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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco ASR 9000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ用の Cisco IOS XR ソフトウェアの PPP over Ethernet(PPPoE)終了機能の脆弱性により、認証されていない隣接する攻撃者が ppp_ma プロセスをクラッシュし、サービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、Lightspeed ベースまたは Lightspeed-Plus ベースのラインカードで PPPoE 終了を備えたブロードバンド ネットワーク ゲートウェイ(BNG)機能を実行しているルータで受信した、不正な形式の PPPoE パケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、細工された PPPoE パケットを PPPoE を終了しない該当のラインカードインターフェイスに送信することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者が ppp_ma プロセスのクラッシュを引き起こし、ルータ全体の PPPoE トラフィックのサービス妨害(DoS)状態を発生させる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-iosxr-pppma-JKWFgneW
このアドバイザリは、2024 年 3 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、Cisco Event Response: March 2024 Semiannual Cisco IOS XR Software Security Advisory Bundled Publication を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、脆弱な Cisco IOS XR ソフトウェアを実行しており、以下の特徴をすべて備えた Cisco ASR 9000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータに影響を与えます。
- Lightspeed ベースまたは Lightspeed-Plus ベースのラインカードが取り付けられている
- PPPoE 終了が有効になっている BNG 機能がある
- 影響を受けるラインカードで PPPoE が有効になっているインターフェイスまたはサブインターフェイスが少なくとも 1 つある
- 影響を受けるラインカードで PPPoE が有効になっていないインターフェイスまたはサブインターフェイスが少なくとも 1 つある
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
取り付けられているラインカードを確認する
デバイスに取り付けられているラインカードを確認するには、「show platform」CLI コマンドを使用します。
以下の例は、2 枚の Lightspeed A99-32X100GE-X-SE ライン カードと 1 枚の Lightspeed-Plus A99-4HG-FLEX-TR ラインカードを取り付けたデバイスの出力を示しています。
RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9906-D#show platform
Thu Feb 1 20:18:56.754 UTC
Node Type State Config state
--------------------------------------------------------------------------------
0/RSP0/CPU0 A9K-RSP5-SE(Standby) IOS XR RUN NSHUT
0/RSP1/CPU0 A9K-RSP5-SE(Active) IOS XR RUN NSHUT
0/FT0 ASR-9906-FAN OPERATIONAL NSHUT
0/FT1 ASR-9906-FAN OPERATIONAL NSHUT
0/0/CPU0 A99-32X100GE-X-SE IOS XR RUN NSHUT
0/1/CPU0 A99-32X100GE-X-SE IOS XR RUN NSHUT
0/2/CPU0 A9K-48X10GE-1G-SE IOS XR RUN NSHUT
0/3/CPU0 A99-4HG-FLEX-TR IOS XR RUN NSHUT
0/FC0 A99-SFC3-T OPERATIONAL NSHUT
0/FC1 A99-SFC3-T OPERATIONAL NSHUT
0/FC2 A99-SFC3-T OPERATIONAL NSHUT
0/FC4 A99-SFC3-T OPERATIONAL NSHUT
0/PT0 A9K-AC-PEM-V3 OPERATIONAL NSHUT
RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9906-D#
次のラインカードは Lightspeed ベースです。
- A9K-16X100GE-TR
- A99-16X100GE-X-SE
- A99-32X100GE-TR
次のラインカードは、Lightspeed Plus ベースです。
- A9K-4HG-FLEX-TR
- A9K-4HG-FLEX-SE
- A99-4HG-FLEX-TR
- A99-4HG-FLEX-SE
- A9K-8HG-FLEX-TR
- A9K-8HG-FLEX-SE
- A9K-20HG-FLEX-TR
- A9K-20HG-FLEX-SE
- A99-32X100GE-X-TR
- A99-32X100GE-X-SE
- A99-10X400GE-X-TR
- A99-10X400GE-X-SE
ラインカードタイプの識別の詳細については、「ASR 9000 シリーズのラインカードタイプを理解する」を参照してください。
注:Cisco Lightspeed および Lightspeed-Plus 製品 ID のリストは、公開時点で正確な内容です。PID に関して具体的な質問がある、またはさらに詳しく知りたい場合は、Cisco Technical Assistance Center(TAC)にお問い合わせください。
BNG PPPoE がグローバルに有効になっているかどうかを確認する
BNG PPPoE がグローバルに有効になっているかどうかを確認するには、show running-config pppoe bba-group コマンドを実行します。以下の例に示すように、pppoe bba-group がブロードバンド アグリゲーション(BBA)グループの下に存在する場合、BNG PPPoE は有効になっています。
RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9906-D#show running-config pppoe bba-group
Thu Feb 1 21:19:21.003 UTC
pppoe bba-group TS-PPPOE
service selection disable
sessions max limit 32000
!
RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9906-D#
インターフェイスで BNG PPPoE が有効になっているかどうかを確認する
インターフェイスで BNG PPPoE が有効になっているかどうかを確認するには、show running-config interface | utility egrep "interface|pppoe enable bba-group|bundle id" コマンドを使用します。pppoe enable bba-group がインターフェイスまたはサブインターフェイスで設定されている場合、BNG PPoE は有効になっています。
以下に、次の特徴を持つデバイスの出力例を示します。
- インターフェイス Bundle-Ether41.50 で PPPoE が有効になっている。
- インターフェイス TenGigE0/3/0/0 は、Bundle-Ether41 の一部として構成されている。
- インターフェイス TenGigE0/3/0/0 は、Lightspeed-Plus ベースのラインカード A99-4HG-FLEX-TR 上にあり、PPPoE が有効になっている。
RP/0/RSP1/CPU0:ASR-9906-D#show running-config interface | utility egrep "interface|pppoe enable bba-group|bundle id"
Thu Feb 1 22:12:42.769 UTC
interface Bundle-Ether20
interface Bundle-Ether20
interface Bundle-Ether41
interface Bundle-Ether41.50
pppoe enable bba-group TS-PPPOE
interface Bundle-Ether41.55
interface Loopback0
interface TenGigE0/3/0/0
bundle id 41 mode on
.
.
.
注:簡潔にするため、上記の出力では一部のインターフェイスが削除されています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェアリリースを記載しています。右側の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。このセクションの表に記載されている適切な修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
7.8 以前 | 修正済みリリースに移行。 |
7.9 | 7.9.21 |
7.10 | 7.10.1 |
7.11 | 7.11.1 |
シスコはこの脆弱性に対処する次の SMU もリリースしています。
注:次の表に記載されていないリリース向けの SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
7.5.2 | ASR9K-X64 | asr9k-x64-7.5.2.CSCwf75789 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2024 年 3 月 13 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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