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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Catalyst 9000 ファミリ向け Cisco IOS XE ワイヤレス コントローラ ソフトウェアには、ワイヤレスクライアントでの Simple Network Management Protocol(SNMP)トラップ生成に脆弱性があり、認証されていない隣接環境の攻撃者が、該当デバイスで予期しないリロードを発生させ、サービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、ワイヤレスクライアント接続に関連する SNMP トラップ生成用の情報に対して、入力検証が十分に行われていないことが原因で発生します。接続時のワイヤレス認証セットアップフェーズ中に、細工されたパラメータ付きの 802.1x パケットが送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトに成功すると、該当デバイスでリロードが発生し、DoS 状態が引き起こされる可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-iosxe-ewlc-snmp-dos-wNkedg9K
このアドバイザリは、2020 年 9 月 24 日に公開された Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ資料の一部です。この資料には、34 件の脆弱性に関する 25 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが記載されています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: September 2020 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco Catalyst 9000 ファミリ向け Cisco IOS XE ワイヤレス コントローラ ソフトウェアの脆弱なリリースを実行し、802.1x ワイヤレス接続用の SNMP トラップを送信するように設定されているデバイスに影響を及ぼします。次のハードウェア プラットフォームには脆弱性が存在します。
- Catalyst 9300、9400、9500 シリーズ スイッチ用 Catalyst 9800 組み込みワイヤレスコントローラ
- Catalyst 9800 シリーズ ワイヤレス コントローラ
- Catalyst 9100 アクセスポイント上の組み込みワイヤレスコントローラ
脆弱性のある Cisco ソフトウェアリリースの詳細については、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイスに 802.1x の SNMP trapflag が設定されているかどうかを判断する
802.1x クライアント用 SNMP trapflag が有効かどうかを判断するには、デバイスにログインし、CLI で、show running-config | include trapflags client dot11 を使用して、グローバル コンフィギュレーションに、trapflags client dot11 形式のコマンドがあるかどうかを確認します。出力にそのようなコマンドがあれば、そのデバイスには脆弱性が存在します。この脆弱性は、CLI コマンドの出力にある dot11 で確認できる 802.1x SNMP トラップに固有のものです。
以下に、show running-config | SNMP trapflag が設定されたデバイスで、show running-config | include trapflags client dot11 コマンドを実行した結果の例を次に示します。
Router# show running-config | include trapflags client dot11
trapflags client dot11 assocfail
trapflags client dot11 associate
trapflags client dot11 authenticate
trapflags client dot11 authfail
trapflags client dot11 deauthenticate
trapflags client dot11 disassociate
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、この脆弱性が次のシスコソフトウェアには影響を与えないことを確認しています。
- IOS ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
- WLC ソフトウェア
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
この脆弱性を回避するには、実行コンフィギュレーションから、trapflags client dot11 形式のコマンドをすべて削除します。これらのコマンドは、該当デバイスでワイヤレス接続が発生した際に、特定の状態に対して SNMP トラップを生成します。その SNMP トラップ生成機能によって、該当デバイスに脆弱性が生じます。ワイヤレスネットワークで SNMP トラップが必要でない場合、これらのコマンドを削除することが、有効な回避策と考えられます。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定のソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次の形式を使用して、Cisco IOS または IOS XE ソフトウェアリリース(15.1(4)M2 や 3.13.8S など)を入力することで、そのリリースがシスコ セキュリティ アドバイザリの影響を受けているかどうかを判断できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020-SEP-24 |
利用規約
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