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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco IOS XRソフトウェアのIntermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)ルーティングプロトコル機能の実装における脆弱性により、同じIS-ISエリアに存在する認証されていない攻撃者によってサービス妨害(DoS)状態が引き起こされる可能性があります。
この脆弱性は、巧妙に細工されたIS-ISリンクステートプロトコルデータユニット(PDU)の不適切な処理に起因します。攻撃者が、細工されたリンクステート PDU を該当システムに送信して処理させることにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はIS-ISエリア内のすべてのルータでIS-ISプロセスを予期せず再起動させ、その結果DoS状態を引き起こす可能性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190807-iosxr-isis-dos-1910
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190807-iosxr-isis-dos-1918
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco IOS XRソフトウェアのリリース6.6.3より前の脆弱性が存在するリリースを実行し、IS-ISルーティングプロトコルが設定されているシスコデバイスに影響を与えます。
シスコでは、この脆弱性が Cisco IOS XR 32 ビット ソフトウェアと Cisco IOS XR 64 ビット ソフトウェアの両方に影響を与えることを確認しました。
デバイスの設定に脆弱性があるかどうかの確認
デバイスでIS-ISルーティングが設定されているかどうかを確認するには、管理者がCLIでshow running-config router isis EXECコマンドを使用します。ルータにIS-ISルーティングが設定されている場合は、出力が返されます。次の例は、レベル1 IS-ISルータとして設定されているデバイスでのshow running-config router isisコマンドの出力を示しています。
is-type level-1、level-1-2、またはlevel-2-onlyのいずれかに設定されているデバイスが影響を受けます。
RP/0/RSP1/CPU0:IOSXR#show running-config router isis
Sun May 26 05:20:23.088 UTC
router isis core
is-type level-1
net 49.0001.1921.6825.5091.00
address-family ipv4 unicast
!
interface TenGigE0/0/0/1
address-family ipv4 unicast
!
次の出力には、2 つの隣接関係が含まれています。デバイスを不正利用するには、少なくとも1つの形成されたIS-IS隣接関係が必要です。
RP/0/RSP1/CPU0:IOSXR#show isis adjacency
IS-IS p Level-1 adjacencies:
System Id Interface SNPA State Hold Changed NSF BFD
12a4 PO0/1/0/1 *PtoP* Up 23 00:00:06 Capable Init
12a4 TenGigE0/0/0/1 0004.2893.f2f6 Up 56 00:04:01 Capable Up
Total adjacency count: 2
!
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
不正利用が発生した場合、エリア内のすべてのIS-ISルータから破損したリンクステートPDUを削除することで、IS-ISレベルのルータを回復できます。この脆弱性による停止が発生した場合には、お客様のサポート部門に問い合わせることをお勧めします。
シスコでは、IS-ISを実装する前に、隣接関係の確立(Helloパケット)とリンクステートPDUについて、IS-ISエリア内のルータの認証を確認することを推奨しています。このベストプラクティスに従うと、同じIS-ISエリア内で細工されたIS-ISリンクステートPDUを送信する認証された攻撃者のみがこの脆弱性を不正利用する可能性があります。
さらに、ノンストップ フォワーディングやノンストップ ルーティングを有効にすることもお勧めします。
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。ただし、シスコのベストプラクティスに従い、IS-IS認証が隣接関係(Helloパケット)とリンクステートPDUに対して有効になっていることを確認することで、この脆弱性は認証されたリンクステートPDUのみに限定されます。例:
router isis core lsp-password hmac-md5 encrypted 13061E010803 interface TenGigE0/0/0/6 hello-password hmac-md5 encrypted 094F471A1A0A !
IS-IS認証の詳細については、『Implementing IS-IS on Cisco IOS XR Software』の「IS-IS Authentication」の章を参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
発行の時点で、この脆弱性は、CiscoIOS XR ソフトウェア リリース 6.6.25 および 6.6.3 で修正されています。
発行の時点で、次の表の SMU が使用可能でした。この表は、新たに SMU がリリースされた場合に更新されます。他のプラットフォームおよびリリースに SMU を必要とするお客様は、サポート部門にご連絡ください。
IOS XR リリース | SMU ID | Platform | SMU 名 |
---|---|---|---|
6.5.3 | AA15778 | ASR9000 | asr9k-px-6.5.3.CSCvq451181 |
6.6.1 | AA15881 | NC56K | ncs6k-6.6.1 CSCvq45118 |
1 SMU には、cisco-sa-20190807-iosxr-isis-dos-1910 と cisco-sa-20190807-iosxr-isis-dos-1918 のアドバイザリで説明されている脆弱性の修正が含まれています。
この SMU は、Cisco.com の Software Center から次の手順でダウンロードできます。
- [すべてを参照(Browse All)] をクリックします。
- [IOSおよびNX-OSソフトウェア(IOS and NX-OS Software)] > [IOS XR] > [IOS XRソフトウェア(IOS XR Software)] > [オプティカルネットワーキング(Optical Networking)] または [ルータ(Routers)] を選択します。
- 該当する製品とモデルを選択します。
- 該当する製品ページの左側のペインを使用してリリースにアクセスします。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
本脆弱性は、シスコ内部でのセキュリティ テストによって発見されました。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | SMU の入手状況に関する情報を追加 | 修正済みソフトウェア | Interim | 2019 月 8 月 21 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 8 月 7 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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