概要
このドキュメントでは、さまざまな仮想ストレージ エリア ネットワーク(VSAN)および Multilayer Data Switch(MDS)トポロジを使用したいくつかの VSAN 間ルーティング(IVR)設定シナリオについて説明します。
IVR 設定
IVRv1 の設定手順: (廃止)
IVR 1(非 NAT)は Nexus Operating System(NX-OS)リリース 5.2(1) 以降で廃止されました
Cisco NX-OS リリース 5.2(x) では IVR 非 NAT モードがサポートされません。
IVR 非 NAT モードが設定されている場合は、「NX-OS リリース 5.2(1) 固有のアップグレード ガイドライン」セクションで、
IVR NAT モードへの移行方法について参照してください
- ファイバ チャネル(FC)ドメイン ID が一意であることを確認します
- IVR を有効にします
- IVR 用の Cisco Fabric Services(CFS)をオンにします
- IVR VSAN トポロジを作成します
- IVR VSAN トポロジをアクティブにします
- IVR ゾーンを作成します
- IVR のゾーンセットを作成します
- IVR ゾーンセットをアクティブにします
- IVR 設定をコミットします
IVRv2 の設定手順: (推奨)
- IVR を有効にします
- IVR NAT を有効にします
- IVR 用の CFS をオンにします
- IVR VSAN トポロジを作成します
- IVR VSAN トポロジをアクティブにします
- IVR ゾーンを作成します
- IVR ゾーンセットを作成します
- IVR ゾーンセットをアクティブにします
- IVR 設定をコミットします
ユーザ設定トポロジで IVR2 を使用することを推奨します
設定例のシナリオ 2:
ホスト 1 wwpn: 21:00:00:e0:8b:1f:fe:d9 vsan 10
ストレージ 1 wwpn: 21:00:00:04:cf:8c:53:13 vsan 20
MDS 1 スイッチ wwpn: 20:00:00:0d:ec:01:ca:40 vsan 10, 500
MDS 2 スイッチ wwpn: 20:00:00:0d:ec:07:ae:c0 vsan 20, 500
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 – VSAN 20,500
MDS1(config)# ivr enable
MDS1(config)# ivr nat
MDS1(config)# ivr distribute
MDS2(config)# ivr enable
MDS2(config)# ivr nat
MDS2(config)# ivr distribute
MDS1(config)# ivr vsan-topology database
MDS1(config-ivr-topology-db)# autonomous-fabric-id switch-wwn 20:00:00:0d:ec:01:ca:40 vsan-range 10,500
MDS1(config-ivr-topology-db)# autonomous-fabric-id switch-wwn 20:00:00:0d:ec:07:ae:c0 vsan-range 20,500
MDS1(config)# ivr vsan-topology activate
MDS1(config)# ivr commit
MDS1(config)# ivr zone name ivr_zone1
MDS1(config-ivr-zone)# member pwwn 21:00:00:e0:8b:1f:fe:d9 vsan 10
MDS1(config-ivr-zone)# member pwwn 21:00:00:04:cf:8c:53:13 vsan 20
MDS1(config)# ivr zoneset name IVR_ZONESET1
MDS1(config-ivr-zoneset)# member ivr_zone1
MDS1(config)# ivr zoneset activate name IVR_ZONESET1
MDS1(config)# ivr commit
MDS1# show ivr vsan-topology active
AFID SWITCH WWN Active cfs. VSAN Switch-Name
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
1 20:00:00:0d:ec:01:ca:40* yes yes 10,500
1 20:00:00:0d:ec:07:ae:c0 yes yes 20,500
MDs1# show ivr zoneset active
Zoneset name IVR_ZONESET1
Zone name ivr_zone1
*pwwn 21:00:00:e0:8b:1f:fe:d9 vsan 10 autonomous-fabric-id 1
*pwwn 21:00:00:04:cf:8c:53:13 vsan 20 autonomous-fabric-id 1
MDS1# show zoneset active vsan 10
Zoneset name nozoneset vsan 10
Zone name IVRZ_ivr_zone1 vsan 10
*fcid 0x0b0000 [pwwn 21:00:00:e0:8b:1f:fe:d9]
*fcid 0x1600ab [pwwn 21:00:00:04:cf:8c:53:13]
IVR シナリオ 1
MDS1 上に VSAN 10 および VSAN 20 があります。 VSAN 10 内のホストが VSAN 20 内のストレージを使用しようとします。 MDS 1 は境界スイッチです。
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1 MDS1 VSAN 10,20
IVR シナリオ 2
VSAN 10 内のホストが VSAN 20 内のストレージを使用しようとします。
MDS スイッチ間で中継 VSAN 500 が使用されます。
MDS 1 および MDS 2 は境界スイッチです
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 – VSAN 20,500
IVR シナリオ 3
VSAN 10 内のホスト 1 とホスト 2 が VSAN 20 内のストレージ 1 を使用しようとします。
両方のスイッチで両方の VSAN が設定されています
MDS1 は IVR を実行していません
MDS1 はエッジ スイッチです
MDS2 は境界スイッチです
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS2 - VSAN 10,20
IVR シナリオ 4
VSAN 10 内のホスト 1 とホスト 2 が VSAN 20 内のストレージ 1 を使用しようとします。
ホスト 1 は VSAN 10 Inter-Switch Link(ISL)を使って MDS 2 に渡った後、中継 VSAN 500 を使って VSAN 10 から VSAN 20 に進みます
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 - VSAN 10, 20, 500
IVR シナリオ 5
VSAN 10 内のホスト 1 が VSAN 20 内のストレージ 1 を使用しようとします。
パスに含まれる 2 つの中継 VSAN 500 および 600
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 - VSAN 500, 600
AFID1: MDS3 - VSAN 20, 600
IVR シナリオ 6
VSAN 10 内のホスト 1 が、VSAN 20 内のストレージ 1 を使用しようとします。
2 つの並列パスを含む中継 VSAN 500 が使用されます
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 - VSAN 500, 600
IVR シナリオ 7
VSAN 10 内のホスト 1 が、VSAN 20 内のストレージ 1 を使用しようとします。
2 つの並列中継 VSAN 500 および VSAN 600。 Fabric Shortest Path First(FSPF)のコストは同じです
1 つの中継 VSAN のみを使用でき、ロード バランシングはありません。
IVR1: FSPF コストに関係なく、最初の使用可能な中継 VSAN が選択されます。 選択された中継 VSAN ISL がダウンした場合、IVR はもう一つの中継 VSAN に自動的にフェールオーバーします。 中継 VSAN 間のロード バランシングはありません。
IVR2: 最初の中継 VSAN 500 が永続的に選択されます。 VSAN 500 ISL がダウンした場合、IVR パスがダウンします。 IVR はもう一つの VSAN 600 を使用したり、それにフェールオーバーしたりしようと試みません。 中継 VSAN 間のロード バランシングはありません。
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10, 500, 600
AFID1: MDS2 - VSAN 20, 500, 600
IVR バージョン 1
- すべての VSAN ですべての FC ドメインが一意である必要があります。
- ホスト 1 とストレージ 1 の間の FC フレーム交換の送信元および宛先 FCIS は変更されません。
- EISL フレーム ヘッダーで VSAN のみが書き換えられます。
- コマンド: ivr internal vsan-rewrite-list vsan XX
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 - VSAN 20, 500
IVR バージョン 2
- IVR が有効になった各スイッチで ivr nat コマンドを使用して IVR NAT を明示的に有効にする必要があります
- IVR NAT ではドメイン ID の重複が可能です
- IVR NAT では VSAN ID の重複が可能です
- FC NAT は FC フレーム内の S_ID と D_ID を常に書き換えます
- リモート VSAN のドメインは仮想 FCID を使用してローカル VSAN で表されます
- コマンド: ivr internal vsan-rewrite-list vsan XX
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10,500
AFID1: MDS2 - VSAN 20, 500
重複する VSAN
- SAN-OS 2.1(1a) の後に複数の AFID を使用できます
- 複数の AFID では VSAN ID の重複が可能です
- 可能な AFID の範囲は 1~64 です
- AFID/VSAN ペアによって、それぞれの一意の VSAN が定義されます
- 下記の例の VSAN 10 は、MDS 1 と MDS 2 の間でトランクされません
IVR VSAN トポロジ データベース:
AFID1: MDS1 - VSAN 10
AFID2: MDS1 - VSAN 500
AFID2: MDS2 - VSAN 500
AFID3: MDS2 - VSAN 10