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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)ソフトウェアおよび Cisco Firepower Threat Defense(FTD)ソフトウェアの Media Gateway Control Protocol(MGCP)インスペクション機能で複数の脆弱性が確認されました。認証されていないリモートの攻撃者が該当デバイスでサービス妨害(DoS)状態を引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、非効率なメモリ管理に起因します。細工された MGCP パケットが該当システムを通して送信されると、この脆弱性がエクスプロイトされる危険性があります。エクスプロイトによって、メモリの枯渇を引き起こすことが可能になります。その結果、対象デバイスの再起動につながり、デバイスを通過するトラフィックが DoS 状態に陥る恐れがあります。
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処するソフトウェア アップデートを提供しています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-asaftd-mgcp-SUqB8VKH
このアドバイザリは、2020 年 5 月 に公開された Cisco ASA、FMC、FTD ソフトウェアのセキュリティ アドバイザリ バンドルの一部です。このアドバイザリバンドルには、12 件の脆弱性に関する 12 件のシスコ セキュリティ アドバイザリが記載されています。アドバイザリの完全なリストとそのリンクについては、『Cisco Event Response: May 2020 Cisco ASA, FMC, and FTD Software Security Advisory Bundled Publication』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性の影響を受けるのは、シスコ製品で脆弱性のある Cisco ASA ソフトウェアまたは Cisco FTD ソフトウェアリリースを実行しており、かつ MGCP トラフィックのインスペクション機能が設定されている場合です。デフォルトのインスペクションポリシーでは、MGCP インスペクション機能は無効になっています。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
MGCP インスペクション機能が有効になっているかどうかの確認
管理者が MGCP インスペクション機能が有効になっているかどうかを確認するには、show running-config policy-map、show running-config service-policy の順にコマンドを実行します。
show running-config policy-map コマンドを実行して、ポリシーマップに inspect mgcp<map_name> が 1 つ以上が存在するかを確認します。以下の実行結果では、global-policy ポリシー マップに inspect ftp<map_name> コマンドが含まれています。
asa# show running-config policy-map
!
policy-map global_policy
class inspection_default
inspect ip-options
inspect netbios
inspect rtsp
inspect mgcp
inspect sunrpc
inspect tftp
inspect xdmcp
inspect dns preset_dns_map
inspect ftp
inspect h323 h225
show running-config service-policy コマンドを実行して、ポリシーマップがグローバルまたは単一のインターフェイスに適用されているかどうかを確認します。次の出力は、policy-policy ポリシー マップがグローバルに適用されていることを示しています。
asa# show running-config service-policy
service-policy global_policy global
inspect mgcp<map_name> コマンドを含むポリシーマップが、グローバルまたは単一のインターフェイスに適用されている場合は、MGCP インスペクション機能は有効になっています。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、これらの脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコでは、これらの脆弱性が Cisco Firepower Management Center(FMC)に影響を及ぼさないことを確認しています。
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
これらの脆弱性のエクスプロイトによる攻撃対象領域を排除するために、管理者は信頼できないインターフェイス上のトラフィックを拒否するアクセスコントロールポリシーを実装できます。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したがシスコのサービス契約をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを購入先から入手できない場合は、Cisco TAC(https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html)に連絡してアップグレードを入手してください。
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載された脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています右の列は、リリースがこのバンドルに記載された何らかの脆弱性に該当するかどうか、およびそれらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
Cisco ASA ソフトウェア
Cisco ASA メジャー リリース | これらの脆弱性に対する最初の修正済みリリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
9.51 より前 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
9.5 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
9.6 | 9.6.4.34 | 修正済みリリースに移行。 |
9.71 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
9.8 | 9.8.4.7 | 9.8.4.20 |
9.9 | 9.9.2.66 | 9.9.2.67 |
9.10 | 9.10.1.27 | 9.10.1.40 |
9.12 | 9.12.2.1 | 9.12.3.9 |
9.13 | 脆弱性なし | 9.13.1.10 |
9.14 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
1. Cisco ASA ソフトウェアリリース 9.5 以前および 9.7 については、ソフトウェアのメンテナンスが終了しています。これらの脆弱性が修正済みのサポート対象リリースに移行することをお勧めします。
Cisco FTD ソフトウェア
Cisco FTD メジャー リリース | これらの脆弱性に対する最初の修正済みリリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.1.01 より前 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.1.0 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.0 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.1 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.2 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
6.2.3 | 6.2.3.16(2020 年 6 月) Cisco_FTD_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_FP2K_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar |
6.2.3.16(2020 年 6 月) Cisco_FTD_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_FP2K_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_Hotfix_DT-6.2.3.16-3.sh.REL.tar |
6.3.0 | 6.3.0.4 | 6.3.0.6(リリース予定) Cisco_FTD_Hotfix_AO-6.3.0.6-2.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_FP2K_Hotfix_ AO-6.3.0.6-2.sh.REL.tar Cisco_FTD_SSP_Hotfix_ AO-6.3.0.6-2.sh.REL.tar |
6.4.0 | 6.4.0.4 | 6.4.0.9 |
6.5.0 | 脆弱性なし | 6.5.0.5(リリース予定) Cisco_FTD_Hotfix_H-6.5.0.5-2.sh.REL.tar 以降 Cisco_FTD_SSP_FP1K_Hotfix_H-6.5.0.5-2.sh.REL.tar 以降 Cisco_FTD_SSP_FP2K_Hotfix_H-6.5.0.5-2.sh.REL.tar 以降 Cisco_FTD_SSP_Hotfix_H-6.5.0.5-2.sh.REL.tar 以降 |
6.6.0 | 脆弱性なし | 6.6.0 |
1. Cisco FMC および FTD ソフトウェア リリース 6.0.1 以前については、メンテナンスが終了しています。これらの脆弱性が修正済みのサポート対象リリースに移行することをお勧めします。
Cisco FTD ソフトウェアの修正済みリリースにアップグレードするには、次のいずれかの操作を行います。
- Cisco Firepower Management Center(FMC)を使用して管理しているデバイスについては、FMC インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
- Cisco Firepower Device Manager(FDM)を使用して管理しているデバイスについては、FDM インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は、シスコ内部でのシステム セキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.2 | FTD リリース 6.4.0 および 6.5.0 の Hot Fix を更新。 | 修正済みリリース | Final | 2020 年 5 月 15 日 |
1.3 | 修正済み FTD リリース 6.4.0 ソフトウェアのリリースに関する情報を更新。 | 修正済みリリース | Final | 2020 年 5 月 6 日 |
1.1 | 正しい修正済みリリースを 9.10.1.39 ではなく 9.10.1.40 とするために、ASA 修正リリーステーブルを更新。 | 修正済みリリース | Final | 2020 年 5 月 6 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 5 月 6 日 |
利用規約
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