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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアの SIP インスペクションエンジンの脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、該当デバイスのクラッシュおよびリロードを引き起こし、サービス妨害(DoS)状態が発生する可能性があります。
この脆弱性は、SIP ピンホール接続のハッシュルックアップ中に発生するクラッシュに起因します。攻撃者は、細工された SIP トラフィックを該当デバイスに送信することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。攻撃者がエクスプロイトに成功すると、該当デバイスのクラッシュおよびリロードが引き起こされる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asa-ftd-sipdos-GGwmMerC
このアドバイザリは、2021 年 4 月に公開された Cisco ASA、FMC、および FTD ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: April 2021 Cisco ASA, FMC, and FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、シスコ製品で、脆弱性のある Cisco ASA ソフトウェアまたは Cisco FTD ソフトウェアリリースが実行されており、SIP インスペクションが設定されている場合です。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
Cisco ASA ソフトウェアまたは FTD ソフトウェアで SIP インスペクションが設定されているかどうかを確認するには、CLI で show service-policy | include sipコマンドをCLIで実行します。次の例に示すように、出力にInspect: sipが含まれている場合、デバイスは脆弱であると見なされます。
device# show service-policy | include sip
Inspect: sip , packet 2, lock fail 0, drop 0, reset-drop 0, 5-min-pkt-rate 0 pkts/sec, v6-fail-close 0 sctp-drop-override 0
注:Cisco ASAソフトウェアおよびFTDソフトウェアでは、SIPインスペクションはデフォルトで有効になっています。アプリケーション インスペクション ポリシーのデフォルト設定の詳細については、「Cisco ASA Series Firewall CLI Configuration Guide」を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が Cisco Firepower Management Center(FMC)ソフトウェアに影響を及ぼさないことを確認しました。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、物理アプライアンスと仮想アプライアンスの両方に適用されるリスク軽減オプションがあります。
オプション1:SIPインスペクションの無効化
SIP インスペクションを無効にすると、この脆弱性の攻撃ベクトルが完全に閉じます。ただし、このリスク軽減方法は、一部の環境には適さない可能性があります。具体的には、SIP インスペクションを無効にすると、ネットワークアドレス変換(NAT)が SIP トラフィックに適用されているか、SIP 通信に必要なポートのいずれかが ACL によって開かれていない場合、SIP 接続が切断されます。
Cisco ASA ソフトウェアで SIP インスペクションを無効にするには、次のコマンドを使用します。
policy-map <policy name>
class inspection_default
no inspect sip
Cisco FTD ソフトウェアで SIP インスペクションを無効にするには、CLI で次のコマンドを使用します。
configure inspection sip disable
オプション2:ACLを使用して信頼できるSIPホストのみを許可する
ACL を使用して、デバイスを介した SIP 接続を既知の信頼できる SIP ホストに制限します。Cisco ASAおよびFTD ACLの設定の詳細については、『Cisco ASAシリーズファイアウォールCLIコンフィギュレーションガイド:アクセスコントロールリスト』を参照してください。
これらの緩和策は導入されており、テスト環境では実証済みですが、お客様は、ご使用の環境および使用条件において適用性と有効性を判断する必要があります。また、導入されている回避策または緩和策が、お客様固有の導入シナリオおよび制限に基づいて、ネットワークの機能やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。回避策や緩和策は、ご使用の環境への適用性と環境への影響を評価した後で導入してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載された何らかの脆弱性に該当するかどうか、およびそれらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
ASA ソフトウェア
Cisco ASA ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
9.81 より前 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
9.8 | 9.8.4.34 | 9.8.4.35 |
9.9 | 9.9.2.85 | 9.9.2.85 |
9.101 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
9.12 | 9.12.4.18 | 9.12.4.18 |
9.13 | 9.13.1.21 | 9.13.1.21 |
9.14 | 9.14.2.13 | 9.14.2.13 |
9.15 | 9.15.1.15 | 9.15.1.15 |
1. Cisco ASA ソフトウェアリリース 9.7 以前および 9.10 については、ソフトウェアのメンテナンスが終了しています。この脆弱性の修正を含むサポート対象リリースに移行することをお勧めします。
FTD ソフトウェア
Cisco FTD ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する推奨リリース |
---|---|---|
6.2.21 より前 | 脆弱性なし | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.2 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.3.0 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.4.0 | 6.4.0.12 (May 2021) | 6.4.0.12 (May 2021) |
6.5.0 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.6.0 | 6.6.4 | 6.6.42 |
6.7.0 | 6.7.0.2 | 6.7.0.2 |
1. Cisco FMC および FTD ソフトウェアリリース 6.0.1 以前および 6.2.0、6.2.1 については、ソフトウェアのメンテナンスが終了しています。この脆弱性の修正を含むサポート対象リリースに移行することをお勧めします。
2. 6.6.0コードトレインの最初の修正済みリリースは6.6.3でした。ただし、CSCvx86231に関連するアップグレードの問題のため、推奨リリースは6.6.4です。
Cisco FTD ソフトウェアの修正済みリリースにアップグレードするには、次のいずれかの操作を行います。
- Cisco Firepower Management Center(FMC)を使用して管理しているデバイスについては、FMC インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
- Cisco Firepower Device Manager(FDM)を使用して管理しているデバイスについては、FDM インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | - | Final | 2021-APR-28 |
利用規約
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