High
High
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco NX-OS ソフトウェアに実装された Cisco Discovery Protocol に存在する脆弱性により、近接する未認証の攻撃者が任意のコードを実行するか該当デバイスのリロードを引き起こす可能性があります。
この脆弱性は、Cisco Discovery Protocol のパーサーが Cisco Discovery Protocol メッセージ内の特定フィールドの入力を適切に検証しないことが原因で存在します。この脆弱性は、該当デバイスに悪意のある Cisco Discovery Protocol パケットを送信することでエクスプロイトされる可能性があります。エクスプロイトが成功するとスタックオーバーフローが発生し、該当デバイスで管理者権限を使用して任意のコードが実行される可能性があります。
注:Cisco Discovery Protocolはレイヤ2プロトコルです。この脆弱性をエクスプロイトするには、攻撃者は該当デバイスと同じブロードキャストドメイン内に存在する(レイヤ 2 と隣接関係にある)必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20200205-nxos-cdp-rce
該当製品
脆弱性のある製品
Cisco Discovery Protocol が 1 つ以上のインターフェイスでグローバルに有効になっており、Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱なリリースを実行している場合、次のシスコ製品がこの脆弱性の影響を受けます。
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
注:これらの製品では、デフォルトで、グローバルおよびすべてのインターフェイスの両方でCisco Discovery Protocolが有効になっています。
脆弱性が存在する Cisco NX-OS ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチの Cisco Discovery Protocol のステータスを確認する
管理者は、デバイスの CLI で show running-config cdp all | include “cdp enable” コマンドを使用することにより、デバイスで Cisco Discovery Protocol が有効になっているかどうかを確認できます。コマンドが少なくとも次の行を返す場合、Cisco Discovery Protocol はグローバルに、かつ 1 つ以上のインターフェイスで有効になっています。
nxos# show running-config cdp all | include "cdp enable"
cdp enable
cdp enable
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 1000 シリーズ
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 5500 プラットフォームスイッチ1
- Nexus 5600 プラットフォームスイッチ1
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ1
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト1
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト1
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト1
1.このセキュリティアドバイザリの以前のバージョンでは、Nexus 5500プラットフォームスイッチ、Nexus 5600プラットフォームスイッチ、Nexus 6000シリーズスイッチ、およびUCS 6200シリーズ、6300シリーズ、6400シリーズファブリックインターコネクトがこの脆弱性の影響を受けると報告されています。この情報は誤りです。
シスコは、この脆弱性が Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XE ソフトウェア、または Cisco IOS XR ソフトウェアには影響を与えないことも確認しました。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
ただし、Cisco Discovery Protocol を使用しないお客様は、このプロトコルをグローバルに無効にして攻撃ベクトルを完全に閉じるか、各インターフェイスで無効にして攻撃対象領域を縮小できます。Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチで Cisco Discovery Protocol をグローバルに無効にする
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチで Cisco Discovery Protocol をグローバルに無効にするには、次の例に示すように、管理者はグローバル コンフィギュレーション モードで no cdp enable コマンドを使用します。
nxos# conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxos(config)# no cdp enable
nxos(config)# end
nxos# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
Copy complete.
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチのインターフェイスで Cisco Discovery Protocol を無効にする
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行している Cisco Nexus スイッチのインターフェイスで Cisco Discovery Protocol を無効にするには、次の例に示すように、管理者はインターフェイス コンフィギュレーション モードで no cdp enable コマンドを使用します。
nxos# conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
nxos(config)# interface Ethernet1/1
nxos(config-if)# no cdp enable
nxos(config-if)# end
nxos# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
Copy complete.
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。右側の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けているかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
スタンドアロンNX-OSモードのNexus 3000シリーズスイッチおよびNexus 9000シリーズスイッチ:CSCvr09175
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース |
この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
7.0(3)I7 よりも前 |
脆弱性なし |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(8)(2020 年 2 月)または適切な SMU1 |
7.0(3)F2 |
脆弱性なし |
9.2 | 9.3(2) |
9.3 | 9.3(2) |
1. Cisco NX-OSソフトウェアリリース7.0(3)I7(5a)、7.0(3)I7(6)、および7.0(3)I7(7)で使用可能なSMUにより、この脆弱性が修正されています(CSCvr09175)。また、アドバイザリ「Cisco FXOS、IOS XR、および NX-OS ソフトウェアの Cisco Discovery Protocol におけるサービス妨害の脆弱性(Cisco FXOS, IOS XR, and NX-OS Software Cisco Discovery Protocol Denial of Service Vulnerability)」に記載されている脆弱性(CSCvr14976)も修正されます。SMUのファイル名は、CSCvr09175-n9k_ALL-1.0.0-<nx-os_release>.lib32_n9000.rpmの形式に従います。
2. Cisco NX-OSソフトウェア7.0(3)Fトレインは、Cisco Nexus 3600プラットフォームスイッチおよびNexus 9500 Rシリーズスイッチングプラットフォームでのみ動作し、メンテナンスは行われません。お客様は、Cisco NX-OS ソフトウェアリリース 9.2 以降に移行することをお勧めします。SMU のインストール手順
Cisco.com の Software Center からソフトウェアをダウンロードするには、次の手順を実行します。
- [すべてを参照(Browse All)] をクリックします。
- [IOSおよびNX-OSソフトウェア(IOS and NX-OS Software)] > [NX-OS] > [NX-OSソフトウェア(NX-OS Software)] > [スイッチ(Switches)] > [データセンタースイッチ(Data Center Switches)] の順に選択します。
- 該当する製品とモデルを選択します。
- [NX-OSソフトウェアメンテナンスアップグレード(SMU)(NX-OS Software Maintenance Upgrades (SMU))] を選択します。
- 適切な製品ページの左ペインからリリースを選択します。
適切なSMUをインストールするには、SMUをスイッチのBootflash:ファイルシステムにコピーし、次のコマンドを実行して、修正をすぐにアクティブにします(これはホットパッチです)。
- install add bootflash:<SMU_filename> activate
- install commit
次の例は、Cisco NX-OS ソフトウェアリリース 7.0(3)I7(6) 用の SMU をインストールするためのコマンドを示しています。
nx-os# install add bootflash:CSCvr09175-n9k_ALL-1.0.0-7.0.3.I7.6.lib32_n9000.rpm activate nx-os# install commit
注:これらの手順は、この特定のタイプのSMUにのみ適用されます。
ACIモードのNexus 9000シリーズファブリックスイッチ:CSCvr09531
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース |
この脆弱性に対する最初の修正リリース |
---|---|
13.1 より前 |
脆弱性なし |
13.1 |
脆弱性なし |
13.2 |
脆弱性なし |
14.0 |
14.2(1j) |
14.1 |
14.2(1j) |
14.2 |
14.2(1j) |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの決定に関してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。 セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco UCS に最適なリリースを確認するには、デバイスのリリースノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。Cisco MDS シリーズ スイッチ
VMware 向け Cisco Nexus 1000V スイッチ
Cisco Nexus 3000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 5600 プラットフォームスイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、この脆弱性の公表を確認しています。このアドバイザリで説明されている脆弱性の悪用に関する情報は Cisco PSIRT に寄せられていません。
出典
この脆弱性を報告していただいた Armis 社の Barak Hadad 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.4 | Cisco Nexus 5500 プラットフォームスイッチ、Nexus 5600 プラットフォームスイッチ、および Nexus 6000 シリーズ スイッチは、この脆弱性の影響を受けないことを記載して更新。 | 脆弱性のある製品、脆弱性がないと確認された製品、修正済みソフトウェア | Final | 2020 年 2 月 14 日 |
1.3 | Cisco UCS ファブリック インターコネクトがこの脆弱性の影響を受けない、という点が更新されました。 | 脆弱性のある製品、脆弱性がないと確認された製品、回避策、修正済みソフトウェア | Final | 2020 年 2 月 12 日 |
1.2 | Nexus 3000 シリーズスイッチおよび Nexus 9000 シリーズスイッチの脆弱性のあるリリースに関する情報を更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2020 年 2 月 11 日 |
1.1 | Cisco UCS ファブリック インターコネクトが脆弱になるタイミングと Cisco UCS ファブリック インターコネクトの移行オプションに関する情報を修正しました。 | 「脆弱性のある製品」、「回避策」 | Final | 2020 年 2 月 6 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2020 年 2 月 5 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。