はじめに
このドキュメントでは、電子メール セキュリティ アプライアンス(ESA)C370、C670 および X1070 にメモリ キットを設置する方法について説明します。
事象の説明
メモリが 8 GB 未満の C360s、C370、C660s、C670s、X1060s、X1070s では、AsyncOS 8.5.x へのアップグレード後に、特定の設定とトラフィックで、メモリの過剰な使用やスワッピングにより処理が遅くなる場合があります。
背景
C360、C660、および X1060 と C370、C670、および X1070 アプライアンスは最初に 4 GB の RAM を搭載して出荷され、設定やトラフィックによっては、AsyncOS 8.5.x にアップグレードした後にメモリの過剰な使用やスワッピングにより(オペレーティング システム(OS)が一時メモリとしてハードディスクを使用するとき)、処理が遅くなる(遅延を示す)場合があります。
問題の症状
トラフィックのタイプによって、特に電子メールのトラフィックがスパイクすると、影響を受ける電子メール セキュリティ アプライアンス(ESA)モデルが大幅に遅れることがあります。この遅延は、クラスタリングおよびセキュリティ マネジメント アプライアンス(SMA)の接続など、数多くの機能が有効になっている ESA で特によく見られ、システム全体の遅れに寄与する可能性があります。
以前のソフトウェア バージョンでは、過剰なメモリのスワッピングによる段階的な低速化が発生していました。現在の AsyncOS は、軽度から中程度のスワッピング状況には遅れに気が付かれないように対処しますが、スワッピングが重度の場合には、システムが停止状態に移行する結果になります。ESA のプラットフォームでは、この停止状態の期間が最大で 5 分であることが確認されました。
この問題により、システム全体と作業キューのバックアップの処理速度が低下します。全体として、システムの停止が発生します。
暫定的な回避策と解決策
X60 ハードウェアのアップグレード プロモーション
現在 C360、C660、および X1060 アプライアンスを使用していて、64 ビット OS ソフトウェア イメージ(8.0.x 以降)を実行しようとした場合、特定の設定やトラフィックの負荷時にパフォーマンス遅延が発生する可能性があります。その原因は、このハードウェアが 2012 年にリリースされてからアプライアンスに加えられたハードウェア構成のアップグレードにあります。ハードウェアのアップグレード プロモーションは、最新のハードウェアにアップグレードするために x60 の顧客向けに期間限定で提供されます。プログラムの詳細については、x60_HW_Upgrade_questions@cisco.com までお問い合せください。
RAM が 4 GB の x70 ユーザのためのメモリ アップグレード キット
2012 年 12 月より前に製造された C370、C670 および x1070 アプライアンスには、4 GB の RAM が設定されていました。これらのアプライアンスを使用していて、64 ビット OS ソフトウェア イメージ(8.0.x 以降)を実行しようとした場合、特定の設定やトラフィックの負荷時にパフォーマンス遅延が発生する可能性があります。これらのアプライアンス向けに、メモリを 8 GB RAM に増やすための現場でアップグレード可能なメモリ キットを用意しました。アカウント チームが、該当するハードウェアをお持ちの顧客に連絡し、このメモリ キットを無料で提供します。このアップグレードに関する質問については、x70_mem_upgrade@cisco.com までお問い合せください。
ハードウェア レベルの識別方法
アプライアンスのメモリの容量を確認するには、次の手順を実行してください。
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CLI にアクセスします。
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ipcheck コマンドを入力します。
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出力で「RAM Total」を探します。
RAM Total 4G
新しいメモリ キットの設置方法
次のシスコ サポート コミュニティ(CSC)へのリンクを参照してください。CSC のドキュメントに、説明が書かれた添付ファイルが含まれます。
関連情報