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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのSIPとSnort 3のインタラクションにおける脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がSnort 3検出エンジンの再起動を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、SIP双方向フローがSnort 3によって検査される際のエラーチェックの欠如に起因します。攻撃者は、ターゲットデバイスのインターフェイスを介して巧妙に細工されたSIPトラフィックのストリームを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。不正利用に成功すると、攻撃者はSnort 3プロセスの再起動を引き起こし、その結果サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ftdsnort3sip-dos-A4cHeArC
このアドバイザリは、2022 年 11 月に公開された Cisco ASA、FTD、および FMC のセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、Cisco Event Response:2022 年 11 月に公開された Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル(半期) を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
公開時点では、リリース7.2.0または7.2.0.1を実行していて、Snort 3検出エンジンがSIPインスペクションポリシーで設定されているCisco FTDソフトウェアは、この脆弱性の影響を受けました。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
Cisco FTDソフトウェア設定の確認
Cisco FTDソフトウェアリリース7.0.0以降の新規インストールでは、Snort 3がデフォルトで実行されます。Cisco FTDソフトウェアリリース6.7.0以前を実行し、リリース7.0.0以降にアップグレードされたデバイスでは、Snort 2がデフォルトで実行されます。
FTDソフトウェアCLIを使用したCisco FTDソフトウェア設定の確認
Cisco FTDソフトウェアを実行しているデバイスでSnort 3が設定されているかどうかを確認するには、Cisco FTDソフトウェアCLIにログインし、show snort3 statusコマンドを使用します。このコマンドで次の出力が生成される場合、デバイスではSnort 3が実行されており、この脆弱性の影響を受けます。
show snort3 status
Currently running Snort 3
Cisco Software Management CenterのFirepower管理対象デバイスに対するCisco FTDソフトウェアの設定の確認
CiscoFirepowerマネジメントセンター(FMC)ソフトウェアで管理されているデバイスでSnort 3が設定されているかどうかを確認するには、次の手順に従います。
- Cisco FMCソフトウェアのWebインターフェイスにログインします。
- [デバイス(Devices)] メニューから [デバイス管理(Device Management)] を選択します。
- 適切なCisco FTDデバイスを選択します。
- [編集(Edit)] アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- Deviceタブを選択し、Inspection Engine領域を確認します。
- 「Snort 2」が示されている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
- Snort 3がリストされている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
Cisco Software Device Managerソフトウェア管理対象デバイスのCisco FTDFirepower設定の確認
Cisco Device Device Manager(FDM)ソフトウェアによって管理されるFirepowerでSnort 3が設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- Cisco FTDソフトウェアのWebインターフェイスにログインします。
- メインメニューから [ポリシー(Policies)] を選択します。
- Intrusionタブを選択します。
- [検査エンジン(Inspection Engine)] で検査エンジンのバージョンを確認します。バージョンは、Snort 2 の場合は「2」で始まり、Snort 3 の場合は「3」で始まります。
- デバイスでSnort 2バージョンが実行されている場合、この脆弱性の影響を受けません。
- デバイスでSnort 3バージョンが実行されている場合、この脆弱性の影響を受けます。
Cisco Defense Orchestrator管理対象デバイスのCisco FTDソフトウェア設定の確認
Cisco Defense Orchestratorによって管理されるデバイスでSnort 3が設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- Cisco Defense Orchestrator Web インターフェイスにログインします。
- Inventoryメニューから、適切なCisco FTDデバイスを選択します。
- [デバイスの詳細(Device Details)] 領域で、[Snortバージョン(Snort Version)] を確認します。バージョンは、Snort 2 の場合は「2」で始まり、Snort 3 の場合は「3」で始まります。
- デバイスでSnort 2バージョンが実行されている場合、この脆弱性の影響を受けません。
- デバイスでSnort 3バージョンが実行されている場合、この脆弱性の影響を受けます。
Cisco FTDソフトウェアのSIP設定の確認
Cisco FTDソフトウェアでSIPインスペクションが設定されているかどうかを確認するには、show service-policy | | include sipコマンドを使用します。次の例に示すように、Snort 3が上記のように設定され、出力にInspect: sipが含まれている場合、デバイスは脆弱であると見なされます。
device# show service-policy | include sip
Inspect: sip , packet 2, lock fail 0, drop 0, reset-drop 0, 5-min-pkt-rate 0 pkts/sec, v6-fail-close 0 sctp-drop-override 0
注:Cisco FTDソフトウェアでは、SIPインスペクションはデフォルトで有効になっています。アプリケーション インスペクション ポリシーのデフォルト設定の詳細については、「Cisco ASA Series Firewall CLI Configuration Guide」を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下の製品には影響を与えないことを確認しました。
- Cisco 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェア
- Cisco Firepower Management Center(FMC)ソフトウェア
- オープンソースの Snort 2
- オープンソースの Snort 3
詳細
次のCisco FTDソフトウェアSnort 3の設定パラメータは、Snort 3プロセスが再起動した場合のトラフィックの処理方法を制御します。これにより、この脆弱性のエクスプロイト中にSIPトラフィックの処理方法が変更される可能性があります。
- Snortフェールオープン
- snort preserve-connection(接続維持)
詳細については、『Firepower Management Centerコンフィギュレーションガイド』を参照してください。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア
お客様が Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアの脆弱性に対するリスクを判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco ASA ソフトウェアの場合は 9.16.2.11、Cisco FTD ソフトウェアの場合は 6.6.7 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
FTD デバイスのアップグレード手順については、Cisco Firepower Management Center アップグレードガイドを参照してください。
関連情報
最適な Cisco ASA、FTD、または FMC ソフトウェアリリースの決定方法については、次の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco ASA の互換性
Cisco Secure Firewall ASA アップグレードガイド
Cisco Secure Firewall Threat Defense 互換性ガイド
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2022 年 11 月 9 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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