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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XRソフトウェアのボーダーゲートウェイプロトコル(BGP)イーサネットVPN(EVPN)機能の実装における脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、特定のEVPN属性を含むBGP更新メッセージの不適切な処理に起因します。攻撃者は、特定のEVPN属性を含むBGPアップデートメッセージを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。 この脆弱性を不正利用するには、攻撃者は、アドレスファミリL2VPN EVPNが設定されている該当デバイスへの信頼できるピア接続が確立されているBGPスピーカを制御して、アップデートメッセージを受信して処理する必要があります。この脆弱性は、レイヤ2ネットワーク上のクライアントによって開始されたデータ、またはL2VPN EVPNアドレスファミリを受け入れるように設定されていないピアによって不正利用されることはありません。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は BGP プロセスを予期せず再起動させ、DoS 状態を引き起こす可能性があります。
シスコのBGP実装では、明示的に定義されたピアからの着信BGPアップデートのみを受け入れます。この脆弱性をエクスプロイトするには、悪意のあるBGPアップデートメッセージが有効な設定済みBGPピアから送信されるか、または攻撃者によってBGPピアへの既存の有効なTCP接続の影響を受けるBGPネットワークに挿入される必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-bgpevpn-zWTRtPBb
このアドバイザリは、2022 年 4 月に公開された Cisco IOS ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: April 2022 Cisco IOS XR Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の公開時点で、CiscoデバイスでCisco IOS XRソフトウェアの脆弱性のあるリリースが実行されていて、アドレスファミリL2VPN EVPNで設定された少なくとも1つのピアでBGPが設定されている場合、このデバイスに影響が及びました。
公開時点で脆弱性が確認されている Cisco ソフトウェアのリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。最も完全で最新の情報については、このアドバイザリの上部にあるバグ ID の詳細セクションを参照してください。
デバイスにBGPが設定されているかどうかを確認する
デバイスにBGPが設定されているかどうかを確認するには、show running-config router bgp EXEC CLIコマンドを使用します。ルータがBGP用に設定されている場合、次の例に示すように、このコマンドは出力を返します。
# show running-config router bgp
router bgp 65536...
デバイスにL2VPN EVPNネイバーが設定されているかどうかを確認する
L2VPN EVPNアドレスファミリ用に設定されたネイバーがデバイスにあるかどうかを確認するには、show running-config router bgp AS-number EXEC CLIコマンドを使用します。 次の例は、L2VPN EVPNアドレスファミリが設定されているデバイスでのshow running-config router bgp AS-number コマンドの出力の一部を示しています。
# show running-config router bgp 65536
router bgp 65536address-family l2vpn evpn..
neighbor-group example
address-family l2vpn evpn.
neighbor 2001:DB8::1
use neighbor-group example
!
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
EVPN は、MPLS ネットワーク上でイーサネット マルチポイント サービスを提供する次世代ソリューションです。EVPNと設定オプションの詳細については、Cisco ASR 9000シリーズルータ用L2VPNおよびイーサネットサービス設定ガイドなどのガイドや、この機能をサポートする他のプラットフォームのガイドを参照してください。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
修正済みリリース
発行時点では、次の表に記載されているリリース情報は正確でした。最も完全で最新の情報については、このアドバイザリの上部にあるバグ ID の詳細セクションを参照してください。
左の列はシスコソフトウェアリリースを示し、右の列はリリースがこのアドバイザリに記載された脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含むリリースを示します。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | First Fixed Release(修正された最初のリリース) |
---|---|
6.5 以前 | 脆弱性なし |
6.6 | 脆弱性あり。修正済みリリースに移行してください。 |
6.7 | 脆弱性あり。修正済みリリースに移行してください。 |
6.8 | 6.8.2 |
7.0 | 脆弱性あり。修正済みリリースに移行してください。 |
7.1 | 脆弱性あり。修正済みリリースに移行してください。 |
7.2 | 脆弱性あり。修正済みリリースに移行してください。 |
7.3 | 7.3.2 |
7.4 | 7.4.2 |
7.5 以降 | 影響なし。 |
このドキュメントの発行時点で、シスコはこの脆弱性に対処するために次のSMUをリリースしました。SMUのアベイラビリティを含む最新の情報と完全な情報については、このアドバイザリの冒頭にあるバグIDの「詳細」セクションを参照してください。一覧に記載されていないプラットフォームやリリース向けの SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
7.1.2 | NCS5500 | ncs5500-7.1.2.CSCvz26082 |
7.4.15 | IOSXRWBD | iosxrwbd-7.4.15.CSCvz26082 |
7.4.16 | IOSXRWBD | iosxrwbd-7.4.16.CSCvz26082 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 修正リリースとして6.8.2を追加。 | 修正済みリリース | Final | 2022年4月19日 |
1.0 | 初回公開リリース | - | Final | 2022年 4 月 13 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。