概要
このドキュメントでは、H.323 ネットワークから SS7 ネットワークにコールを発信する場合に、Calling Line Identification Restriction(CLIR)サポートに Calling Line Identification Presentation(CLIP)を設定する方法について説明します。これは、コール制御 PGW 2200 ソフトスイッチのバージョン 9.4(1)以降、および Cisco HSI ソリューションに適用されます。
CLIP は発信者番号(発信者 ID)を表示できるようにする、着信側に提供されるサービスです。 ユーザの提供する発信者番号は、発信者から着信側に転送される必要があります。
CLIR は発信者番号を着信側に表示するかどうかを発信側が指定できるようにする、発信側に提供されるサービスです。これは、発信者番号の表示インジケータを許可または制限に設定します。規則によって、発信側が要求した場合は着信側に送信する前に発信者番号をネットワーク管理者が削除する必要があります。
前提条件
要件
このドキュメントの読者は、Cisco Media Gateway Controller ソフトウェア リリース 9 のドキュメントについて理解している必要があります。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
SS7 IAM メッセージでの表示ビット設定の解決
局所交換機能は、提供された発信者 ID(存在する場合)に関するいくつかの基本的な決定が下された後、SS7 ネットワークで SS7 IAM メッセージを確立します。CLI が提供されていない場合、またはネットワーク CLI が必要な場合、Cisco PGW 2200 はトランク グループ単位で発信コールに CLI を提供できなくてはなりません。
コール制御モードで、次のセクションの変更を加えます。
Cisco HSI の場合
この機能は、CLI 表示およびスクリーニング インジケータが ISDN ユーザ パート(ISUP)IAM メッセージから H.323 セットアップ メッセージの Q.931 部分に渡される、およびその逆を可能にします。この機能を Cisco HSI で設定するには、次のコマンドを発行します。
gw mml> prov-sta::srcver="active",dstver="presentation"
gw mml> prov-add:name=SYS_CONFIG_STATIC,ClipClirSupported=enabled
gw mml> prov-add:name=CCPackage,A_CC_AnumDataSI=1
gw mml> prov-add:name=CCPackage,A_CC_Clir=1
gw mml> prov-cpy
Cisco HSI を再起動します。起動時またはスイッチオーバー時に読み込む必要がある、いくつかの静的変数があるため、HSI を再起動する必要があります。
注:機能をオンに切り替えるには、要素が存在し、任意の(文字列)値が与えられている必要があります。機能をオフにするには、要素が値なし("")で設定されている必要があります。 または、設定から要素を削除することもできます。
-
オン
prov-add/ed:name=SYS_CONFIG_STATIC, ClipClirSupported=enabled
-
オフ
prov-ed:name=SYS_CONFIG_STATIC, ClipClirSupported=""
または
prov-dlt:name=SYS_CONFIG_STATIC, ClipClirSupported
詳細については、『テクニカル サポート サービス リクエストのための HSI データ収集』を参照してください。
Cisco PGW 2200 の場合
SS7 IAM メッセージで表示制限ビットが設定されたままである場合は、Cisco PGW 2200 のルーティング計画の情報も確認してください。ルーティング テーブルにコマンドを追加する必要がある場合は、dw 情報を確認します。これが 1 に設定されていると、常に制限された状態で発信されます。
numan-add:resulttable:custgrpid="dp01",name="PresEnabled",
resulttype="CG_PRES_IND",dw1="1",setname="cisco1"
注: dw値の意味は次のとおりです。
トランク グループ プロパティの場合
また、Cisco PGW 2200 トランク グループごとの次の設定も確認します。時分割多重(TDM)、拡張 ISDN ユーザ パート(EISUP)、およびセッション開始プロトコル(SIP)。
出力(これらは、Cisco PGW 2200 から前後の両方向に出ていくメッセージに適用されます):
注:メディアゲートウェイコントローラのコンポーネントとプロパティの表A-62ソフトウェアリリース9.xのプロパティを参照してください。
バリアントが着信側のInternational Telecommunication Union(ITU) Q767_Baseで、SS7 IAMメッセージがアドレス(NOA)の性質を持つ場合(使用されない場合)、A_numberが欠落します。ITU Q767_Base は、C.3.7(着信側番号)と C.3.8(発信者番号)のみをサポートします。
C.3.7 Called party number:
b) Nature of address indicator
0000000 spare
0000001 , not used
0000010 , not used
0000011 national (significant) number
0000100 international number
C.3.8 Calling party number
b) Nature of address indicator
0000000 spare
0000001 , not used
0000010 , not used
0000011 , not used
0000100 international number
ここでは、0000011 が発信者番号でサポートされていないことを確認できます。
Cisco PGW 2200 Message Definition Language(MDL)トレースを実行すると、エラーとして「validation failed for RANGE or MAP」が表示されます。
!--- Information from the MDL trace. !--- Output suppressed.
reading element Q767CallingPartyNumber
reading field RAW
56 bits read
ok
reading field DATA
reading field oddEven
'1'B
ok
reading field cgpnoa
reading field ok
'0000 011'B
validation failed for RANGE or MAP
not found
reading field err
'0000 011'B
ok
関連情報