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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアの Snort ルール評価機能における脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を発生させる可能性があります。
この脆弱性は、DNS レピュテーション適用ルールの不適切な処理に起因します。攻撃者は、該当デバイスを介して、細工された UDP パケットを送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は該当デバイスを通過するトラフィックをドロップさせ、その結果 DoS 状態が発生する可能性があります。
注:この脆弱性の影響を受けるのは、Snort 3を実行しているCisco FTDデバイスだけです。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-FTD-snort3-DOS-Aq38LVdM
このアドバイザリは、2022 年 4 月に公開された Cisco ASA、FTD、および FMC のセキュリティ アドバイザリ バンドルに含まれています。アドバイザリとリンクの一覧については、Cisco Event Response:2022 年 4 月に公開された Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、シスコプラットフォームで脆弱性のある Cisco FTD ソフトウェアリリースが実行され、次の両方の条件を満たしている場合です。
- デバイスで Snort 3 を実行している。
- デバイスで DNS レピュテーション適用が有効になっている。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
Snort 3 は、Cisco FTD リリース 7.0.0 以降の新規インストールの場合、デフォルトで実行されています。Cisco FTD リリース 6.7.0 以前を実行していて、リリース 7.0.0 以降にアップグレードされたデバイスでは、Snort 2 がデフォルトで実行されています。
DNS レピュテーション適用は、Cisco FTD リリース 6.7 以降ではデフォルトで有効になっています。DNS レピュテーション適用は、Cisco FTD リリース 6.7 で導入されました。
FTD CLI による Cisco FTD 設定の確認
Snort 3 がデバイスで設定されているかどうかを確認するには、FTD CLI にログインし、show snort3 status コマンドを使用します。コマンドによって次の出力が生成される場合、デバイスは Snort 3 を実行していて、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。
> show snort3 status
Currently running Snort 3
DNS レピュテーション適用が有効になっているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- FTD CLI にログインします。
- expert コマンドを使用してエキスパートモードにします。
- luaディレクトリに移動します。 このディレクトリは、/ngfw/var/sf/detection_engines/uuid/luaにあります。ここで、uuidはCisco FTDインストールのユニバーサル一意識別子です。
- grep コマンドを使用して、lua ディレクトリの firewall.lua ファイルで dns_filter を検索します。
- ファイルに dns_filtering_enabled = true が含まれている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
- ファイルに dns_filtering_enabled = false が含まれている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
- dns_filtering_enabled がファイルに含まれていない場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
>expert
expert admin@ftd700:~$ cd /ngfw/var/sf/detection_engines/e4dec56e-ef9e-11eb-b690-6843d4a521ed/lua/
expert admin@ftd700:~$ grep dns_filter firewall.lua
dns_filtering_enabled = true
注:不具合CSCwb37077が原因で、show access-control-configコマンドでは、DNSレピュテーション強制設定の正しいステータスが表示されません。
Cisco Firepower Management Center(FMC)管理対象デバイスの Cisco FTD 設定の確認
Snort 3 がデバイスで設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- FMC Web インターフェイスにログインします。
- [デバイス(Devices)] メニューから [デバイス管理(Device Management)] を選択します。
- 適切な FTD デバイスを選択します。
- [編集(Edit)] アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- [デバイス(Device)] タブをクリックし、[検査エンジン(Inspection Engine)] 領域を確認します。
- 「Snort 2」が示されている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
- 「Snort 3」が示されている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受ける可能性があります。
DNS レピュテーション適用が有効になっているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- FMC Web インターフェイスにログインします。
- [ポリシー(Policies)] メニューから [アクセス制御(Access Control)] を選択します。
- 確認するポリシーを選択します。
- [編集(Edit)] アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- [Advanced] タブをクリックします。
- [全般設定(General Settings)] 領域で、[DNSトラフィックへのレピュテーション適用を有効にする(Enable reputation enforcement on DNS traffic)] を確認します。
- 設定が「Yes」である場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
- 設定が「No」である場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
Cisco Firepower Device Management(FDM)管理対象デバイスの Cisco FTD 設定の確認
Snort 3 がデバイスで設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- FTD Web インターフェイスにログインします。
- メインメニューから [ポリシー(Policies)] を選択します。
- [侵入(Intrusion)] タブをクリックします。
- [検査エンジン(Inspection Engine)] で検査エンジンのバージョンを確認します。バージョンは、Snort 2 の場合は「2」で始まり、Snort 3 の場合は「3」で始まります。
- バージョンが「2」で始まっている場合、デバイスは Snort 2 バージョンを実行しており、この脆弱性の影響を受けません。
- バージョンが「3」で始まっている場合、デバイスは Snort 3 バージョンを実行しており、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。
DNS レピュテーション適用が有効になっているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- FTD Web インターフェイスにログインします。
- メインメニューから [ポリシー(Policies)] を選択します。
- [アクセス制御(Access Control)] タブをクリックします。
- [設定(Settings)] アイコン(歯車の形)をクリックします。
- [DNSトラフィックへのレピュテーション適用(Reputation Enforcement on DNS traffic)] を確認します。
- 設定がオンである場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
- 設定がオフである場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
Cisco Defense Orchestrator 管理対象デバイスの Cisco FTD 設定の確認
Snort 3 が設定されているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- Cisco Defense Orchestrator Web インターフェイスにログインします。
- [インベントリ(Inventory)] メニューから 適切な FTD デバイスを選択します。
- [デバイスの詳細(Device Details)] 領域で、[Snortバージョン(Snort Version)] を確認します。バージョンは、Snort 2 の場合は「2」で始まり、Snort 3 の場合は「3」で始まります。
- バージョンが「2」で始まっている場合、デバイスは Snort 2 バージョンを実行しており、この脆弱性の影響を受けません。
- バージョンが「3」で始まっている場合、デバイスは Snort 3 バージョンを実行しており、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。
DNS レピュテーション適用が有効になっているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。
- Cisco Defense Orchestrator Web インターフェイスにログインします。
- [インベントリ(Inventory)] メニューから 適切な FTD デバイスを選択します。
- [管理(Management)] 領域で、[ポリシー(Policy)] をクリックします。
- [設定(Settings)] アイコン(歯車の形)をクリックします。
- [DNSトラフィックへのレピュテーション適用(Reputation Enforcement on DNS traffic)] を確認します。
- 設定がオンである場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
- 設定がオフである場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェア
- FMC ソフトウェア
- Snort 2 を実行している FTD ソフトウェア
- Meraki MX シリーズ ソフトウェア
- オープンソースの Snort 2 プロジェクト
- オープンソースの Snort 3 プロジェクト
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、緩和策として、管理者は DNS レピュテーション適用を無効にすることができます。FTD CLI から DNS レピュテーション適用を無効にする方法は、管理デバイスの設定が更新されないため、お勧めできません。その方法を実行すると、システムが不安定になったり、意図に反して設定がリセットされる可能性があります。
Cisco FMC 管理対象デバイスの DNS レピュテーション適用を無効にするには、次の手順を実行します。
- FMC Web インターフェイスにログインします。
- [ポリシー(Policies)] メニューから [アクセス制御(Access Control)] を選択します。
- 確認するポリシーを選択します。
- [編集(Edit)] アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- [Advanced] タブをクリックします。
- [全般設定(General Settings)] の [編集(Edit)] アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- [DNSトラフィックへのレピュテーション適用を有効にする(Enable reputation enforcement on DNS traffic)] チェックボックスをオフにして設定をオフにします。
- [OK] をクリックします。
- 変更を FTD デバイスに展開します。
Cisco FDM 管理対象デバイスの DNS レピュテーション適用を無効にするには、次の手順を実行します。
- FTD Web インターフェイスにログインします。
- メインメニューから [ポリシー(Policies)] をクリックします。
- [アクセス制御(Access Control)] タブをクリックします。
- [設定(Settings)] アイコン(歯車の形)をクリックします。
- [DNSトラフィックへのレピュテーション適用(Reputation Enforcement on DNS traffic)] を確認します。
- スイッチをクリックして設定をオフにします。
- [OK] をクリックします。
Cisco Defense Orchestrator 管理対象デバイスの DNS レピュテーション適用を無効にするには、次の手順を実行します。
- Cisco Defense Orchestrator Web インターフェイスにログインします。
- [インベントリ(Inventory)] メニューから 適切な FTD デバイスを選択します。
- [管理(Management)] 領域で、[ポリシー(Policy)] をクリックします。
- [設定(Settings)] アイコン(歯車の形)をクリックします。
- [DNSトラフィックへのレピュテーション適用(Reputation Enforcement on DNS traffic)] を確認します。
- スイッチをクリックして設定をオフにします。
- [OK] をクリックします。
- 変更を FTD デバイスに展開します。
これらの緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。通常のソフトウェアアップデートが含まれるサービス契約をお持ちのお客様は、通常のアップデートチャネルからセキュリティ修正を取得する必要があります。
お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
Cisco.com の Cisco Support and Downloads ページには、ライセンスとダウンロードに関する情報が記載されています。このページには、[マイデバイス(My Devices)] ツールを使用するお客様のカスタマーデバイスサポート範囲も表示できます。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右側の列は、リリースがこのバンドルに記載された「重大」または「高」SIR 脆弱性のいずれかに該当するかどうか、およびそれらの脆弱性に対する修正を含むリリースを示しています。
FTD ソフトウェア
Cisco FTD ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.2.2 以前1 | 脆弱性なし2 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 脆弱性なし2 | 修正済みリリースに移行。 |
6.3.01 | 脆弱性なし2 | 修正済みリリースに移行。 |
6.4.0 | 脆弱性なし2 | 6.4.0.15 (May 2022) |
6.5.01 | 脆弱性なし2 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6.0 | 脆弱性なし2 | 6.6.5.2 |
6.7.0 | 修正済みリリースに移行します。3 | 修正済みリリースに移行。 |
7.0.0 | 7.0.2 (May 2022) | 7.0.2 (May 2022) |
7.1.0 | 7.1.0.1 | 7.1.0.1 |
FTD デバイスのアップグレード手順については、Cisco Firepower Management Center アップグレードガイドを参照してください。
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2022 年 4 月 27 日 |
利用規約
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