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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Crosswork Network Services Orchestrator(NSO)CLIの複数の脆弱性により、認証された権限の低いローカルの攻撃者が、rootとして任意のファイルの読み取りと書き込みを行ったり、基盤となるオペレーティングシステムでroot権限に昇格したりする可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-nso-rwpesc-qrQGnh3f
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は、Cisco Crosswork NSO に影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
Cisco Crosswork NSO が各脆弱性から受ける影響の詳細については、後続の項を参照してください。
CVE-2024-20326
Cisco Crosswork NSO は、以下の条件が 1 つ以上当てはまる場合にのみ、CVE-2024-20326 で説明されている脆弱性の影響を受けます。
- 変更された ncs.ccl CLI 仕様ファイル(clispec)がデバイスで実行されている。
- インストールで提供される ncs.ccl clispec がデバイスで実行されていない。
- ユーザーは、基盤となるオペレーティングシステムで Cisco Crosswork NSO Network Simulator(Netsim)を実行できます。
注:ユーザーが Netsim ツールを実行できる場合、clispec ステータスに関係なく、デバイスは影響を受けます。
Netsim ツールの詳細については、Cisco Crosswork NSO のマニュアルの「Network Simulator」の項を参照してください。
ncs.ccl clispec がデバイスで実行されているかの確認
Cisco Crosswork NSO では、デフォルトの clispec(ncs.ccl)をカスタマイズできます。変更された ncs.ccl clispec がデバイスで実行されている場合、ncs.ccl clispec が削除されている場合、または ncs.ccl clispec がデバイスで設定されていない場合、そのデバイスは影響を受けます。
ncs.ccl clispec がデバイスで実行されているか確認するには、次の例に示されているように、describe ping コマンドを使用します。
admin@ncs> describe ping
Common
Source : clispec
File : /opt/ncs/ncs-6.2.4/etc/ncs/ncs.ccl
Callback [os command]
.
.
.
コマンドの結果として、clispec の Source 値、および <nso installation dir>/etc/ncs/ncs.ccl の File 値が返される場合、そのデバイスでは ncs.ccl clispec が実行されています。ncs.ccl clispec をチェックして、変更されているか確認する必要があります。
describe ping コマンドの出力で、前述の例とは異なる Source または File の値が生成される場合、そのデバイスは影響を受けているため、追加のチェックは不要です。次の例は、影響を受けるデバイスの出力を示しています。
admin@ncs> describe ping
Common
Source : built-in
Callback [os command]
.
.
.
ncs.ccl clispec が変更されているかの確認
管理者が ncs.ccl clispec を変更しているか確認するには、次の例に示されているように、ソースディレクトリから shasum -a 256 ncs.cli コマンドを使用して、ncs.cli clispec ソースファイルのハッシュを計算します。
<nso_installation_path>/src/ncs/cli/ shasum -a 256 ncs.cli
1bbcf2ec885311eed22a21644cbe02c211ee45e8a4ff2be56769324534a26f0d ncs.cli
返されたハッシュ値が前述の例と完全に一致する場合、ソースファイルは変更されていません。
CVE-2024-20389
Cisco Crosswork NSO のリリース 6.0.11 および 6.2.1 のみが、CVE-2024-20389 で説明されている脆弱性の影響を受けます。他のすべてのソフトウェアリリースは影響を受けません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2024-20326:Cisco Crosswork NSO における任意のファイルの読み取り/書き込みの脆弱性
Cisco Crosswork NSO CLI の脆弱性により、認証された権限の低いローカルの攻撃者が、基盤となるオペレーティングシステムでルートとして任意のファイルを読み取り/書き込みする可能性があります。
この脆弱性は、特定の CLI コマンド使用時の不適切な認証の適用に起因しています。攻撃者は、細工した引数を指定して特定の CLI コマンドを使用することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はルートレベルの権限を使用して、基盤となるオペレーティングシステムで任意のファイルを読み取り/書き込みできるようになります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwi31715
CVE ID:CVE-2024-20326
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:7.8
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
CVE-2024-20389:Cisco Crosswork NSO の特権昇格の脆弱性
Cisco Crosswork NSO CLI の脆弱性により、認証された権限の低いローカルの攻撃者が、基盤となるオペレーティングシステムでルートに権限を昇格する可能性があります。
本脆弱性は、特定の CLI コマンド使用時の間違った権限の割り当てに起因しています。攻撃者は、影響を受ける CLI コマンドを実行することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は基盤となるオペレーティングシステムでルートに権限を昇格する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwi84310
CVE ID:CVE-2024-20389
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:7.8
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左側の列にシスコソフトウェアのリリーストレインが記載されています。中央の列には、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けている、各トレインの最初のリリースが示されています。 右側の列には、各脆弱性の修正を含む最初のリリースが示されています。このセクションの表に記載されている適切な修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
CVE-2024-20326
Cisco Crosswork NSO のリリース | 最初に影響を受けるリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|---|
4.7 以前 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
5.1 | 5.1.7 | 修正済みリリースに移行。 |
5.2 | 5.2.7 | 修正済みリリースに移行。 |
5.3 | 5.3.5 | 修正済みリリースに移行。 |
5.4 | 5.4.5 | 修正済みリリースに移行。 |
5.5 | 5.5.3 | 5.5.10.1 |
5.6 | 5.6 | 5.6.14.3 |
5.7 | 5.7 | 5.7.15 |
5.8 | 5.8 | 5.8.13.1 |
6.0 | 6.0 | 6.0.12 |
6.1 | 6.1 | 6.1.7 |
6.2 | 6.2 | 6.2.2 |
6.3 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
CVE-2024-20389
Cisco Crosswork NSO のリリース | 最初に影響を受けるリリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|---|
7.8 以前 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
6.0 | 6.0.11 | 6.0.12 |
6.1 | N/A | 脆弱性なし |
6.2 | 6.2.1 | 6.2.2 |
6.3 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2024-20326:シスコは、この脆弱性を報告していただいた Elias Ikkelä-Koski 氏に感謝いたします。
CVE-2024-20389:この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024 年 5 月 15 日 |
利用規約
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