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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco NX-OS ソフトウェアの仮想シェル(VSH)セッション管理における脆弱性により、認証されたリモート攻撃者が、VSH プロセスの終了時の削除を失敗させる可能性があります。これにより、VSH プロセスが蓄積され、時間の経過とともにシステム メモリの空き容量がなくなる可能性があります。システム メモリの空き容量がなくなると、予期しないシステム動作やクラッシュが発生する可能性があります。
この脆弱性は、デバイスへのリモート管理接続が切断されたときに VSH プロセスが適切に削除されないことに起因します。攻撃者は、デバイスへのリモート管理接続を繰り返し実行し、予期しない方法で接続を終了することによって、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者が VSH プロセスの削除を失敗させ、システム全体のサービス妨害(DoS)状態を発生させる可能性があります。攻撃者がリモート管理接続を使用してデバイスにログインするには、有効なユーザ クレデンシャルを持っている必要があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190828-nxos-memleak-dos
該当製品
脆弱性のある製品
本脆弱性は、Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性のあるリリースを実行する次のシスコ製品に影響を与えます。
- MDS 9000 シリーズ マルチレイヤ スイッチ
- Nexus 3000 シリーズ スイッチ
- Nexus 3500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 3600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 5600 プラットフォーム スイッチ
- Nexus 6000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7000 シリーズ スイッチ
- Nexus 7700 シリーズ スイッチ
- スタンドアロン NX-OS モードの Nexus 9000 シリーズ スイッチ
- Nexus 9500 R シリーズ スイッチング プラットフォーム
- UCS 6200 シリーズ ファブリック インターコネクト
- UCS 6300 シリーズ ファブリック インターコネクト
脆弱性が存在する Cisco NX-OS ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」の項を参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が以下のシスコ製品には影響を与えないことを確認しました。
- Firepower 2100 シリーズ
- Firepower 4100 シリーズ
- Firepower 9300 セキュリティ アプライアンス
- VMware vSphere 向け Nexus 1000 Virtual Edge
- Nexus 1000V Switch for Microsoft Hyper-V
- Nexus 1000V Switch for VMware vSphere
- Nexus 9000 シリーズ ファブリック スイッチ(アプリケーション セントリック インフラストラクチャ(ACI)モード)
- UCS 6400 シリーズ ファブリック インターコネクト
詳細
リモート管理プロトコルの最も一般的な例は SSH ですが、管理インターフェイスへの S/FTP や S/COPY などのすべての管理プロトコルがこの脆弱性を引き起こす可能性があります。
セキュリティ侵害の痕跡
この脆弱性のエクスプロイトにより、該当デバイスでいくつかの異なる侵害の兆候が発生する可能性があります。
1.この脆弱性の不正利用により、正しく終了されなかったゾンビVSHプロセスの構築が原因でシステムメモリリークが発生する可能性があります。管理者は、次の例のように、show process NX-OS CLI コマンドを使用してプロセス リストを表示できます。
# show processes
PID State PC Start_cnt TTY Process
----- ----- -------- ----------- ---- -------------
1574 S f537a3c 1 - vsh
2063 S f537a3c 1 - vsh
.
.
.
4308 S f537a3c 1 - vsh
4690 S f537a3c 1 - vsh
4733 S f537a3c 1 - vsh
5081 S f537a3c 1 - vsh
5949 S f537a3c 1 - vsh
6118 S f537a3c 1 - vsh
6723 S f537a3c 1 - vsh
7315 S f537a3c 1 - vsh
9841 S f537a3c 1 - vsh
12866 S f537a3c 1 - vsh
13465 S f537a3c 1 - vsh
14836 S f537a3c 1 - vsh
15568 S f537a3c 1 - vsh
18289 S f537a3c 1 - vsh
18580 S f537a3c 1 - vsh
18601 S f537a3c 1 - vsh
19254 S f537a3c 1 - vsh
19782 S f537a3c 1 - vsh
20367 S f537a3c 1 - vsh
20517 S f537a3c 1 - vsh
20931 S f537a3c 1 - vsh
21753 S f537a3c 1 - vsh
22728 S f537a3c 1 - vsh
23544 S f537a3c 1 - vsh
23947 S f537a3c 1 - vsh
24825 S f537a3c 1 - vsh
25139 S f537a3c 1 - vsh
25862 S f537a3c 1 - vsh
26172 S f537a3c 1 - vsh
26334 S f537a3c 1 - vsh
26691 S f537a3c 1 - vsh
27303 S f537a3c 1 - vsh
28750 S f537a3c 1 - vsh
2.この脆弱性が不正利用されると、ユーザがデバイスにリモート接続しているときに次のエラーメッセージが表示される可能性があります。
Error: Too many open files in system
3.この脆弱性が不正利用されると、該当するデバイスがリロードされ、コアファイルが生成される可能性があります。コア ファイルはシステム メモリ リークの最終結果であるため、クラッシュする実際のプロセスは毎回異なる可能性があります。管理者は、NX-OS の CLI で show core コマンドを使用して、デバイスのコア ファイルを表示できます。このコア ファイルを確認し、デバイスにこの脆弱性の不正利用が発生していないかを判別するには、Cisco Technical Assistance Center(TAC)までご連絡ください。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
Cisco NX-OS ソフトウェアの脆弱性の緩和:VTY アクセス クラスを設定する
Cisco NX-OS ソフトウェアを実行しているいくつかのプラットフォームでは、該当デバイスへのアクセスを制限することが可能です。デバイスに vty アクセス コントロール リスト(ACL)を作成して、既知の信頼できるデバイスにのみ、Telnet や Secure Shell(SSH)での接続を許可するよう ACL を設定することができます。
この緩和策は、Cisco NX-OS を実行するプラットフォームによっては利用できない場合があるため、適用可能な場合にのみ使用する必要があります。
Cisco UCS では、この脆弱性に対処する緩和策はありません。
本事例における ACL は、IPv4 を対象としています。本脆弱性は、IPv6 インターフェイスに対しても不正利用される可能性があります。NX-OS デバイスが IPv6 を利用するように設定されている場合は、IPv6 のアドレス範囲に対して、同じ ACL を設定する必要があります。
次の例では、192.168.1.0/24 のネットブロックと単一の IP アドレス 172.16.1.2 からの vty にはアクセスを許可し、それ以外のアドレスからのアクセスは拒否する ACL が示されています。
ip access-list vtyacl 10 permit tcp 192.168.1.0/24 172.16.1.2/32 line vty access-class vtyacl in
vtyへのトラフィック制限の詳細については、『Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Security Configuration Guide』を参照してください。これは、NX-OS デバイスに vty の ACL を設定する場合のベスト プラクティスと考えられています。なお、Cisco NX-OS デバイスの強化策に関する詳細については、『Cisco Guide to Securing Cisco NX-OS Software Devices(Cisco NX-OS ソフトウェア デバイスのセキュリティ確保に関するシスコ ガイド)』 を参照ください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この項の該当する表に示すように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。完全なアップグレード ソリューションを確認するにあたっては、このアドバイザリが公開されたバンドルの一部であることを考慮する必要があります。次のページに、バンドルアドバイザリの完全なリストがあります。Cisco Event Response: August 2019 Cisco FXOS and NX-OS Software Security Advisory Bundled Publication。
次の表では、左の列に Cisco FXOS ソフトウェアまたは Cisco NX-OS ソフトウェアのリリースを示しています。中央の列は、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性に該当するかどうか、および、この脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。右の列は、リリースがこのバンドルに記載されたすべての脆弱性の影響を受けるかどうか、およびどのリリースにそれらの脆弱性に対する修正が含まれているのかを示しています。
MDS 9000シリーズマルチレイヤスイッチ:CSCvn50393
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
5.2 |
6.2(27) |
6.2(29) |
6.2 |
6.2(27) |
6.2(29) |
7.3 | 8.4(1) | 8.4(1) |
8.1 |
8.4(1) |
8.4(1) |
8.2 | 8.4(1) |
8.4(1) |
8.3 |
8.4(1) |
8.4(1) |
8.4 | 脆弱性なし |
脆弱性なし |
スタンドアロンNX-OSモードのNexus 3000シリーズスイッチおよびNexus 9000シリーズスイッチ:CSCvi15409
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3)I4 より前 |
7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I4 | 7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I4(9) |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(4) |
7.0(3)I7(6) |
9.2 | 脆弱性なし |
9.2(3) |
9.3 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Nexus 3500プラットフォームスイッチ:CSCvi15409
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.0(2)A |
6.0(2)A8(11) |
6.0(2)A8(11) |
7.0(3)I7 | 7.0(3)I7(4) |
7.0(3)I7(6) |
9.2 | 脆弱性なし |
9.2(3) |
9.3 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Nexus 3600プラットフォームスイッチおよびNexus 9500 Rシリーズスイッチングプラットフォーム:CSCvi15409
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.0(3) |
9.2(1) |
9.2(3) |
9.2 | 脆弱性なし |
9.2(3) |
9.4 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Nexus 5500、5600、および6000シリーズスイッチ:CSCvn50446
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
7.1 より前 |
7.1(5)N1(1b) |
7.1(5)N1(1b) |
7.1 | 7.1(5)N1(1b) |
7.1(5)N1(1b) |
7.3 | 7.3(5)N1(1) |
7.3(5)N1(1) |
Nexus 7000および7700シリーズスイッチ:CSCvn50443
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
6.2 より前 |
6.2(22) | 6.2(22) |
6.2 |
6.2(22) | 6.2(22) |
7.2 | 7.3(4)D1(1) |
7.3(4)D1(1) |
7.3 | 7.3(4)D1(1) |
7.3(4)D1(1) |
8.0 | 8.2(3) |
8.2(3) |
8.1 | 8.2(3) |
8.2(3) |
8.2 | 8.2(3) |
8.2(3) |
8.3 | 8.4(1) |
8.4(1) |
8.4 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
UCS 6200および6300シリーズファブリックインターコネクト:CSCvn52167
Cisco NX-OS ソフトウェアリリース | この脆弱性に対する最初の修正リリース |
アドバイザリのバンドルに記載されているすべての脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|---|
3.2 より前 |
3.2(3k) |
3.2(3l) |
3.2 |
3.2(3k) |
3.2(3l) |
4.0 |
4.0(2e) |
4.0(4e) |
関連情報
Cisco Nexus スイッチに最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの決定に関してサポートが必要な場合は、以下の推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。 セキュリティ アドバイザリでより新しいリリースが推奨されている場合は、そのアドバイザリのガイダンスに従うことをお勧めします。
Cisco UCS に最適な Cisco NX-OS ソフトウェア リリースの確認に関してサポートが必要な場合は、デバイスのリリース ノートに記載されている推奨リリースに関するドキュメントを参照してください。Cisco MDS シリーズ スイッチ
VMware 向け Cisco Nexus 1000V スイッチ
Cisco Nexus 3000 シリーズおよび 3500 シリーズ スイッチ
Cisco Nexus 5000 Series Switches
Cisco Nexus 5500 プラットフォーム スイッチ
Cisco Nexus 6000 Series Switches
Cisco Nexus 7000 Series Switches
Cisco Nexus 9000 Series Switches
ACI モードの Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチ
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性は Cisco TAC サポートケースの解決中に発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | MDSおよびUCSの修正済みリリーステーブルを更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2019-10月8 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 8 月 28 日 |
利用規約
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