この文書では、インターフェイス設定コマンドの ip rip triggered を使用した設定例について説明します。
Routing Information Protocol(RIP; ルーティング情報プロトコル)に対してトリガされる拡張機能により、ポイントツーポイントのシリアル リンクでの効率が向上します。この機能は、Cisco IOS®ソフトウェアリリース12.0(1)T以降を実行するすべてのプラットフォームでサポートされています。トリガされる拡張機能により、RIP を使用して WAN に接続する際の一般的な 2 つの問題を回避できます。
RIP から送られる定期的なブロードキャスティングにより、WAN 回線を閉じることができなくなる場合がある。
固定されているポイントツーポイントのリンクでも、定期的な RIP の送信の負荷により、通常のデータ転送が著しく阻害される。
この機能を有効にするには、リンクの両側でインターフェイス設定コマンドの ip rip triggered を使用します。設定例については、次の図の例を参照してください。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは次の図に示すネットワーク構成を使用しています。
このドキュメントでは、次に示す設定を使用しています。
S3-3640 |
---|
interface Serial1/0 ip address 172.16.1.1 255.255.255.0 ip rip triggered ! router rip network 172.16.0.0 |
S3-3620 |
---|
interface Loopback8 ip address 172.19.1.1 255.255.255.0 ! interface Ethernet0/3 ip address 172.18.1.1 255.255.255.0 ! interface Serial1/0 ip address 172.16.1.2 255.255.255.0 ip rip triggered ! router rip network 172.16.0.0 network 172.18.0.0 network 172.19.0.0 |
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
ip rip triggered で設定されたインターフェイスから学習したルートは、RIP データベースおよびルーティング テーブルで永続的なエントリとして表示されます。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
show ip route:ルーティング テーブルの現在のステートを表示します。
show ip rip database:サマリー アドレスに基づいて関連ルートが集約されている場合に、RIP ルーティング データベース エントリにサマリー アドレス エントリを表示します。
S3-3640#show ip route C 172.16.1.0/24 is directly connected, Serial1/0 R 172.19.0.0/16 [120/1] via 172.16.1.2, Serial1/0 R 172.18.0.0/16 [120/1] via 172.16.1.2, Serial1/0 S3-3640#show ip rip database 172.18.0.0/16 auto-summary 172.18.0.0/16 [1] via 172.16.1.2, 00:02:44 (permanent), Serial1/0 * Triggered Routes: - [1] via 172.16.1.2, Serial1/0 172.19.0.0/16 auto-summary 172.19.0.0/16 [1] via 172.16.1.2, 00:02:45 (permanent),Serial1/0 * Triggered Routes: - [1] via 172.16.1.2, Serial1/0
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
注:debug コマンドを使用する前に、「debug コマンドに関する重要な情報」を参照してください。
debug ip rip events:RIP ルーティング トランザクションに関する情報を表示します。
S3-3640#debug ip rip events RIP: received v1 triggered request from 172.16.1.2 on Serial1/0 RIP: start retransmit timer of 172.16.1.2 RIP: received v1 triggered ack from 172.16.1.2 on Serial1/0 RIP: Stopped retrans timer for 172.16.1.2 RIP: sending v1 ack to 172.16.1.2 via Serial1/0 (172.16.1.1),
トリガされる拡張機能を RIP に対して有効にする場合、WAN 上でのルーティング更新は次のイベントのいずれかが発生した場合にのみ送信されます。
ルータがルーティング更新に関する特別な要求を受信し、これによってデータベース全体が送信される場合。
他のインターフェイスからの情報によってルーティング データベースが書き換えられ、これによって最新の変更が送信される場合。
インターフェイスがアップ状態またはダウン状態になり、データベースの一部が送信される場合。
少なくとも 1 つの更新が送信できることを確認するためにルータの電源が初めてオンにされ、その結果データベース全体が送信される場合。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
28-Jan-2008 |
初版 |