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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Hierarchical File System Plus(HFS+)のファイルシステムイメージ解析の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、ファイルが圧縮解除されるときの誤った完了チェックに起因します。これにより、ループ状態が発生し、影響を受けるソフトウェアが応答を停止する可能性があります。攻撃者は、該当デバイスの ClamAV によってスキャンされる巧妙に細工された HFS+ ファイルシステムイメージを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は ClamAV スキャンプロセスの応答を停止できる可能性があります。その結果、影響を受けるソフトウェアで DoS 状態が発生し、使用可能なシステムリソースが消費されます。
この脆弱性の詳細については、ClamAVブログを参照してください。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-clamav-rNwNEEee
該当製品
「脆弱性が存在する製品」の項には、影響を受ける製品の Cisco Bug ID を示します。Cisco Bug は Cisco Bug Search Tool で検索可能であり、回避策(使用可能な場合)と修正されたソフトウェア リリースなど、プラットフォーム固有の追加情報が記載されます。
脆弱性のある製品
次の表に、本アドバイザリに記載された脆弱性の影響を受けるシスコ製品を示します。詳細については、関連するシスコのバグ ID を参照してください。
影響を受けるシスコ ソフトウェア プラットフォーム | CVSS 基本評価スコア | セキュリティへの影響の評価 | Cisco Bug ID | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|---|---|---|
Linux 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 5.3 | 中 | CSCwf39307 | 1.20.5.955 1.22.0 |
MacOS 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 5.3 | 中 | CSCwf39308 | 1.22.0 |
Windows 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 7.5 | 高 | CSCwf39309 | 7.5.13.21586 8.1.7.21585 |
セキュアエンドポイントプライベートクラウド | 7.5 | 高 | CSCwf39310 | 3.8.0 以降と更新されたコネクタ |
シスコ製品は、ClamAV の使用環境や用途によって異なる影響を受ける可能性があります。特定のシスコ製品に対するこの脆弱性の影響については、「詳細」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower Threat Defense ソフトウェア
- Cisco Secure Email Appliance(旧称 Email Security Appliance)
- Cisco Secure Web Appliance
注:シスコポートフォリオの簡素化の一環として、セキュリティ製品の名称を変更し、Cisco Secure というブランド名に統一しています。詳細については、「Cisco Secure が登場」を参照してください。
詳細
各プラットフォームでの脆弱性の潜在的な影響に関する詳細は次のとおりです。
Windows プラットフォームでの ClamAV DoS 脆弱性の影響
この脆弱性のセキュリティ影響評価(SIR)は、Windows ベースのプラットフォームについてのみ「高」です。Windows ベースのプラットフォームで実行される ClamAV スキャンプロセスは、ループ状態になる可能性のあるサービスであるためです。これにより使用可能な CPU リソースが消費され、その後のスキャンプロセスで遅延や停止が発生します。脆弱性スコアと SIR については、『Cisco Security Vulnerability Policy』の「Assessing Security Risk」のセクションを参照してください。
ClamAV の HFS+ ファイルシステムイメージ解析の脆弱性により、攻撃者が Windows 向け Cisco Secure Endpoint Connector でループ状態を発生させてコネクタの応答を停止し、その結果、DoS 状態に陥る可能性があります。Cisco Secure Endpoint Private Cloud から配布される Windows 向け Cisco Secure Endpoint Connector が、この脆弱性の影響を受けます。
バグ ID:CSCwf39309
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:7.5
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
Linux および MacOS プラットフォームでの ClamAV DoS 脆弱性の影響
この脆弱性の SIR は、Linux および Mac プラットフォームでは「中」です。それらのプラットフォームでは、個別のより低い特権のセキュリティコンテキストで ClamAV スキャンプロセスが実行されるためです。脆弱性スコアと SIR については、『Cisco Security Vulnerability Policy』の「Assessing Security Risk」のセクションを参照してください。
ClamAV の HFS+ ファイルシステムイメージ解析の脆弱性により、攻撃者は Linux または MacOS 向け Cisco Secure Endpoint Connector の応答を停止させることができる可能性があります。この状況は自然に回復しますが、アプリケーションの機能に限定的な影響を与えます。Cisco Secure Endpoint Private Cloud から配布される Linux 向け Cisco Secure Endpoint Connector および MacOS 向け Cisco Secure Endpoint Connector が、この脆弱性の影響を受けます。
バグ ID:CSCwf39307、CSCwf39308
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:5.3
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
修正済みソフトウェアリリースの詳細については、本アドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションに記載されている Cisco Bug ID を参照してください。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
修正済みリリース
次の表に示すように、該当する修正済みのソフトウェア リリースにアップグレードすることをお勧めします。
影響を受けるシスコ ソフトウェア プラットフォーム | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
Linux 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 1.20.5.9551 1.22.01 |
MacOS 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 1.22.01 |
Windows 向け Cisco Secure Endpoint Connector | 7.5.13.215861 8.1.7.215851 |
セキュアエンドポイントプライベートクラウド | 3.8.0 以降と更新されたコネクタ2 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT は、このアドバイザリで説明されている脆弱性に対してコンセプト実証エクスプロイトコードが利用可能であることを認識しています。
このアドバイザリで説明されている脆弱性の悪用に関する情報は Cisco PSIRT に寄せられていません。
出典
この脆弱性を報告していただいた Steve Smith 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | Cisco Secure Endpoint for Linux の修正情報を更新。 | 「脆弱性のある製品」および「修正済みリリース」 | Final | 2023 年 8 月 25 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2023 年 8 月 16 日 |
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