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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco 4000シリーズサービス統合型ルータ(ISR)用のCisco IOS XEソフトウェアにおけるISDN接続のダイヤラインターフェイス機能の脆弱性により、認証されていない隣接する攻撃者が、PPP認証に成功する前にISDNチャネルを介してIPv4トラフィックを渡せるようになります。
この脆弱性は、PPP IP Control Protocol(IPCP)の状態に対する不十分な検証に起因します。攻撃者は、該当デバイスにISDNコールを発信し、PPP認証が成功する前にISDNチャネル経由でトラフィックを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。または、認証されていないリモートの攻撃者が、ISDN接続を経由して終了するように設定され、ダイヤラインターフェイスとBasic Rate Interface(BRI;基本速度インターフェイス)の両方が設定されているが、PPPのChallenge Handshake Authentication Protocol(CHAP)パスワードがリモートエンドと一致しない該当デバイスを経由してトラフィックを送信することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はISDNコールの初期設定からPPP認証が失敗するまで、認証されていないISDN接続を介してIPv4トラフィックを数秒間通過させることができます。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190925-isdn-data-leak
該当製品
脆弱性のある製品
公開時点では、この脆弱性は、該当リリースのCisco IOS XEソフトウェアを実行し、ダイヤラインターフェイスと対応するISDN BRIの両方が設定されている状態で、少なくとも1つのCisco ISDN BRI S/T Network Interface Module(NNM;ネットワークインターフェイスモジュール)がインストールされているCisco ISR 4000シリーズルータに該当していました。
公開時点で脆弱性が存在したCisco IOS XEソフトウェアリリースの詳細については、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
ダイヤラとISDN BRIが有効になっているかどうかの確認
デバイスにダイヤラインターフェイスと対応するISDN BRIが設定されているかどうかを確認するには、管理者がCLIでshow running-config | include ^interface Dialer|ppp authentication|^interface BRI|dialer poolコマンドをデバイスのCLIで発行します。以下に、show running-config | include ^interface Dialer|ppp authentication|^interface BRI|dialer poolコマンドを、ダイヤラインターフェイスと対応するISDN BRIの両方が設定されているデバイスで発行した場合の出力例を示します。
Router#show running-config | include ^interface Dialer|ppp authentication|^interface BRI|dialer pool interface BRI0/1/0:0 dialer pool-member 1 interface Dialer1 dialer pool 1 ppp authentication chap
注:実際の設定では、dialer poolとdialer pool-memberの番号が異なる場合があります。ただし、デバイスが脆弱であると見なされるためには、ダイヤラインターフェイスとBRIが一致している必要があります。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
回避策
修正済みソフトウェア
該当するソフトウェアリリースと修正済みソフトウェアリリースの詳細については、Cisco IOSソフトウェアチェッカーを参照してください。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS ソフトウェアおよび IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断するため、シスコは Cisco IOS Software Checker ツールを提供しています。このツールを使用すると、特定のソフトウェア リリースに該当するシスコ セキュリティ アドバイザリ、および各アドバイザリで説明されている脆弱性が修正された最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。また該当する場合、そのリリースに関するすべてのアドバイザリの脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用して次のタスクを実行できます。
- ドロップダウン リストからリリース(複数可)を選択するか、分析対象となるローカル システムからファイルをアップロードして、検索を開始する
- show version コマンドの出力をツールで解析する
- カスタマイズした検索(過去に公開されたすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索対象に入れたり、特定のアドバイザリのみ、または最新のバンドル資料のすべてのアドバイザリを含めるなど)を作成する
リリースが、公開されたシスコセキュリティアドバイザリのいずれかに該当するかどうかを確認するには、Cisco.comのCisco IOS Software Checkerを使用するか、以下のフィールドにCisco IOSまたはIOS XEソフトウェアリリース(たとえば、15.1(4)M2、3.13.8Sなど)を入力します。
デフォルトでは、Cisco IOS ソフトウェアのチェックには、結果は、高セキュリティへの影響の評価 (サー) または重大な脆弱性にのみが含まれています。「中間」の SIR 脆弱性の結果を含めるには、Cisco.com の Cisco IOS ソフトウェア チェッカーを使用して、[Impact Rating] ドロップダウン リストの [中間(Medium)] チェックボックスをオンにします。
Cisco IOS XE ソフトウェア リリースと Cisco IOS ソフトウェア リリースのマッピングについては、Cisco IOS XE ソフトウェアのリリースに応じて「Cisco IOS XE 2 Release Notes」、「Cisco IOS XE 3S Release Notes」、または「Cisco IOS XE 3SG Release Notes」を参照してください。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 9 月 25 日 |
利用規約
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