Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco SD-WAN vManage ソフトウェアの REST API に対するリクエスト認証検証の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が読み取りアクセス許可または制限付き書き込み許可を取得し、Cisco SD-WAN vManage インスタンスの設定が影響を受ける可能性があります。
この脆弱性は、REST API 機能を使用する際のリクエスト検証が不十分であることに起因します。細工された API リクエストが vManage インスタンスに送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。攻撃者がエクスプロイトに成功した場合、影響を受ける Cisco vManage インスタンスの設定から情報を取得したり、情報を設定に送信したりすることができる可能性があります。この脆弱性は REST API にのみ影響し、Web ベースの管理インターフェイスや CLI には影響しません。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-vmanage-unauthapi-sphCLYPA
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco SD-WAN vManage ソフトウェアの脆弱性のあるリリースに影響します。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS XE
- IOS XE SD-WAN
- SD-WAN cEdge ルータ
- SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア
- SD-WAN vEdge クラウドルータ
- SD-WAN vEdge ルータ
- SD-WAN vSmart コントローラソフトウェア
詳細
Cisco SD-WAN vManage API は、オーバーレイネットワーク内のシスコデバイスを制御、設定、モニタリングするための REST API です。vManage API のユースケースには次の内容が含まれます。
- デバイスステータスのモニタリング
- デバイスへのテンプレートの添付など、デバイスの設定
- デバイス統計情報のクエリと集約
お客様はログファイルを調べることで、REST API へのアクセス試行を検出できる場合があります。REST API のログファイルは、vManage ファイルシステムのパス(/var/log/nms/vmanage-server.log)にあります。
管理者は、次の例のように CLI コマンド show log を使用して、vmanage-server.log ファイルの内容を表示できます。
vmanage# show log /var/log/nms/vmanage-server.log
ログに Request Stored in Map is (/dataservice/client/server) for user (admin) と表示されている場合、REST API はリクエストを受信しています。
30-Jun-2023 15:17:03,888 UTC INFO [ST3_vmanage1] [AppServerLoginModule] (default task-202) |default| Localization: Locale value after setting for non-SAML User upon login: null
30-Jun-2023 15:17:03,930 UTC INFO [ST3_vmanage1] [UserUtils] (default task-202) |default| Request Stored in Map is (/dataservice/client/server) for user (admin)
30-Jun-2023 15:17:03,933 UTC INFO [ST3_vmanage1] [UserUtils] (default task-202) |default| localUserFile : /etc/viptela/aaa_auth_grp/admin, radiusUserFile : /etc/viptela/aaa_auth_grp/admin.external
30-Jun-2023 15:17:03,933 UTC INFO [ST3_vmanage1] [UserUtils] (default task-202) |default| localUserFile exists : false, isFile : false
ただし、お客様はログの情報と vManage で設定されたユーザーアカウントに基づいて、ご自身で影響分析を実行する必要があります。前述のログ出力は、参考のための一例です。ログに表示されるユーザーアカウント リクエストは、お客様の vManage インスタンス内のユーザーアカウント設定によって異なる場合があります。
注:ログに記録されたリクエストは、不正アクセスを意味するものではありません。このリクエストは単に、REST API へのアクセスが試行されたことを示しています。
シスコでは引き続き、『Cisco SD-WAN vManage ドキュメント』にも記載されているように、API キーを使用して API にアクセスすることを推奨しています。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、この脆弱性を軽減し、攻撃対象領域を大幅に減らすには、ネットワーク管理者はアクセス制御リスト(ACL)を有効にして、vManage インスタンスへのアクセスを制限する必要があります。
クラウドホスト型の展開では、vManage へのアクセスは、許可された IP アドレスを含む ACL によって制限されます。ネットワーク管理者は、ACL で許可された IP アドレスを確認および編集する必要があります。オンプレミス展開では、ACL を使用して許可された IP アドレスを設定することで、vManage へのアクセスを同様の方法で制限できます。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示すように、該当する修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco SD-WAN vManage リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
18.3 | 影響なし。 |
18.4 | 影響なし。 |
19.1 | 影響なし。 |
19.2 | 影響なし。 |
20.1 | 影響なし。 |
20.3 | 影響なし。 |
20.4 | 影響なし。 |
20.5 | 影響なし。 |
20.6.1 | 影響なし。 |
20.6.2 | 影響なし。 |
20.6.3 | 影響なし。 |
20.6.3.1 | 影響なし。 |
20.6.3.2 | 影響なし。 |
20.6.3.3 | 20.6.3.4 |
20.6.4 | 20.6.4.2 |
20.6.5 | 20.6.5.5 |
20.7 | 修正済みリリースに移行。 |
20.8 | 修正済みリリースに移行。 |
20.9 | 20.9.3.2 |
20.10 | 20.10.1.2 |
20.11 | 20.11.1.2 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性をご報告いただいた Verizon 社の Nicholas Buckingham 氏に感謝の意を表します。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | ソースを更新。 | 出典 | Final | 2024 年 3 月 12 日 |
1.1 | リリース 20.6.3 の REST API ログ出力情報と修正済みリリースに関する情報を更新。 | 詳細、修正済みリリース | Final | 2023 年 7 月 12 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2023 年 7 月 12 日 |
利用規約
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