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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Intelligent Proximity ソリューションが「脆弱性のある製品」に示されている条件を満たしている場合、SSL 実装に起因する脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が、Cisco Webex ビデオデバイスおよびシスコのコラボレーション エンドポイントで共有される情報を表示または変更できる可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Webex ビデオデバイスまたはシスコのコラボレーション エンドポイントへの接続を確立するときに受信する SSL サーバ証明書の検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、中間者(MITM)攻撃により、影響を受けるクライアントとエンドポイントの間のトラフィックを傍受し、偽造証明書を使用してエンドポイントになりすますことによって、この脆弱性を利用する可能性があります。エンドポイントの設定によっては、攻撃者がこれを不正利用して、エンドポイントで共有されているプレゼンテーション コンテンツを表示したり、攻撃対象者によって提示されているコンテンツを変更したり、コール制御にアクセスしたりする可能性があります。
この脆弱性は、クラウド登録コラボレーション エンドポイントには影響しません。
この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-proximity-ssl-cert-gBBu3RB
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、影響を受けるソフトウェアリリースを実行していて、プロキシミティ機能が有効で、かつオンプレミスデバイスへの接続に使用されている次のシスコ製品に影響を与えます。
- Cisco Intelligent Proximity アプリケーション
- Cisco Jabber
- Cisco WebEx Meetings
- Cisco Webex Teams
- Cisco Meeting アプリ
クライアントでプロキシミティ機能が有効になっているかどうかの確認
上記のソフトウェアクライアントは、プロキシミティ機能が設定されている場合、この脆弱性の影響を受けます。ただし、攻撃者がこの脆弱性を不正利用するには、コラボレーション エンドポイントでもプロキシミティ機能が有効になっている必要があります。エンドポイントでのプロキシミティ機能の設定の詳細については、このアドバイザリの「詳細」と「回避策」のセクションを参照してください。
Cisco Intelligent Proximity アプリケーション
プロキシミティ機能は常に有効であり、無効にすることはできません。
Cisco Jabber1
Cisco Jabber でプロキシミティ機能が有効になっているかどうかを確認する方法は、いくつかあります。
1. Jabber 設定ファイルの jabber-config.xml に次の行がない場合、この機能が有効になっています。
<EnableProximity>false</EnableProximity>
2. アプリケーションの設定で、[ビデオデバイス(Video Device)] に移動します。この機能は、[最も近いデバイスに自動的に接続(Connect to nearest device automatically)] が選択されている場合に有効になっています。
Cisco Webex Meetings1
アプリケーションの設定で、[ビデオシステム(Video Systems)] に移動します。この機能は、[近くのデバイスを自動的に検出(Automatically discover nearby devices)] が選択されている場合に有効になっています。
Cisco Webex Teams1
Cisco Webex Control Hub から、[設定(Settings)] に移動し、[デバイス検出(Device Discovery)] までスクロールします。この機能は、[Webex Teamsアプリのオンプレミス登録デバイスへの接続を許可(Webex Teams app to connect to on-premises registered device)] が選択されている場合に有効になっています。
Cisco Meeting アプリ
プロキシミティ機能は常に有効であり、無効にすることはできません。
1 サブメニューの項目とオプションの説明は、ソフトウェアのバージョンによって異なる場合があります。この情報は、プロキシミティ機能の設定オプションがある場所を全般的に示すためのものです。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、クラウド登録デバイスへの接続に使用される場合に Cisco Proximity クライアントがこの脆弱性の影響を受けないことを確認しています。
詳細
Cisco Intelligent Proximity ソリューションにより、ラップトップ、スマートフォン、またはその他のハンドヘルドデバイスが、Cisco Webex ビデオデバイスおよびコラボレーション エンドポイントを自動的に検出して接続できるようになります。クライアントが利用できる機能はエンドポイントの設定によって異なり、それによって、攻撃者が不正利用できることが変化します。
設定オプションでは、次のものを任意に組み合わせることができます。
- クライアントからのコンテンツ共有:クライアントはコラボレーションエンドポイントの画面に表示できます。共有コンテンツは、コラボレーション エンドポイントでのみ表示され、接続されている他のクライアントとは共有されません。MITM は、プレゼンテーションのコンテンツを読み取ることや変更することができます。
- クライアントとのコンテンツ共有:共有コンテンツは、コラボレーションエンドポイントの画面および接続されたクライアントデバイスに表示されます。MITM は、他のクライアントによって共有されている進行中のプレゼンテーションを確認し、攻撃対象者の表示するプレゼンテーションのコンテンツを変更できます。
- コール制御:クライアントは、デバイスのタッチパネルを使用するのと同じ方法でシスコのコラボレーションエンドポイントを制御できます。たとえば、音量を制御するコマンドを送信したり、他者にダイヤルしたりすることができます。MITM はこれを使用してダイヤルインし、コールをリッスンして、攻撃対象者になりすまします。または、攻撃対象者によってコラボレーション エンドポイトに送信されたコマンド(ダイヤルした URI を含む)を表示できます。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
軽減策
プロキシミティペアリング機能の無効化
コラボレーション エンドポイントの主な目的は、ビデオとコンテンツの共有です。自動エンドポイント検出および接続を必要としない場合は、プロキシミティペアリング機能を無効にできます。
Cisco Webex ビデオデバイスおよびシスコのコラボレーション エンドポイントでのプロキシミティペアリング機能の無効化
エンドポイントの Web インターフェイスにサインインし、[セットアップ(Setup)] > [設定(Configuration)] に移動してから、[プロキシミティ(Proximity)] > [モード(Mode)] に移動します。[モード(mode)] を [オフ(Off)] に設定すると、すべてのプロキシミティ機能が無効になります。または、さまざまなサブサービスを無効にすることで、それに応じたセキュリティ露出を制限できます。
Cisco IX5000 シリーズの場合は、[設定(Configuration)] > [周波数セクションとプロキシミティセクションの表示(Display Frequency and Proximity Sections)] に移動します。[モード(mode)] を [オフ(Off)] に設定すると、すべてのプロキシミティ機能が無効になります。または、さまざまなサブサービスを無効にすることで、それに応じたセキュリティ露出を制限できます。
注:この機能をエンドポイントで無効にした後は、この機能を使用するためにデバイスと直接やり取りする必要があります。さまざまなプロキシミティクライアントは、エンドポイントに接続できなくなります。ただし、これにより、その機能が有効になっている可能性のある他のエンドポイントへのクライアントソフトウェアの接続が妨げられることはないため、不正利用のリスクが完全に排除されるわけではありません。
プロキシミティクライアントでのコラボレーション エンドポイントの自動検出の無効化
Cisco Jabber、Cisco Webex Teams、および Cisco Webex Meetings でプロキシミティペアリングを無効にすることができます。各クライアントの設定オプションへの移動方法については、このアドバイザリの「脆弱性のある製品」セクションを参照してください。
注:クライアントでこの機能を無効にしても、外部ゲストがエンドポイントに接続できなくなるわけではないため、悪用のリスクを完全に排除することはできません。
コラボレーション ソリューションのクラウドへの移行
クラウド登録コラボレーション ソリューションを使用する権限がある場合は、環境をオンプレミスからクラウド登録デバイスに移行できます。クラウド登録デバイス用の Cisco Intelligent Proximity ソリューションは、この脆弱性の影響を受けません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
シスコがこの脆弱性に対処するためにリリースしたソフトウェアアップデートは、Cisco Intelligent Proximity アプリケーションのみを対象としています。プロキシミティ機能をサポートする他のクライアントソリューションにはパッチが適用されていません。
この脆弱性に対処するために実装されたソリューションは、ホストフィンガープリントの検証に依存しています。この脆弱性がエクスプロイトされないようにするには、プロキシミティクライアントとコラボレーション エンドポイントの両方をアップグレードする必要があります。
クライアント:Cisco Intelligent Proximityアプリケーション
この脆弱性は、Cisco Intelligent Proximity アプリケーションリリース 3.1.0 以降で修正済みです。
エンドポイント:Cisco WebexビデオデバイスおよびCisco Collaborationエンドポイント
この脆弱性は、シスコ コラボレーション エンドポイント ソフトウェア リリース 9.14.3 以降で修正済みです。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
シスコは、この脆弱性を報告していただいた Adam Shore 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 修正済みリリースの追加 | 修正済みソフトウェア | Final | 2021 年 7 月 15 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 3 月 4 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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