Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)の複数の脆弱性により、管理者レベルの読み取り専用ログイン情報を持つ認証された攻撃者が、影響を受けるシステムで読み取り/書き込みログイン情報を持つ管理者に権限を昇格させる可能性があります。
注:「Cisco Expressway シリーズ」とは、Cisco Expressway Control(Expressway-C)デバイスおよび Cisco Expressway Edge(Expressway-E)デバイスを指します。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策があります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-expressway-priv-esc-Ls2B9t7b
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は、Cisco Expressway シリーズと Cisco TelePresence VCS に影響を与えます。
CVE-2023-20192 で説明されている脆弱性は、Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS で脆弱性のあるリリースを実行しており、システムの読み取り専用管理者に CLI アクセスを許可している場合にのみ影響します。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2023-20105:Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS の特権昇格の脆弱性
Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS のパスワード変更機能の脆弱性により、管理者レベルの読み取り専用ログイン情報を持つ認証されたリモートの攻撃者が、影響を受けるシステムで読み取り/書き込みログイン情報 を持つ管理者に権限を昇格させる可能性があります。
この脆弱性は、パスワード変更要求の不適切な処理に起因します。攻撃者は、読み取り専用管理者としてアプリケーションに認証され、Web ベースの管理インターフェイスに細工された要求を送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はシステムの任意のユーザー(管理読み取り/書き込みユーザーを含む)のパスワードを変更し、そのユーザーになりすます可能性があります。
注:「Cisco Expressway シリーズ」とは、Cisco Expressway Control(Expressway-C)デバイスおよび Cisco Expressway Edge(Expressway-E)デバイスを指します。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCvz54058
CVE ID:CVE-2023-20105
セキュリティ影響評価(SIR):致命的
CVSS ベーススコア:9.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:N/I:H/A:H
CVE-2023-20192:Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS の特権昇格の脆弱性
Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS の権限管理機能の脆弱性により、管理者レベルの読み取り専用ログイン情報を持つ認証されたローカルの攻撃者が、影響を受けるシステムで読み取り/書き込みログイン情報を持つ管理者に権限を昇格させる可能性があります。
この脆弱性は、ユーザーロールの権限の不適切な実装に起因します。攻撃者は、読み取り専用の CLI 管理者としてアプリケーションを認証し、通常は読み取り/書き込み機能を持つ管理者用に予約されているコマンドを発行することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は、システム構成パラメータの変更など、意図したアクセスレベルの範囲を超えてコマンドを実行する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
バグ ID:CSCwf28030
CVE ID:CVE-2023-20192
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.4
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:N/I:H/A:H
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策があります。
CVE-2023-20192 の回避策:読み取り専用ユーザーの CLI アクセスを無効にします。
注:CLI アクセスは、読み取り専用管理者に対してデフォルトで無効になっています。
この回避策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェアリリースを記載しています。中央および右の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこれらの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。このセクションの表に記載されている適切な修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco Expressway シリーズおよび Cisco TelePresence VCS リリース |
First Fixed Release for CVE-2023-20105 |
First Fixed Release for CVE-2023-20192 |
---|---|---|
14.0 より前 | 修正済みリリースに移行。 | 脆弱性なし |
14.0 | 14.2.1 | 14.3.0 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例とその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2023-20105:この脆弱性は、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の Jason Crowder による内部セキュリティテストで発見されました。
CVE-2023-20192:この脆弱性は、内部セキュリティテストで発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2023 年 6 月 7 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。