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日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
この脆弱性は、暗号キーを生成するときに DRBG のエントロピーが不十分であることに起因します。攻撃者は、該当デバイスで大量の暗号キーを生成してターゲット デバイスとの不一致を探すことにより、この脆弱性をエクスプロイトする危険性があります。エクスプロイトが成功すると、攻撃者が該当のターゲット デバイスになりすましたり、該当のターゲット デバイスとの間で送信される該当のキーで保護されているトラフィックを復号したりできる危険性があります。
シスコはこの脆弱性に対処するソフトウェアアップデートをリリースしています。本脆弱性に対処する回避策がいくつかあります。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-20190501-asa-ftd-entropy
該当製品
脆弱性のある製品
この脆弱性は、Cisco ASA ソフトウェア リリース 9.8 か 9.9、もしくは FTD ソフトウェア リリース 6.2.1、6.2.2、または 6.2.3 を実行している次のシスコ製品に影響を与えます。
- 3000 シリーズ産業用セキュリティ アプライアンス(ISA)
- FirePOWER サービスを使用する適応型セキュリティ アプライアンス(ASA)5500-X シリーズ
- 適応型セキュリティ仮想アプライアンス(ASAv)
- Firepower 4100 シリーズ
- FirePOWER 9300 ASA セキュリティ モジュール
- Firepower Threat Defense Virtual
注:他のリリースのCisco ASAソフトウェアまたはFTDソフトウェアを実行しているデバイスでも、次の項目の少なくとも1つが設定されている場合に脆弱性が発生する可能性があります。
- 該当リリースの実行中に生成された RSA または ECDSA キー ペアをベースとするトラストポイント
- 該当リリースの実行中に生成された SSH アクセスで使用する RSA キー ペア
トラストポイントが設定されておらず、SSH アクセスで使用する RSA キーペアがない場合、デバイスは該当リリースを実行しているときにのみ脆弱になります。
脆弱性が存在する Cisco ASA ソフトウェアおよび FTD ソフトウェア リリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
ASA ソフトウェア
次の表の左側の列に、脆弱な可能性のある Cisco ASA 機能を示します。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。
Cisco ASA 機能 |
脆弱性の可能性がある設定 |
---|---|
Adaptive Security Device Manager(ASDM)1 |
http server enable <port> http <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name> |
AnyConnect SSL VPN | webvpn enable <interface_name> |
Cisco Security Manager1 | http server enable <port> http <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name> |
クライアントレス SSL VPN(WebVPN) | webvpn enable <interface_name> |
IKEv1 VPN(リモート アクセスおよび LAN-to-LAN) 証明書ベースの認証を使用 |
crypto ikev1 enable <interface_name> crypto ikev1 policy <priority> authentication rsa-sig tunnel-group <tunnel_group_name> ipsec-attributes trust-point <trustpoint_name> |
IKEv2 VPN(リモート アクセスおよび LAN-to-LAN) 証明書ベースの認証を使用 |
crypto ikev2 enable <interface_name> tunnel-group <tunnel_group_name> ipsec-attributes ikev2 remote-authentication certificate ikev2 local-authentication certificate <trustpoint_name> |
ローカル認証局(CA) | crypto ca server no shutdown |
Mobile Device Manager(MDM)プロキシ |
mdm-proxy enable <interface_name> |
モバイル ユーザ セキュリティ(MUS) |
webvpn mus password <password> mus server enable port <port #> mus <address> <mask> <interface_name> |
Proxy Bypass | webvpn proxy-bypass |
REST API1 | rest-api image disk0:/<image name> rest-api agent |
SSH アクセス2 |
ssh <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name> |
2 SSH サービスは、ssh コマンドで設定された範囲の IP アドレスからのみアクセスできます。
FTD ソフトウェア
次の表の左側の列に、脆弱な可能性のある Cisco FTD 機能を示します。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。
Cisco FTD 機能 | 脆弱性の可能性がある設定 |
---|---|
AnyConnect SSL VPN1、2 | webvpn enable <interface_name> |
クライアントレス SSL VPN(WebVPN)2 | webvpn enable <interface_name> |
HTTP サービスが有効3、4 | http server enable <port #> http <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name> |
IKEv1 VPN(リモート アクセスおよび LAN-to-LAN) 証明書ベースの認証を使用 1、2 |
crypto ikev1 enable <interface_name> crypto ikev1 policy <priority> authentication rsa-sig tunnel-group <tunnel_group_name> ipsec-attributes trust-point <trustpoint_name> |
IKEv2 VPN(リモート アクセスおよび LAN-to-LAN) 証明書ベースの認証を使用 1、2 |
crypto ikev2 enable <interface_name> tunnel-group <tunnel_group_name> ipsec-attributes ikev2 remote-authentication certificate ikev2 local-authentication certificate <trustpoint_name> |
SSH サービス5 |
ssh <remote_ip_address> <remote_subnet_mask> <interface_name> |
2 クライアントレス SSL VPN 機能は正式にはサポートされていませんが、FlexConfig で有効にできます。
3 HTTP 機能は、Cisco Firepower Management Console(FMC)の [Firepower Threat Defenseプラットフォーム設定(Firepower Threat Defense Platform Settings)] > [HTTP] から有効にします。
4 HTTP サービスは、http コマンドで設定された範囲の IP アドレスからのみアクセスできます。
5 SSH は、ssh コマンドで設定された範囲の IP アドレスからのみアクセスできます。
Cisco ASA ソフトウェア リリースの判別
デバイス上で実行されている Cisco ASA ソフトウェア リリースは、管理者がデバイスにログインして CLI で show version | include Version コマンドを使用し、その出力を参照することで確認できます。デバイスが Cisco ASA ソフトウェア リリース 9.9.2.18 を実行している場合、コマンドの出力は次の例のようになります。
ciscoasa# show version | include Version
Cisco Adaptive Security Appliance Software Version 9.9.2.18
Device Manager Version 7.4(1)
.
.
.
デバイスが Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)を使用して管理されている場合、管理者は Cisco ASDM ログイン ウィンドウまたは [Cisco ASDM ホーム(Cisco ASDM Home)] ペインの [デバイス ダッシュボード(Device Dashboard)] タブに表示される表のリリース情報を参照して、デバイスで実行中のリリースを確認することもできます。
Cisco FTD ソフトウェア リリースの判別
デバイスで実行中の Cisco FTD ソフトウェア リリースを確認するために、管理者はデバイスにログインし、CLI で show version コマンドを使用してコマンドの出力を参照できます。デバイスが Cisco FTD ソフトウェア リリース 6.2.0 を実行している場合、コマンドの出力例は次のようになります。
> show version
---------------------[ ftd ]---------------------
Model : Cisco ASA5525-X Threat Defense (75) Version 6.2.0 (Build 362)
UUID : 2849ba3c-ecb8-11e6-98ca-b9fc2975893c
Rules update version : 2017-03-15-001-vrt
VDB version : 279
----------------------------------------------------
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションに記載されている製品のみが、この脆弱性の影響を受けることが分かっています。
シスコは、この脆弱性が次のプラットフォームで実行される Cisco ASA ソフトウェアまたは FTD ソフトウェアに影響を与えないことを確認しました。
- ASA 1000V クラウド ファイアウォール
- ASA 5505 適応型セキュリティ アプライアンス 1
- Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチおよび Cisco 7600 シリーズ ルータ用の ASA サービス モジュール
- Firepower 2100 シリーズ
回避策
管理者が Cisco ASA または FTD デバイス以外の信頼されているデバイスでキー ペアとそれに対応する証明書を生成し、グローバル設定モードで crypto ca import <trust-point-name> pkcs12 <passphrase> コマンドを使用してキーと証明書を含む Base 64 でエンコードされた PKCS #12 ファイルを Cisco ASA または FTD デバイスにインポートすることにより、脆弱性が存在する可能性がある暗号キーの使用を回避できます。
Cisco Adaptive Security Device Manager(ASDM)でこのタスクを実行する手順を含む詳細については、『ASA 8.x:ASDMを使用したSSL証明書の更新およびインストール』テクニカルノートを参照してください。
修正済みソフトウェア
シスコはこのアドバイザリに記載された脆弱性に対処する無償のソフトウェアアップデートをリリースしています。お客様がインストールしたりサポートを受けたりできるのは、ライセンスをご購入いただいたソフトウェア バージョンとフィーチャ セットに対してのみとなります。そのようなソフトウェアアップグレードをインストール、ダウンロード、アクセスまたはその他の方法で使用した場合、お客様は以下のリンクに記載されたシスコのソフトウェアライセンスの条項に従うことに同意したことになります。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/end-user-license-agreement.html
また、お客様がソフトウェアをダウンロードできるのは、ソフトウェアの有効なライセンスをシスコから直接、あるいはシスコ認定リセラーやパートナーから取得している場合に限ります。通常、これは以前購入したソフトウェアのメンテナンス アップグレードです。無償のセキュリティ ソフトウェア アップデートによって、お客様に新しいソフトウェア ライセンス、追加ソフトウェア フィーチャ セット、またはメジャー リビジョン アップグレードに対する権限が付与されることはありません。
ソフトウェアのアップグレードを検討する際には、[シスコのセキュリティアドバイザリおよびアラート(Cisco Security Advisories and Alerts)] ページで入手できるシスコ製品のアドバイザリを定期的に参照して、侵害を受ける可能性と完全なアップグレード ソリューションを確認してください。
いずれの場合も、アップグレードするデバイスに十分なメモリがあること、および現在のハードウェアとソフトウェアの構成が新規リリースで引き続き正しくサポートされていることを十分に確認してください。不明な点については、Cisco Technical Assistance Center(TAC)もしくは契約しているメンテナンスプロバイダーにお問い合わせください。
サービス契約をご利用でないお客様
シスコから直接購入したが Cisco Service Contract をご利用いただいていない場合、また、サードパーティベンダーから購入したが修正済みソフトウェアを POS から入手できない場合は、Cisco TAC に連絡してアップグレードを入手してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/web/tsd-cisco-worldwide-contacts.html
無償アップグレードの対象製品であることを証明していただくために、製品のシリアル番号と、本アドバイザリの URL をご用意ください。
修正済みリリース
この項の該当する表に示すように、適切なリリースにアップグレードすることをお勧めします。本アドバイザリは以下のアドバイザリを含むコレクションの一部です。お客様におかれましては、これらも考慮したうえでアップグレード ソリューション全体をご確認ください。
- cisco-sa-20190501-asa-csrf:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアのクロスサイトリクエストフォージェリの脆弱性
- cisco-sa-20190501-asa-frpwrtd-dos:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびCisco Firepower Threat DefenseソフトウェアのTCPタイマー処理におけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-asa-ftd-dos:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびFirepower Threat DefenseソフトウェアのWebVPNにおけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-asa-ftd-entropy:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびFirepower Threat Defenseソフトウェアの低エントロピーキーの脆弱性
- cisco-sa-20190501-asa-ftd-ike-dos:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびCisco Firepower Threat DefenseソフトウェアのMOBIKEにおけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-asaftd-saml-vpn:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびFirepower Threat DefenseソフトウェアのVPN SAML認証バイパスの脆弱性
- cisco-sa-20190501-asa-ipsec-dos:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアのIPsecにおけるDoS脆弱性
- cisco-sa-20190501-firepower-dos:Cisco Firepower Threat DefenseソフトウェアのTCP入力ハンドラにおけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-frpwr-dos:Cisco Firepower Threat Defenseソフトウェアのパケット処理におけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-frpwr-smb-snort:Cisco Firepower Threat DefenseソフトウェアのSMBプロトコルプリプロセッサ検出エンジンにおけるサービス妨害の脆弱性
- cisco-sa-20190501-sd-cpu-dos:Cisco適応型セキュリティアプライアンスソフトウェアおよびFirepower Threat DefenseソフトウェアのWebVPNにおけるサービス妨害の脆弱性
次の表では、左の列にシスコソフトウェアのリリースを記載しています。中央の列には、リリースがこのアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるかどうか、およびこの脆弱性に対する修正を含むリリースを示しています。右の列は、リリースがこのアドバイザリ集に記載された何らかの脆弱性に該当するかどうか、および、それらすべての脆弱性に対する修正を含む最初のリリースを示しています。
注:修正済みリリースにアップグレードした後、管理者は、脆弱性のあるリリースの実行中に該当デバイスで生成されたすべてのRSAおよびECDSAキーペアを再生成する必要があります。
Cisco ASA ソフトウェア
Cisco ASA ソフトウェア リリース |
この脆弱性のための推奨リリース |
このアドバイザリ集で説明している脆弱性すべてに対する推奨リリース |
---|---|---|
9.4 より前1 |
脆弱性なし |
9.4.4.34 |
9.4 | 脆弱性なし |
9.4.4.34 |
9.51 | 脆弱性なし |
9.6.4.25 |
9.6 | 脆弱性なし | 9.6.4.25 |
9.71 | 脆弱性なし | 9.8.4 |
9.8 | 9.8.4 |
9.8.4 |
9.9 | 9.9.2.50 | 9.9.2.50 |
9.10 | 脆弱性なし |
9.10.1.17 |
9.12 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Cisco FTD ソフトウェア
Cisco FTD ソフトウェア リリース |
この脆弱性のための推奨リリース |
このアドバイザリ集で説明している脆弱性すべてに対する推奨リリース |
---|---|---|
6.0 | 脆弱性なし | 6.2.3.12 |
6.0.1 | 脆弱性なし | 6.2.3.12 |
6.1.0 | 脆弱性なし | 6.2.3.12 |
6.2.0 | 脆弱性なし | 6.2.3.12 |
6.2.1 | 6.2.3.12 |
6.2.3.12 |
6.2.2 | 6.2.3.12 |
6.2.3.12 |
6.2.3 | 6.2.3.12 | 6.2.3.12 |
6.3.0 | 6.3.0.3 |
6.3.0.3 |
6.4.0 | 脆弱性なし | 脆弱性なし |
Cisco FTD ソフトウェアの修正済みリリースにアップグレードするには、次のいずれかの操作を行います。
- Cisco Firepower Management Center(FMC)を使用して管理しているデバイスについては、FMC インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
- Cisco Firepower Device Manager(FDM)を使用して管理しているデバイスについては、FDM インターフェイスを使用してアップグレードをインストールします。インストールが完了したら、アクセス コントロール ポリシーを再適用します。
不正利用事例と公式発表
Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表を確認していません。
出典
この脆弱性を報告していただいた Microsoft 社の Greg Zaverucha 氏に感謝いたします。
URL
改訂履歴
バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
---|---|---|---|---|
1.1 | FTD ソフトウェア リリース 6.3.0.3 が使用可能になったことを示すために FTD の修正済みリリースの表を更新。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2019 年 5 月 2 日 |
1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2019 年 5 月 1 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
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