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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco SD-WAN 製品における複数の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当デバイスに対してサービス妨害(DoS)攻撃を実行する可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-sdwan-dosmulti-48jJuEUP
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコ製品で、Cisco SD-WAN ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行している場合です。
- IOS XE SD-WAN ソフトウェア
- SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア
- SD-WAN vEdge クラウドルータ
- SD-WAN vEdge ルータ
- SD-WAN vManage ソフトウェア
- SD-WAN vSmart コントローラソフトウェア
脆弱性が存在する製品のそれぞれの脆弱性については、このアドバイザリの「詳細」セクションを参照してください。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、これらの脆弱性が Cisco IOS XE ユニバーサル イメージ リリース 17.2.1r 以降に影響を与えないことを確認しています。
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
これらの脆弱性の詳細については、次のとおりです。
CVE-2021-1241:Cisco SD-WAN vEdgeルータのVPNにおけるDoS脆弱性
Cisco SD-WAN vEdge ルータの VPN トンネリング機能の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が該当システムで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、不正なパケットの不十分な処理に起因します。攻撃者は、巧妙に細工されたパケットを該当デバイスに送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はデバイスを再起動させ、該当システムで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvu31763
CVE ID:CVE-2021-1241
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
CVE-2021-1273:Cisco SD-WAN IPSecのDoS脆弱性
Cisco SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア、Cisco SD-WAN vEdge クラウドルータ、Cisco SD-WAN vEdge ルータ、Cisco SD-WAN vManage ソフトウェア、および Cisco SD-WAN vSmart コントローラソフトウェアの IPSec トンネル管理における脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当システムで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、IPSec トンネル管理機能のフォワーディングプレーンでの境界チェックに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された IPv4 または IPv6 パケットを該当デバイスに送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当システムに DoS 状態が生じる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvu28409
CVE ID:CVE-2021-1273
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
CVE-2021-1274:Cisco SD-WAN UDPのDoS脆弱性
Cisco IOS XE SD-WAN、Cisco SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア、Cisco SD-WAN vEdge クラウドルータ、Cisco SD-WAN vEdge ルータ、Cisco SD-WAN vManage ソフトウェア、および Cisco SD-WAN vSmart コントローラソフトウェアの UDP 接続応答における脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当システムで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、vDaemon に null 参照が存在することに起因します。攻撃者は、巧妙に細工されたトラフィックを特定のデバイスに送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当システムに DoS 状態が生じる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvt11523
CVE ID:CVE-2021-1274
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
CVE-2021-1278:Cisco SD-WANのDoS脆弱性
Cisco SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア、Cisco SD-WAN vEdge クラウドルータ、Cisco SD-WAN vEdge ルータ、Cisco SD-WAN vManage ソフトウェア、および Cisco SD-WAN vSmart コントローラソフトウェアのシンボリックリンク(symlink)作成機能における複数の脆弱性により、認証されていないローカルの攻撃者が、該当システムでルートユーザが所有する任意のファイルを上書きする可能性があります。
この脆弱性は、symlinks の作成に使用される入力に対する検証チェックが行われないことに起因します。攻撃者は、特定のパスにあるターゲットファイルへの symlink を作成することで、これらの脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者がファイルの内容を破損する可能性があります。ファイルが重要なシステムファイルである場合、エクスプロイトによって該当システムで DoS 状態が発生する可能性があります。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者はシステムで有効なクレデンシャルを持っている必要があります。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvt11522、CSCvt11530
CVE ID:CVE-2021-1278
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:6.7
CVSSベクトル:CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:C/C:N/I:L/A:H
CVE-2021-1279:Cisco SD-WAN SNMPv3のDoS脆弱性
Cisco SD-WAN vBond Orchestrator ソフトウェア、Cisco SD-WAN vEdge クラウドルータ、Cisco SD-WAN vEdge ルータ、Cisco SD-WAN vManage ソフトウェア、および Cisco SD-WAN vSmart コントローラソフトウェアの SNMPv3 管理機能における脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当システムで DoS 状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、SNMPv3 管理機能に対する入力の検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、巧妙に細工された SNMPv3 トラフィックを特定のデバイスに送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当システムに DoS 状態が生じる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCvq20708
CVE ID:CVE-2021-1279
セキュリティ影響評価(SIR):中
CVSS ベーススコア:5.3
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示す適切な修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。お客様におかれましては、これらも考慮したうえでアップグレード ソリューション全体をご確認ください。
- cisco-sa-sdwan-abyp-TnGFHrS:Cisco SD-WAN vManage認証バイパスの脆弱性
- cisco-sa-sdwan-bufovulns-B5NrSHbj:Cisco SD-WANバッファオーバーフローの脆弱性
- cisco-sa-sdwan-cmdinjm-9QMSmgcn:Cisco SD-WANのコマンドインジェクションの脆弱性
- cisco-sa-sdwan-dosmulti-48jJuEUP:Cisco SD-WANのDoS脆弱性
SD-WAN ソフトウェア
Cisco SD-WAN のリリース | これらの脆弱性に対する最初の修正済みリリース | アドバイザリ集に記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
18.3 より前 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
18.3 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
18.4 | 18.4.6 | 修正済みリリースに移行。 |
19.2 | 19.2.4 | 修正済みリリースに移行。 |
19.3 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
20.1 | 20.1.2 | 修正済みリリースに移行。 |
20.3 | 20.3.1 | 20.3.2 |
20.4 | 20.4.1 | 20.4.1 |
IOS XE SD-WAN ソフトウェア
Cisco IOS XE SD-WAN のリリース | これらの脆弱性に対する最初の修正済みリリース | アドバイザリ集に記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
16.9 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
16.10 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
16.11 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
16.12 | 16.12.4 | 16.12.4 |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2021-1273:この脆弱性は、シスコの内部セキュリティテストでJoseph Connor氏によって発見されました。
CVE-2021-1274:この脆弱性は、シスコのArthur Vidineyev氏が社内セキュリティテストで発見しました。
CVE-2021-1278:この脆弱性は、シスコのAndrew Kim氏が社内セキュリティテストで発見しました。
CVE-2021-1279:この脆弱性は、内部セキュリティテストで発見されました。
CVE-2021-1241:この脆弱性は、Cisco TACサポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 修正リリースを更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2021 年 2 月 2 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 1 月 20 日 |
利用規約
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