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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XR ソフトウェアの IP サービスレベル契約(IP SLA)レスポンダおよび双方向アクティブ測定プロトコル(TWAMP)機能の脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者がデバイスのパケットメモリを使い果たしたり、IP SLA プロセスをクラッシュさせたりして、サービス妨害(DoS)状態を発生させる可能性があります。
この脆弱性は、IP SLA および TWAMP プロセス中にソケット作成エラーが誤って処理されることに起因します。攻撃者は、特定の IP SLA または TWAMP パケットを該当デバイスに送信することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はパケットメモリを使い果たし、ルーティングプロトコルなどの他のプロセスに影響を与えたり、IP SLA プロセスをクラッシュさせたりする可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ipsla-ZA3SRrpP
このアドバイザリは、Cisco IOS XR ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ バンドル公開の 2021 年 9 月のリリースの一部です。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: September 2021 Cisco IOS XR Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS XR ソフトウェアの脆弱性のあるリリースを実行し、かつ IP SLA レスポンダ機能が有効になっているシスコデバイスに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
IP SLA レスポンダの設定の確認
デバイスで IP SLA レスポンダ機能が有効になっているかどうかを判断するには、CLI コマンド show running-config ipsla を使用します。キーワード responder または responder twamp を使用して IP SLA 機能が設定されている場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
次に、IP SLA レスポンダが有効になっているデバイスの出力例を示します。
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR# show running-config ipsla
ipsla
responder
!
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR#
次に、TWAMP で IP SLA レスポンダが有効になっているデバイスの出力例を示します。
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR# show running-config ipsla
ipsla
responder
twamp
!
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR#
注:IP SLAプロセスでipsla操作を使用して単にイニシエータとして設定されているデバイスは、responderまたはresponder twampも設定されていない限り、影響を受けません。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、管理者は緩和策として次の操作を選択できます。
IP SLA レスポンダにキーチェーンとキーストリングパスワードが設定されている場合、認証された攻撃者のみがこの脆弱性をエクスプロイトできます。IP SLA レスポンダで認証を有効にするには、次の例に示すように、show running-config ipsla および show run key chain コマンドを使用します。
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR# show running-config ipsla
ipsla
key-chain 1
responder
!
!
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR#
RP/0/RP0/CPU0:IOSXR#show run key chain
key chain 1
key 1
key-string password 060506324F41584B56
!
!
この緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコ ソフトウェア リリース トレインを示します。中央の列には、この脆弱性の影響を受ける特定のソフトウェアリリースを示します。右の列には、最初の修正済みリリースを示します。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | 該当するリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|---|
5.3 以前 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
6.0 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
6.1 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
6.2 | 6.2.1, 6.2.2 | 6.2.3 |
6.3 | 6.3.1 | 6.3.2, 6.3.3 |
6.4 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
6.5 | 6.5.2, 6.5.3 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
6.7 | すべて | ip sla responderの設定については6.7.4で修正されています。ip sla responder twampの設定には脆弱性があり、修正済みリリースに移行してください。 |
7.0 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
7.1 | すべて | 修正済みリリースに移行。 |
7.2 | すべて | 7.2.2 |
7.3 以降 | 影響なし。 | 影響なし。 |
シスコはこの脆弱性に対処する次の SMU もリリースしています。一覧に記載されていないプラットフォームやリリース向けの SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
次の表に示す SMU は、Cisco Bug ID CSCvw32825(ip sla responder 設定の場合)に対応しています。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
6.3.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.3.3.CSCvw32825 |
6.4.2 | ASR9K-X64 | asr9k-x64-6.4.2.CSCvw32825 |
6.5.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.5.3.CSCvw32825 |
6.6.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.6.3.CSCvw32825 |
ASR9K-X64 | asr9k-x64-6.6.3.CSCvw32825 | |
NCS5500 | ncs5500-6.6.3.CSCvw32825 | |
6.7.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.7.3.CSCvw32825 |
7.1.2 | NCS540 | ncs540-7.1.2.CSCvw32825 |
NCS560 | ncs560-7.1.2.CSCvw32825 | |
NCS5500 | ncs5500-7.1.2.CSCvw32825 | |
7.1.3 | ASR9K-X64 | asr9k-x64-7.1.3.CSCvw32825 |
次の表に示す SMU は、Cisco Bug ID CSCvw61840(ip sla responder twamp 設定の場合)に対応しています。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
6.3.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.3.3.CSCvw61840 |
6.5.3 | NCS5500 | ncs5500-6.5.3.CSCvw61840 |
6.6.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-6.6.3.CSCvw61840 |
ASR9K-X64 | asr9k-x64-6.6.3.CSCvw61840 | |
7.1.3 | ASR9K-X64 | asr9k-x64-7.1.3.CSCvw61840 |
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | SMU を追加。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2021-OCT-08 |
1.1 | SMU を追加。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2021-SEP-15 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 9 月 8 日 |
利用規約
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