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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XR ソフトウェアの入力パケット処理機能で複数の脆弱性が確認されました。認証されていないリモートからの攻撃者によって、該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態が引き起こされる危険性があります。
これらの脆弱性の詳細については本アドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-iosxr-dos-WwDdghs2
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は、影響を受ける Cisco IOS XR ソフトウェアリリースを実行しているシスコデバイスに影響を及ぼします。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、これらの脆弱性が次のシスコ製品に影響を与えないことを確認しました。
- IOS ソフトウェア
- IOS XE ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
これらの脆弱性は依存関係にはなく、いずれかの脆弱性をエクスプロイトするために、他の脆弱性をエクスプロイトする必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
これらの脆弱性の詳細については、次のとおりです。
CVE-2021-1288:Cisco IOS XRソフトウェアのEnfブローカにおけるDoS脆弱性
Cisco IOS XR ソフトウェアの入力パケット処理機能で脆弱性が確認されました。認証されていないリモートからの攻撃者によって、該当デバイスで DoS 状態が引き起こされる危険性があります。
この脆弱性は、該当デバイスが Telnet プロトコルパケットを処理する際に発生する論理エラーに起因します。攻撃者は、特定のパケットストリームを該当デバイスに送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者が enf_broker プロセスをクラッシュさせ、システムが不安定になったり、該当デバイスでトラフィックを処理または転送できなくなったりする可能性があります。
この脆弱性は、細工した特定のパケットストリームを IPv4 または IPv6 経由で使用することで、エクスプロイトされる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCuz39742
CVE ID:CVE-2021-1288
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
CVE-2021-1313:Cisco IOS XRソフトウェアのEnfブローカにおけるDoS脆弱性
Cisco IOS XR ソフトウェアの入力パケット処理機能で脆弱性が確認されました。認証されていないリモートからの攻撃者によって、該当デバイスで DoS 状態が引き起こされる危険性があります。
この脆弱性は、該当デバイスが ICMP または Telnet プロトコルパケットを処理する際の不適切なリソース割り当てに起因します。攻撃者は、特定のパケットストリームを該当デバイスに送信することによって、この脆弱性をエクスプロイトできる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は enf_broker プロセスでシステムのメモリリークを引き起こすことができます。時間の経過とともに、このメモリリークによって enf_broker プロセスがクラッシュし、システムが不安定になったり、該当デバイスでトラフィックを処理または転送できなくなったりする可能性があります。
この脆弱性は、細工した特定のパケットストリームを IPv4 または IPv6 経由で使用することで、エクスプロイトされる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
バグID:CSCuy67256
CVE ID:CVE-2021-1313
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.6
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H
セキュリティ侵害の痕跡
これらの脆弱性のいずれかがエクスプロイトされると、該当デバイスで enf_broker プロセスがクラッシュする可能性があります。デバイスで enf_broker プロセスのクラッシュが発生すると、システムログに次のメッセージが表示されることがあります。
%OS-SYSMGR-3-ERROR:enf_broker(1)(jid 209)が終了し、遅延で再起動されます(スローリスタート) |
%OS-SYSMGR-3-ERROR:enf_broker(209)(フェールカウント28597)が120秒後に再起動されます。 |
%OS-DUMPER-7-DUMP_REQUEST:プロセスpkg/bin/enf_broker%OS-DUMPER-7-DUMP_ATTRIBUTE:プロセスpkg/bin/enf_brokerの属性200の要求をダンプ |
これらのエラーメッセージは、enf_broker プロセスがクラッシュしたことを示します。ただし、プロセスはいずれかの脆弱性のエクスプロイト以外の理由でクラッシュした可能性もあります。いずれかの脆弱性のエクスプロイトによってデバイスが侵害を受けているかどうかは、サポート担当部門に連絡し、エラーメッセージを調査することで判断できます。
回避策
これらの脆弱性に対する回避策はありません。また、複数の緩和策を利用できます。
CVE-2021-1288 の緩和策として、着信接続用の Telnet プロトコルを無効化できます。Telnet の無効化の方法については、Cisco IOS XR デバイスの強化に関するシスコガイド を参照してください。
CVE-2021-1313 は、Telnet または ICMP プロトコルパケットのストリームを処理する際にエクスプロイトされる可能性があるため、2 つの攻撃ベクトルに対する保護を確保するために、次の緩和手順も実装する必要があります。
- 着信接続用の Telnet プロトコルを無効にします。
- 既存のインターフェイス ACL にアクセス制御エントリ(ACE)を実装するか、特定のインターフェイスに着信する ICMP トラフィックを拒否する新しい ACL を作成します。次に、IPv4 ACL を作成し、ICMP トラフィックを拒否する方法の入力例を示します。
P/0/0/CPU0:router(config)# ipv4 access-list
deny icmp any any
これらの緩和策の両方を実行する方法については、Cisco IOS XR デバイスの強化に関するシスコガイド を参照してください。
これらの緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、実装されている回避策または軽減策が、お客様の固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表に示すように、該当する修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることをお勧めします。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | First Fixed Release for CVE-2021-1288(CSCuz39742) |
First Fixed Release for CVE-2021-1313(CSCuy67256) |
このアドバイザリに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|---|
5.0 | 5.2.6 5.3.4 |
5.2.471 5.2.6 5.3.4 |
5.2.6 5.3.4 |
6.0 | 6.0.2 | 脆弱性なし | 6.0.2 |
7.0 以降 | 脆弱性なし | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
注:Cisco IOS XRソフトウェアリリース5.3.3には、CVE-2021-1288(CSCuz39742)とCVE-2021-1313(CSCuy67256)の両方の修正は含まれていません。Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 5.3.3 を実行しているお客様は、修正済の IOS XR ソフトウェアリリースに移行するか、プラットフォームに適切な SMU を適用することをお勧めします。
シスコはこれらの脆弱性に対処する SMU をリリースしました。 次の表に、プラットフォームに基づく各リリースの SMU 名を示します。SMU の名前には CSCuy67256 のみ含まれていますが、SMU には CSCuz39742 と CSCuy67256 の両方の修正が含まれています。
Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | SMU 名 |
---|---|---|
5.1.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-5.1.3.CSCuy67256 |
5.3.2 | ASR9K-PX | asr9k-px-5.3.2.CSCuy67256 |
5.3.3 | ASR9K-PX | asr9k-px-5.3.3.CSCuy67256 |
CRS-PX | hfr-px-5.3.3.CSCuy67256 |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
CVE-2021-1288:この脆弱性を報告していただいた米国国家安全保障局(NSA)に感謝いたします。
CVE-2021-1313:この脆弱性は、Cisco TACサポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | Cisco IOS XR ソフトウェアリリース 5.0 の入手可能な修整済リリースの更新情報。両方の脆弱性の修正がリリース 5.2.6 および 5.3.4 に統合されました。 | 修正済みリリース | Final | 2021 年 2 月 4 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 2 月 3 日 |
利用規約
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