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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 800 シリーズ産業用サービス統合型ルータ(Industrial ISR)および Cisco 1000 シリーズ Connected Grid ルータ(CGR1000)用の Cisco IOS ソフトウェアに実装された Low Power、Wide Area(LPWA)サブシステムには脆弱性があり、認証されていないリモートの攻撃者が機密データに不正アクセスして情報を読み取ったり、サービス妨害(DoS)状態を引き起こしたりする可能性があります。
この脆弱性は、仮想 LPWA(VLPWA)プロトコルモデムメッセージに対する入力検証の仕組みが不十分であることが原因で発生します。攻撃者は、細工したパケットを該当デバイスに送信して、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、機密データに不正アクセスして情報を読み取ったり、該当デバイスの VLPWA インターフェイスをシャットダウンしたりすることで、DoS 状態を引き起こす可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ios-lpwa-access-cXsD7PRA
このアドバイザリは、2020 年 9 月 24 日に公開された Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア リリースのセキュリティ アドバイザリ資料の一部です。この資料には、34 件の脆弱性に関する 25 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが記載されています。アドバイザリとリンクの一覧については、『Cisco Event Response: September 2020 Semiannual Cisco IOS and IOS XE Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、脆弱な Cisco IOS ソフトウェアリリースを実行し、VLPWA が有効になっている次のシスコ製品に影響を及ぼします。
- 807 産業用 ISR
- 809 産業用 ISR
- 829 産業用 ISR
- CGR 1000 ルータ
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
VLPWA インターフェイスが有効かどうかを判断する
VLPWA インターフェイスが有効かどうかを判断するには、CLI で show control-plane host open-ports EXEC コマンドを使用します。デバイスで TCP ポート 5888 が解放されている場合、VLPWA インターフェイスが有効になり、VLPWA プロトコルモデムメッセージが処理されます。
次の例は、VLPWAインターフェイスが有効になっており、ポートTCP 5888にIPバージョン4(IPv4)またはIPバージョン6(IPv6)のいずれかを使用してVLPWAプロトコルモデムメッセージを処理しているデバイスでのshow control-plane host open-portsコマンドの出力を示しています。
Router#show control-plane host open-ports
Active internet connections (servers and established)
Prot Local Address Foreign Address Service State
tcp *:5888 *:0 VLPWA Proc LISTEN
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- 800 シリーズ サービス統合型ルータ
- 2000 シリーズ Connected Grid ルータ
- IOS XE ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
Cisco ISR および Connected Grid ルータで、VLPWA インターフェイスを有効にすると、LoRaWAN 用のシスコ ワイヤレス ゲートウェイのステータスを設定およびモニタできます。これは、Cisco Internet of Things(IoT)拡張モジュール シリーズの 1 つで、これにより、コネクテッドデバイスで LPWA アクセスが可能になります。
該当デバイスの VLPWA インターフェイスで、lpwa modem authentication mandatory enable 機能が有効になっていると、この脆弱性の不正利用によって、インターフェイスがシャットダウンされる可能性があります。それ以外では、該当デバイスの VLPWA インターフェイスで、lpwa modem authentication mandatory enable 機能が有効になっていない場合、不正利用によって、そのデバイスに保存されている機密データに不正アクセスされる可能性があります。
次の例は、show running-config interface virtual lpwa 1| include authentication mandatory enable コマンドの出力例を示します。このデバイスでは、VLPWA インターフェイス 1 で、lpwa modem authentication mandatory enable 機能が有効になっています。
Router# show running-config interface virtual-lpwa 1| include authentication mandatory enable
lpwa modem authentication mandatory enable
この脆弱性の不正利用では、Cisco Wireless Gateway for LoRaWAN モジュールが該当デバイスに接続されていることが必須ではありません。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、シスコ セキュリティ アドバイザリ ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性とアップグレード ソリューション一式を確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定のソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、次の形式を使用して、Cisco IOS または IOS XE ソフトウェアリリース(15.1(4)M2 や 3.13.8S など)を入力することで、そのリリースがシスコ セキュリティ アドバイザリの影響を受けているかどうかを判断できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は、内部セキュリティテストの実施中に、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の X.B. によって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020-SEP-24 |
利用規約
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