9.4.2 |
12.4(15)T ~ 12.4(15)T8 | 9.4.0 ~ 9.4.7 |
12.4(20)T ~ 12.4(20)T2 | 23.6.1 ~ 23.8.0 |
12.4(22)T | 23.8.0 |
12.4(24)T | 24.3.0 |
12.4(15)XY や 12.4(22)YA などの名前の IOS Limited Deployment リリース トレインは特殊なトレインであり、IOS の新機能が通常の次期 T トレイン リリースに組み込まれる前に、評価のためその新機能を早期に採用するお客様のためのものです。一般に、LD リリースと T トレイン リリースのマイナー番号が同じであれば、その LD リリースはその T トレイン リリースをベースにしていると考えられます。たとえば、IOS 12.4(11)XWは12.4(11)Tに基づいており、少なくとも12.4(11)Tと同じ基本機能と不具合修正を備えています。ただし、LDリリースにバンドルされているDSPwareが親Tトレインリリースと同じであることを前提とすべきではありません。この場合、12.4(11)XW には DSPware 21.4.0 がバンドルされますが、12.4(11)T は 9.2.1 を使用します。12.4(11)XW のデフォルトの DSPware を置き換える場合、21.4.x ファミリ以降のものが必要になります。
従来 Cisco IOS 音声製品では、DSPware が IOS リリース バイナリにとって不可欠で、互いに緊密に連携する要素と考えられてきたため、たとえば製品の問題が診断されてそれが後のリリースの DSPware で解決されることがわかった場合、ユーザは特定のバージョンの DSPware を得るために IOS をアップグレードする必要がありました。オリジナルのCisco AS5300プラットフォームなどの一部の初期製品では、シャーシの音声機能カードに個別のDSPwareソフトウェアバンドルをダウンロードし、使用のためにアンパックすることができました。
しかし、他のモジュラ プラットフォームでは、特定の IOS バージョンを使用することになっていて、それがデフォルト以外の DSPware と組み合される必要がある場合は、必ず Cisco の開発技術部門から IOS Engineering Special バイナリを入手する必要がありました。このような Engineering Special バイナリを取得するには、まず Cisco TAC サービス リクエストをオープンする必要がありました。そのため、ソフトウェアのサポートやアクセスに若干の配布手続き上の不便さがありました。
IOS リリース 12.3(11)T からは、C5510 DSP に対する IOS バージョンと DSPware の組み合せに柔軟性が加わりました。この機能を使用すると、IOSバイナリにバンドルされているデフォルトのDSPwareを、適切な名前のDSPwareバイナリをflash:または slot0:IOS VGWのファイルシステム。この機能を許可することで、お客様は DSPware の問題が現れた場合に IOS バイナリ全体を DSPware の修正を含む適切なリリースにアップグレードするか、または現在の IOS リリース バージョンを残し、バンドルされている DSPware を必要な修正を含むものに置き換えるかを選択できます。お客様によっては、そのために特定の IOS バージョンを実稼働ネットワーク全体にわたって承認し、長い認証プロセスを受ける必要があります。したがって、同じ IOS バージョンを使用し続けながら、DSPware を変更できることは非常に歓迎されます。
ユーザがIOSバイナリのデフォルトのDSPwareを置き換え、IOSとDSPwareが互いに互換性があることを確認しない場合、IOS音声のインストールに関する問題が発生する可能性があります。たとえば、ユーザが DSPware 4.4.20 を伴う IOS 12.4(3g) リリースを使用していて、DSPware 4.4.27 に含まれる修正を必要とする問題が発生した場合を考えます。TAC サービス リクエストがオープンされると、お客様に DSPware 4.4.27 が提供されます。
お客様が VGW の設定手順を実施して、この新しい DSPware を使用するようにすると、すべてが正常に動作します。お客様がIOSのバージョンを変更し、デフォルト以外のDSPwareがVGWに存在することを忘れた場合、DSPware 4.4.27はIOSバイナリのバンドルされたDSPwareを置き換え続け、問題が発生します。このことが特に当てはまるのは、ユーザが 12.4(15)T8 などの IOS T トレイン リリースにアップグレードした場合です。12.4(15)T8 には前述のように新しい IOS 音声機能が含まれている場合があり、それに必要な新しいファンクション コールや機能をサポートできる対応した DSPware リリース ファミリが必要です。DSPware 4.4.27 は古いリリース トレインのもので新しいファンクション コールを認識しないため、音声コールのリクエストを処理できない可能性があり、コールが失敗することになります。
考えられるソフトウェアの組み合せとインタラクションを次に示します。
IOS トレイン | DSPware トレイン | 予測されるインタラクション |
---|---|---|
IOS メインライン トレイン | IOS メインライン トレインに適応する DSPware トレイン | 互換性の問題は考えられません。これは、IOS と DSPware の正しい組み合せです。 |
IOS メインライン トレイン | IOS T トレインに適応する DSPware トレイン | 互換性の問題は考えられません。DSPware は IOS メインライン トレインの古いファンクション コールをすべてサポートします。 |
IOS T トレイン | IOS メインライン トレインに適応する DSPware トレイン | 予測不能なコール失敗のシナリオが考えられます。DSPware は IOS に存在するすべての新機能を必ずしもサポートしません。 |
IOS T トレイン | IOS T トレインに適応する DSPware トレイン | IOS バージョンと同じかそれ以降のリリース トレインの DSPware がデフォルトでバンドルされている場合は、コールが期待通りに進行します。 |
VGW にデフォルト以外の DSPware がインストールされている可能性があることをユーザに知らせるため、IOS にはデフォルト以外の DSPware が存在してアクティブである場合にクリアなコンソールおよび Telnet セッションのメッセージを表示する、2 つの拡張機能が加えられています。警告メッセージが表示されたら、ユーザはデフォルト以外の DSPware が意図的に使用されているのかどうかを判断し、適切に対応することができます。このドキュメントの以降のセクションは、インストールされている DSPware のバージョンを確認する方法、IOS にバンドルされているデフォルトの DSPware を置き換える方法、および DSPware を置き換えた場合に表示されるメッセージの種類について説明しています。
現在使用されている DSPware バージョンは、さまざまな show voice dsp EXEC コマンドの出力で確認できます。特に、show voice dsp voice EXEC コマンドは、インストールされている DSP アーキテクチャの種類や現在アクティブな DSPware バージョンに関して常に必要な情報を提供します。ただし、より冗長性の低い出力が得られる他のオプションもあります。
次の表に、試行できる show voice dsp コマンドを、出力の冗長性の低い順に示します。
コマンド バリアント | 該当する状況 | 冗長性のレベル |
---|---|---|
show voice dsp | 何らかのアナログまたは CAS 音声ポートを最低限備えた音声ルータ。PRI および BRI 音声ポートと、トランスコーディング サービスもあります。 | 現在アクティブで音声メディアに使用されている DSP チャネルと、アナログおよび CAS 音声ポートに割り当てられているシグナリング チャネルのみを表示します。これは基本的に show voice dsp active と show voice dsp signaling の組み合せです。 |
show voice dsp voice* *preferredは、すべての状況で動作します | アナログ、CAS、PRI、または BRI 音声ポートとトランスコーディング サービスを備えた音声ルータ。 | DSP チャネルにアクティブ コールがあるかどうかにかかわらず、インストールされているすべての DSP に使用されるすべての DSP 音声/メディア チャネルを表示します。シグナリング チャネルの情報はありません。このコマンド出力は、インストールされている DSP の数によっては、show voice dsp よりもかなり冗長性が高くなる可能性があります。 |
show voice dsp detailed | アナログ、CAS、PRI、または BRI 音声ポートとトランスコーディング サービスを備えた音声ルータ。 | show voice dsp voice と show voice dsp signaling の組み合せを表示します。アナログおよび CAS 音声ポートの数によっては、このコマンド出力は、show voice dsp voice alone よりもかなり冗長性が高くなる可能性があります。 |
IOS 12.4(15)T8 とデフォルトの DSPware 9.4.7 が稼働し、BRI、PRI、およびアナログ FXS および FXO 音声ポートがインストールされた Cisco 3845 VGW での show voice dsp コマンドの出力例を次に示します。
Cisco3845#show voice dsp DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABORT PACK COUNT ==== === == ======== ========== ===== ======= === == ========= == ===== ============ ----------------------------FLEX VOICE CARD 0 ------------------------------ *DSP VOICE CHANNELS* CURR STATE : (busy)inuse (b-out)busy out (bpend)busyout pending LEGEND : (bad)bad (shut)shutdown (dpend)download pending DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ *DSP SIGNALING CHANNELS* DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ C5510 003 01 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/0 02 0 91/0 C5510 003 02 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/1 02 0 91/0 C5510 003 03 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/2 06 0 90/0 C5510 003 04 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/3 06 0 91/0 C5510 003 05 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/4 10 0 90/0 C5510 003 06 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/5 10 0 91/0 C5510 003 07 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/6 14 0 90/0 C5510 003 08 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/7 14 0 91/0 C5510 003 09 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/8 18 0 13/1 C5510 003 10 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/9 18 0 13/1 C5510 003 11 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/10 22 0 13/1 C5510 003 12 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/11 22 0 13/1 C5510 003 13 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/12 26 0 13/1 C5510 003 14 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/13 26 0 13/1 C5510 003 15 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/14 30 0 13/1 C5510 003 16 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 2/0/15 30 0 13/1 ------------------------END OF FLEX VOICE CARD 0 ---------------------------- ----------------------------FLEX VOICE CARD 4 ------------------------------ *DSP VOICE CHANNELS* CURR STATE : (busy)inuse (b-out)busy out (bpend)busyout pending LEGEND : (bad)bad (shut)shutdown (dpend)download pending DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ C5510 001 01 g729ar8 9.4.7 busy idle 0 0 4/0/3 00 0 175/12 C5510 001 02 g729ar8 9.4.7 busy idle 0 0 4/0/1 04 0 175/12 C5510 001 03 g729ar8 9.4.7 busy idle 0 0 4/0/2 01 0 175/12 C5510 001 04 g729ar8 9.4.7 busy idle 0 0 4/0/0 05 0 226/12 *DSP SIGNALING CHANNELS* DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ C5510 001 01 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 4/0/3 02 0 15/0 C5510 001 02 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 4/0/2 02 0 15/0 C5510 001 03 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 4/0/1 06 0 15/0 C5510 001 04 {flex} 9.4.7 alloc idle 0 0 4/0/0 06 0 15/0 ------------------------END OF FLEX VOICE CARD 4 ---------------------------- Cisco3845#
この出力の中で、次の有用な情報を記録できます。
出力ヘッダー | 説明 |
---|---|
FLEX VOICE CARD N | IOS のモジュラ音声ルータでは、各ネットワーク モジュール(NM)スロットで C5510 DSP をサポートできます。たとえば、Cisco 3845のメインボードに取り付けられたDSPはスロット0に取り付けられているとされるため、「Flex Voice Card 0」と報告されます。C5510 DSPを搭載したスロット4のNMは「Flex Voice Card 4」として報告されます。 |
*DSP VOICE CHANNELS* | 音声 DSP は、メディア チャネルとシグナリング チャネルの両方のリソースに使用できます。メディア チャネルは、実コールに使用される実際のコーデックをサポートします。シグナリング チャネルはアナログおよび CAS 音声ポートによって使用されて、オフフックやオンフックなどの回線イベントを監視し、信号を送信します。*DSP Voice Channels* セクションに、スロット N でメディア用に使用されている DSP チャネルが一覧表示されています。 |
*DSP SIGNALING CHANNELS* | 音声 DSP は、メディア チャネルとシグナリング チャネルの両方のリソースに使用できます。メディア チャネルは、実コールに使用される実際のコーデックをサポートします。シグナリング チャネルはアナログおよび CAS 音声ポートによって使用されて、オフフックやオンフックなどの回線イベントを監視し、信号を送信します。*DSP Signaling Channels* セクションに、スロット N でシグナリング用に使用されている DSP チャネルが一覧表示されています。 |
DSP TYPE | DSP のアーキテクチャ タイプこれは、C542、C549、C5421、または C5510 を読み取ることができます。 |
DSP NUM | スロット N にインストールされている DSP プールに含まれる DSP の固有識別情報。 |
CH | 各 DSP は、C5510 DSP ごとにメディアまたはシグナリングを 16 までサポートできる論理チャネルを備えています。このフィールドは各 DSP のチャネルを一意に識別します。 |
CODEC | 現在どのコーデックが DSP メディア チャネルによってサポートされているか。 |
DSPWARE VERSION | 対象の値であり、使用されている IOS バージョンと一致する必要があります。 |
CURR STATE | DSP の現在の状態。 |
BOOT STATE | DSP のブート状態。 |
RST | DSP ReSeTs のカウント数。 |
AI | DSP アラーム インジケータのカウント数。 |
VOICEPORT | DSP メディア チャネルまたはシグナリング チャネルに関連付けられた音声ポート ID。 |
TS | デジタル T1/E1 CAS または PRI 音声ポート、および BRI 音声ポートの場合、TimeSlot が含まれます。 |
PAK ABRT | 打ち切られた音声パケットの数。 |
TX/RX PAK COUNT | 送受信される音声パケットの数。 |
上の出力には、DSPware 9.4.7 が使用されていることが明確に示されています。
Cisco Systems Technical Assistance Center(TAC)がデフォルトのDSPwareを置き換える必要があると判断した場合は、TACから適切なDSPwareバイナリを入手し、IOS VGWのフラッシュに配置する必要があります。適切なファイル名のファイルシステム。次に、通常は VGW でリロードを行う必要があり、これによって新しい DSPware がダウンロードされ、搭載されているすべての C5510 DSP にインストールされます。DSPwareバイナリをslot0:必要に応じてIOSはflash:で最初に検索されます。適切な名前のファイルの場合は、次にslot0:で指定します。DSPware バイナリの命名は重要です。大文字と小文字を区別し、C5510 DSP がインストールされているデバイスに対応させる必要があります。
Product | 必要な DSPware のファイル名 |
---|---|
NM-HD-1V、NM-HD-2V、NM-HD-2VE | guido.dsp |
NM-HDV2、NM-HDV2-1T1E1、NM-HDV2-2T1E1 | hdv2.dsp |
Cisco 1861、2801、2811、2821、2851、3825、3845、IAD2430、VG202、VG204、VG224、UC500 | dsp_c5510_flex.rbf |
AS5X-FC VGD 1T3を搭載したAS5350XMおよびAS5400XM | 指定された名前で DSPware を直接ロードされるように IOS を設定できるため、ファイル名は自由に設定できます。 |
これらの種類のネットワーク モジュールが複数常駐する IOS ルータでは、DSPware バイナリの複数のコピーを flash: に置き、それぞれに適切な名前を付ける必要があります。それにより、ルータ上のすべての DSP が新しい DSPware に確実にアップグレードされます。次の例で、この微妙な差異を具体的に説明します。Cisco 3845 VGWで、C5510 DSPがメインボード(スロット0)に、NM-HD-2Vがスロット4にあるとします。すべてのC5510 DSPでデフォルトのIOS DSPwareが優先されますNM-HDV2ユニットを後で追加する可能性に対応するため、flash:ファイルシステムには、同じDSPwareバイナリの3つのコピーがインストールされています。
Cisco3845#show flash: -#- --length-- -----date/time------ path 1 40551024 Jan 12 2009 06:43:40 -05:00 c3845-ipvoice_ivs-mz.124-15.T8 23318528 bytes available (40554496 bytes used) Cisco3845#copy tftp: flash: Address or name of remote host []? 172.18.108.26 Source filename []? dsp_c5510_flex.rbf Destination filename [dsp_c5510_flex.rbf]? Accessing tftp://172.18.108.26/dsp_c5510_flex.rbf... Loading dsp_c5510_flex.rbf from 172.18.108.26 (via GigabitEthernet0/0): !!! [OK - 617212 bytes] 617212 bytes copied in 1.388 secs (444677 bytes/sec) Cisco3845#copy tftp: flash: Address or name of remote host [172.18.108.26]? 172.18.108.26 Source filename [dsp_c5510_flex.rbf]? dsp_c5510_flex.rbf Destination filename [dsp_c5510_flex.rbf]? guido.dsp Accessing tftp://172.18.108.26/dsp_c5510_flex.rbf... Loading dsp_c5510_flex.rbf from 172.18.108.26 (via GigabitEthernet0/0): !!! [OK - 617212 bytes] 617212 bytes copied in 1.380 secs (447255 bytes/sec) Cisco3845#copy tftp: flash: Address or name of remote host [172.18.108.26]? 172.18.108.26 Source filename [dsp_c5510_flex.rbf]? dsp_c5510_flex.rbf Destination filename [dsp_c5510_flex.rbf]? hdv2.dsp Accessing tftp://172.18.108.26/dsp_c5510_flex.rbf... Loading dsp_c5510_flex.rbf from 172.18.108.26 (via GigabitEthernet0/0): !!! [OK - 617212 bytes] 617212 bytes copied in 1.452 secs (425077 bytes/sec) Cisco3845# Cisco3845#show flash: -#- --length-- -----date/time------ path 1 40551024 Jan 12 2009 06:43:40 -05:00 c3845-ipvoice_ivs-mz.124-15.T8 2 617212 Jan 13 2009 10:52:50 -05:00 dsp_c5510_flex.rbf 3 617212 Jan 13 2009 10:53:16 -05:00 guido.dsp 4 617212 Jan 13 2009 10:53:48 -05:00 hdv2.dsp 21463040 bytes available (42409984 bytes used) Cisco3845#
VGW のリロード後、show voice dsp コマンド出力を調べると、デフォルトの DSPware が置き換えられていることがわかります。
Cisco3845#show voice dsp DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABORT PACK COUNT ==== === == ======== ========== ===== ======= === == ========= == ===== ============ Warning! DSPs 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16 in slot 0 are using non-default firmware from device flash: This is not recommended, the IOS default version is 9.4.7 ----------------------------FLEX VOICE CARD 0 ------------------------------ *DSP VOICE CHANNELS* CURR STATE : (busy)inuse (b-out)busy out (bpend)busyout pending LEGEND : (bad)bad (shut)shutdown (dpend)download pending DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ *DSP SIGNALING CHANNELS* DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ C5510 003 01 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/0 02 0 91/0 C5510 003 02 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/1 02 0 91/0 C5510 003 03 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/2 06 0 90/0 C5510 003 04 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/3 06 0 91/0 C5510 003 05 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/4 10 0 90/0 C5510 003 06 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/5 10 0 90/0 C5510 003 07 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/6 14 0 90/0 C5510 003 08 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/7 14 0 90/0 C5510 003 09 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/8 18 0 13/1 C5510 003 10 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/9 18 0 13/1 C5510 003 11 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/10 22 0 13/1 C5510 003 12 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/11 22 0 13/1 C5510 003 13 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/12 26 0 13/1 C5510 003 14 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/13 26 0 13/1 C5510 003 15 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/14 30 0 13/1 C5510 003 16 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 2/0/15 30 0 13/1 ------------------------END OF FLEX VOICE CARD 0 ---------------------------- Warning! DSPs 1 in slot 4 are using non-default firmware from device flash: This is not recommended, the IOS default version is 9.4.7 ----------------------------FLEX VOICE CARD 4 ------------------------------ *DSP VOICE CHANNELS* CURR STATE : (busy)inuse (b-out)busy out (bpend)busyout pending LEGEND : (bad)bad (shut)shutdown (dpend)download pending DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ *DSP SIGNALING CHANNELS* DSP DSP DSPWARE CURR BOOT PAK TX/RX TYPE NUM CH CODEC VERSION STATE STATE RST AI VOICEPORT TS ABRT PACK COUNT ===== === == ========= ======= ===== ======= === == ========= == ==== ============ C5510 001 01 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 4/0/3 02 0 15/0 C5510 001 02 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 4/0/2 02 0 15/0 C5510 001 03 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 4/0/1 06 0 15/0 C5510 001 04 {flex} 4.4.30 alloc idle 0 0 4/0/0 06 0 15/0 ------------------------END OF FLEX VOICE CARD 4 ---------------------------- Cisco3845#
VGD-FC が搭載された VGD 1T3 プラットフォームと AS5X-FC が搭載された AS5350XM/AS5400XM プラットフォームでは、デフォルトの DSPware を置き換える手順が、上記の手順とは若干異なります。これらのプラットフォームには、正式な running-config コマンドがあり、それを設定して startup-config に保存することで、ロードするデフォルト以外の DSPware の場所を指定できます。DSPware バイナリにはユーザが自由に名前を付けることができ、新しい DSPware をアクティブにするために VGW をリロードすることは必ずしも必要ではありません。VGW に指示して、DSPware をすぐにアップグレードするか、ルータがリロードされるまで待つようにできます。
AS5X-FC と AS5X-PVDM2-64 DSP が搭載された AS5350XM/AS5400XM の完全な指示は、『音声フィーチャ カードの管理とトラブルシューティング』に説明されています。VGD-FC と VGD-PVDM2-64 DSP が搭載された VGD 1T3 の完全な指示は、『高密度パケット音声フィーチャ カードの設定と管理』に説明されています。スロット 3 に AS5X-PVDM2-64 DSP カードが実装され、AS5X-FC が搭載された AS5400XM の例を次に示します。
AS5400XM#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. AS5400XM(config)#voice dsp 3 AS5400XM(config-voicedsp)#? Voice-dsp configuration commands: busyout Busyout DSP default Set a command to its defaults exit Exit from DSP Configuration Mode firmware Firmware used for the DSP help Description of the interactive help system no Negate a command or set its defaults shutdown Take the DSP out of Service AS5400XM(config-voicedsp)#firmware ? location Firmware file location upgrade Firmware upgrade configuration AS5400XM(config-voicedsp)#firmware location ? flash: Specify a firmware file from flash: File System <cr> AS5400XM(config-voicedsp)#firmware location flash:dsp_c5510_flex.rbf ? <cr> AS5400XM(config-voicedsp)#firmware location flash:dsp_c5510_flex.rbf AS5400XM(config-voicedsp)# 000116: Jan 15 18:28:35.747 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 1 in slot 3, changed state to up 000117: Jan 15 18:28:35.747 EST: Warning! DSP 1 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000118: Jan 15 18:28:35.747 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 000119: Jan 15 18:28:38.695 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 3 in slot 3, changed state to up 000120: Jan 15 18:28:38.695 EST: Warning! DSP 3 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000121: Jan 15 18:28:38.695 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 000122: Jan 15 18:28:43.791 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 5 in slot 3, changed state to up 000123: Jan 15 18:28:43.791 EST: Warning! DSP 5 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000124: Jan 15 18:28:43.791 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 <SNIP> 000179: Jan 15 18:29:56.584 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 19 in slot 3, changed state to up 000180: Jan 15 18:29:56.584 EST: Warning! DSP 19 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000181: Jan 15 18:29:56.584 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 000182: Jan 15 18:30:03.940 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 21 in slot 3, changed state to up 000183: Jan 15 18:30:03.940 EST: Warning! DSP 21 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000184: Jan 15 18:30:03.940 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 000185: Jan 15 18:30:09.240 EST: %DSPRM-5-UPDOWN: DSP 23 in slot 3, changed state to up 000186: Jan 15 18:30:09.240 EST: Warning! DSP 23 in slot 3 is running non-default firmware 4.4.30 000187: Jan 15 18:30:09.240 EST: This is not recommended. Default version is 23.8.1 AS5400XM(config-voicedsp)# AS5400XM(config-voicedsp)#firmware ? location Firmware file location upgrade Firmware upgrade configuration AS5400XM(config-voicedsp)#firmware upgrade ? busyout Start firmware upgrade immediately reboot Delay firmware upgrade until reboot AS5400XM(config-voicedsp)#firmware upgrade reboot ? <cr> AS5400XM(config-voicedsp)#firmware upgrade reboot AS5400XM(config-voicedsp)# AS5400XM(config-voicedsp)#do show running-config | section voice dsp 3 voice dsp 3/01 3/24 firmware location flash:dsp_c5510_flex.rbf firmware upgrade reboot AS5400XM(config-voicedsp)#
注意:この例では、firmware locationコマンドが設定されるとすぐにDSPwareが更新されます。デフォルトのアップグレードオプションは、新しいDSPwareをダウンロードし、すぐにアクティブにすることです。アクティブな音声コールがすべてクリアされるまで待ってから VGW の DSP をリセットする場合は、まず firmware upgrade reboot コマンドを入力します。
前述のとおり、IOS バージョンをデフォルト以外の DSPware とともに使用する際には、注意が必要です。呼び出されている IOS 音声機能が DSPware でサポートされていない場合、予期せぬさまざまな接続失敗が発生し、トラブルシューティングの過程で根本原因の識別に非常に時間がかかる場合があります。ユーザはデフォルト以外の DSPware が使用されている場合にはそれを認識しておいて、このために突然発生するわずらわしい時間をトラブルシューティングに費やすことがないようにする必要があります。ユーザは、デフォルト以外の DSPware がインストールされていることを検査によって確認し、「問題の説明」セクションの「予測されるインタラクションの表」に基づいて、DSPware の選択がパフォーマンスの問題につながるかどうかを知識と経験で評価できます。
デフォルト以外のDSPware状態の識別は、最初はflash:およびslot0:と、使用中のDSPWAREのバージョンを確認するshow voice dspコマンドの出力を参照してください。その後、デフォルト以外の DSPware が検出された場合にユーザに自動的に通知される IOS の拡張機能が実装されました。使用可能な検出のメカニズムを次に示します。
IOS の機能拡張 | IOS バージョン | 検出メカニズム |
---|---|---|
DSP 置き換え機能の導入 | IOS 12.3(11)T 以降 | flash:slot0:およびshow voice dspコマンドの出力を確認します。 |
CSCse92174(登録ユーザ専用):デフォルト以外のDSPファームウェアが使用されている場合は、IOSで警告メッセージが表示されるはずです | 12.4MトレインのIOS 12.4(12)以降、12.4TトレインのIOS 12.4(15)T以降 | VGW のブート時にコンソールに表示されるデフォルト以外の DSPware の警告メッセージと、show voice dsp コマンドの出力内の警告メッセージ。 |
CSCsu21777(登録ユーザ専用)非デフォルトのDSPware警告メッセージがrunning-configに出力される必要があります | IOS 12.4T トレインの 12.4(15)T8、12.4(20)T2、12.4(22)T1、および 12.4(24)T 以降 | VGW のブート時にコンソールに表示されるデフォルト以外の DSPware の警告メッセージ、show voice dsp コマンドの出力内の警告メッセージに加え、show running-config の出力のうち該当する voice-card N コマンドによる警告メッセージ。 |
CSCse92174(登録ユーザ専用)の拡張機能による show voice dsp コマンドの出力例は、「デフォルトの DSPware の置き換え」セクションにあり、そこにはデフォルトの DSPware が 9.4.7 であることを示す警告メッセージが含まれています。CSCsu21777 (登録ユーザ専用)の拡張機能が以前の拡張機能の上に構築されており、show running-config コマンドの各 voice-card N コマンド(N は音声 DSP がインストールされているシャーシのスロット番号)でもこの警告メッセージがレポートされます。一部のツールについて、ゲスト登録のお客様はアクセスできない場合があることをあらかじめご了承ください。show running-config および show voice dsp コマンド出力に警告が表示される背景には、ユーザにメッセージを知らせる機会をできるだけ多く提供するという論理があります。例として、Cisco 3845 VGW の show running-config を確認すると、次のように表示されます。
Cisco3845#show running-config | begin voice-card voice-card 0 ! Warning! DSPs 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16 in slot 0 are using non-default firmware from device flash: ! This is not recommended, the IOS default version is 9.4.7 no dspfarm ! voice-card 4 ! Warning! DSPs 1 in slot 4 are using non-default firmware from device flash: ! This is not recommended, the IOS default version is 9.4.7 no dspfarm !
デフォルト以外の DSPware がインストールされていることが確認されたら、「問題の説明」セクションの「予測されるインタラクションの表」に基づいて、選択されている DSPware がパフォーマンスの問題につながるかどうかを知識と経験に基づいて評価します。その場合は、DSPwareバイナリをflash:から削除するか選択します。またはslot0:を使用するか、ファイルシステムがこの機能をサポートしている場合は単にファイル名を変更します。
Cisco3845#show flash: -#- --length-- -----date/time------ path 1 40551024 Jan 13 2009 10:14:02 -05:00 c3845-ipvoice_ivs-mz.124-15.T8 2 617212 Jan 13 2009 10:39:52 -05:00 dsp_c5510_flex.rbf 3 617212 Jan 13 2009 10:40:02 -05:00 guido.dsp 4 617212 Jan 13 2009 10:40:10 -05:00 hdv2.dsp 21463040 bytes available (42409984 bytes used) Cisco3845#rename flash:dsp_c5510_flex.rbf flash:dsp_c5510_flex.rbf-backup Destination filename [dsp_c5510_flex.rbf-backup]? Cisco3845#rename flash:guido.dsp flash:guido.dsp-backup Destination filename [guido.dsp-backup]? Cisco3845#rename flash:hdv2.dsp flash:hdv2.dsp-backup Destination filename [hdv2.dsp-backup]? Cisco3845# Cisco3845#show flash: -#- --length-- -----date/time------ path 1 40551024 Jan 13 2009 10:14:02 -05:00 c3845-ipvoice_ivs-mz.124-15.T8 2 617212 Jan 13 2009 16:33:30 -05:00 dsp_c5510_flex.rbf-backup 3 617212 Jan 13 2009 16:33:46 -05:00 guido.dsp-backup 4 617212 Jan 13 2009 16:34:02 -05:00 hdv2.dsp-backup 21463040 bytes available (42409984 bytes used) Cisco3845#
この時点で VGW がリロードされる場合、C5510 DSP は、IOS にバンドルされているデフォルトの 9.4.7 DSPware を使用します。
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