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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
NGOAMと呼ばれるCisco NX-OSソフトウェアのVXLAN Operation, Administration, and Maintenance(OAM)機能の脆弱性により、認証されていないリモート攻撃者が該当デバイスにサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、Transparent Interconnection of Lots of Links(TRILL)OAM EtherTypeを使用した特定のパケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、VXLANイーサネットVPN(EVPN)ファブリックの一部であるデバイスに、0x8902のTRILL OAM EtherTypeを含む巧妙に細工されたパケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当デバイスのCPU使用率が高くなり、システムリソースが過剰に消費される可能性があります。これにより、コントロールプレーン全体が不安定になり、該当デバイスのリロードが発生する可能性があります。
注:NGOAM機能はデフォルトで無効になっています。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-nxos-ngoam-dos-LTDb9Hv
このアドバイザリは、2021 年 8 月に公開された Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。これらのアドバイザリとそのリンクの一覧については、『Cisco Event Response: August 2021 Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco NX-OSソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行し、NGOAM機能が有効になっており、仮想ポートチャネル(vPC)ピアを使用して設定されている次のシスコ製品に影響を与えます。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
NGOAM機能のステータスの確認
該当するデバイスでNGOAM機能が有効に設定されているかどうかを確認するには、show feature | include ngoamコマンドを使用して、機能が有効になっていることを確認します。次の例は、Cisco NX-OSソフトウェアを実行しているデバイスで有効になっているNGOAM機能を示しています。
nxos# show feature | include ngoam
ngoam 1 enabled
vPCのステータスの判別
該当するデバイスでvPCピアが設定されているかどうかを確認するには、Cisco NX-OSのCLIでshow vpc briefコマンドを使用します。次の例は、アクティブなvPCピアを持つデバイスからの出力を示しています。
nxos# show vpc brief
Legend:
(*) - local vPC is down, forwarding via vPC peer-link
vPC domain id : 10
Peer status : peer adjacency formed ok
vPC keep-alive status : peer is alive
Configuration consistency status : success
Per-vlan consistency status : success
Type-2 inconsistency reason : Consistency Check Not Performed
vPC role : primary
Number of vPCs configured : 1
Peer Gateway : Enabled
Dual-active excluded VLANs : -
Graceful Consistency Check : Enabled
Auto-recovery status : Disabled
Delay-restore status : Timer is off.(timeout = 30s)
Delay-restore SVI status : Timer is off.(timeout = 10s)
vPC Peer-link status
---------------------------------------------------------------------
id Port Status Active vlans
-- ---- ------ --------------------------------------------------
1 Po1 up 1
vPC status
----------------------------------------------------------------------
id Port Status Consistency Reason Active vlans
-- ---- ------ ----------- ------ ------------
10 Po10 up success success 1
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
NGOAM機能は、ping、pathtrace、tracerouteメッセージなど、VXLANネットワークの診断機能を提供します。これらのメッセージの一部には、EtherType 0x8902によって識別される特別なOAMヘッダーが含まれている場合があります。このヘッダーは、RFC 7455でTRILL OAM用に定義されています。
この脆弱性は、このEtherTypeを含む特定のパケットの不適切な処理に起因します。攻撃者は、VXLAN EVPNファブリックの一部であるデバイスにTRILL OAM EtherTypeを含む巧妙に細工されたパケットを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。この脆弱性を不正利用するには、攻撃者が仮想トンネルエンドポイント(VTEP)に隣接しているか、VXLAN EVPNのアンダーレイにアクセスできる必要があります。
この脆弱性により、NGOAMが有効でアクティブなvPCピアを持つ任意のVTEPデバイスで、Cisco Fabric Services(CFS)プロトコルによるピアとの同期が予期せず実行される可能性があります。これにより、CPU使用率が高くなり、システムリソースが過剰に消費され、コントロールプレーン全体が不安定になり、最終的に影響を受けるデバイスのリロードが発生する可能性があります。NGOAM機能はデフォルトで無効になっています。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
ただし、NGOAM機能を無効にすると、エクスプロイトベクトルが削除されます。NGOAM機能を無効にするには、グローバルコンフィギュレーションモードでCisco NX-OS CLIのno feature ngoam コマンドを使用します。この措置は、アップグレードが可能になるまでこの機能を使用する必要がない該当デバイスに対する適切な緩和策となる場合があります。
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。お客様固有の導入シナリオおよび制限によっては、緩和策を導入すると、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定の Cisco NX-OS ソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェア、プラットフォーム、および 1 つ以上のリリースを選択する
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリまたは 1 つ以上の特定のアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次のフォームを使用して、Cisco NX-OS ソフトウェアとプラットフォームを選択、およびリリースを入力することで(例:Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチの 7.0(3)I7(5) 、ACI モードの Cisco NX-OS ソフトウェアの 14.0(1h))、シスコ セキュリティ アドバイザリの対象となるリリースであるかを判断することもできます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] ドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco Nexus 3000 および 9000 シリーズ スイッチ SMU
Cisco Nexus 3000 および 9000 シリーズ スイッチの場合、Cisco NX-OS ソフトウェアの SMU を利用できます。次の SMU を Cisco.com の Software Center からダウンロードできます。
- リリース9.3(7a):nxos.CSCvx66917-n9k_ALL-1.0.0-9.3.7a.lib32_n9000.rpm
Cisco Nexus 3000 および 9000 シリーズ スイッチ向け Cisco NX-OS ソフトウェアにおける SMU のダウンロードとインストールの詳細については、該当する Cisco NX-OS システム管理コンフィギュレーション ガイド の「Performing Software Maintenance Upgrades」を参照してください。
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェアリリースの決定に際してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco MDS シリーズ スイッチ
Vmware スイッチ向け Cisco Nexus 1000V
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
Cisco UCS ソフトウェアに最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 8 月 25 日 |
利用規約
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