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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアのソフトウェアベースの SSL/TLS メッセージハンドラにある脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が該当するデバイスのリロードを引き起こし、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、デバイスがソフトウェアベースの SSL/TLS 復号化を実行するときに SSL/TLS メッセージの検証が不十分であることに起因します。細工された SSL/TLS メッセージが該当デバイスに送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。 不正利用に成功すると、攻撃者は該当デバイスのリロードを引き起こし、その結果 DoS 状態が発生する可能性があります。
注:Datagram TLS(DTLS)メッセージを使用してこの脆弱性を不正利用することはできません。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ftd-tls-decrypt-dos-BMxYjm8M
このアドバイザリは、Cisco ASA、FTD、および FMC セキュリティ アドバイザリ バンドル公開の 2021 年 10 月のリリースの一部です。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: October 2021 Cisco ASA, FMC, and FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコソフトウェアリリースを実行しており、かつ次の条件を満たすシスコデバイスです。
シスコソフトウェア | 該当するリリース | 脆弱性の詳細 |
---|---|---|
ASA ソフトウェア | 9.16.1 および 9.16.1.28 | 影響を受けるデバイスが着信 SSL/TLS メッセージを処理するように設定されている場合、デバイスに送信される巧妙に細工された SSL/TLS メッセージに対して脆弱性があります。 |
FTD ソフトウェア | 7.0.0 および 7.0.01 | |
FTD ソフトウェア | 6.3.0 以降かつ最初の修正済みリリースより前 | 影響を受けるデバイスがアクティブな SSL 復号ポリシーで設定されている場合、デバイスを介して送信される巧妙に細工された SSL/TLS メッセージに対して脆弱性があります。 |
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイスが着信 SSL または TLS メッセージを処理できるかどうかの確認
Cisco ASA ソフトウェアまたは Cisco FTD ソフトウェアを実行中のデバイスが、着信 SSL または TLS メッセ―ジを処理できるかどうかを確認するには、show asp table socket | | include SSL コマンドを使用して、出力が返されることを確認します。このコマンドで何らかの出力が返される場合、そのデバイスには脆弱性があります。このコマンドを実行して空の結果が返される場合、そのデバイスはこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けません。以下は、show asp table socket コマンドの出力例です。 | | include SSL コマンドを実行します。
# show asp table socket | include SSL
SSL 0005aa68 LISTEN 192.168.4.1:443 0.0.0.0:*
SSL 0018f7a8 LISTEN 192.168.4.1:8443 0.0.0.0:*
SSL 復号ポリシーが有効になっているかどうかを確認する方法
SSL 復号ポリシーが有効になっているかどうかは、次の 2 つの方法で確認できます。
オプション 1:CLI の使用
CLI コマンドの show ssl-policy-config を使用して、デバイスで SSL 復号ポリシーが有効になっているかどうかを確認します。次の例は、SSL ポリシーが設定されておらず、脆弱性が存在しないデバイスでの show ssl-policy-config コマンドの出力を示します。
> show ssl-policy-config
SSL policy not yet applied.
show ssl-policy-config コマンドによって返されるその他すべての出力は、SSL ポリシーが設定されており、デバイスがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けることを示しています。
show ssl-policy-config コマンドの詳細については、Cisco Firepower Threat Defense のコマンドリファレンスを参照してください。
オプション2:GUIの使用
デバイスで SSL 復号ポリシーが有効になっているかどうかを確認するには、適切なポリシーを確認します。
- Firepower Management Center(FMC)によって管理されているデバイスの場合は、次のように選択します。
[ポリシー(Policies)] > [アクセスコントロール(Access Control)] > [SSL] - Firepower Device Manager(FDM)によって管理されているデバイスの場合は、次のように選択します。
[ポリシー(Policies)] > [SSL復号(SSL Decryption)]
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、Cisco FTD ソフトウェアリリース 6.3 ~ 6.7 を実行している次のシスコ製品には、この脆弱性が影響を与えないことを確認しています。
- ASA 5500-X シリーズ ファイアウォール
- ASA 5500-X with FirePOWER Services
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右側の列は、リリースがこのバンドルに記載された「重大」または「高」SIR 脆弱性のいずれかに該当するかどうか、およびそれらの脆弱性に対する修正を含むリリースを示しています。
ASA ソフトウェア
Cisco ASA ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
9.7 以前1 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
9.8 | 脆弱性なし | 9.8.4.40 |
9.91 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
9.101 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
9.12 | 脆弱性なし | 9.12.4.29 |
9.131 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
9.14 | 脆弱性なし | 9.14.3.9 |
9.15 | 脆弱性なし | 9.15.1.17 |
9.16 | 9.16.2 | 9.16.2.3 |
FTD ソフトウェア
Cisco FTD ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.2.2 以前1 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
6.3.01 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.4.0 | 6.4.0.13 (Nov 2021) |
6.4.0.13 (Nov 2021) |
6.5.01 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6.0 | 6.6.5 | 6.6.5.1 (Nov 2021) |
6.7.0 | 6.7.0.3(2022 年 1 月) | 6.7.0.3(2022 年 1 月) |
7.0.0 | 7.0.1 |
7.0.1 |
FTD デバイスのアップグレード手順については、Cisco Firepower Management Center アップグレードガイドを参照してください。
Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正されたリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は、シスコ内部でセキュリティ テストを実施中に、Sanmith Prakash によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2021 年 10 月 27 日 |
利用規約
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