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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco NX-OS ソフトウェアの OSPF バージョン 3(OSPFv3)の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、特定の OSPFv3 パケットの入力検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、悪意のある OSPFv3 リンクステート アドバタイズメント(LSA)を該当デバイスに送信することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、OSPFv3 プロセスのクラッシュと再起動を繰り返し発生させて、該当デバイスのリロードを引き起こし、結果として DoS 状態に陥る危険性があります。
注:OSPFv3機能はデフォルトで無効になっています。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスと完全な OSPFv3 ネイバー状態を確立できる必要があります。エクスプロイトの状況の詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」のセクションを参照してください。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-nxos-ospfv3-dos-48qutcu
このアドバイザリは、2022 年 8 月に公開された Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: August 2022 Semiannual Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、脆弱性が存在する Cisco NX-OS ソフトウェアリリースを実行していて、少なくとも 1 つのインターフェイスが OSPFv3 ルーティング用に設定されている次のシスコ製品です。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ(CSCvz68748)
- Nexus 5500 プラットフォームスイッチ(CSCwb50015)
- Nexus 5600 プラットフォームスイッチ(CSCwb50015)
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ(CSCwb50015)
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ(CSCwb50013)
- ACI モードの Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(CSCwb50012)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ(CSCvz68748)
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
OSPFv3 のステータスを確認する
OSPFv3 機能はデフォルトで無効になっています。デバイスでOSPFv3機能が有効に設定されているかどうかを確認するには、show feature | include ospfv3コマンドを使用して、機能が有効になっていることを確認します。次の例は、Cisco NX-OS ソフトウェアを実行するデバイスで OSPFv3 機能が有効になっていることを示しています。
nxos# show feature | include ospfv3
ospfv3 1 enabled
少なくとも1つのインターフェイスでOSPFv3が有効になっている状態でデバイスが設定されているかどうかを確認するには、show running-config | include "ipv6 router ospfv3"コマンドをCisco NX-OSのCLIから実行します。コマンドが 1 行以上を返す場合、OSPFv3 が少なくとも 1 つのインターフェイスで有効になっています。
nxos# show running-config | include "ipv6 router ospfv3"
ipv6 router ospfv3 101 area 0.0.0.0
デバイスに FULL ステートの OSPFv3 ネイバーがあるかどうかを判断するには、次の例に示すように、Cisco NX-OS の CLI から show ipv6 ospfv3 neighbors コマンドを実行します。
nxos# show ipv6 ospfv3 neighbors
OSPFv3 Process ID 101 VRF default
Total number of neighbors: 1
Neighbor ID Pri State Up Time Interface ID Interface
10.3.3.3 1 FULL/DR 02:11:53 107 Eth1/1
Neighbor address fe80::1ae7:28ff:fedb:407f
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
Cisco NX-OS ソフトウェアでの OSPFv3 実装は、IPv6 ルーティング情報の転送のみをサポートしているため、OSPFv3 ルーティングが有効になっているインターフェイスで IPv6 アドレスを設定する必要があります。
この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスと完全な OSPFv3 ネイバー状態を確立できる必要があります。これには、該当デバイスと互換性のある OSPFv3 パラメータを使用する必要があります。デバイスで OSPFv3 認証が設定されている場合、パラメータには有効な認証情報が含まれます。
OSPFv3 を実行しているデバイスは、そのようなネイバーへの仮想リンクがデバイスで明示的に設定されている場合にのみ、レイヤ 3 からホップが 1 つ以上離れたネイバーと通信できます。OSPFv3 仮想リンクが設定されていない場合、攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトするには、該当デバイスに隣接するレイヤ 2 を使用する必要があります。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
ただし、OSPFv3 認証を使用して、認証されたピアだけが完全な OSPFv3 ネイバー状態を確立できるようにすることで、攻撃対象領域を縮小できます。OSPFv3 認証はスタンドアロン NX-OS モードの Nexus 3000 シリーズ スイッチ、Nexus 7000 シリーズ スイッチ、および Nexus 9000 シリーズ スイッチでサポートされています。ACI モードの Nexus 5500 プラットフォームスイッチ、Nexus 5600 プラットフォームスイッチ、Nexus 6000 シリーズ スイッチ、および Nexus 9000 シリーズ ファブリックスイッチでは現在サポートされていません。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の Cisco Support and Downloads ページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS IOS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチの場合は 7.0(3)I7(5)、ACI モードの Cisco NX-OS ソフトウェアの場合は 14.0(1h) です。
- [チェック(Check)] をクリックします。
Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチの SMU
シスコはこの脆弱性に対処する次の SMU もリリースしています。次の SMU を Cisco.com の Software Center からダウンロードできます。
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
8.2(8) | Nexus 7000 シリーズ スイッチ | n7000-s2-dk9.8.2.8.CSCwc36631.bin n7700-s2-dk9.8.2.8.CSCwc36631.bin |
Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチ向け Cisco NX-OS ソフトウェアにおける SMU のダウンロードとインストールの詳細については、 Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチの『Cisco NX-OS System Management Configuration Guide』の「Performing Software Maintenance Upgrades」セクションを参照してください。
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェアリリースの決定に際してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco MDS シリーズ スイッチ
Vmware スイッチ向け Cisco Nexus 1000V
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
Cisco UCS ソフトウェアに最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は、シスコ内部でセキュリティテストを実施中、シスコの Sivasankar Sundararaj によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2022 年 8 月 24 日 |
利用規約
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