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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco FXOS ソフトウェアと Cisco NX-OS ソフトウェアの Cisco Discovery Protocol 機能の脆弱性により、認証されていない隣接した攻撃者が root として任意のコードを実行したり、影響を受けるデバイスにサービス妨害(DoS)状態を引き起こしたりする可能性があります。
本脆弱性は、Cisco Discovery Protocol のパケット ヘッダーが十分に検証されないことに起因しています。攻撃者は、細工された Cisco Discovery Protocol のパケットを該当レイヤ 2 隣接デバイスに送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトが成功すると、バッファ オーバーフローが発生し、root として任意のコードが実行されたり、該当デバイスで DoS 状態が引き起こされたりする可能性があります。
注:Cisco Discovery Protocolはレイヤ2プロトコルです。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスと同じブロードキャストドメイン内に存在する(レイヤ 2 と隣接関係にある)必要があります。
注:この脆弱性は、シスコが2020年2月5日に発表したCisco FXOSおよびNX-OSソフトウェアのCisco Discovery Protocol脆弱性(Cisco FXOS、IOS XR、およびNX-OSソフトウェアのCisco Discovery Protocolにおけるサービス妨害の脆弱性とCisco NX-OSソフトウェアのCisco Discovery Protocolにおけるリモートコード実行の脆弱性とは異です。シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20200226-fxos-nxos-cdp
該当製品
脆弱性のある製品
本脆弱性は、Cisco FXOS ソフトウェアまたは Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性があるリリースを実行し、かつ Cisco Discovery Protocol を使用するように設定されている、次のシスコ製品に影響を与えます。
- Firepower 4100 シリーズ(CSCvr37151)
- Firepower 9300 セキュリティアプライアンス(CSCvr37151)
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤスイッチ(CSCux07556)
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge(CSCvr37146)
- Microsoft Hyper-V 向け Nexus 1000V スイッチ(CSCvr37146)
- VMware vSphere 向け Nexus 1000V スイッチ(CSCvr37146)
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ(CSCux58226)
- Nexus 5500 プラットフォームスイッチ(CSCvr37148)
- Nexus 5600 プラットフォームスイッチ(CSCvr37148)
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ(CSCvr37148)
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ(CSCux07556)
- アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モードの Nexus 9000 シリーズ ファブリックスイッチ(CSCvr31410)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ(CSCux58226)
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト(CSCvr37150)
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト(CSCvr37150)
注:Cisco Discovery Protocolは、Cisco FXOSおよびNX-OSソフトウェアでは、デフォルトでグローバルおよびすべてのインターフェイスで有効になっています。
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
Cisco FXOS ソフトウェアの Cisco Discovery Protocol の状態を確認する
Cisco Discovery Protocolは、管理(mgmt0)ポートで常に有効になります。リリース 2.1 より前の Cisco FXOS ソフトウェアリリースでは、Cisco Discovery Protocol はすべての前面ポートでも常に有効化されています。
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチ上の Cisco Discovery Protocol のステータスを確認する
管理者は、デバイスの CLI で show running-config cdp all | include "cdp enable" コマンドを使用することにより、デバイスで Cisco Discovery Protocol が有効になっているかどうかを確認できます。コマンドが少なくとも次の行を返す場合、Cisco Discovery Protocol はグローバルに、かつ 1 つ以上のインターフェイスで有効になっています。
nxos# show running-config cdp all | include "cdp enable"
cdp enable
cdp enable
Cisco UCS ファブリック インターコネクト上の Cisco Discovery Protocol のステータスを確認する
Cisco Discovery Protocol は、イーサネット アップリンク ポート(ネットワーク接続用のアップストリームスイッチに接続するネットワーク インターフェイス)、イーサネット ポート チャネル メンバー、FCoE アップリンクポート、および管理ポートで常に有効になっています。
管理者は、デバイスの CLI で show configuration | egrep "^ scope|enable cdp"コマンドをデバイスのCLIで実行します。次の例に示すように、コマンドが org 範囲で enable cdp コマンドを返す場合、 Cisco Discovery Protocol はサーバポートで有効になっており、コマンドが eth-storage 範囲で enable cdp を返す場合、Cisco Discovery Protocol はアプライアンスポートで有効になっています。
ucs-fi# show configuration | egrep "^ scope|enable cdp"
.
.
.
scope org
enable cdp
.
.
.
scope eth-storage
enable cdp
.
.
.
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下の製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
ただし、Cisco Discovery Protocol の機能を使用しないお客様は、このプロトコルをグローバルに無効にして攻撃ベクトルを完全に閉じるか、各インターフェイスで無効にして攻撃対象領域を縮小できます。
Cisco FXOS ソフトウェアで Cisco Discovery Protocol を無効にする
Cisco Discovery Protocol は常に有効化され、Cisco FXOS ソフトウェアでは無効にできません。Cisco FXOS ソフトウェアリリース 2.1 以降では、Cisco Discovery Protocol は管理(mgmt0)ポートでのみ有効化されています。
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチで Cisco Discovery Protocol をグローバルに無効にする
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチで Cisco Discovery Protocol をグローバルに無効にするには、次の例に示すように、管理者はグローバル コンフィギュレーション モードで no cdp enable コマンドを使用します。
nxos# conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxos(config)# no cdp enable
nxos(config)# end
nxos# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
Copy complete.
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチのインターフェイスで Cisco Discovery Protocol を無効にする
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチのインターフェイスで Cisco Discovery Protocol を無効にするには、次の例に示すように、管理者はインターフェイス コンフィギュレーション モードで no cdp enable コマンドを使用します。
nxos# conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxos(config)# interface Ethernet1/1
nxos(config-if)# no cdp enable
nxos(config-if)# end
nxos# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
Copy complete.
Cisco UCS ファブリック インターコネクトで Cisco Discovery Protocol を無効にする
Cisco UCS ファブリック インターコネクトで Cisco Discovery Protocol を完全に無効にすることはできません。
Cisco Discovery Protocol は、Cisco CS ファブリック インターコネクトのサーバポートとアプライアンスポートで無効にできますが、イーサネット アップリンク ポート、イーサネット ポート チャネル メンバ、FCoE アップリンクポート、または管理ポートでは無効にできません。
Cisco UCS ファブリック インターコネクトのサーバポートで Cisco Discovery Protocol を無効にするには、次の例に示すように、管理者は org 範囲のデフォルトの nw-ctrl-policy で disable cdp コマンドを使用します。
ucs-fi# scope org
ucs-fi /org # enter nw-ctrl-policy default
ucs-fi /org/nw-ctrl-policy # disable cdp
ucs-fi /org/nw-ctrl-policy* # exit
ucs-fi /org* # exit
ucs-fi* # commit-buffer
ucs-fi#
Cisco UCS ファブリック インターコネクトのアプライアンスポートで Cisco Discovery Protocol を無効にするには、次の例に示すように、管理者は eth-storage 範囲のデフォルトの nw-ctrl-policy で disable cdp コマンドを使用します。
ucs-fi* # scope eth-storage
ucs-fi /eth-storage* # enter nw-ctrl-policy default
ucs-fi /eth-storage/nw-ctrl-policy* # disable cdp
ucs-fi /eth-storage/nw-ctrl-policy* # exit
ucs-fi /eth-storage* # exit
ucs-fi* # commit-buffer
ucs-fi#
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
Cisco FXOS ソフトウェア
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載されたすべての脆弱性の影響を受けるかどうか、およびどのリリースにそれらの脆弱性に対する修正が含まれているのかを示しています。
Firepower 4100 シリーズおよび Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス CSCvr37151
Cisco FXOS ソフトウェア リリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
2.2 より前 | 修正済みリリースに移行。 |
修正済みリリースに移行。 |
2.2 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
2.3 | 2.3.1.179 | 2.3.1.179 |
2.4 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
2.6 | 2.6.1.187 | 2.6.1.187 |
2.7 | 2.7.1.106 | 2.7.1.106 |
注:Cisco FXOSソフトウェアリリース2.1以降では、この脆弱性は管理(mgmt0)ポート経由でのみ不正利用できます。これらのリリースでは、Cisco Discovery Protocol は、設定されていたとしても、実際には前面パネルポートで有効になりません。
Cisco NX-OS ソフトウェア
お客様が Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるよう、シスコでは Cisco Software Checker を提供しています。このツールにより、特定の Cisco NX-OS ソフトウェアリリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
お客様は、Cisco Software Checker を使用して次の方法でアドバイザリを検索できます。
- ソフトウェア、プラットフォーム、および 1 つ以上のリリースを選択する
- 特定のリリースのリストを含む .txt ファイルをアップロードする
- show version コマンドの出力を入力する
検索を開始した後で、すべてのシスコ セキュリティアドバイザリまたは 1 つ以上の特定のアドバイザリが含まれるように検索をカスタマイズできます。
また、Cisco NX-OSソフトウェアおよびプラットフォームを選択してリリースを入力すると、リリースがCisco Security Advisoryの影響を受けるかどうかを確認できます。たとえば、Cisco Nexus 3000シリーズスイッチの場合は7.0(3)I7(5)、ACIモードのCisco NX-OSソフトウェアの場合は14.0(1h)です。
デフォルトでは、Cisco Software Checker の結果には、Security Impact Rating(SIR)が「重大」または「高」の脆弱性だけが含まれます。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco Software Checker を使用して、検索をカスタマイズするときに [影響の評価(Impact Rating)] ドロップダウンリストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco UCS ソフトウェア
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載されたすべての脆弱性の影響を受けるかどうか、およびどのリリースにそれらの脆弱性に対する修正が含まれているのかを示しています。
UCS 6200および6300シリーズファブリックインターコネクト:CSCvr37150
Cisco UCS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース | アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
3.2 より前 | 修正済みリリースに移行。 | 修正済みリリースに移行。 |
3.2 | 3.2(3n) | 3.2(3n) |
4.0 | 4.0 (4g) | 4.0 (4g) |
4.1 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの決定に関してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。 セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco UCS に最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。Cisco MDS シリーズ スイッチ
VMware 向け Cisco Nexus 1000V スイッチ
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | FXOS リリースを追加。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2020年3月6日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 2 月 26 日 |
利用規約
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