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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 809、829 産業用サービス統合型ルータ(産業用 ISR)、および Cisco 1000 シリーズ Connected Grid ルータ(CGR1000)に対応した Cisco IOS ソフトウェアの CLI パーサーにおける脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、影響を受けるデバイスの仮想デバイスサーバ(VDS)で任意のシェルコマンドを実行する可能性があります。攻撃者は、特権レベル 15 で有効なユーザログイン情報を取得している必要があります。
この脆弱性は、特定の VDS 関連の CLI コマンドに渡される引数の検証が不十分であることに起因します。攻撃者は、ターゲットデバイスに対して認証を行い、影響を受けるコマンドの引数として悪意のある入力を含めることで、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者はルートユーザの権限を使用して、VDS の Linux シェルのコンテキストで、任意のコードを実行する可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ios-iot-vds-cmd-inj-VfJtqGhE
このアドバイザリは、2020 年 6 月 3 日に公開された 25 件の脆弱性に関する 23 件のシスコ セキュリティ アドバイザリを含む Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアリリースのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。アドバイザリの全リストとそのリンクについては、『シスコイベントレスポンス: Cisco IOSおよびIOS XEソフトウェアに関するセキュリティアドバイザリ公開資料(半年刊、2020年6月)』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS ソフトウェアの脆弱性が存在するリリースを実行している次のシスコ製品に影響を与えます。
- Cisco 809 および 829 産業用 ISR
- CGR1000
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- 800 シリーズの ISR
- 807 産業用 ISR
- IOS XE ソフトウェア
- IOS XR ソフトウェア
- NX-OS ソフトウェア
詳細
Cisco 800 シリーズ産業用 ISR および Cisco CGR1000 デバイスはハイパーバイザ アーキテクチャに基づいて設計されています。このアーキテクチャでは、Cisco IOS ソフトウェア、ゲスト オペレーティング システム(ゲスト OS)、VDS が個別の仮想マシン(VM)として動作します。Cisco IOS ソフトウェアとゲスト OS は、一部の共有デバイスにアクセスする必要があります。例としては、組み込みマルチメディアカード(eMMC)フラッシュメモリ、USB ポート、コンソールなどがあります。VDS は共有デバイスへのアクセスを調整し、エミュレートされたイーサネット インターフェイスを介して VM 間の通信チャネルを提供します。
この脆弱性をエクスプロイトすると、攻撃者は VDS を完全に制御できるため、Cisco IOS ソフトウェア VM やゲスト OS VM の侵害を含め、システムが完全に侵害される可能性があります。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco IOS ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェアの脆弱性に対するリスクをお客様が判断できるように、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定の Cisco IOS ソフトウェアリリースに影響を及ぼすシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェアと 1 つ以上のリリースを選択します。
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティ アドバイザリ、特定のアドバイザリ、または最新の公開資料に記載されているすべてのアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
リリースがCisco Security Advisoryの影響を受けるかどうかを判断するには、Cisco IOSソフトウェアリリース(15.1(4)M2など)を入力して、次のフォームを使用できます。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com にある Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] の下にあるドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
このアドバイザリのバンドルにあるすべての VDS 関連の脆弱性に対する修正済みリリース
このリリースの Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア セキュリティ アドバイザリ公開資料には、VDS に影響する脆弱性に関する複数のアドバイザリが含まれています。これらの脆弱性に対する完全なアップグレード ソリューションを確保するために、管理者は、影響を受けるデバイスを、このバンドル資料内のすべての VDS 関連のアドバイザリに対応する修正済みソフトウェアリリースにアップグレードすることを推奨します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の X.B. および Cisco PSIRT の E.I. による内部セキュリティテストで発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 6 月 3 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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