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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)のスマートトンネル機能における複数の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が、権限をrootユーザに昇格させたり、トンネルの確立中に悪意のあるライブラリファイルをロードしたりする可能性があります。
これらの脆弱性の詳細については、このセキュリティアドバイザリの「詳細情報」セクションを参照してください。
シスコはこれらの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190807-asa-multi
該当製品
脆弱性のある製品
これらの脆弱性は、Cisco ASAソフトウェアに影響を与えます。
脆弱性が存在する Cisco ASA ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
詳細
Cisco ASAのスマートトンネル機能における2つの脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が権限をルートユーザに昇格したり、実行中に悪意のあるライブラリファイルをロードしたりする可能性があります。
これらの脆弱性は互いに依存していないため、一方の脆弱性を悪用しても他方の脆弱性を悪用する必要はありません。また、いずれかの脆弱性の影響を受けるリリースであっても、他の脆弱性の影響は受けない場合があります。
これらの脆弱性の詳細については、次のとおりです。
Cisco適応型セキュリティアプライアンスのスマートトンネルにおける特権昇格の脆弱性
Cisco ASAのスマートトンネル機能の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が権限をrootユーザに昇格できる可能性があります。この権限昇格は、Cisco ASAとのスマートトンネル接続を確立しようとするクライアントデバイスで発生します。エスカレーションはASA自体では発生しません。
この脆弱性は、Cisco ASAスマートトンネルが、制限が不十分なファイル権限を持つローカルシステムファイルをクライアントデバイス上に作成するために発生します。また、ASAスマートトンネルでは、これらのローカルシステムファイル内のシステムコマンドを実行前に検証しません。攻撃者は、有効なユーザがCisco ASAスマートトンネル接続を確立しているときに、クライアントデバイスで悪意のあるスクリプトを実行することで、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はユーザに知られることなく、クライアントマシン上で権限をルートに昇格できる可能性があります。攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトするには、ローカルクライアントデバイス上の有効なデバイスクレデンシャルが必要です。
この脆弱性のCVE IDはCVE-2019-1944です。
Cisco適応型セキュリティアプライアンス(ASA)のスマートトンネルライブラリファイルのロードの脆弱性
Cisco ASAのスマートトンネル機能の脆弱性により、認証されたローカルの攻撃者が特定のシステムファイルを上書きして、スマートトンネル接続の確立中にロードして実行する可能性があります。攻撃者は、ASA自体ではなく、Cisco ASAとのスマートトンネル接続を確立しようとしているクライアントデバイスで、これらのアクションを実行する可能性があります。
この脆弱性は、Cisco ASAがファイルシステム上の特定の場所にファイルを書き込むことができ、スマートトンネル機能が実行中にロードされるシステムファイルの整合性を検証しないために発生します。攻撃者は、有効なユーザがCisco ASAスマートトンネル接続を確立しているときに、悪意のあるシステムファイルを作成してファイルシステム上の特定の場所に書き込むことにより、この脆弱性を不正利用する可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者はスマートトンネルに悪意のある実行可能ファイルをロードさせる可能性があります。攻撃者がこの脆弱性をエクスプロイトするには、ローカルクライアントデバイス上の有効なデバイスクレデンシャルが必要です。
この脆弱性のCVE IDはCVE-2019-1945です。
回避策
これらの脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html に記載のシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この項の該当する表に示すように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。次の表では、左の列にCiscoソフトウェアリリースを示し、右の列に、そのリリースが本アドバイザリに記載された脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこれらの脆弱性に対する修正を含むリリースを示します。
Cisco ASA ソフトウェア
Cisco ASA ソフトウェア リリース | これらの脆弱性に対する最初の修正済みリリース |
---|---|
9.41 より前 |
9.4.4.37 |
9.4 |
9.4.4.37 |
9.51 |
9.6.4.30 |
9.6 | 9.6.4.30 |
9.71 |
9.8.4.7 |
9.8 | 9.8.4.7 |
9.9 | 9.10.1.22 |
9.10 | 9.10.1.22 |
9.12 | 9.12.2.1 |
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)では、本アドバイザリに記載されている脆弱性のエクスプロイト事例とその公表は確認しておりません。
出典
シスコは、これらの脆弱性を報告していただいたHacktive Security社のFrancesco Giordano氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | 「修正済みリリース」テーブルにソフトウェアバージョンを追加。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2019年8月29日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 8 月 7 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。