High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Identity Services Engine(ISE)の複数の脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が任意のオペレーティング システム コマンドを挿入し、セキュリティ保護をバイパスし、クロスサイト スクリプティング攻撃を実行する可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ise-7Q4TNYUx
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は Cisco ISE に影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために別の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。さらに、いずれかの脆弱性の影響を受けるソフトウェアリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
注:これらの脆弱性は、Cisco ISE システムの有効な権限を持つユーザーのみエクスプロイトできます。ベストプラクティスとして、お客様はコンソールアクセスと管理 Web アクセスを制限できます。アクセス制限を設定するには、[管理(Administration)] > [システム(System)] > [管理者アクセス(Admin Access)] > [設定(Settings)] > [アクセス(Access)] > [IPアクセス(IP Access)] を選択します。
脆弱性の詳細は以下のとおりです。
CVE-2022-20964:Cisco Identity Services Engine の tcpdump 機能におけるコマンドインジェクションの脆弱性
Cisco ISE の Web ベース管理インターフェイスの脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が基盤となるオペレーティングシステムに任意のコマンドを挿入する可能性があります。
この脆弱性は、Web ベース管理インターフェイスの tcpdump 機能の一部として要求内に含まれているユーザー入力の検証が不適切なことに起因します。tcpdump 機能にアクセスするための十分な権限を持つ攻撃者は、Web ベース管理インターフェイスへの要求を操作してオペレーティング システム コマンドを含めることにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は Web サービスユーザーの権限を使用して、基盤となるオペレーティングシステムで任意のオペレーティング システム コマンドを実行できる可能性があります。問題をさらに連鎖させることで、攻撃者はコマンドラインアクセスを使用して権限を root に昇格させ、システムを完全に制御できるようになる可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwc98823
CVE ID:CVE-2022-20964
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:6.3
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
CVE-2022-20966:Cisco Identity Services Engine の tcpdump のストアド クロスサイト スクリプティングにおける脆弱性
Cisco ISE の Web ベース管理インターフェイスの脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が、アプリケーションの Web ベース管理インターフェイスの他のユーザーに対してクロスサイト スクリプティング攻撃を実行できる可能性があります。
この脆弱性は、Web ベース管理インターフェイスの tcpdump 機能内に保存する、アプリケーション機能への入力の検証が不適切なことに起因します。攻撃者は、アプリケーション インターフェイス内に悪意のある HTML またはスクリプトコードを含むエントリを作成することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は悪意のある HTML またはスクリプトコードをアプリケーション インターフェイス内に保存して、さらなるクロスサイト スクリプティング攻撃に使用できる可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwc98831
CVE ID:CVE-2022-20966
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:5.4
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:R/S:C/C:L/I:L/A:N
CVE-2022-20967:Cisco Identity Services Engine の外部 RADIUS サーバー機能のストアド クロスサイト スクリプティングにおける脆弱性
Cisco ISE の Web ベース管理インターフェイスの外部 RADIUS サーバー機能における脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が、アプリケーションの Web ベース管理インターフェイスの他のユーザーに対してクロスサイト スクリプティング攻撃を実行できる可能性があります。
この脆弱性は、Web ベース管理インターフェイスの外部 RADIUS サーバー機能内に保存する、アプリケーション機能への入力の検証が不適切なことに起因します。攻撃者は、アプリケーション インターフェイス内に悪意のある HTML またはスクリプトコードを含むエントリを作成することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は悪意のある HTML またはスクリプトコードをアプリケーション インターフェイス内に保存して、さらなるクロスサイト スクリプティング攻撃に使用できる可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwc98833
CVE ID:CVE-2022-20967
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:4.8
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:H/UI:R/S:C/C:L/I:L/A:N
CVE-2022-20965:Cisco Identity Services Engine のアクセスバイパスの脆弱性
Cisco ISE の Web ベース管理インターフェイスの脆弱性により、認証されたリモートの攻撃者が Web ベース管理インターフェイス内のセキュリティ制限をバイパスできる可能性があります。
この脆弱性は、該当システムの Web ベース管理インターフェイス内の機能に対する不適切なアクセス制御に起因します。攻撃者は、直接要求を介して機能にアクセスし、アプリケーション内のチェックをバイパスすることにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は Web ベース管理インターフェイス内で、本来なら制限される特権アクションを実行できる可能性があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
バグ ID:CSCwc98828
CVE ID:CVE-2022-20965
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:4.3
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:N
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の シスコサポート & ダウンロードページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。右の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこれらの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。このセクションの表に記載されている適切な修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco ISE リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
2.6 以前 | 修正済みリリースに移行。 |
2.71 | 2.7p9 |
3.0 | 3.0p7 |
3.1 | 3.1p6 |
3.2 | 3.2p1 |
デバイスのアップグレード手順については、Cisco Identity Services Engine サポートページにあるアップグレードガイドを参照してください。
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT は、このアドバイザリで説明されているいくつかの脆弱性に対して概念実証段階のエクスプロイトコードが利用可能であることを認識しています。
Cisco PSIRT では、このアドバイザリに記載されている脆弱性のいかなる悪用も認識していません。
出典
シスコは、これらの脆弱性を報告していただいた Yoroi 社の Davide Virruso 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.6 | 修正済みソフトウェアのリリースに関する情報を更新。コンセプト実証コードが利用可能になったことを追加。 | 修正済みリリースおよび不正利用事例と公式発表 | Final | 2023 年 3 月 31 日 |
1.5 | ISE リリース 2.7 の不具合脆弱性ステータスを明確化。 | 修正済みリリース | Interim | 2023年2月3日 |
1.4 | 3.2P1 の修正済みリリースに関する情報を更新。 | 概要および修正済みソフトウェア | Interim | 2023 年 1 月 24 日 |
1.3 | 修正リリース表を更新して、リリース 2.7p9 を追加。ホットパッチ情報を更新。 | 修正済みリリース | Interim | 2023 年 1 月 6 日 |
1.2 | 修正リリース表を更新して、リリース 3.0p7 を追加。 | 修正済みリリース | Interim | 2023 年 1 月 5 日 |
1.1 | 修正済みリリース表の脚注と研究者の名前を更新。 | 修正済みソフトウェアとソース | Interim | 2022 年 11 月 16 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Interim | 2022 年 11 月 16 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。