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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Network Convergence System(NCS)プラットフォーム用の Cisco IOS XR ソフトウェアによる特定のイーサネットフレームの処理に脆弱性があり、認証されていない隣接する攻撃者が、最優先のパケットをドロップし、サービス拒否(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、インターフェイスで受信した特定のタイプのイーサネットフレームの分類が正しくないことに起因します。攻撃者は、影響を受けるデバイスに、または影響を受けるデバイスを介して特定のタイプのイーサネットフレームを送信することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者がコントロール プレーン プロトコル関係の失敗を引き起こし、その結果として DoS 状態が発生する可能性があります。詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」のセクションを参照してください。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-l2services-2mvHdNuC
このアドバイザリは、Cisco IOS XR ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル公開の 2024 年 9 月のリリースの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、Cisco Event Response: September 2024 Semiannual Cisco IOS XR Software Security Advisory Bundled Publication を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、以下の Cisco NCS デバイスが Cisco IOS XR ソフトウェアの脆弱性なリリースを実行しており、レイヤ 2 イーサネットサービスが設定されている場合に、同デバイスに影響を与えます。
- NCS 55A1 固定シャーシ
- NCS 55A2 固定シャーシ
- NCS 540 シリーズ ルータ(N540-24Q8L2DD-SYS を除く)
- NCS 560 シリーズ ルータ
- NCS 5500 シリーズ モジュラ型シャーシ1
- NCS 5501 固定シャーシ
- NCS 5502 固定シャーシ
1. NCS57 で始まるものを除くすべての製品 ID がこの脆弱性の影響を受けます。詳細については、『Cisco Network Convergence System 5500 シリーズ モジュラ型シャーシ』データシートを参照してください。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイスにレイヤ 2 イーサネットサービスが設定されているかどうかの確認
デバイスでレイヤ 2 サービスが設定されているかどうかを確認するには、show running-config | include l2transport コマンドを使用します。次の例に示すように、出力が返される場合、デバイスは影響を受けます。
RP/0/RP0/CPU0:NCS5501#show running-config | include l2transport
Tue Jan 16 01:14:07.977 UTC
Building configuration...
interface GigabitEthernet0/0/0/1.200 l2transport
RP/0/RP0/CPU0:NCS5501#
出力を返さない場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- このアドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションにリストされていない IOS XR プラットフォーム
- NX-OS ソフトウェア
詳細
特定のフレームがレイヤ 2 インターフェイスで受信されると、トラフィッククラス 7 仮想出力キュー(TC7 VOQ)として誤って分類されます。これらのフレームの十分な数が持続的なレートで送信されると、VOQ は TC7 でパケットのドロップを開始します。影響を受けるポートは、レイヤ 2 トラフィックがデバイスから出力を受信するときに使用されるインターフェイスです。ほとんどの場合、これはサービスプロバイダーのコアインターフェイスです。
コントロール プレーン トラフィックもこのキュー内で処理されるため、この脆弱性によりキープアライブパケットや hello パケットがドロップされる可能性があります。その結果、OSPF、Intermediate System-to-Intermediate System(ISIS)、Bidirectional Forwarding Detection(BFD)、ボーダー ゲートウェイ プロトコル(BGP)、Label Distribution Protocol(LDP)などのプロトコルが DoS 状態になります。
VOQ の状態をモニターするには、show controllers npu stats voq ingress interface コマンドを使用します。次の例は、枯渇している TC_7 VOQ のコマンド出力を示しています。
RP/0/RP0/CPU0:NCS-5501#show controllers npu stats voq ingress interface tenGigE 0/0/0/2 instance 0 location 0/0/CPU0
Wed Mar 13 16:00:00.000 UTC
Interface Name = Te0/0/0/2
Interface Handle = 118
Location = 0/0/CPU0
Asic Instance = 0
VOQ Base = 1088
Port Speed(kbps) = 10000000
Local Port = local
ReceivedPkts ReceivedBytes DroppedPkts DroppedBytes
-------------------------------------------------------------------
Core-0:
TC_0 = 0 0 0 0
TC_1 = 47708616 37410160369 0 0
TC_2 = 0 0 0 0
TC_3 = 0 0 0 0
TC_4 = 0 0 0 0
TC_5 = 0 0 0 0
TC_6 = 0 0 0 0
TC_7 = 11033161168 1108832775990 6905125762 791656829609
Core-1:
TC_0 = 0 0 0 0
TC_1 = 0 0 0 0
TC_2 = 0 0 0 0
RP/0/RP0/CPU0:NCS-5501#
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェア リリースまたはトレインを記載しています。右側の列は、リリース(トレイン)がこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
7.6 以前 | 影響なし。 |
7.7 | 修正済みリリースに移行。 |
7.8 | 修正済みリリースに移行。 |
7.9 | 修正済みリリースに移行。 |
7.10 | 7.10.2 |
7.11 | 7.11.1 |
24.1 | 24.1.1 |
シスコはこの脆弱性に対処する次の SMU もリリースしています。次の表に記載されていないリリース向けの SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
7.8.2 | NCS540 | ncs540-7.8.2.CSCwh30122 |
7.9.2 | IOSXRWBD NCS5500 |
iosxrwbd-7.9.2.CSCwh30122 ncs5500-7.9.2.CSCwh30122 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024 年 9 月 11 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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