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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
スタンドアロン NX-OS モードの Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチおよび Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチの enable secret 機能に存在する脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が enable コマンドを発行し、完全な管理者権限を取得できる可能性があります。攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトするには、該当するデバイスで有効なログイン情報を取得する必要があります。
この脆弱性は、enable コマンド実装に存在する論理エラーに起因します。攻撃者がデバイスにログインして enable コマンドを発行することで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は enable password を使うことなく完全な管理者権限を取得できます。
注:Enable Secret機能はデフォルトで無効になっています。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-n3n9k-priv-escal-3QhXJBC
このアドバイザリは 2020 年 8 月に公開された Cisco FXOS および NX-OS ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。この中には、7 件の脆弱性に関する 7 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが含まれています。これらのアドバイザリとそのリンクの一覧については、『Cisco Event Response: August 2020 Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、次のシスコ製品 で Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性があるリリースを実行しており、かつ feature privilege コマンドと enable secret コマンドが設定されている場合です。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
enable secret コマンドは、Cisco IOS ソフトウェアから Cisco NX-OS ソフトウェアに設定を移行する場合にのみ使用できるツールとして、Cisco NX-OS ソフトウェアに追加されました。このコマンドは、Cisco NX-OS ソフトウェアで他の目的には使用されないため、無効にする必要があります。enable secret コマンドは、今後のリリースで削除される予定です。
Cisco IOS ソフトウェアで enable secret コマンドを使用すると、Cisco IOS ソフトウェアシステムへの特権管理アクセスを許可するパスワードをユーザに対して設定できます。Cisco NX-OS ソフトウェアには、enable-secret や enable-password 設定の概念はありません。権限は、ロールベース アクセス コントロール(RBAC)を使用して管理されます。Cisco IOS ソフトウェアデバイスのモードアクセス有効化に相当する機能は、Cisco NX-OS ソフトウェアの network-admin(グローバル特権アクセス)または vdc-admin(仮想デバイスコンテキスト(VDC)固有の特権アクセス)ロールへのアカウント割り当てです。
詳細については、 『Cisco Guide to Securing Cisco NX-OS Software Devices(Cisco NX-OS ソフトウェアデバイスの保護に関するシスコガイド)』を参照してください。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性がエクスプロイトされているかどうかを確認するには、show accounting log | include "enable" コマンドを使用します。次の例は、権限の低いユーザが enable コマンドを使用して権限を昇格した後にこのコマンドを実行した場合の出力を示しています。
nxos# show accounting log | include "enable"
type=update:id=console0:user=guest:cmd=enable (SUCCESS)
type=update:id=console0:user=guest:cmd=enable 15 (SUCCESS)
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
Cisco NX-OS ソフトウェアでは、RBAC を使用してユーザアカウントと権限が管理されます。詳細については、 『Cisco NX-OS Security Configuration Guide』の「Configuring User Accounts and RBAC」の項を参照してください。
RBAC の設定が完了したら、enable secret コマンドを設定から削除します。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定の Cisco NX-OS ソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェア、プラットフォーム、および 1 つ以上のリリースを選択する
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリまたは 1 つ以上の特定のアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次のフォームを使用して、Cisco NX-OS ソフトウェアとプラットフォームを選択、およびリリースを入力することで(例:Cisco Nexus 3000 シリーズ スイッチの 7.0(3)I7(5) 、ACI モードの Cisco NX-OS ソフトウェアの 14.0(1h))、シスコ セキュリティ アドバイザリの対象となるリリースであるかを判断することもできます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] ドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェアリリースの決定に際してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco MDS シリーズ スイッチ
Vmware スイッチ向け Cisco Nexus 1000V
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
Cisco UCS ソフトウェアに最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | ソフトウェアチェッカーのリンクを修正。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2020 年 8 月 26 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 8 月 26 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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