ネットワーク番号が同じ複数のサブネットに対して異なるサブネット マスクを指定することを、Variable-Length Subnet Mask(VLSM; 可変長サブネット マスク)と呼びます。RIP と IGRP はクラスフルなプロトコルであり、更新情報ではサブネット マスクの情報を搬送できません。RIP または IGRP が更新情報を送信する前には、アドバタイズしようとしているネットワークのサブネット マスクに対して確認を行います。VLSM の場合はそのサブネットがドロップされます。
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このセクションでは例を紹介しています。次の図では、ルータ 1 には、異なる 2 つのマスク(/24 と /30)が設定された 3 つのサブネットがあります。
ルータ 1 では、更新情報をルート 2 に送信する前に、次の手順が実行されます。これらの手順の詳細については、「アップデート送受信時の RIP および IGRP の動作」を参照してください。
ルータ 1 は、131.108.5.0/24 が 131.108.6.0/30 と同一のメジャー ネットにあるかどうかを確認します。131.108.6.0/30 は、この更新情報を発信するインターフェイスに割り当てられているネットワークです。
この条件が満たされていたため、次にルータ 1 は 131.108.5.0 が 131.108.6.0/30 とサブネット マスクが同じであるかどうかを確認します。
マスクが同じではないため、ルータ 1 はこのネットワークをドロップし、この経路をアドバタイズしません。
次にルータ 1 では、131.108.7.0/30 が 131.108.6.0/30 と同一のメジャー ネットの一部であるかどうかを確認します。131.108.6.0/30 は、この更新情報を発信するインターフェイスに割り当てられているネットワークです。
この条件が満たされていたため、次にルータ 1 では 131.108.7.0/30 が 131.108.6.0/30 とサブネット マスクが同じであるかどうかを確認します。
サブネット マスクが同じであるため、ルータ 1 はこのネットワークをアドバタイズします。
これらのチェックにより、ルータ1はルータ2に送信されるアップデートに131.108.7.0のみを含んでいることが確認されました。debug ip ripコマンドを発行すると、ルータ1によって送信されたアップデートを実際に確認できます。次に例を示します。
RIP: sending v1 update to 255.255.255.255 via Serial0 (131.108.6.2) subnet 131.108.7.0, metric 1
上記の出力では、更新情報にサブネットが 1 つしか含まれていないことに注目してください。この結果、ルータ 2 のルーティング テーブルは次のようなエントリを持つことになります。これは、show ip route コマンドによる出力です。
131.108.0.0/30 is subnetted, 3 subnets R 131.108.7.0 [120/1] via 131.108.6.2, 00:00:08, Serial0 C 131.108.6.0 is directly connected, Serial0 C 131.108.2.0 is directly connected, Ethernet0
サブネットがルーティング更新から除外されないようにするには、RIP ネットワーク全体で同一のサブネット マスクを使用するか、サブネット マスクが異なるネットワークに対してはスタティック ルートを使用します。